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【読者限定特典あり】共感したお客さまをゾクゾク集める方法?オンライン集客のコツを集客のエキスパートに聞いた
2023.05.24
著者:弥報編集部
監修者:鈴木 ケンジ
集客に苦慮している中小企業は多いでしょう。しかしSNSやネットが活用できる昨今では、やり方によっては中小企業でも効率よく情報発信し、集客につなげることが可能です。
オンラインで集客する方法やコツなどについて、『共感したお客様だけがゾクゾク集まる! ひとり起業家のためのオンライン集客の教科書』の著者である鈴木 ケンジさんにお話を伺いました。
また、今回は読者の方に向けた無料のプレゼントもあります!ぜひ最後までお読みください。
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目次
コスパよく集客に結び付ける。中小企業こそオンライン集客をすべし!
従業員数が少なく知名度も高くない中小企業が、SNSなどを活用して効果的に集客できるものなのでしょうか?
オンライン集客は、基本的にどのような企業でも実施できます。
私のお客さまも、大企業ではなく小規模でやっている起業家の方が多いです。その方たちの多くが、実際にオンライン集客を実施しています。SNSやKindleといったメディアをうまく活用できれば、確実に集客効果が期待できるでしょう。
ただしオンライン集客を実施する際には、NG行動に注意しなくてはいけません。具体的には、対面での営業や集客とはしっかりと違いを出すことが大切です。
対面であれば、その場で顔を見ながら話ができるため、相手のようすを伺いながら商品の説明を行うことができます。そのため、その場で商談が成約することも多いでしょう。しかし、この手法をオンライン集客にそのまま応用するのはNGです。
もともとリアルな営業を行っていた方がオンライン集客を実施する場合、いきなり商品を売ろうとするケースが散見されます。例えば、広告やSNSなどで初めて見た商品を、すぐに購入する方は少ないでしょう。例えば、たまたま立ち寄った洋服屋で、店員に商品を売り込まれるのに、抵抗を感じる方は多いと思います。
このようにリアルで抵抗を感じていることであっても、オンラインではそれを実施してしまうケースが多いのです。
オンライン集客を実施する場合には、見込み客を集めることが第一段階として必要です。
つまり「集客=顧客を集めることではない」と認識しておかなければ、そもそも商品は売れないと考えてください。
オンライン集客を実施するメリットを教えてください。また、デメリットがあれば、そちらの紹介もお願いします。
オンライン集客の主なメリットは、以下の通りです。
- 市場が広がる
- コストパフォーマンスが高い
- 数字が見られるため効果検証がしやすい
- リアルタイムで情報発信ができる
オンライン集客の最も大きなメリットは「市場が広がること」です。例えばリアルの交流会などの場合、その地域の方しか来ないのが一般的だと思いますが、オンラインであれば日本人だけでなく海外の方にも告知でき、実際に参加してもらうことも可能です。私のセミナーにも、海外の方がたくさん参加されている状況です。
またコストパフォーマンスが高いことも、オンライン集客のメリットといえるでしょう。例えばチラシを何千枚も印刷するときには、印刷コストが高くなります。せんみつ(「千三つ」とも書かれる、1,000件のうち3件しか反応がないというマーケティング指標の1つ)という言葉からもわかるように、費用対効果が低い集客方法にコストをかけることは、非常に厳しいです。ハガキや封筒のDMを1万通発送するような場合も、多額のコストが必要でしょう。しかしメールやLINEを活用すれば、コストはほとんどかかりません。
加えて、集客にかかわる数値がすべて見られるため、効果検証がしやすいことも、オンライン集客ならではのメリットです。しかし残念ながら、ほとんどの方が効果検証をしていません。売上が上がっていない企業にヒアリングしてみると、数字を見ていないことが圧倒的に多いのです。見ていたとしても、売上やコンバージョン、PVなど、一部の数字だけというケースがほとんどです。詳しくは後述しますが、これはぜひ活用してほしいポイントです。
