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【2026年4月開始】協会けんぽの新たな健診制度と実務ポイント
2026.05.18

2026年4月より、協会けんぽの新しい健康診断(以下、健診)制度が始まりました。具体的には人間ドック健診の補助、生活習慣病予防健診の対象拡大、女性向けの骨粗しょう症検診の導入など、大きな見直しが行われています。これにより、労務担当者は健診制度の内容を理解するとともに、対象者の把握や従業員への周知、健診における社内フローなど、実務面の整理およびアップデートが求められます。
今回の記事では、協会けんぽによる新たな健診制度の内容と、労務担当者が押さえておきたい実務ポイントについて解説します。
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目次
健診が果たす役割と早期発見の重要性
健康診断は、病気の早期発見や健康維持において極めて重要です。特に生活習慣病の予防や、女性特有の病気を予防するための健康管理は近年ますます重要視されています。
生活習慣病予防健診とは
生活習慣病(がんや心疾患、脳血管疾患など)は、初期段階では自覚症状がないことも多いといわれています。自覚がないまま進行すると、心筋梗塞や脳卒中といった深刻な疾患を引き起こす可能性があります。
特に「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」は、内臓脂肪の蓄積に加えて血圧や血糖値が基準値を超えた状態を指し、これらが重なることで各疾患の発症リスクが急激に高まります。
生活習慣病予防健診による生活習慣の改善や病気の早期発見・早期治療は、従業員の生活の質の向上や医療費の抑制などの効果があります。また、従業員が健康で長期的に働けることは、企業の生産性維持にも不可欠といえます。
女性の健康管理の重要性
女性の社会進出が進む中、長期的なキャリア形成を支えるための健康管理体制の構築は、企業にとって重要な課題です。
特に女性特有の健康リスクとして挙げられる「骨粗しょう症」は、骨密度が低下して骨がもろくなる疾患ですが、この疾患も初期では自覚症状が乏しいといわれています。進行すると骨折のリスクが高まり、将来の介護要因にもなり得るため、早期発見と適切な対策が強く推奨されています。
これらを踏まえて協会けんぽは、2026年4月から、健診体系をより手厚いものとなるよう見直しを行っています。
【労務業務に特化したAI】弥生のいつでも労務相談AI2026年4月以降の新たな健診体系
ここからは、2026年4月以降の新たな健診体系の詳細を解説します。
人間ドック健診への補助制度新設
2026年4月から、35歳以上の被保険者を対象に「人間ドック健診」への補助制度が新設されました。
従来の生活習慣病予防健診ではカバーしきれなかった詳細な検査を、従業員が費用負担を抑えながら受診しやすくなります。

生活習慣病予防健診の対象年齢拡大
若い世代であっても、身体の不調を早期に発見することは重要です。また、健康意識を高めて日頃の生活習慣を見直すことは、将来の健康を守ることにつながります。
2026年4月からは、これまで35歳以上を対象としていた生活習慣病予防健診(一般健診)が、「20歳、25歳、30歳の被保険者」へと対象者が拡大されました。なお、この20歳、25歳、30歳の健診は、若年者向けとして35歳以上の一般健診の検査内容と一部異なります。

骨粗しょう症検診の新設
女性の健康サポートを強化するため、2026年4月から新たに骨粗しょう症検診が新設されました。この検診は生活習慣病予防健診(一般健診)に追加する形で実施されます。
骨粗しょう症は性別を問わず起こる可能性がありますが、特に閉経後の女性は、急激に骨量が減少する傾向にあるといわれています。骨密度の低下を早期に把握し、適切な食事や運動習慣へとつなげることで、将来の骨折や転倒リスクを軽減します。

2027年度から被扶養者への適用拡大
2027年度からは、被扶養者にも上記「1」~「3」の健診制度が適用され、被保険者と同等の健診内容に拡充される予定です。
これにより、従業員の家族も含めた健康増進および疾病予防の取り組みが図られることとなります。なお、現行の特定健康診査(特定健診)は引き続き実施される予定です。
【労務業務に特化したAI】弥生のいつでも労務相談AI実務における対応ポイント
ここからは、健診の実務の流れや、それぞれの対応ポイントを解説します。
健診の流れ
労務担当者は、各健診の対象者の抽出、従業員への健診案内など、実務フローや社内様式などを見直し、新たな健診制度にも対応した運用ができるよう準備を行います。
以下は、健診における実務フローの例です。

