- 事業成長・経営力アップ
新規獲得だけに頼らない!既存顧客の「LTV(顧客生涯価値)」を高めるには?
2026.08.25

売上を伸ばすために、新規顧客の獲得に広告費を多く投じる企業は少なくありません。しかし、新規顧客の獲得を続けるほど広告費もかさみ、利益を圧迫する要因になることがあります。一方で、既存顧客との関係を維持し、継続的な取引につなげることができれば、安定した利益を確保しやすくなります。
この記事では、1人の顧客が企業にもたらす価値を表すLTV(顧客生涯価値)の考え方や計算方法、LTVを高めて安定した利益を得るための具体的な取り組みについて、日本生産性本部の主任経営コンサルタント安藤さんに伺いました。
弥報Onlineでは他にも「顧客獲得・売上アップ」をテーマにした記事を発信しています。
顧客獲得・売上アップの記事を読む
Excel・手作業の会計業務から、脱却しませんか?

「弥生会計」なら、初心者でもすぐに使えて帳簿付けから試算表、決算資料までかんたんに作成できます。
【27年連続売上実績No.1】2人に1人が使っているデスクトップ会計ソフト!
30日間無料でお試し。
体験版ダウンロードはこちら
目次
LTVが企業の利益を左右する理由
新規顧客獲得と既存顧客維持では、かかるコストはどのように違いますか。
一般的に、新規顧客の獲得は既存顧客の維持に比べてコストがかかります。既存顧客は既に商品やサービスを認知しているため、比較的少ないコストで再購入につなげやすいですが、新規顧客の獲得には、広告費やプロモーション費用などの投資が多く必要になります。
このため、新規顧客獲得に注力するほど利益は圧迫されやすくなります。利益を安定して確保するには、既存顧客との関係を維持する施策も欠かせません。
既存顧客維持のための指標としてLTV(顧客生涯価値)があると思います。LTVの概要と利益確保に対する効果を教えてください。
LTV(顧客生涯価値)とは、1人の顧客が企業にもたらす価値を表す指標です。LTVが高まれば、広告費などの顧客獲得コストを抑えながら継続的な取引につなげられるため、売上だけでなく利益も安定しやすくなります。
ただし、新規顧客の獲得と既存顧客の維持は、どちらも大切であり、バランスよく進めることが必要です。
新商品の発売段階では、まだあまり認知されていないため新規顧客の獲得が必要になります。ただ、販売後に顧客へのフォローや関係の構築を怠ると、せっかく獲得した顧客が一度きりの取引で終わってしまいます。新規顧客を獲得した後は、リピートや継続利用につなげることでLTVを高め、安定した利益を確保できるようになります。
また、新規顧客の獲得と既存顧客の維持にどの程度注力するかは、商品の特性によっても異なります。例えば化粧品や健康食品などのような継続的に使用されるものは、購入後のフォローや継続利用の提案によってLTVを高めやすい商品です。一方、家具のような高額商品は買い換えのタイミングが限られるため、企業の施策だけで購入頻度を高めることは容易ではありません。
2人に1人が使うデスクトップ会計ソフト「弥生会計」を30日間無料で試すLTVはどう測る?算出方法と見るべき指標
自社のLTVは、どのように計算すればよいですか。
LTVは、売上ベースでも粗利ベースでも計算できます。例えば粗利ベースであれば「平均購入単価×粗利率×購買頻度×継続期間」で算出します。ここでいう継続期間とは、LTVを算出する際に対象とする期間のことです。
難しく考える必要はありません。売上データや顧客データがあれば、Excelなどを使ってシンプルに算出できます。
継続期間について、LTVはどのくらいの期間を計算するのがよいのでしょうか。
LTVはあまり長期間で考えるのではなく、1〜2年程度を一区切りとして管理するのが一般的です。期間を長く設定しすぎると、十分なデータが集まるまでに時間がかかり、改善策の効果検証が遅れてしまうためです。
ただし、適切な期間は事業や商品の特性によって異なります。自社の販売サイクルに合わせて設定することが大切です。
算出したLTVは、どのように活用すればよいですか。
算出したLTVから広告費などの顧客獲得コストを差し引いて利益が確保できていれば、その商品は継続的な収益が見込めると判断できます。また、LTVをどの期間で回収できるかを確認することで、投資回収の目安として活用できます。
また、単体で見るのではなく、CPO(顧客獲得単価)とセットで収益性を判断することが効果的です。CPOとは、新規の注文を1件獲得するのにかかったコストを示す指標で、広告などのマーケティングコストの効率性を測る際に用いられます。一般的には、LTVがCPOを上回っていれば、顧客獲得にかけたコストを回収できていると考えられます。両者を把握することで、広告投資の適正水準や、優先して改善すべき施策を判断しやすくなります。
