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上手なポスティングで反響率をアップ!【連載】プロが教えるチラシのつくり方

2017.03.22

著者:弥報編集部

プロが教える!チラシのつくり方その④「上手なポスティングで反響率をアップ!」

連載第1回ではデザイン、第2回で写真撮影、第3回ではコピーを考えて、ついにチラシが完成しました。頑張ってつくったチラシですから、多くの人に見てもらい、実際に来店してもらいたいですね。

チラシをお客さまへ届けるには、知り合いのお店などに設置してもらう、友人に配ってもらう、といった方法がありますが、郵便ポストへ投函する「ポスティング」が一般的でしょう。しかしこのポスティング、ただやみくもに投函するのでは意味がありません! いつ、どこに、どのような方法で配れば、最も効率よく反響が得られるのかを、ポスティング専門会社の株式会社リアルメディアジャパン代表取締役 水谷 真さんに伺いました。

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配るタイミングは自分でつくるべし!

いつ、どこに、どうやってチラシを配るのか。実はチラシをつくる前の段階で決めておく必要があります。配布方法や時期によってチラシの内容が変わってくるからです。チラシの内容に合わせて、タイミングよく配布するのが肝心です。

ただし、「新生活応援セール」といったよくある季節モノのチラシは、同業他社と同じタイミングで配られてしまう可能性が高いです。お客さまがチラシに目を通す時間はわずか数秒です。その数秒で自分に必要なチラシかどうか判断されます。同業他社とタイミングが合うほど、それだけ自社のチラシが選ばれる可能性が低くなってしまう結果に。そこで、自分でタイミングをつくることを考えてみましょう。オリジナルの企画をつくれば、他社と競合せず、効果的なタイミングで何度でもチャンスを生み出せるからです。

株式会社リアルメディアジャパン代表取締役の水谷氏。「反響が来る」ポスティングへの深い知見を有している
株式会社リアルメディアジャパン代表取締役の水谷氏。「反響が来る」ポスティングへの深い知見を有している

使い回さず、ポスティング専用のチラシをつくろう

1つのチラシをあらゆる用途に使い回している方も多いでしょう。しかしお店に置くパンフレットと、イベントで配布するフライヤー、そしてポスティングのチラシでは、それぞれ目的が異なります。また、設置場所や配布方法によって、適したサイズや材質があります。

特にポスティングで気をつけたいのが「用紙サイズ」です。A4サイズのチラシは、一般的なポストには入りません。ポスティング用のチラシは、B5以下で作成しましょう。また、配布する際には大量に持ち歩かなくてはならないので、なるべく薄い用紙の方が向いています。具体的には、コピー用紙くらいの厚さ(ポスティングの会社がオススメしてくれることがありますが、分からなければ斤量70㎏程度と伝えるとよいでしょう)で、片面カラーで作成するのがオススメです。片面である理由は、興味がない人はチラシを裏まで見ないからです。予算に余裕があれば両面でもよいのですが、予算に余裕がない場合は片面で充分です。 むしろ、読んでもらえない裏面を作る労力と予算を、片面で2回作成・配布にかけた方が、お客さまの目に留まる確率が高いです。

ターゲットを設定して配布エリアを絞り込もう

ポスティング用のチラシを準備したら、どのように配布するかを考えましょう。周辺地域の全戸に配布すれば、それだけ集客は見込めますが、その分印刷や配布のコストがかかります。費用対効果を高めるには、ある程度配布エリアを絞り込むべきです。

配布する地域は、業種や商品のターゲットによって変わってきます。例えば、学習塾やエステサロンは、比較的若い世代が住むマンションに。不動産売買や介護サービスは一戸建て、事務用品はテナントビルなどの事業所、などと商材によって配布する地域を変更することが大切です。宅配ピザやクリーニング店などは、年齢や性別を問わず利用される可能性があるので、すべての世帯はもちろんオフィスビルに配布しても反響があります。

表1:配布方法ごとのターゲット、適した商材の違い
配布方法主なターゲット適した商材の例
軒並み配布戸建て、マンション、店舗、ビル、公的機関などあらゆるポスト宅配ピザ・弁当、クリーニング、フリーペーパーなどに適している
集合住宅配布若いファミリー世代学習塾、引っ越し、 求人などに適している
戸建配布高所得、高齢者介護ケア、不動産売買、リフォームなどに適している
事業所配布会社や店舗、オフィスビルのポストOA機器レンタル、消耗品販売などに適している

配布エリアの選択には公的機関の統計調査データを活用できる

配布エリアの選択には、国や地方自治体の調査データを参考にすることができます。国勢調査に基づく政府の統計データは「e-Stat」で公開されており、丁目単位での世帯数や、男女比率、年齢、家族構成、持ち家かどうか、といったエリアの属性を調べることができます。