リアルタイムで情報発信ができることも、オンライン集客のメリットです。例えば飲食店において、いきなり団体の予約がキャンセルになった場合、料理などを無駄にしないためにお客さんを集めようとなれば、多くの方に電話をする必要があります。しかし、オンラインであればSNSなどで情報を発信するだけで、集客につなげることが可能です。LINEなどであれば、自分の届けたいタイミングでお客さまに届けることができるのも大きいですね。また、さまざまなメディアが存在するため、自社のターゲットに合うものを選べます。
オンライン集客を実施するデメリットを教えてください。
オンライン集客のデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 競合が増える
- ITリテラシーが必要
- 広告費が高い
- 信頼関係の構築に時間がかかる
オンライン集客では、市場が広がる反面、競合が増えることはデメリットだといえます。新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインが普及したことによって、その傾向はさらに高くなりました。したがってオンライン集客を実施する場合には、競合が多いことを見越しておく必要があります。
次に、オンライン集客を実施する場合には、ある程度の専門知識が必要です。そのため「パソコンがまったく使えません」という方は、実施することが非常に難しくなります。もちろんスマホでも実施できますが、一定のITリテラシーは必要です。
また、広告費が高騰していることも、オンライン集客のデメリットです。Facebook広告やInstagram広告も以前は安価でしたが、新型コロナウイルス以降、出稿する企業が増加したため高騰しています。時代の流れによって、広告費が変動することを覚えておく必要はあるでしょう。
オンライン集客は、信頼関係の構築に時間がかかることも念頭に置く必要があります。リアルの場合、対面で話せるため関係性を構築しやすいのですが、オンラインは顔が見えないため、どうしても信頼関係を構築しづらくなることは理解しておきましょう。
KindleとYouTubeで集客?自社に合ったSNSを選ぶ
オンライン集客を行う際に使用するSNSやWebサービスを教えてください。また、業種別、ターゲット別で適したサービスなどあれば併せて教えてください。
結論から言えば、どのようなメディアでも問題はありません。ただし、自分が続けられるメディアを選ぶことがポイントです。例えばTikTokやClubhouseなど、新しいメディアが話題となりましたが、今でも継続しているという方はほとんどいないのではないでしょうか。
私がおすすめしたいのは、KindleとYouTubeです。両者とも多くのユーザーベースがあるため、潜在顧客を集めやすいことが、おすすめする理由となります。書籍や動画を最後まで読んでくれたり、見てくれたりしたユーザーは、自分のことを知らなくても見込み顧客になってくれる可能性が高いでしょう。
Kindleは見込み顧客の集客と教育を同時にできるツールです。例えば、文字を書くメディアにはブログなどもありますが、文字数は多くても2,000~3,000文字程度が一般的でしょう。
しかし、Kindleであれば2万文字などで伝えられるため、情報量が10倍になります。SNSなどに比べ、信頼関係を構築しやすい点もメリットです。
TikTokやTwitterなどの場合、とにかく文字数や秒数が短く、内容を正確に、すべてを伝えきることが困難です。そのため集客につなげるためには、よほどの能力があるか、実績やブランドがなければ困難でしょう。一般の方が会社のアカウントで始めても、大きな効果は期待できません。
したがって、内容をしっかり伝えられるKindleやYouTubeなどのメディアを、集客の軸に持つことが非常に重要です。これらのメディアから自社のターゲット層に合わせ、見栄えがよいものであればInstagram、キャンペーンを実施したい場合はTwitterなどへ顧客を誘導することによって、集客効果を高められるでしょう。また、ビジネス系であればFacebookも十分活用できます。
「共感」がもたらす効果とは
なぜ共感したお客さまが集まるのか、その理由を教えてください。
近年は、昭和のモノ消費や平成のコト消費に代わり、ヒト消費の時代になったことが大きな要因と考えます。「共感」が集客にとって非常に重要なポイントとなったのです。ヒト消費とは「その人がやっているから、見たい」「その人が売っているから、買いたい」といった、特定の人が紹介、おすすめするものを消費する行動です。
