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他はどうしてる?建設業・製造業・卸売業、「あるある」売掛トラブルと対策

2026.08.03

著者:弥報編集部

監修者:牛島 文朗

売上が伸びても、回収できなければ意味がありません。債権の未回収リスクは、すべての企業にとって見過ごせない経営課題です。特に中小企業では1件の未回収が資金繰りを大きく左右するケースも少なくありません。

未回収リスクは、業種ごとの取引構造や商習慣の違いによって、あらわれ方が異なります。この記事では、建設業、製造業、卸売業について業種ごとに起こりやすい債権の未回収の実態と、日々の実務で押さえるべき対策を解説します。また、未回収リスクへの備えとして有効な売掛金保証サービス(以下、売掛保証)である「ギャランティ for 弥生ユーザー」について、アラームボックス株式会社の牛島さんに詳しく伺いました。


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業種によって異なる債権未回収リスクとは

債権の未回収リスクの現れ方は、業種ごとに異なると聞きます。代表的な業種の実態を教えてください。

業種によって債権の未回収リスクが異なるのは、取引構造や商習慣が異なるからです。例として、建設業、製造業、卸売業についてご紹介します。

まず建設業ですが、1件当たりの取引金額が大きいケースが多く、工事期間も長期にわたる傾向があるのが特徴です。そのため、1件の債権が未回収になるだけで資金繰りに与える影響が大きくなりがちです。

さらに多重下請け構造である点も特徴的で、元請け、下請け、さらにその下請けといった形で取引に関連する企業が連なっているケースが多くあります。発注者だけでなく、商流のどこかの企業で資金トラブルが起きると、その影響が連鎖的に波及しやすくなります。

製造業の場合はいかがでしょうか。

製造業でよく見られるのは、特定の取引先への依存度が高いケースです。長年の取引関係の中で、売上の大部分を特定の企業に依存している企業も多く、その取引先の経営が悪化すると、一気に資金繰りが厳しくなるリスクがあります。

卸売業についても教えてください。

卸売業は、取引先の数が多い点が特徴です。新規取引も頻繁に発生するため、どうしても与信管理が煩雑になりがちです。その結果、個々の取引先の信用状況の把握が追いつかず、気づかないうちにリスクの高い取引先と取引を続けてしまうことがあります。

このように、同じ「売掛金の未回収リスク」といっても、業種ごとに取引構造や商習慣が異なれば、未回収リスクの発生パターンも変わってきます。自社の業種や取引の特性を理解したうえで、どのようなリスクが起こりやすいのかを把握することが、適切な未回収リスク対策のために必要です。

建設業・製造業・卸売業で起こりやすい未回収トラブル

建設業、製造業、卸売業のそれぞれで、よくある未回収トラブルの事例を教えてください。

まず建設業で多いのは、元請けや発注者側のトラブルが下請けに波及するケースです。

例えば、元請け企業の資金繰りが悪化したり、発注者との間でトラブルが発生したりすると、その影響で下請けへの支払いが遅延・停止することがあります。多重下請け構造の中では、こうした影響が連鎖的に広がり、最終的に現場を担う企業ほど大きなダメージを受ける傾向があります。

製造業ではどのようなケースがありますか。

製造業では、主要取引先の経営悪化によって売掛金の回収が困難になるケースがあります。特に、売上の多くを依存している取引先がある場合、その企業の業績悪化や倒産によって、一度に多額の売掛金が未回収となってしまいます。

長年の取引関係があると与信判断が甘くなりがちですが、その分、未回収が発生したときの影響も大きくなります。

卸売業についてはいかがでしょうか。

卸売業では、新規取引先の増加に伴う管理漏れや、故意に支払いをせずに逃げる、いわゆる取り込み詐欺のリスクが挙げられます。

取引先数が多くなるほど、一社一社の信用状況を細かく把握することが難しくなり、十分な与信確認を行わないまま取引を開始してしまいがちです。その結果、初回取引後や短期間の取引後に連絡が取れなくなるなど、売掛金が回収できないトラブルにつながってしまいます。

このように業種ごとに未回収トラブルの背景や発生の仕方には違いがあります。自社の業種で起こりやすいパターンを理解しておくと、事前の備えや早期の対応につなげることが可能になるでしょう。

近年は物価高などが経営を圧迫するケースが増えていると思いますが、業種を問わず未回収リスクは高まっているでしょうか。

はい。近年では、多くの業種で物価高騰や原材料価格の上昇といった外部環境の変化が経営に与える影響が大きくなっています。

コスト増加に耐えきれず、資金繰りが急激に悪化する企業も増えており、これまで問題なく取引できていた相手であっても、突然の倒産や支払い遅延が発生するリスクが高まっています。業種の取引構造や商習慣の視点だけでなく、新たな環境の変化にも注意が必要です。

