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常連客が増えると起きやすい3つの問題点。どうすれば防げる?老舗和食店の女将が対処法もご紹介!

2023.08.24

著者:弥報編集部

監修者:小保下 グミ

お店にとって何よりもありがたいのが常連客の存在です。数あるお店の中から自店を選んでいただき、さらには定期的に通っていただけるようになるなんて、店舗経営者にとってもっとも喜ばしいことに違いありません。

しかし常連客の増加により、新たな問題が勃発することもあります。常連客が増えることによって起こりやすい問題や、それらをどのように対処・予防していけば良いのかについて、和食店の女将が経験した事例も交えてお伝えします。


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常連客が増えると起きやすい問題その1:要求が増える

売上が上がらないうちは、まずは客数を増やして売上を伸ばすことが最優先課題ですが、一方で常連客が増えてくると、一見のお客さまばかりだったときとはまた違った問題が発生します。

私が過去に経験した事例だと、メニューにない料理を毎回のように注文されるお客さまが悩みの種となったこともありました。簡単なものならお受けするのですが、手間や時間のかかるものばかりなので、さすがに毎回引き受けるわけにはいかず困ったものです。

また〇〇というお酒を置いてほしい、こんな料理をメニューに加えてほしいなどといった、要望が何かと多いお客さまもいらっしゃいました。需要があってきちんと利益が得られるようなメニューなら良いですが、大抵の場合そうではありません。

他には定休日や営業時間外に来店したいと申し出られたり、持ち帰り不可としている料理を持ち帰りたいと強く要求されたり、配達エリアから外れている友人宅へ配達してあげてほしいなどと言った無理な要求をされたこともあります。

いずれも常連のお客さまのケースです。

解決策1:できないことにはできないとはっきり伝えよう。代替案を示すのもあり

常連客がこのような行動に出る背景には「常連だから、わがままを言ってもいいだろう」という甘えや「何回も来ているのだから、これくらい聞いてくれるよね」という心理があるものと思われます。

たしかに何度も足を運んでくださっているお客さまには、多少の贔屓があっても良いものです。おまけをしたり、ちょっとしたわがままを聞くなど特別扱いをすることで、気分良く通ってくださる効果は見込めます。経営者の心情としても、密に通ってくださっているお客さまには、なんらかの形でお礼をしたいと思う気持ちが芽生えるのは当然のことです。

しかしながら常連客だからと無理な要求にもつい応えてしまうと、この店はなんでも聞いてくれると思われ、要求がエスカレートする可能性があります。できることには気持ちよく応じつつ、できないことにははっきりと難しい旨を伝えてください。

もしくは「時間がかかっても良いなら」「別の日でよければ」「前もって言ってくれたら」など、代替案を提示して理解してもらうのも一つの方法です。

常連客が増えると起きやすい問題その2:我が物顔で振る舞うようになる

「〇〇してもらえない?」とお客さまから聞いてくださるなら、まだできる・できないと答えようもあります。しかし慣れてくるとこちらの許可を得ず、あるいは事後報告で勝手に行動するお客さまが出始めるのが問題です。

当店には以前、マイ調味料を勝手に置いて行ってしまう方がいらっしゃいました。小さいものではありましたが、当店の冷蔵スペースは決して広いとは言えず収納に困りました。また当店にはテレビを置いているのですが、勝手にリモコンを手に取りチャンネル権を独占したり、音量を大きくしてしまうお客さまもいらっしゃいました。

他には開店前に裏口から入店し「カウンターで飲んで待っているから準備してくれていていいよ」と言われたこともあります。「伝票につけておいて」とだけ言って勝手に冷蔵庫からドリンクを取り出して飲むお客さまや、厨房から出てきた料理を自分でテーブルに運んでしまうお客さま、持ち込んだ食べ物を食べ始めたり、まるで自宅で過ごしているかのように、来店の途中から注文もせず長居するお客さまもいらっしゃいました。

いずれもごく一部のお客さまの事例ではありますが、常連客が増えることでお店を自分の持ち物かのように振る舞う姿はしばしば見られました。特に若い経営者や、ビジネスを始めて数年の経営者の元にこうしたお客さまが集まりがちなので注意が必要です。