しかし、最近ではTwitterやFacebookなどでオンライン集客をするだけでは、高い効果を得ることは難しくなりました。特に実績やブランドがない企業が、高い集客効果を上げることは非常に困難でしょう。
1億総メディア時代といわれる現代においては、非常に多くの情報が溢れています。ただし人々による情報の消費量は、依然として変わっていません。そのため、顧客が商品やサービスを決めるときには、有名人やブランドを持っている方、専門家などのわかりやすい指標で選ぶ傾向が高くなっているのです。それが信用へと繋がり、さらには「好きな人や会社から買いたい」という時代になり、好きになってもらうためのきっかけになるものが共感です。インフルエンサーが、これほどまでに増えた背景には、ヒト消費の広がりがあります。
したがって、一般の方や企業がゼロから実績を積むのは、非常に困難になったといえるでしょう。例えば飲食店の場合、廉価なチェーン店などにおいても、普通においしいものが食べられるようになっています。店ごとの商品力の差も、以前に比べ、それほどなくなりました。また、オンラインが浸透したことによって、地域ごとの情報格差もほとんどありません。このような時代においては、価格で商品は選ばれない傾向にあります。
普通の方や企業がインフルエンサーを目指すのは難しいため、まずは「意味のある人や会社」になることが重要です。「役に立つ」ではなく「意味のある」という点が大切なポイントといえます。
例えば、普通のペンが1,000円で販売されていた場合、多くの方は購入しないでしょう。100均などへ行けば、3本セットを100円で購入できるため、価格で選ぶ方はこちらで購入します。逆にトンボなど有名なブランドであれば、1,000円で購入する方もいるかもしれません。つまり価格か知名度で選ばれるため、この2つを満たせない場合、厳しい状況に陥ってしまうことが予測できるのです。
しかし、ある有名ミュージシャンが作詞に使ったペンの場合、ファンであれば1,000円どころか数万円出して購入する可能性もあります。サイン付きであれば、もっと高額になるでしょう。一般の方にとっては、まったく価値のない商品だったとしても、ファンの方にとっては非常に意味のある商品となります。
したがって、まずだれか1人でもよいので、その方にとって意味がある人や会社になることが、オンライン集客の第一歩と考えてください。そして、その最初のきっかけになるものが「共感」なのです。
共感によって得られる集客能力は、どの程度のものなのでしょうか?
具体的に効果を数字としてあげるとすれば、これまで私はKindleで何冊も本を出版し、実際に何千人の方を集客できています。
売上でいえば、セミナーの最後にいつもお話しするストーリーに共感してくれた方の中には、100万円以上の商品を購入してくれる方もたくさんいる状況です。
何か商品を購入する際、好きな人と好きでない人が売っていたとしたら、好きな人から購入したいと思うのは当たり前です。したがって、共感してもらえる能力を高めることによって、購入してもらえる確率が何十倍にも何百倍にもなる、非常にシンプルな話といえるでしょう。
ストーリーを重視したオンライン集客の実践方法
オンライン集客を実施する方法を教えてください。
まずはペルソナの設定を行います。ペルソナとは、サービスや商品のターゲットとなるユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念です。本当に実在しているかのように、年齢、居住地、年収、価値観など具体的な情報を設定します。
ペルソナを作る手順は、以下の通りです。
- ターゲット層の決定:例えば40歳の女性など、大枠の顧客層を決める
- リサーチ:ターゲットの悩みや、どのような未来を想像しているのかなどについて、インタビューを実施。ロイヤルカスタマーがいる場合は、必ずインタビューを実施すること
- 理想のお客さまシートを作成:お客さまの写真や名前、年齢、身長、体重、会社名、役職、年収、お小遣い額、趣味、家族構成、よく読む雑誌、好きなTV番組などを細かく書いた履歴書のようなものを作る
上記理想のお客さまシートが完成したら、最適な訴求方法を検討します。これが、最もシンプルにペルソナを作る方法です。もちろん既に顧客がいて、この方というお客さまがいれば、その方をペルソナにしても構いません。