債権未回収リスクを防ぐための実務ポイント

債権の未回収リスクに対応するには、どのような対策をすればよいでしょうか。

基本となるのは、取引開始時の与信管理と、継続的なモニタリングです。

まず、新規取引先については契約前に慎重に与信確認を行いましょう。企業情報や財務状況、過去の取引実績などを確認し、安心して取引できる相手かを見極めるプロセスを省略しないことが、未回収リスクの低減につながります。

続けて継続的なモニタリングについてご説明ください。

与信は一度チェックして終わりではなく、継続的に行うことが大切です。取引先の経営状況は外部環境の影響も受けて常に変化していますので、定期的に情報収集を行い、状況の変化を把握する仕組みを整えましょう。

ただ、すべての取引先を継続的にモニタリングする余裕がない企業も多いと思います。その場合には、重要度の高い取引先に絞って重点的に行うと効果的です。

例えば、取引額が大きい取引先や、自社の売上に占める割合が高い取引先は、その企業の経営悪化が自社に与える影響も大きくなります。こうした取引先を優先して継続的に与信確認を行い、経営状況の変化を早期に把握することが重要です。

また、特定の取引先への売上依存度が高くなりすぎている場合は、必要に応じて取引先の分散も検討すると、未回収リスクの低減につながります。

新規の与信管理やモニタリングについては、外部の与信管理サービスを利用すると調査の手間が省け、専門知識が乏しくても効率的に与信管理を進められます。詳しくは「会計ソフトで数字、アラームボックスでリスク管理を。弥生グループが実現する『中小企業の新しい経営基盤』とは?」の記事もご覧ください。

日々の取引の中で気をつけるべきポイントはありますか。

まずは、変化の兆しに気づくことです。例えば、短期間で急激に取引額が増えた場合には注意が必要です。一見すると売上拡大のチャンスに見えますが、資金繰りに問題を抱えた企業が取引を拡大しているケースもあり、結果として未回収につながる場合があります。

また、トラブル発生時に備えて、受発注書や契約書、納品書などの証拠書類をしっかりと残しておくことも大切です。法的な対応や交渉時に有効なだけでなく、この後ご説明する売掛保証を利用していた場合には事務処理をスムーズに進められます。日常業務の中でルール化しておくとよいでしょう。

売掛保証を活用するメリット

売掛保証の概要と活用するメリットをご説明ください。

債権の未回収リスクに対応するための有効な選択肢のひとつが、売掛保証です。

アラームボックス株式会社では、弥生ユーザー限定で「ギャランティ for 弥生ユーザー」を提供しています。このサービスは、取引先の倒産や未払い、支払い遅延などが発生した場合に、売掛金を保証するサービスです。

売掛保証は、新規取引に対する不安を軽減しながら、より積極的に営業活動を行える点が大きなメリットです。新規開拓では、債権を回収できないリスクが不安で取引開始に慎重にならざるを得ないケースも多いのではないでしょうか。そのような時でも、売掛保証を活用することで、未回収リスクの一部をカバーできれば、積極的な営業活動につなげられるでしょう。

与信管理業務の負担は軽減できるでしょうか。

はい、軽減できます。取引先ごとの信用状況を調査し、内容を判断するには相応の手間と専門知識が必要です。しかし売掛保証を活用すれば、手間のかかる調査や、情報整理までを保証会社に委ねることができます。これにより、本来注力すべき営業活動や商品・サービスの改善といった本業に集中しやすくなるでしょう。

売掛保証の利用が取引先に知られる可能性はありますか。

いいえ、保証が履行されるまでは、取引先に知られる心配はありません。これまで通りの関係性を維持しながらリスク対策を講じられます。

「ギャランティ for 弥生ユーザー」を導入する場合、事務手続きと審査のスピードについて教えてください。

「ギャランティ for 弥生ユーザー」の導入手続きは、すべてWebで完結します。難しい専門知識や書類提出は不要で、弥生IDとの連携で、すぐに利用を開始できます。煩雑な手続きがないため、手間をかける余裕のない中小企業でも取り入れやすいサービスです。

また、審査結果は原則2営業日以内にご案内します。迅速な審査体制を整えており、多くのケースでスピーディーにご利用いただけます。このように、手間を抑えながら未回収リスクに対応できる点は、売掛保証の大きな利点といえるでしょう。

事業を行う過程ではさまざまなリスクが伴いますが、例えば、輸送中の事故や設備の損害に対しては保険をかけることもあると思います。それと同じ発想で、債権の未回収リスクに備える手段の1つが売掛保証だといえます。リスクを適切にコントロールしながら、安心して事業を成長させていくための効果的な選択肢になるでしょう。


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この記事の著者

弥報編集部

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この記事の監修者

牛島 文朗(アラームボックス事業部ギャランティグループ チーフマネージャー)

大学卒業後、上場企業でファイナンス業務に従事。その後、企業間取引の決済・保証サービスを提供する上場企業のグループ会社にて営業業務に従事。
2020年にアラームボックスへ入社。現在は営業担当として、売掛保証サービスの提案や企業の与信管理体制の構築支援に取り組んでいる。

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