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老舗和食店の女将に聞く「お客さまに忘れられないお店」になるために経営者ができる5つの工夫

2023.08.15

通っていたお店に行かなくなってしまう理由は「嫌いになったからではなく、忘れてしまったから」というのが大半だという説があります。

今この記事を読んでいる皆さんも、意識して思い出せば「そういえば最近行っていなかったな」と思うようなお店が何軒かあるのではないでしょうか。別に商品やサービスが悪いわけではないのに、なぜか記憶の片隅に追いやられてしまうお店です。

お店の存続には、お客さまに忘れられないことがいかに重要かがわかります。生き残るためには、お客さまの記憶にしっかりと残るような工夫をしていきたいもの。老舗和食店の女将が、お客さまの記憶に残る5つの具体的な工夫についてご紹介します。


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忘れられないほどのインパクトは「人」で残そう

忘れられないお店になるためにはインパクトが必要です。一度足を運んだだけなのにしっかりと記憶に残っているお店というのは、何かしらのインパクトがあるお店ではないかと思います。おそらく、これを読んでいらっしゃる皆さんにもそのようなお店があるのではないでしょうか。

インパクトを残すといってもSNS映えを狙って見た目を派手にしたところで、写真撮影をしたい人ばかりが集まってしまうのは問題です。写真撮影をしに来るお客さまは撮影した写真をSNSにアップし、たくさんのいいねをもらうことが目的なので、その後のリピートにつながりにくい傾向があります。

そこで私がおすすめしたいのが「人でインパクトを残す」方法です。スタッフや経営者自身のキャラクターを活かし、一度来たら忘れられないお店を作ってみてはいかがでしょうか。

例えば地方出身の方であれば方言を直さずに、そのままの話し口調で接客するととてもインパクトがあります。青森県出身のタレントが訛りの強い青森弁をしゃべって活躍しているように、方言は他の地方に住む人からするととても魅力的で、忘れられなくなる要素の一つです。

他にも私の知人で飲食店を経営している男性は一年中、金髪リーゼントでオープンキッチンに立っています。言うまでもなく見た目のインパクトは絶大で、お店の名前を出すよりも「金髪リーゼントのお兄さんの店」と言ったほうが通じるぐらいです。見た目を変えることはだれにでもできるので、お客さまの印象に強く残るような外見に変えてみるのも一つの策でしょう。

特定の歌手やアニメ、スポーツチームなどのファンを公言することで、お客さまに強い印象を残しているお店もあります。私の知っているお店の店主はディズニーの大ファンで、トイレや店内のちょっとしたスペースなどそこかしこにディズニーのグッズを飾り、ディズニーファン以外のお客さまの目も楽しませています。また先日は有名な日本人メジャーリーガーの稀少なグッズを院内に展示し、さながら記念館のような空間にしてしまった歯科医師がテレビで紹介され、話題になっていました。どちらも個性的で一度行ったら忘れられなくなるはずです。

ちなみに私はお客さまに背が小さいことと、夫とともにあるプロ野球チームの大ファンであることで知られています。「野球好きのちっちゃな女将さん」という風に覚えてくださっている方が多く、今後も個人としてのキャラクターをより一層強めていこうと考えています。

季節商品の投入は習慣化するのがおすすめ

季節メニューの投入もおすすめです。年によりますが、当店ではだいたい1年で4〜5種類の季節限定メニューを提供するようにしています。

いつも同じ料理を出していると「いつでも食べられるから、また今度でいいや」という心理が働きがちです。このように来店を後回しにしているうちに、いつの間にか忘れてしまうのです。そこで季節メニューを定期的に投入して「今の時期はどんなメニューをやっているのかな?」と思い出してもらうきっかけになれば、というのが狙いです。

ある常連さまは「次の季節は何のお蕎麦にするの?」と次回の限定メニューの詳細を早々にチェックしてくださり、新しいメニューが始まるとすぐに来店してくださいます。また季節のメニューを気に入ったときには「このお蕎麦、また来年もやってくれる?」とリクエストしてくれます。「来年も提供しますよ」と伝えると、次の年の同じ季節を楽しみにしてくださっていたりもするのです。うちは毎年冬に「牡蠣そば」を提供しているのですが、それをたいそう気に入ってくださり、毎年冬にだけ密に通ってくださる方もいます。「寒くなってきたからそろそろかな?今年も行かなきゃ!」と、覚えてくださっているんですよね。