ペルソナは理想のお客さま像といえるものですが、多くの企業があいまいな決め方をしています。例えば「これは全員に買ってもらいたい」という商品は、ほとんどの場合大きな売上にはつながりません。
書籍の中でも触れていますが、以下3つのプレゼントのうち、最も喜ばれるものはどれかという質問があります。
- 旦那さんや奥さん、子どもや親、恋人など、だれか1人へのプレゼント
- 高校3年生のときの同級生30人全員に渡すプレゼント
- 東京都に住む年収500万円の男女100人渡すプレゼント
もちろん最も喜ばれるのは、1つ目の旦那さんや奥さんへのプレゼントです。
その人のことだけを考えて渡すプレゼントなので、喜んでもらえる可能性は非常に高くなります。しかし、30人や100人の方が対象になると、最大公約数のプレゼントになるため、当たり障りのないものになってしまう傾向にあります。
これはビジネスの世界でもまったく同じで、だれか1人のために作った商品であれば、その方に響きやすくなります。このとき「それでは大きな売上につながらないのでは?」とよく言われますが、そのようなことはありませんから、まずは試してみてください。
集客ではなく商品の話になってしまいますが、中小企業に多いプロダクトアウトからスタートするケースは、失敗する可能性が高い傾向にあります。自分の売りたい商品を訴求しても売れないため、ペルソナが求める商品を作ってから売る必要があると考えてください。
もしくは、既に商品がある場合は、ペルソナに響く商品に変えなくてはいけません。ペルソナに響く見せ方へ変えることによって、それまで売れなかった商品が売れるようになったケースは多くあります。例えば、制汗剤のシーブリーズはペルソナを「マリンスポーツをする20〜30代男性」から「部活後に好きな男の子のために制汗剤を使う女子高生」に変更し見せ方も変えたことで、わずか1年で低迷期の8倍の売上を記録しました。
このようにペルソナを明確化することで、ターゲットにメッセージが届きやすいように工夫しやすくなり、画期的な商品も生まれやすくなるのです。
ペルソナ設定後に行う施策について教えてください。
次は、商品に対するストーリーを作りましょう。ストーリーとは「だれが」という部分や、商品自体の開発秘話などを見せるものです。
先ほどお話した通り、商品だけで差別化することは難しくなりました。以前は、3M(Market、Media、Message)さえ留意していれば、ある程度は商品が売れる時代だったといえるでしょう。
しかし現在は、そこに「だれが・だれに・何を・どのように」売っていくかというように、「だれが」という部分が重要視されています。商品には、もともと機能的価値(商品自体の機能やメリット)と、情緒的価値(商品・サービスの利用後に顧客が感じる価値)があると言われていました。そして現在は、これらに加えて「だれが」「その会社が」という人間的価値と呼ばれるものが追加されています。
人間的価値を訴求する場合には、人や会社の価値をどのように見せるかが大事なポイントです。最も簡単に表現できる手法として、ストーリーが用いられます。
ストーリーを作るうえでは「ビフォー・きっかけ・アフター」を意識することが重要です。
例えば、商品開発秘話であれば「もともとはこのような状態だったが、ちょっとしたきっかけでお客さまからこのようなお声をいただき、この商品が生まれました」といった流れで作る必要があります。
会社を主役にする場合は「マイナスな状況だったが、社長や社員の想いを絡めた一言などがきっかけに、この商品が生まれました」のような形で作ります。
また、長めのストーリーにしたい場合は「谷」を2回作ることが、顧客の感情を動かすポイントです。
例えば、感情を表すプラス・マイナスの線があった場合、上が「嬉しい」「楽しい」、下が「悲しい」「悔しい」といった感情だとしましょう。フラットな0の状態からスタートした場合、プラス・マイナスの上限が10であれば、最大で感情は10まで動きます。しかし、1度悲しい思いをさせてマイナス4になった後、最大まで楽しさや喜びを与えられれば、14もの感情が動くわけです。
「感動」という言葉は「感情を動かす」と書きますが、この振り幅が大きいほど、ヒトは感動しやすくなります。ストーリーを作る際には、感情の起伏を作ることを意識し、2回「谷」を作ると効果が高まりますので、ぜひ試してみてください。
共感を軸にしたオンライン集客には、なぜストーリーが重要なのでしょうか?
