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【2021年実施予定】コロナ対応「資金繰り支援策」について

2021.04.01

コロナ禍対応における資金繰り支援策が、2021年3月末の予算成立後順次実施されます。また、2021年3月7日までの延長が決定した緊急事態宣言の対応として、一時金などの資金繰り支援策も実施されています。今回は、2021年3月末時点の情報における支援策について、簡潔に解説します。

予算成立に応じて実施される資金繰り支援策

2020年第3次補正予算及び2021年本予算の成立に基づいて、主に次のような資金繰り支援策が順次実施されます。

以下、簡潔に解説いたします。

融資による支援策

まず「実質無利子・無担保融資の申込期限の延長」に関してですが、民間金融機関では「2021年3月」まで、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫では当面「2021年前半」まで延長されることになりました。

また、要件となっている「直近1か月」の売上減少について、「直近2週間以上」での比較も可能となっています。さらに実質無利子などとなる上限額も下記のように引き上げられています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響下にある中小企業者を対象に、金融機関が継続的に伴奏支援を実施する新制度がスタートします。

次に「日本政策金融公庫の融資制度の拡充」ですが、業態転換や新規事業等生産性向上に向けた設備投資を実施する場合に、日本公庫などの適用利率が、当初2年間0.5%引き下げられます。その他、次の制度の利率が引き下げられます。

  • 設備資金貸付利率特例制度の創設
  • 企業再建資金の拡充
  • 事業承継・集約・活性化支援資金の拡充
  • 観光産業等生産性向上資金の拡充

詳細は日本政策金融公庫のホームページなどで随時更新されますのでご確認ください。

またご案内した制度は、中小企業庁ホームページの「事業再構築」欄内『中小企業等事業再構築促進事業』のPDFと「中小企業対策関連予算」欄内の「中小企業庁 令和2年度3次補正予算案・令和3年度税制改正要望についてのリーフレット」内『売上高が減少した中小・小規模事業者等の資金繰りを引き続き支援します!』にて簡潔にまとめられています。こちらもご確認ください。

補助金による支援策

「事業再構築補助金」とは新分野展開や業態転換、事業・業種転換などの取組、事業再編またはこれらの取組を通じた規模の拡大を目指す企業・団体などの新たな挑戦を支援するための補助制度で、補助限度額は1億円です。コロナ禍を乗り切るための大型補助金になります。利用できる事業者は、積極的に申請するようにしてください。

また通常枠の申請要件を満たし、かつ緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や、不要不急の外出・移動の自粛などにより影響を受けたことで、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年、または前々年の同月比で30%以上減少している事業者に対し、補助率を引き上げて支援する「緊急事態宣言特別枠」が創設されました。

この特別枠は通常枠より迅速な審査・採択を行うとともに、特別枠で不採択の場合でも通常枠で再審査を受けることが可能です。また、特別枠へ応募された事業者は採択率が高くなる可能性があることが公表されています。

経済産業省のホームページにて情報が随時更新されていますので、確認して下さい。

次に、「ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金の特別枠の創設」に関してですが、感染対策と経済活動の両立に資する設備導入や販路開拓への投資、テレワークなどに対応したITツールの導入等を支援するために、「特別枠」から新特別枠「低感染リスク型ビジネス枠」に改編されます。現行の「特別枠」は2020年12月で募集終了となりました。

「事業承継・引継ぎ補助金」では、M&A時の士業専門家の活用費用(仲介手数料、デューデリジェンス費用など)、事業承継後の新たな取り組み(設備投資や販路開拓など)や廃業にかかる費用などが補助されます。コロナ禍を機に事業承継を検討している事業者の方は、ぜひとも確認して下さい。

詳細は、中小企業庁ホームページの予算項目にある「中小企業対策関連予算」内『中小企業庁 令和2年度3次補正予算案・令和3年度税制改正要望についてのリーフレット』でまとめられていますので、こちらもご確認ください。

緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金(一時支援金)

緊急事態宣言期間延長を受け、緊急事態宣言の再発令に伴う経産省の支援措置が変更されました。内容は、飲食店と直接・間接の取引がある事業者に法人60万円以内、個人事業者等30万円以内の額が支給されるというものです。

それ以外にも「緊急事態宣言発令地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けたことにより、2019年比または2020年比で、2021年の1月、2月または3月の売上高が対前年比▲50%以上減少している事業者」にも一時金が支給されます。

支給額は同じく法人60万円以内、個人事業者などは30万円以内となっています。算出方法は「2019年又は2020年の対象期間の合計売上ー2021年の対象月の売上×3か月」です。

なお、申請受付期間は2021年3月8日(月)~5月31日(月)となっています。

こちらも詳細は、経済産業省のホームページで必ず確認してください(随時更新されています)。該当する事業者は必ず申請するようにして下さい。


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この記事の著者

吉田 学(よしだ まなぶ)

財務・資金調達コンサルタント
株式会社MBSコンサルティング 代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。

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