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プロが教える!チラシのつくり方「ひと目でパッと伝わる!チラシのデザイン」

2017.01.19

著者:弥報編集部

プロが教える!チラシのつくり方その1「ひと目でパッと伝わる!チラシのデザイン」

インターネットやSNSの時代とはいえ、まだまだ紙のチラシの効果は侮れません。特に実店舗のあるビジネスにとっては、周辺地域に配るチラシの来店促進効果は高いものがあります。中小事業者の方であれば、ご自身でチラシをつくらないといけないという場面もあると思いますが、「デザインやセンスには自信がない」という方も多いのでは?

でも、チラシづくりの経験やデザインのセンスに自信がなくても、ポイントさえ押さえれば丈夫! パソコンとWordなどのワープロソフトがあれば、誰にでも伝わるチラシはつくれます。今回は、チラシやフライヤーのデザイン制作から印刷までサポートする「株式会社ウエーブ」のデザイナー・浜口あゆみさんから、短時間でプロ並みのチラシを作るテクニックを伝授してもらいました。

チラシの効果をさらに高めるためには、お店のブランドイメージ、イベントやキャンペーンの内容などをしっかり伝えることが重要です。これまでチラシを配ったけれどイマイチ効果がない、作ってみたいけれど難しそう、と思われている方は、必見ですよ!

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お客さまがチラシを見るのは一瞬!

せっかくお金と時間をかけて印刷して配るのだから、お客さまにできるだけ多くのことを知ってほしいですよね。つい、あれもこれもと情報を詰め込みがちになり、目立つようにカラフルで凝ったデザインにしたくなります。

お客さまがチラシを手に取ってくれたとしても、たいてい見るのは一瞬です。お店や商品の特徴をどんなに詳しく書いても、残念ながら読んではくれません。しかし、ごちゃごちゃした派手なチラシは、かえって逆効果。インパクトはあったとしても、お店や商品に好印象をもち、足を運んでもらえるとは限りません。伝えたいのは、お店の魅力。パッと見た瞬間の第一印象で、伝えたいメッセージが伝わり、かつ、お店を気に入ってもらうことが大切なのです。

ここでは、「綺麗になりたい人のお手伝いをし 落ち着きのある癒しの空間を提供する」をコンセプトにした美容室のオープンチラシを例に、悪いデザインと良いデザインを比較してみましょう。

元となるチラシはこちら。良い例と悪い例の違いを見ていこう
元となるチラシはこちら。良い例と悪い例の違いを見ていこう(クリックで画像拡大します)

1.お得感が伝わりにくい

悪い例:キャンペーンの目玉である20%OFFや割引価格がいまひとつ目立ちません。右隣のヘアケア用品の割引は囲みがなく、見逃してしまいそうです。  良い例:「20」という数字が大きく、金額も割引後だけを色文字にしてより大きく見せています。ヘアケア用品の割引も同列の囲みになり、よりお得な印象として伝わります。
(クリックで画像拡大します)

悪い例:キャンペーンの目玉である20%OFFや割引価格がいまひとつ目立ちません。右隣のヘアケア用品の割引は囲みがなく、見逃してしまいそうです。

良い例:「20」という数字が大きく、金額も割引後だけを色文字にしてより大きく見せています。ヘアケア用品の割引も同列の囲みになり、よりお得な印象として伝わります。

2.統一感がなくバラバラな印象

悪い例:全体的にごちゃごちゃと散らかった印象。  良い例:メッセージや写真が右側にスッキリと整理してまとめられ、落ち着いた印象です。
(クリックで画像拡大します)

悪い例:全体的にごちゃごちゃと散らかった印象。

良い例:メッセージや写真が右側にスッキリと整理してまとめられ、落ち着いた印象です。

3.NEW OPENのフォントと色が強すぎる

悪い例:赤いポップ体の文字は目立ちますが、全体の雰囲気からは浮いて見えてしまいます。お店のコンセプトである“落ち着きのあるサロン”にもそぐいません。  良い例:全体に明朝体の柔らかいフォントと、オレンジや茶系を基調とした色の濃淡で雰囲気を統一させています。
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悪い例:赤いポップ体の文字は目立ちますが、全体の雰囲気からは浮いて見えてしまいます。お店のコンセプトである“落ち着きのあるサロン”にもそぐいません。

良い例:全体に明朝体の柔らかいフォントと、オレンジや茶系を基調とした色の濃淡で雰囲気を統一させています。

4.字間や余白が狭くて読みづらい

悪い例:写真と文字が重なり、読みづらく窮屈な印象です。お店のコンセプトにもマッチしません。  良い例:十分な余白があり、字間も広め。ゆったりとした癒しの雰囲気を感じさせます。
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悪い例:写真と文字が重なり、読みづらく窮屈な印象です。お店のコンセプトにもマッチしません。

