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年間300冊のビジネス書を読破!プロ書評家に聞く「スモールビジネスのための選書術」

ビジネス書を読みたいと思っても「限られた時間の中でどの本を読んだらいいのかわからない」、「話題の本を読んだけど何も残らなかった」……そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

読むべき本を的確に選び、効率よく読んで仕事に活用する方法を、年間300冊のビジネス書を読破する読書の達人、書評・要約サイト「ブックビネガー」編集長の坂本海(さかもと・うみ)さんに聞きました。

坂本 海 氏

兵庫県出身。大学卒業後、半導体商社を経て、SBIインベストメントでベンチャー投資の審査や経営支援に従事。現在はスタートアップ企業において事業戦略・ファイナンスを担当。書評・要約サイト「ブックビネガー」編集長。ビジネス書読書会「朝・カフェで読書会」主宰。2019年5月 ぱる出版社より「神・読書術」を上梓

ビジネス書は役に立つ!その実感が年300冊のモチベージョン

――坂本さんはビジネス書をピーク時には年間500冊読まれ、今でも年に300冊は読まれるそうですが、いくら効率よく読むと言っても、ほぼ1日1冊読み続けるのは大変ですよね?それを続けるモチベーションはどこから生まれてくるのでしょうか?

坂本海氏(以下、坂本):学生時代からビジネス書好きだったわけではなく、当時は小説や歴史本を好んで読んでいました。ビジネス書を読むようになったのは社会人になってからですね。

僕は就職氷河期世代なこともあって、社会人になった時から「これからはスキルを身につけないと生き残れない」という気持ちを強く持っていました。それでスキルを身につける方法の一つとして、ビジネス書を読み始めたら意外に面白かったんです。

もちろんはじめから今のようなペースで読んではいませんでしたが、継続して読んでいくうちに、読んだことが実際に役に立つという実感が、なんとなく出てきたので数多く読むようになりました。

――「実際に役に立った」というのは具体的にはどんなことですか?

坂本:教科書的な本で得た実務知識はもちろん直接的な業務に役立ちましたが、それよりも、たくさんの本を読むことで少しずつ仕事のやり方が変わりましたし、ものを見る視点や考え方が増えました。

また、本をきっかけとして人との繋がりが広がってきました。どんな仕事でも人間関係は重要ですから。人との繋がりが生まれたり深まったりするのが本を読むことの一番大きな効果だと感じています。

幅広い分野から「今の自分に必要な良書だけ」を選んで読む

2019年5月23日に発刊された坂本さんの著書「神・読書術」(ぱる出版)。長年の読書経験から開発した独自の読書メソッド「エッセンシャル読書術」を公開している

――著書「神・読書術」では、本の読み方だけでなく、選び方にもかなりのページを割いておられますが、坂本さんほどたくさんの本は読めない一般の方には読む本をどう選ぶかはとても重要ですよね。

坂本:その通りです。僕は「ビジネス書を読む目的は、読むことそのものではなく、実際に役立てること」だと思っています。ですから、本の選び方(選書法)は極めて重要です。粗悪な本を読むことは時間を無駄にするだけでなく、間違った情報を信じてしまうことにもなりかねません。100冊の駄本を読むより、1冊の良書を読む方がずっと役に立ちますから、本選びには十分に時間をかける価値があります。

――偏りなく広い範囲をバランス良く読むことを勧めておられますが、読むべき本の範囲は、こちらの本に掲載されている「ブックカテゴリーマップ」の範囲ですか?

坂本:自分が読んできたプロセスを振り返ってまとめてみたら、こういう図になりました。もちろん、新入社員が経営の本を読んでもいいですが、目の前の仕事に必要な知識やノウハウを身に付けるための基礎となる読書が優先ですよね。今のご自分の立ち位置でどの分野を重点的に読むかという参考にしていただければと思います。

たとえば「古典を読め」とよく言われますが、必ずしも古典を読む必要はないと僕は考えています。古典が伝えようとしている内容は現代にも通じることも多いですが、そうでないことも多々あります。また、時代背景やエピソードなどが古臭く感じられて共感できず、読書のモチベーションが削がれてしまうことも少なくありません。

特に読書初心者の方は、古典にこだわり過ぎず、新しい本の中からモチベーションを上げてくれる良書を選んで読んでいくのがいいと思います。

良書選びのコツは「書店」「書評」「人」の活用

――読む価値のある良書の選び方を具体的に教えていただけますか?

坂本:本を選ぶ時に参考にするのは大きく、書店・書評・人の3つです。

まず大切なのは書店選びです。今はアマゾンなどネット書店で本を買う方が多いと思いますが、ネット書店のレコメンドに頼り過ぎると読む本がどうしても偏ってしまいがちです。視野を広げたり、新しいアイデアを得るには全然違う分野の本を読んでみることも必要です。できれば、リアルな書店とネット書店を併用してください。

坂本さんがよく利用する「BOOK LAB TOKYO」は独自の視点で選んだ幅広い分野の本が並び、新しいことに関心を持つきっかけになる

――書店に足を運ぶ場合、どんな店がおすすめですか?