2人に1人が使うデスクトップ会計ソフト「弥生会計」を30日間無料で試すLTVが低い企業に共通する課題
LTVが低い企業には、どのような共通点がありますか。
代表的な課題としては「購入後のフォロー不足」「新規顧客の獲得に偏った施策」「値引き・キャンペーンへの依存」「顧客との関係構築不足」があげられます。こうした状態では、短期的に売上が伸びても、継続的な利益につながりにくくなります。
このような場合の対策として、例えばEC事業では、商品にカタログなどを同梱したり、購入後にメールやダイレクトメールを送付したりする方法があります。また、コールセンターがある場合は、電話でフォローする方法も有効です。こうした施策を通じて、商品の使い方や魅力、関連商品の情報を伝えることで、顧客満足度の向上や次回購入につなげられます。
購入後のフォローがなければ、一度きりの取引で終わる可能性が高まります。その結果、購入回数が増えず、LTVは伸びにくくなります。
値引きやキャンペーンへの依存は、なぜLTVを下げてしまうのでしょうか。
値引きやキャンペーンに頼りすぎると「安いときだけ購入する顧客」が増え、継続的な取引につながりにくくなります。また、顧客との関係が十分に築けていないと、商品やブランドへの愛着や信頼が育たず、単発購入で終わってしまうことがあります。
「またこの商品を買いたい」「次もこのブランドを選びたい」と思ってもらえなければ、継続購入につながらず、LTVの向上も期待できません。
2人に1人が使うデスクトップ会計ソフト「弥生会計」を30日間無料で試すLTVを高めるために企業が取り組むべきこと
口コミやレビューもLTVの向上に有効ですか。
口コミやレビューも、継続的に集める仕組みを作ることが大切です。口コミやレビューは新規顧客だけでなく既存顧客に対しても商品の魅力を伝えられる手段になります。
例えば、メールや同梱物でレビュー投稿を呼びかけたり、投稿者に次回使えるクーポンなどの特典を用意したりすることで口コミを集めやすくなります。集まった口コミは、商品の価値を伝える有力な情報として活用できます。さらに、他の顧客の口コミや活用事例を紹介することで、新たな利用価値に気づいてもらうきっかけにもなり、継続利用を後押しする効果も期待できます。
投稿された口コミやレビューに丁寧に返信することも、顧客との関係性を深め、商品やブランドへの愛着につながります。
ブランドへの愛着がLTV向上につながるんですね。
はい。価格だけではなく、商品やブランドの価値で選ばれる状態を目指すことが重要です。値引きやキャンペーンは短期的な売上につながる一方で、その場限りの購入になりやすく、利益率の低下も招きます。そのため、LTVの向上には結び付きにくくなります。
商品そのものの価値や開発ストーリーへの共感、充実したサポート体制、ブランドの世界観など、価格以外の価値を伝えることで、価格競争に巻き込まれにくい商品・サービスづくりにつながります。その結果、継続購入が促され、利益の確保とLTVの向上につながります。
LTVを高めるには、顧客との関係性を深め、自社の商品やブランドなどに対して価格に関係なくいかに魅力を感じてもらうかが重要です。購入後のコミュニケーションや価値訴求などを通じて顧客と信頼関係を築けば、継続購入が促され、売上だけでなく利益も安定します。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係を企業の資産として育てる視点が、持続的な成長につながります。
弥報Onlineでは他にも「顧客獲得・売上アップ」をテーマにした記事を発信しています。
顧客獲得・売上アップの記事を読む
【無料】お役立ち資料ダウンロード
「弥生会計」がよくわかる資料
法人向けデスクトップソフト「弥生会計」のメリットや機能、サポート内容やプラン等を解説!導入を検討している方におすすめ。

この記事の著者
弥報編集部
弥生ユーザーを応援する「いちばん身近なビジネス情報メディア」

この記事の監修者
安藤 優(公益財団法人日本生産性本部 コンサルティング部 主任経営コンサルタント)
大学卒業後、広告・製薬・化粧品業界でEC・通販事業に約12年間従事。EC統括部長として戦略立案からマーケティング、IT、財務、組織開発まで広く経験。その後、IPビジネスを営む企業の実店舗事業で戦略ディレクターを務め、事業戦略立案・実行、DX推進などを牽引した。
現在は経営コンサルタントとして、企業の診断指導や人材育成に従事。実務経験に基づいた多角的な視点から、事業成長の実行支援を強みとする。
弥生のYouTubeで会計や経営、起業が学べる!
弥生の公式YouTubeチャンネルでは、スモールビジネスに携わる方たちに役立つコンテンツを配信中です。
