生身の人間に勝るものはなし!街でお客さまに会ったら積極的にあいさつをしよう

お客さまに忘れられないようにする究極の方法といえば、顔を見てあいさつすることです。

お店を経営していると、営業時間外に店の周りを歩くだけで何人ものお客さまに出会うものです。これはお店のことなんてすっかり忘れてしまっていたお客さまに、顔を見て思い出してもらう大きなチャンス。知らないふりなどせず、積極的にあいさつしてみてください。

ちなみに私が店の外でお客さまに遭遇したときは、「よかったら今日どうですか?」とか「今週末に寄ってくださいませんか?」などと伺って約束を取り付けてしまうこともあります。冗談のつもりで軽くお願いすると案外OKしてくれることがあるので、言うだけ言ってみるのもありだと思います。

お客さまに直接来店をお願いする方法については別記事にまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。

(参考)
来店数を増やすにはお客さまに直接お願いするのもアリ?必要な伝え方を老舗和食店の女将に聞く|弥報Online

ネット上以外でも目に触れる機会を増やそう。まずは少額で始められるものから

最近では宣伝というともっぱらSNSを使うのが主流ですが、なにもインターネットを利用した宣伝にしか効果がないわけではありません。例えば街中の目立つ場所で自店をアピールすることができれば、そこを行き交う人々の目に触れる良い機会になります。自店のことを忘れかけていても、思い出してもらえる一つのきっかけになるでしょう。あまり費用のかからないものをご紹介します。

1.地域の町おこしイベントに参加する

今の時代、多くの地域で町おこしイベントなるものが開催されています。費用は数千円のものから、売上に応じてパーセンテージを支払うものまでさまざまで、総じて小規模店舗でも手が出しやすい価格帯であることがほとんどです。当店も食関連の町おこしイベントに一度だけ参加したことがあるのですが、パンフレットに名前が載るだけでも既に多くの方の目に触れることがわかりました。イベントの準備は確かに大変ですが、コストパフォーマンスのいい宣伝方法です。

2.地元のスポーツチームの一口スポンサーになる

近年バスケットボールやサッカー、卓球など、地元に密着したスポーツチームの運営が盛んになっています。これらチームが必要とする運営資金は、一般企業や個人から一口数千円で募っていることがよくあるので、チェックしてみてください。チームにより条件は異なりますが、スポンサーになると選手のユニフォームやトレーニングウエアなどに、自店の名前が掲載されるなどの特典があります。それを見た人がすぐに来店するというわけではありませんが、〇〇が欲しい!と思ったときに一番に思い出してもらえるようにするためにも、このような広告を利用し、自店の名前を目にしてもらう機会を少しでも増やすことが大切です。

3.電柱広告は1つにつき月額数千円から

小さなお店でも手を出しやすい広告といえば電柱広告です。こちらも月額2,000〜3,000円で始めることができます。広告は新規のお客さまに向けて発信するイメージかもしれませんが、来店したことのあるお客さまも、通勤途中などで毎日広告を目にしてもらことで、記憶に残ることができます。リピートに繋げるという意味では、通勤によく利用される道や大通りなど、お客さまの生活圏の中に広告を出すことが望ましいです。

4.仲の良いお店とチラシを交換する

地道な手法としては、地域で仲良くしているお店とチラシを交換してお互いに掲示するという方法もあります。業種は関係なく行きつけの美容室や接骨院など、掲示してもらえそうなお店があれば声をかけてみてください。他店のチラシを掲示していると、お客さまから「このお店、行ったことありますよ」などと話題になることもあります。お店の人と会話したという経験自体がお店を思い出してもらえるきっかけにもなりますから、なるべく多くのお店に設置してみてください。

ここまで4つの宣伝方法をご紹介しました。忘れられていないことを数値化することは難しく、費用対効果を測定するのも困難なため、効果を実感できるのは数か月後とか、1年後になるかもしれません。長期的に考え何をするにせよ、上述したようなコストを掛けずにトライできるものから始めてみてください。

高い費用を払ったりバズを狙ったりしなくても、お客さまに自店の存在を忘れないでいてもらうことは可能であるとおわかりいただけたでしょうか。ご紹介した方法以外にも自店をPRできる機会がないか、ぜひ日ごろからアンテナを張ってみてください。


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この記事の監修者

小保下 グミ(老舗和食店の女将)

老舗和食店の女将。夫が後を継いだ家業で経営全般に関わる。現在は休業中。
noteにて定期購読マガジン「小さなお店のちいさな女将」を運営。飲食店経営や自営業の生き方・働き方について発信中。

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