坂本:大規模な総合書店は古典から新刊まで一通り並んでいて、多くの本が目に入りますので、バランスよく選ぶことができると思います。選書に特徴のある書店と並行して活用するとメリハリもつきますので、複数の書店を並行して利用できるといいですね。

そして、読むべき本を選ぶコツは、これはアマゾンなどのネット書店にも共通して言えることですが、本のタイトルや売れているかどうかだけで選ばないことですね。目次・著者は必ずチェックしましょう。

目次を見れば書かれている内容がおおよそ推測できます。ビジネス書の場合、重要なことは本の前半に書かれていることが多いですから、目次の前半とタイトルの関係から内容の良し悪しを見極められると思います。

著者のプロフィールからは実体験に基づいて書かれているのか、学術的な視点なのかなどがわかりますし、その方の専門分野や業績から自分に役立ちそうか判断することができます。

――ネット書店での選び方のポイントはどこでしょうか?

坂本:同じテーマで本を探したい時にはレコメンドは役立ちます。評価は総合点だけでなく、レビューの数や分布、できれば中身も確認した方がいいですね。

数が少なく高い評価ばかりがついているのは関係者が付けていることもありますので、あまり参考にはなりません。数が多く、高い点を付けている人が多い本の場合、極端に低い評価をつけているレビューをチェックすると参考になることも多いです。

「書店ではできるだけ全ての書棚を回り、普段読まないジャンルの本を手に取って開いてみることも視野を広げるために大切です」(坂本氏)

――ポイント2つ目の「書評」についてですが、なんとなく新聞や雑誌の書評欄を思い浮かべますが、他にもあるのでしょうか?

坂本: 近頃はネットの書評サイトも充実しています。僕は「ブックビネガー」というビジネス書の書評・要約サイトを運営していますが、他の書評サイトも利用しています。

中には有料のものもありますが、その価値はあると思っています。複数のサイトをチェックするだけでかなりの本の情報が得られ、書評を読んで適切な本を選ぶことで無駄な読書をする時間を減らすことができますからね。

坂本さんが運営している書評・要約サイト「ブックビネガー」。既に2,000冊以上分の記事が蓄積されており、現在も週4冊程のペースで更新中

坂本:そして、同時に3つ目の「人」ですが、読書家の友人が周りにいると良い本に出逢う確率は飛躍的に上がります。信頼できる人にどんな本を読んでみるか聞いてみましょう。

周りにいなければ、ネットで興味の近い人をフォローしてその人が紹介している本を読む、ネット書店で「この人の視点はいいな」と思うレビュアーが高く評価している本を読んでみる方法があります。

オススメの本を紹介し合う読書会に参加すれば、本の情報も得られますし、本好きと知り合えます。近くで開催されている読書会がないかチェックしてみてください。

選んだ本は効率的に読んでしっかり活かす!

――読む本が決まっても時間が取れず、なかなか読み終われません。坂本さんはどうやって読んでいるのですか?

坂本:短時間で効率よく本を読むために、従来からある速読法などを自分も試してみましたが、どうしても合いませんでした。フォトリーディングなどの速読術を身に付けている人が少ないのは合う人が少ないからではないかと思います。

そこで、自分なりに効率のいい読み方を工夫してきました。結果として、僕だけでなく誰にでもできる読書法になっていると思います。

一番のポイントは「本のタイプ別に適した読み方をすること」です。知識・情報収集用の本は要点を効率よく、ストーリーものはじっくり。「要点を効率よく」の具体的な方法は「神・読書術」で詳細に説明しましたので、興味のある方は読んでみてください。

――「せっかく読んでも内容を忘れてしまう」という声もよく聞きますが、記憶に定着させるにはどうしたらいいのでしょうか?

坂本:脳科学の研究によれば、「忘れる」というのは、記憶が失われるわけではなく、検索し辛くなって思い出せなくなるそうです。検索し易くするためには、関連する情報を紐づけて脳の中に情報のマップを作っていくことが有効です。

また、インプットしたことはアウトプットすることで定着するとよく言われますが、読書も同じです。読んだ本について、箇条書きのメモでいいので内容を書き出すことを習慣付けてみてください。そのメモを関連する読書歴と紐づければ自然と脳内マップができてきます。

アウトプットの方法としては書くだけでなく話すことも有効です。昼食時の雑談で読んだ本の感想を話すなど、機会を見つけて話すのもいいですね。外部の読書会に参加して本を紹介するのもおススメです。僕も「朝・カフェで読書会」という読書会を10年近く計300回以上開催していますが、ここでできた人の繋がりは仕事にも活かせています。

――弥報Online読者の中には、会社やお店の経営が忙しく、なかなか読書会に参加する時間がない方も多いと思いますが、読書会以外に読書を繋がりに活かす方法はありますか?

坂本:仕事関係の集まりや営業の時にも本を話題にすることで相手との共通点が見つかったり、それをきっかけに話が広がって新たな展開になることもあります。どんな本を読んでいるかでどんな人かがある程度わかりますから、本の話をすることは一種のプロファイリングとしても有効です。

―― 「スモールビジネスパーソンのための選書術」実践していきたいと思います。坂本さんには、今後、弥報Onlineで「本のソムリエ」としてスモールビジネスパーソンにおすすめの本を紹介する連載をしていただく予定ですが、どんな内容になるのでしょうか?

坂本:毎回、マーケティング、マネージメントといったテーマを決めて、一冊から数冊の本を紹介していく予定です。「こんな風に役に立った」といった自分の経験も交えて紹介していきたいと思っています。

撮影:Taira Tairadate

弥報編集部
著者:弥報編集部
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