良い例:十分な余白があり、字間も広め。ゆったりとした癒しの雰囲気を感じさせます。

短時間でプロの見栄え! 失敗しないチラシづくり5つのステップ

イベントやキャンペーンの告知などのチラシを配る時期は、ちょうどその準備で大忙し。できるだけ短時間に、効率良くつくりたいものですね。チラシ制作のプロは、短時間でたくさんのデザインをこなしています。ここからは、デザイナーの浜口さんに教えてもらった実際の手順をなぞりながら、編集部がWordで実際にチラシを作ってみました。

STEP1:伝えたい情報の優先順位を決めよう

まずは、チラシに含めたい情報を書き出しましょう。具体的には、セールやイベントの日程、お店の名称、ロゴ、特売情報、お店のこだわり、商品の説明、商品や外観、店内の写真、問い合わせ先、といったものです。そして、内容の近い情報をグループに分類していきます。 A4のチラシであれば、4つ程度のグループに絞り込むといいでしょう。

内容の近い情報をグループに分類

次に、優先順位をつけていきます。

この優先順位で、レイアウトのスペースや文字の大小が決まります。

この優先順位で、レイアウトのスペースや文字の大小が決まります。

STEP2:何をどこに配置するか? レイアウトのラフをつくろう

次に、それぞれのグループを配置する区画(ブロック)を決めます。この段階ではまだ紙でOK。手書きで大まかな枠を描いて、なんとなくレイアウトのイメージをふくらませましょう。

それぞれのグループを配置する区画(ブロック)を決めます

STEP3:まずはモノクロ、1種類のフォントで作ってみよう

ここから、実際のデータを作成します。Wordでチラシを作る場合は、図形機能のテキストボックスを挿入してSTEP2で決めた位置に枠を作り、テキストを配置していきます。写真などの画像は入れずにスペースを空けておくか、仮に図形を置いておくとよいでしょう。

チラシの端ぎりぎりまで使うと余裕がなく見えてしまうので、ゆとりをもたせて配置します。さらに、目立たせたい情報の周囲は、スペースを十分にとると、パッとわかりやすくなります。

文字の色やフォントを選ぶ前に、先に文字サイズの大小を付けます。優先順位の高いものは大きく太字に、低いものは小さく、できるだけメリハリをつけます。

まずはモノクロ、1種類のフォントで作ってみよう

STEP4:文字のサイズやフォントを整えて読みやすくしよう

次に文字の体裁を整えます。フォント選びと配置で、見やすいチラシになるかどうかが決まります。珍しいフォントをたくさん使いたくなりますが、避けた方が無難です。手持ちのフォントの中から、お店のコンセプトや雰囲気に合わせて、いくつかのフォントを選んでおきましょう。

文字のサイズやフォントを整えて読みやすくしよう

フォントには、大きく分けて、ゴシック・明朝の2種類があり、ゴシック系は力強くクールなイメージ、明朝系は、繊細で柔らかいイメージです。どちらか一方に揃えると、統一感のあるデザインになります。

また文字の間隔や1行の長さにも気を配ると読みやすくなります。文章の切りの良いところで改行するように長さを整えたり、「営業時間」や「定休日」は、スペースを入れて揃えたりすると、より見やすい印象になります。

文字の間隔や1行の長さにも気を配ると読みやすくなります

STEP5:画像を配置して、色や背景を整えよう

最後に写真や背景を入れて、文字の色を決めます。写真は、お店の外観や内装、商品などを伝える最大の要素です。自分で撮影する場合は、構図などにもこだわって、とっておきの1枚を用意しましょう。無料素材サイトを利用する場合、商用利用が許可されていることをサイトの規約等でよくご確認のうえで、ご利用ください。

最後に、ベースカラーを決めます。ベースとなる1色を決めて、文字や背景を同系色でまとめると統一感を出しやすくなります。

赤やオレンジなどの暖色系は、購買欲を刺激する効果があり、青や緑の寒色系は、クールで堅実な印象を与えます。

画像を配置して、色や背景を整えよう
ウエーブさまの見本を元に配色など整えた最終版。下の見本と比べるとできない表現などがあるものの、Wordでも近いデザインで作ることができた
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実際の見本と比べてみよう。流石にプロは配色や配置などが洗練されている。PhotoshopやIllustratorといった画像編集ソフトを覚えてみるのも損にはならないだろう

まずは、シンプルなチラシ制作にチャレンジしてみましょう。完成したデータは手持ちのプリンターやコンビニの複合機で印刷できます。PDFに保存すれば、印刷サービスに注文も可能です※。「印刷のウエーブ」のサイトには、多数のデザインサンプルが掲載されていますので、チラシ制作の参考にしてみてくださいね。サンプルはデザイン総合サイトの「デザインアシスト」ページから確認できます。

この「プロが教える」連載では、チラシを作るための要素として、「写真撮影」と「コピーライティング」についても解説していく予定です。お楽しみに!

※株式会社ウエーブの場合はCubePDF形式および、指定の形式での入稿を受け付けています。


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この記事の著者

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