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小規模事業者に「SDGs」って関係あるの?マンガでわかるスモールビジネス用語

2022.05.25

著者:斎藤充博

スモールビジネスを営んでいると、耳慣れない専門用語が現れるもの。そんな言葉を解説するマンガ連載です。ただし解説してくれるのは……。神出鬼没の謎のヒーロー?!

第11回は「SDGs」です。SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のこと。2015年の国連サミットで採択された世界をよくするための国際目標です。

最近ではCMでもよく見かけるSDGs。小学校の授業や課題にも出てくるそうです。しかし、個人の生活でできることはあったとしても、小規模事業者には「関係ない」なんて思ってしまいそう……? 実は関係あるんです。


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目次

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)とは2030年までによりよい世界を目指すために掲げられた「持続的な開発目標」のこと。2015年のサミットで採択されました。

SDGsは17のゴールと169のターゲットがあります。ゴールは以下の通り。

1 貧困をなくそう
2 飢饉をゼロに
3 全ての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8 働きがいも 経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正を全ての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう

このゴール一つ一つに対して、具体的な数値目標である「ターゲット」が複数設定されています。例えば「貧困をなくそう」のターゲットは以下のようなものです。

「2030年までに、現在のところ1日1.25ドル未満で生活する人々と定められている、極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」 「貧困をなくそう」にはこの他にも4つのターゲットが設定されています。

「企業なんてガンガン経済活動をして、自分のためだけに利益を上げればいいじゃない」そう思う人も多いかもしれません。しかしそれは社会や環境を食い尽くす行為につながります。利益を上げていた企業自身も活動を続けられなくなってしまうでしょう。

企業は社会や環境にも責任を持つべきだという考えは1980年代には認識されていました。SDGsはその考え方をより具体的にした最新版といえるでしょう。なお、SDGsは国連加盟国が全会一致で採択されたものです。世界情勢はいろいろ不安なことが多いですが、多くの国がこういったことに取り組もうとしているのは、ちょっと希望が持てないでしょうか。

小規模事業者には一見関係なさそうに思えるかもしれませんが、SDGsを経営方針に盛り込むことによって、信用力を上げたり資金調達を得やすくなったりしています。

名古屋銀行には「めいぎんSDGs応援資金」という融資商品があります。これはSDGsのゴールと関連性の高い経営を行う個人・法人に有利な条件で融資をするものです。

滋賀銀行にも「ニュービジネスサポート資金(SDGsプラン)」という融資商品があります。こちらもSDGsの趣旨に賛同し、「持続可能な社会づくり」に貢献家脳菜社会的課題の解決につながる事業を行う個人・中小企業に、研究開発や新分野への進出に必要な資金を融資するものです。

*各融資商品の詳しい条件についてはそれぞれの銀行のホームページでご確認ください。

【参考】
めいぎんSDGs応援資金(名古屋銀行)
ニュービジネスサポート資金(滋賀銀行)

また、「趣旨には賛同するけど何から取り組めばいいかわからない」人向けに、中小機構では、「中小企業のためのSDGs活用ガイドブック」を公開しています。

このガイドブックには、SDGsを経営に取り入れる基本的な考え方から、新製品の開発事例や、工場での食品廃棄物削減事例、労働環境のジェンダー平等実現事例など、幅広い事例が掲載されています。 名古屋銀行では、企業の活動がSDGsに当てはまるかどうかを調べてるサービスを実施しています。調べたものは「宣誓書」としてまとめられ、企業の信用力やイメージの向上につながるとされています。

僕自身に関して言うと、最近部屋の片付けをずっとしています。いままでは片付けたものを粗大ゴミとして出していたのですが、最近ではフリマアプリなどを使い、次の使ってもらえる人に渡るようにしています。ゴミとして出すことになんとなく罪悪感があったためやっていたことで、特にSDGsのことを考えてこうしていたわけではありません。しかし結果的に「12 つくる責任つかう責任」に関連した行動になっていますよね。これからは自信を持ってこの行動を続けられます。

こうして考えてみると、SDGsって、個人の心の中にある「世の中のためにいいことしておきたい」というぼんやりとした考えを、具体的に言語化してくれているものなのかもしれません。

この記事の著者

斎藤充博

1982年生まれ。ノンバンク金融の営業を退職した後に、指圧師、マンガ家、ライターなどの仕事をしていまに至っています。著書に『いやしのツボ手帳』(永岡書店)、『ツボストレッチ』(日本文芸社)などあり。

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