ストーリーは顧客から共感を得るために、欠かせないツールです。ストーリーを語る企業側と、それを聞く顧客側に感情のギャップが生じないように、ストーリーで共感を得て、その溝を埋める必要があります。
近年においては、意匠登録や商標登録などをしない限り、どのような商品やサービスでも、模倣されると考えてください。私も最近、自分の商品を丸パクリされましたが、調べればいくらでも情報が出てくるため仕方がないと思っています。
以前は、マーケティングにおいて、USP(Unique Selling Proposition)やUVP(Unique Value Proposition)をいかに確立するかが重視されていました。しかし現在は、それだけでは弱いと感じています。
USPの事例で最も有名なものが、ドミノ・ピザでしょう。1960年代のアメリカで「熱々のピザを30分以内に届けます。届かなかったら全額返金します」という打ち出しを行ったことで、大きく売上を伸ばしました。しかし現在、宅配ピザのサービスは多くの種類があるため、自宅から近いといった理由で選ばれることが多く、差別化は難しい状況です。
そのため多くの商品やサービスは、ストーリーを活用して、人間的価値による差別化を行う必要が出てくるのです
例えば、映画の「タイタニック」を例にお話しすると、史実としては豪華客船が流氷にぶつかって座礁し、沈没した事件だといえるでしょう。この事実を聞いただけで、心を動かされる方は少ないと思われます。
しかし、これが映画になることによって、まるで自分がその事件を体感しているように感じてもらうことが可能です。映画の観客は、船上で演奏している人たちの姿や、主人公の2人が海に沈んでいく姿を見て、感動し涙を流します。事実がストーリーに代わることによって、両者のギャップが埋まるわけです。
ストーリーを話している側は、語るという行為をしながら感情が動きますし、聞き手側はストーリーを通して、話している側と同じ気持ちを共有することができます。このように共に感じながら、両者のギャップを埋めることができるのです。
もちろん、すべての方がストーリーに共感するわけではありません。しかし、共感してくれた方々には「この会社いいな」「この会社の商品が欲しい」「この会社から教わりたい」といった気持ちの変化が現われるでしょう。
顧客に共感してもらえるストーリーを作るコツがあれば教えてください。
まずプロダクト面においては、作る側の感情をしっかりと入れることが大切です。そのとき発した言葉や、どういう状況で生まれたのかといった「なぜ(Why)」を含める必要があります。「なぜ」という部分がない場合、ストーリーが弱くなってしまいます。
「なぜ」は先ほどお話した「きっかけ」に該当する部分で、谷を作って山にしてあげることを意識することが重要です。
サービス面についても、プロダクトとまったく同様で「なぜ」が重要なポイントだといえます。しかし「なぜ」を伝えていない商品やサービスは、非常に多いです。商品やサービスの良さを伝えるだけで終わっているケースが、ほとんどだと思います。
「なぜ」を作るためには、お客さまに合わせたストーリーをきちんと作ることが大切です。例えば、私のセミナーであれば、参加者の属性に応じて毎回話し方を変えています。コンサルタントが参加している場合は、コンサルタントの事例をお話ししますし、整体師が参加している場合には、必ず整体師のお話を事例に含めています。
一方、自社のストーリーを作るとき、社長や従業員の多くが悲惨な話を書かなくてはいけないと思われるそうです。紆余曲折のストーリーにしたいと思っていても、自分の人生が平坦だったため、おもしろい内容を思いつかないというお話をよく聞きます。
しかし、紆余曲折のストーリーを考える必要はありません。最も重要なポイントは、お客さまが体感できるストーリーを書くことだからです。
例えば、液体洗剤のメーカーであれば、このようなストーリーが考えられるでしょう。
昔は粉の石鹸を使っていたのですが、いつも白い塊が洗濯物に残るのが嫌でした。