企業は1年以内ごとに1回、従業員の定期健康診断を実施する義務があり、協会けんぽの生活習慣病予防健診を定期健康診断として活用するケースも多く見受けられます。この場合、法令遵守のためにも、生活習慣病予防健診の未受診者には受診を促す必要があります。
そのため、従業員ごとに健診の種類や健診予定日、健診実施機関、受診状況などを記載した健診管理表を作成し、受診状況の把握を行うことをおすすめします。
①対象者の抽出
生年月日や性別に基づき、健診の種類ごとに対象者をリストアップします。対象者は被保険者であることが必要です。
なお、年齢はその年度中に達する年齢によって判断します。たとえば、2026年度の場合「2026年4月2日~2027年4月1日」のあいだに達する年齢となります。年齢の考え方には留意が必要です。
人間ドック健診および生活習慣病予防健診の対象者は以下のとおりです。

以下は、一般健診・節目健診の受診者のうち自身が希望した場合に追加で受けることができる健診です(単独での受診不可)。

②従業員への案内
被保険者である従業員に対して、健診受診の案内を行います。従業員自身が健診実施機関を選択する場合は、健診を実施している機関の情報提供もあわせて行います。
以下は、案内事項の例です。健診実施機関の予約者(従業員か労務担当者か)、費用の精算方法など、企業によってルールが異なります。自社のルールに従って必要事項を案内します。

協会けんぽのサイトでは、被保険者および被扶養者それぞれに向けた生活習慣病予防健診のリーフレット(2026年度版)が公開されています。ご活用ください。
また、以下のサイトから全国の生活習慣病予防健診、人間ドック健診、特定健診の実施機関を検索できます。参考にしてください。
③健診実施機関の予約
受診を希望する健診実施機関の予約を行います。誰が予約を行うかは企業によって異なるため、自社のルールに従います。

予約方法は、インターネットや電話、FAXなど健診実施機関によって異なります。くわしくは健診実施機関にお問い合わせください。
④健診前の対応
健診受診日が近くなると、健診実施機関から健診セットが届きます。受け取り先は、従業員の自宅や企業など健診実施機関によって異なります。企業に届く場合、労務担当者は従業員に健診セットを配付します。
なお、健診前の従業員に対して、注意事項を周知しておくことも有用です。

⑤健診結果の通知
健診実施機関から従業員の自宅または企業に健診結果が届きます。企業に届く場合は従業員に健診結果を配付します。
なお、以下のような判定を受けた従業員に対しては、適切な対応を行うように促します。

【生活習慣病予防健診を定期健康診断として活用する場合の義務】
定期健康診断を実施後、企業は以下の対応を行う義務があります。
- 健診結果を5年間保存
- 異常所見が認められた従業員がいる場合、受診から3か月以内に医師等の意見を聴取し、必要に応じて就業上の措置(就業場所や職務の変更、労働時間の短縮、深夜業の回数削減など)を講じる
- 従業員数が常時50人以上の事業場の場合、健診結果を遅滞なく労働基準監督署長へ報告
特定保健指導について
健診の結果、メタボリックシンドロームのリスクが高いと判定された40歳~74歳までの方に対して、保健師や管理栄養士が生活習慣の改善サポートを行います。これを「特定保健指導」といいます。日頃の生活を見直して内臓脂肪を減らすことが、将来の病気予防につながります。

おわりに
実務面においては、このほかにも健康管理規程や社内様式の変更が必要となる可能性もあります。また、これまで人間ドック費用を負担していた企業は、人間ドック健診の補助制度新設に伴い、費用負担の社内ルールの見直しなども想定されます。
労働力不足が深刻な今の時代において、従業員の健康は代替できない資産です。新しい健診制度を積極的に推進するなど、健康経営に真摯に取り組むことは、優秀な人材の定着や労働生産性の向上などにつながることが期待されます。
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この記事の著者
弥報編集部
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