ターゲット属性の世帯(例えば18歳以下の子どものいる世帯など)が集中するエリアを配布先に選び、該当エリアの世帯数から必要なチラシの部数を計算できます。業種にもよりますが、ポスティングの反響率は約0.3%、1万枚で10~30件程度です。コストに見合うかどうかのバランスを考えて、配布エリアや条件を決めるといいでしょう。

政府統計ポータルサイト「e-Stat」のGIS機能を使えば、指定した属性による世帯数分布を区域別に色分け表示できる

また、総務省の家計調査では、特定品目別の支出金額の統計を公開しており、「浜松市はギョーザの支出が全国1位」「名古屋市は喫茶店をよく利用する」、といったことが分かります。各都道府県でも独自にさまざまな統計データを公開しています。こうしたデータは経営戦略にも役立つので、ぜひ積極的に活用していきましょう!

チラシは自分で配るのがいちばん!

飲食店や小売店などの場合、チラシは店主が自分で配るのが最も効果があります。というのも、伝えたい内容とお客さまを知っているのは、店主自身だからです。どのエリアに、どんな人が住んでいるのかは、配布エリアを決めるために最も重要な情報です。お店を営業している店主は、周辺地域の土地勘があるので、とても有利なのです。

それに、自分でつくった大切なチラシですから、丁寧に配布できるのもメリットです。折れ曲がったり、汚れていたりするチラシは、読みたくありませんよね。折れ曲がらないように段ボール箱などに入れ、急な雨にぬれないようにビニールをかけて運ぶといいでしょう。

ポスティングの経験がない人でも1時間で250部程度は配れます。休日を利用して8時間で2,000部、家族や従業員5人で手分けすれば、1日で10,000枚を配ることができます。

もう1つ大事なのは、勇気と礼儀。勝手に投函してもいいのだろうか、不審者に疑われるのではないか、と気が引けますよね。管理人や警備員のいるマンションでは、先に管理人の方などにチラシの内容を説明して、許可をとってから配布すれば無用なトラブルを防げます。

ポスティング会社に頼む場合の相場や選び方は?

時間がない場合や配布部数が多い場合は、専門の会社に頼む方法もあります。一般的なB5サイズのチラシで1枚4~5円が相場です。印刷済みのチラシを納品する場合は、配布を終えてほしい日の1週間~10日間前には依頼しておきましょう。

会社選びのポイントは、配布期間と配布員の質です。納品から配布まで1カ月かかるなど期間が長すぎる業者は、プロの配布員を使っていない可能性があります。また、アルバイトやパートの配布員は、配布先とのトラブルや、盗難や紛失といった事故が発生しやすくなります。「GPSによる追跡など確実に配布したかどうかのチェック体制がある」「1週間以内に報告書が届く」「万が一、紛失や盗難事故にあった場合の保証がある」といったサービスを用意している会社が信頼できます。

配りっぱなしはもったいない!反響からリサーチしよう

チラシは1回配ったら終わりではありません。チラシ配布で大切なことは、集客だけでなく、反響からお客さまのニーズを探り、チラシ戦略やサービスの改善、ひいては商品開発へと役立てることです。

クーポンをつけて、どのチラシを見て問い合わせがあったのかを知ることができれば、エリアによって反響の違いを見つけることができます。そうすれば次にチラシを配布する際に、よりターゲットにマッチしたデザインやコピーを考えたり、配布先を絞り込むなど、効率よく集客につなげられます。またどんなチラシが高い効果を生むのかを知るためには、チラシのパターンを変えて、何度も繰り返し配布するのもポイントです。


「配布の目的を決め」「目的に合ったチラシをつくり」「仮説検証を繰り返すこと」がポスティングのポイントです。自分でつくって配布すれば、コストも少なくて済みます。ご自身の思いを伝えるチラシ。まずは少量でいいのでご自身で配ってみてはいかがでしょう。

株式会社リアルメディアジャパン代表取締役。愛知県名古屋市出身。テレビ番組制作会社のディレクターを経て、2009年に株式会社リアルメディアジャパンを創業。業種や商材に合わせた集客方法の提案、デザイン制作、印刷、ポスティングまでをワンストップで提供している。]


本連載で紹介した「デザイン」「写真」「コピー」そして「ポスティング」のノウハウを活用すれば、これまでよりも低コストで高い成果を挙げられるかもしれません。まずはモノクロ・片面の簡単なものでいいので、気軽にチラシをつくってみましょう!

この記事の著者

弥報編集部

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