解決策2:火種が小さなうちに注意を。笑顔でお願いすればたいていのお客さまは理解してくれる

常連客が我が物顔で振る舞うようになった際の解決策としては、火種が小さなうちに笑顔で「ご遠慮いただけると助かります」とお願いすることです。火種が大きくなってから注意やお願いをしようとすると「今まで聞いてくれていたのになぜ?」と抵抗を感じやすいものです。それに注意する側の心的ストレスも大きくなります。火種が小さなうちに笑顔でお願いすることで、多くのお客さまはほとんど抵抗を感じずに注意を受け入れてくれるものです。

多くの飲食店では食べ物の持ち込みを禁止していますが、小さなものなら良いだろうと目を瞑っているケースは、意外と多いものです。しかしこれまで小さなお菓子なら何も言わなかったのに、菓子パンになったとたん注意するとなるとなぜ?と反発が生まれます。火種が小さなうちにーーつまりアメ玉1つの段階から笑顔で声をかけることで「この店は徹底的にダメなんだな」と理解してもらうことができます。場合によっては「次回からはご遠慮願います」と、ソフトにお願いするのも良いでしょう。

常連客が増えると起きやすい問題その3:独自ルールを作りはじめる

もう1つ厄介なのは、お店にはない独自のルールを作ってしまう行為です。

例えば当店には以前、呑んだあとの〆を注文しない他のお客さまに対して、ちゃんと〆を注文するよう要求する常連客がいました。たしかに当店としては、呑んだあとの〆こそが一番お客さまに食べていただきたいメイン料理です。しかしそれを食べるかどうかはお客さまが決めるもので、ルール化したことは一切ありません。当店のことを思ってなのか、マイルールを強要しないと気が済まないのかはわかりませんが、これには困りました。

他にも営業時間が過ぎても、厨房の片付けが終わるまでは飲んでいてもいいと勝手に決め込んでいるお客さまもいました。「片付けしてくれていていいよ!ゆっくり飲んで待っているから」と、まるで家族か友人かのような振る舞いには困惑したものです。

知人の飲食店ではカウンターは常連の席と言い張り、常連ではない人が座りにくい空気を作るお客さまがいると聞いたこともあります。常連=偉いと勘違いしている典型例です。

解決策3:あえて距離を取ることで、自分は客の1人であるということを思い出してもらおう

これらはお客さまのお店への愛着が強過ぎたり、お店との関係が近くなりすぎることで起きる問題です。親しみをもっていただけるのは嬉しいことですが、度を越すと他のお客さまに迷惑をかけたり、経営者自身を疲弊させる原因になります。独自ルールを作って他のお客さまに広めようとする行動を目にしたら「そのようなルールは一切ない」ことを毅然とした態度で、なるべく早いタイミングで両者に伝えましょう。

またお店との距離が近くなり過ぎてしまっているお客さまには、あえて距離を取るのも一つの方法です。わがままを言われたら、普段は砕けた口調で話している相手であっても「申し訳ないのですが……」などと、ちょっと丁寧なよそよそしい口調に変えて距離のある接客をするのです。そうすると、自分は家族や友たちではなく客であったことを、思い出していただくことができます。先のカウンター席は常連だけが座るところだと言い張っている方の例を出すと「座りたい席がある場合は予約していただけると助かります」などと言って、他のお客さまと平等であることを強調するのも、自己中心的な振る舞いを省みていただくための一つの方法でしょう。

ポイントは常に主導権を握っておくこと

常連客がわがままや無理難題を要求してしまうのには、それほど自店が心地よい場所であることの裏返しでもあります。しかし、度を越した要求や態度に振り回されないよう、主導権をしっかり握っておく姿勢は大変重要です。主導権さえ握っていれば、ちょっと無理な要求に応えようとも、わがままを許容しようとも大した問題は起きません。お客さまにはっきり物を言うことに抵抗を感じるかもしれませんが「自分の店の舵取りは、自分でするもの」ということを、ぜひ忘れないでください。


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この記事の著者

弥報編集部

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この記事の監修者

小保下 グミ(老舗和食店の女将)

老舗和食店の女将。夫が後を継いだ家業で経営全般に関わる。現在は休業中。
noteにて定期購読マガジン「小さなお店のちいさな女将」を運営。飲食店経営や自営業の生き方・働き方について発信中。

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