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毎年同じ月に売上が落ち込むお店に試してほしい!店舗集客に効果的な2つの対策【老舗和食店の女将が教える】
2024.02.13
1年の売上には波があるものです。売上の良いときはいいですが、毎年同じ月に売上が落ち込むことがわかっているのであれば、早めに対策を取ることで大幅な落ち込みを防ぐことができます。では、どんな対策が有効なのでしょうか。
それは「この時期に足を運ばなければならない特別な理由を作ること」と「リピーターのお客さまの掘り起こし」です。老舗和食店の女将が、閑散期に売上を確保する方法について詳しく解説します。
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目次
この時期に足を運ばないといけない特別な理由を作ろう
店舗営業の売上は月によって波があるものです。一般に実店舗経営においては天候が悪い日が続くと客足が落ちがちですし、逆に人出が多くなる年末年始やゴールデンウィークになると忙しくなるなど、一定の傾向がありますよね。土地柄やターゲット層、業種によってその波の形はさまざまでしょう。
売上に多少の波があること自体は普通の現象です。それほど大きな問題ではありません。しかし毎年決まった月に売上がガクンと落ち込むのなら看過できません。対策として、その時期に足を運ぶべき何か特別な理由を作りましょう。
ただし値下げや割引クーポンの使用はあまりおすすめできません。なぜなら人は一度安い金額でものやサービスを手にしてしまうと、次回以降、通常価格を目にしたときに高い!と感じて購入や利用を避けてしまう傾向があるからです。そのため、できる限り安くする以外の方法で来店するべき理由を作ってください。
値引き以外の方法でお店に足を運ぶべき特別な理由を作るには、新メニューの発表や期間限定のフェア・イベントなどの開催が効果的です。またコロナ禍が落ち着いて以降、体験型イベントやお客さま同士の交流の機会がある催しも人気がある模様です。こうした催しは準備に手間と時間がかかるため、手の空く閑散期は開催するのに絶好の機会となります。
ちなみに当店の閑散期は9〜11月の3か月間です。はっきりとした理由はわかりませんが、おそらく3連休が多いことや行楽シーズンとあって、旅行に出掛けてしまっている人が多いのではないかと想像しています。しかし秋はおいしい味覚がたくさん出てくる時期です。ですので当店ではこの時期、1年の中でも特に魅力的な食材を使った新メニューを投入し、お客さまに来店をすすめています。
あるいはこの時期は、過去に人気があったものの、現在は辞めてしまっているメニューを復活させて提供したりもしています。人気なのに辞めてしまった理由のほとんどは、価格のわりに手間がかかるからでした。しかし閑散期は時間にゆとりがある場合が多いです。こうした時期を狙って、かつての人気メニューを期間限定で提供するようにしています。昔から常連のお客さまには懐かしいと喜ばれ、最近常連になってくださったお客さまには目新しい料理が提供できて一石二鳥となっています。
注意事項としては、閑散期になる前から徐々に準備を進めておくことです。いくら時間があるとはいっても、新メニューの発表やイベントは急には始められません。閑散期に入ってから慌てることのないよう事前に計画を立てておいてください。
最近来られていないお客さまの掘り起こしをしよう
来客が減るのには天候やビッグイベントの後などさまざまな要因が考えられますが、リピーターのお客さまの足さえ遠のいているときに、新規のお客さまを呼び込もうとするのはあまり得策ではありません。最近来られていないお客さまの掘り起こしをすることで来店客数を増やしましょう。
アプローチ1:SNSの活用
閑散期はX(旧Twitter)やInstagramなどSNSの投稿に、いつもよりさらに力を入れたいところです。イベントや新メニューのお知らせはもちろん大事なのですが、ひとめ見て宣伝だとわかると読み飛ばしてしまう人も中にはいます。比較的時間があるこの時だからこそ、じっくりSNSと向き合い、読み物としておもしろいと思ってもらえる投稿をしてみてください。
あまりに長文だと読まれにくいですが、かといって無理やり短文に抑えようとしなくても大丈夫です。多少長い文章でも、もともと自店を好んで来店してくださっている方であれば興味深く読んでくださるでしょう。しばらく足が遠のいていた方には思い出してもらえるきっかけになるかもしれません。しっかりと書き込んだ投稿は宣伝よりもコメントをもらえる率が高くなるので、丁寧に返信してコミュニケーションを図ってください。たとえSNS上のコミュニケーションであっても、人は親しみを感じた相手には直接会いに行きたいと思うものです。
ちなみに当店は歴史の長い店なので、しばしば閑散期などのタイミングを使って昔のヒストリーを写真と共に紹介する投稿を行っています。あるいは人気メニューのレシピを公開したり、和食メニューの用語解説などを書いて、より自店に興味を持ち、来店につながるよう工夫をしています。
アプローチ2:お客さまへダイレクトに来店を促す
私は閑散期になるとよく店の周辺を散歩し、お客さまを見つけてはあいさつをするようにしています。お客さまは日ごろ、自店だけではなくいろんな店に足を運んでいるものです。ですのでしばらく行かないとそのお店のことを忘れてしまいます。しかし直接顔を見てあいさつをすればいっぺんに思い出してもらえます。場合によっては「○日に行く」と来店の約束をしてくれるケースもあるのです。
買い出しや店舗の周辺を掃除するタイミングなどがあれば周りをよく見渡し、知っているお客さまが通られないか注意深く観察してください。知っているお客さまを見つけたら、「お変わりないですか?」などと様子を伺う会話から始めてみるとよいです。日ごろのお客さまとの関係性にもよりますが、話が盛り上がれば近いうちに来店していただきたい旨を伝えると良いでしょう。
当店は雇用しているスタッフにも、店の外でお客さまと遭遇したらなるべくあいさつをするように伝えています。店主がお客さまにあいさつをするのは普通かもしれませんが、スタッフまであいさつをするとなれば、いっそう喜ばれるものです。
また当店の場合、懇意にしているお客さまには直接メールなどをすることもあります。先ほどと同様、仕事や介護、子育てなどで忙しいこともあるので様子を伺いつつ、近いうちにお顔が見られたら嬉しいなどと伝えています。ありがたいことに、このように連絡をするとたいてい1週間以内には来店していただけます。もしもお客さまに来店を直接お願いするときは、強制したり断りづらい雰囲気にならないように気を付けてください。また、困ったときだけ助けを求めてくる店だと思われないよう、普段から交流を深めておくことが大切です。
日々の積み重ねを丁寧に
閑散期にお客さまを呼び込むことは簡単ではありません。いきなり大きな集客を目指すのではなく、1人でも多くのお客さまに来ていただけるよう丁寧に取り組むことを心がけると良いでしょう。売上を他の月並みに上げるというより、大幅な落ち込みを防ぐという考え方です。
また、ピンチの時は普段の行いやこれまでのお客さまとの関係性がものを言います。繰り返しになりますが、閑散期になっていきなり何かしようとするのではなく、常日ごろからお客さまとコミュニケーションをとり、良いもの・良いサービス・気持ちの良い時間を提供できるよう意識してみてください。
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この記事の著者
弥報編集部
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この記事の監修者
小保下 グミ(老舗和食店の女将)
老舗和食店の女将。夫が後を継いだ家業で経営全般に関わる。現在は休業中。
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