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ツール導入が低コストに!「IT導入補助金」を受けるには?

2020.11.16

ITツール導入を検討している事業者に対して、ITツール導入にかかる費用の一部を国が補助する制度である「IT導入補助金」は、現在「10次締切分」の公募が開始されています。業務効率化を目的として新たに導入されるクラウドサービスや、ソフトウェア製品が補助金の対象となっており、現在ではコロナ禍対応としてC類型という新たな枠組みでの公募も実施されています。該当しそうな方は、この機会にぜひチャレンジしてみてください!

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、幅広い業種の中小企業・小規模事業者が「生産性向上」に役立つITツールを購入する際に、その経費の一部を国が補助する制度です。「通常枠(A・B類型)」に加えて、現在、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるために投資を行う事業者向けに「通常枠」より補助率を引き上げた「特別枠(C類型)」も設けられています。

IT導入補助金は、通常枠(A・B類型)、特別枠(C類型)に分類されているということを、押さえておきましょう。次に、自社がどの枠に当てはまるのかについて確認する必要があります。

〈IT導入補助金スキーム〉

〈上記図の用語説明〉

3者説明
IT導入補助金事務局一般社団法人サービスデザイン推進協議会が運営。申請の受け付け、検査、補助金の交付などを行います。
IT導入支援事業者中小企業・小規模事業者等が補助事業を円滑に実施するためのサポートなどを行う、本事業における事業パートナーを指します。申請・手続きのサポートをしてくれます。
中小企業・小規模事業者など
(申請者/補助事業者)
ITツールを導入し、補助金の交付を受ける事業者のことを指します。

どのような課題をITツールで解決できるのか?

多くの事業者がさまざまな悩み・課題を抱えていると思われます。しかしながら、そもそも「どうすればよいのか分からない」、また「自社に必要な機能がわからない」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。IT導入補助金2020サイトには、ITツールの機能を見つけるための参考情報が掲載されています。以下、ご参考にしてください。

〈参考〉悩みの一例

悩みの事例解決するITツールどうやって解決?
定期的なルーチンワークが負担自動化・効率化ツール定型処理作業をRPAなどの自動化ツールを利用し自動化。担当者の負担を軽減します。
経理関係の手作業を何とかしたい財務会計、
自動化・効率化ツール
社内の情報共有がうまくいかないグループウェア「スケジュール」「文書管理」「ワークフロー」など、さまざまな機能が付随するグループウェア導入で、社員間の情報共有を円滑にします。
顧客へのアプローチができていない顧客管理、
マーケティングツール

出典:どういった課題がITツールで解決できる?|IT補助金2020公式サイト

補助対象経費、補助率、対象類型、補助上限額・下限額について

申請類型によって補助対象経費、補助率、補助金申請額が異なりますので、注意が必要となります。A類型、B類型、C類型の違いをしっかりと確認しましょう。

新型コロナウイルス対策として創設された特別枠(C類型)は、「サプライチェーンの毀損への対応」「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」に取り組む事業者に対して支援します。通常枠(A、B類型)の補助率が1/2なのに対し、今回導入されたC類型は3/4にまで拡大されており、最大450万円の補助額となっています。

出典:IT導入補助金(PDF形式)|中小企業庁ホームページ 中小企業対策関連予算

C類型では、「ハードウェアレンタル」にかかる経費も対象となっています。また、公募前に導入したITツールでも対象となるケースがあります。まずは補助率なども優遇されているC類型に自社が該当するかどうかを確認してみるというのも、1つの考え方と言えるでしょう。

申請方法と交付までの具体的な流れ

申請準備として「IT導入支援事業者・ITツール検索」にて、自社の業種や事業規模、経営課題に沿って、IT導入支援事業者と導入したいITツールを選定しなければなりません。また「gBizIDプライムアカウント」の取得が必要になります。

そして、「交付決定通知」受けてから補助事業を行うことになります。交付決定前に契約・導入され発生した経費は補助対象となりません。(ただし、C類型は補助対象となるケースもあります。)すべての補助事業が完了したら「事業実施効果報告」を行います。

具体的な流れは以下の通りです。

流れ/フロー内容
1.IT導入補助金の理解

IT導入補助金サイト、公募要領などをしっかりと読みこんでください。

特別枠(C類型)についてはIT導入補助金2020サイト「中小企業・小規模事業者の皆さま」内にて確認してください。

2.事前準備

「IT導入支援事業者の選定」「ITツールの選択」「gBizIDプライムアカウントの取得」を行います。以下のサイトに登録されていないITツールは補助対象になりませんので注意してください。また、IT導入補助金2020より「gBizIDプライムアカウント」の取得が必要となっています。

  • IT導入支援事業者・ITツール検索
  • GビズID
3.交付申請

IT導入支援事業者との間で商談を進め、交付申請の事業計画を策定します。そして、IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受けて、中小企業・小規模事業者が申請手続きを行います。

4.補助事業の実施交付申請を完了し、事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払いなどを行うことができます。
5.事業実績報告補助事業の完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑を提出します。
6.補助金交付手続き事業実績報告が完了し、補助金額が確定すると、「申請マイページ」で補助額を確認できるようになります。その内容を確認した後に補助金が交付されます。
7.事業実施効果報告

事業実施効果報告は、定められた期限内に補助事業者が「申請マイページ」より必要な情報を入力し、IT導入支援事業者が「IT事業者ポータル」から代理提出することになります。

公募期間、お問い合わせ・相談窓口などについて

現在は「10次締切分」の公募が開始されています。詳細は以下の通りです。

  • 締切日 2020年12月18日(金)17:00まで〈予定〉
  • 交付決定日 2021年1月27日(水)〈予定〉
  • 事業実施期間 交付決定日以降~2021年6月30日(水)
  • 事業実績報告期間 交付決定日以降~2021年6月30日(水)17:00まで

なお、本補助制度に関するお問い合わせ・相談窓口は以下の通りとなっています。

「サービス等生産性向上IT導入支援事業 コールセンター」

  • ナビダイアル 0570-666-424(通話料がかかります)
  • IP電話 042-303-9749

※受付時間 9:30〜17:30(土・日・祝日を除く)
※電話番号はお間違えのないようにお願いいたします。(通話料がかかります)

なお、下記の「お問い合わせフォーム」からも質問や相談をすることができます。

サポートが充実している今こそ、IT化を実現しよう

IT導入補助金は2020年からC類型が追加されており、少々、複雑化しています。「A類型、B類型、C類型などの違いがわからない」「どういうITツールがよいのか分からない!」という事業者の方も多いことでしょう。また、補助金申請に不慣れな事業者の皆さんが公募要領や交付規程、交付申請手引きなどの資料を読んでも理解するのは困難かもしれません。

まずは、以下の3つのサイトから「自社が必要とするITツールは何か?」ということを調べてみてください。

次に、ITツールを提供しているIT導入支援事業者を選定していただき、質問や相談をされることをお勧めします。

  • IT導入支援事業者・ITツール検索

それでも、どうしてもよく分からないという事業者の方においては、以下の専門窓口などに相談してみてください。

IT導入補助金制度は、IT導入支援事業者による申請書作成や手続きのサポートを受けられる制度です。利用する事業者側としては、相談先が多いため比較的申請しやすい補助金といえます。この機会にぜひ活用しましょう。

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この記事の著者

吉田 学(よしだ まなぶ)

財務・資金調達コンサルタント
株式会社MBSコンサルティング 代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)、「税理士だからできる会社設立サポートブック」(第一法規)などがある。
また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。

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