ある日、これをなんとかできないかと思い、水に溶かした後で洗ってみたところ、白い塊が残らないことが分かりました。
そこで「液体の石鹸を作れば、問題が解決するかもしれない」と思い、液体洗剤の開発に着手しました。
即興で考えたストーリーなので、本当かどうかはわかりませんが、このような顧客目線のストーリーであれば、共感してもらいやすくなります。
オンライン集客を成功させるポイントは「継続」と「改善」
オンライン集客を実施しても、すぐに期待した成果は上がらないと思います。集客を増やすために、重点的に実施するべきことを教えてください。
オンライン集客を成功させるためには、以下の2点に留意しましょう。
- 続けること
- 顧客の一番目の前にくる部分に注力すること
やはり、続けることが最も大事と考えてください。これまで、多くの法人を見てきましたが、やはりなかなか継続できないのです。とにかく成果が出るまで、続ける必要があります。
どの程度の期間続ける必要があるかについては、会社や個人の能力によって異なりますが、最低限1か月は続けなければ効果は見えないでしょう。そのことを説明したうえで「メルマガやLINEをやりましょう」と伝えても、1か月続くケースは非常に少ないというのが実情です。
普段からインフルエンサーのようすを見ている若い世代の方は、比較的続けてくれる傾向はありますが、30代後半から40代以上の方になると継続できなくなります。したがって、現在は「続けた企業が勝てる」という、非常にシンプルな状況ともいえるでしょう。
次に重要なポイントは、集客できない方の多くが、自社の商品力が弱いと思い込んでいることです。商品力はユーザーには見えないため、実際に購入して使ってみなければわかりません。しかし、ほとんどの企業が商品に注力しています。
最も注力する必要があるのは、顧客の一番目の前にくる部分です。例えば、商品のパッケージや小売店で販売する場所をどうするかのほうが、商品より何倍も重要だといえます。
そのうえで商品が良ければ、よりファンになってくれたり、リピートをしてくれるのです。具体的には、コンセプトをいかにブラッシュアップするかが大切なのですが、そこに気付いている方は非常に少ないのが実情です。Twitterであれば、ツイートよりも一番目の前にくるプロフィールの内容が企業コンセプトを含む部分となりますから、まずはそこを充実させることが集客には効果的となります。
プロフィールを充実させたら、続いて二段階の集客を行います。まず見込み顧客を集め、集まった人たちに対して継続的な情報発信を行い、その中でさらに興味を持ってくれた方に商品を販売する流れです。遠回りに見えるかもしれませんが、この方法が効率的となるのです。
一定の集客が実現できた後は、収益向上を目指す必要があります。オンライン集客で売上やリピート率を向上させるために実施するべき施策を教えてください。
オンライン集客で、売上やリピート率を向上させるためには、以下のポイントを押さえる必要があります。
- 数字を見ること
- 常に顧客と接触すること
- 顧客の成長に併せた商品を作ること
オンラインの場合、売上は以下のように算出することが可能です。
「売上=アクセス数×登録率×成約率×商品単価×リピート率」
そのため、まずはこれらの数字を把握する必要があります。しかし、法人のコンサルをする際「数字を見せてください」とお願いしても、すぐに出せるところはほとんどありません。売上を上げるためには、これらの数字を分析して、悪い部分を改善していく必要があるため、まずは数字を把握することからはじめましょう。
例えば、集客はできていても売上につながらない場合、アクセス数と登録率以外の数字を改善する必要があります。売上を2倍にするためには、それぞれの項目を1.15倍すればOKなので、実はそれほど難しい課題とはいえません。
売上やリピート率を上げるためには、顧客に忘れられないよう、常に接触を図ることが重要です。顧客に忘れられた瞬間に、商品を購入してもらえる可能性は非常に低くなります。
顧客が「これが必要」と思ったときに、すぐ自社の商品やサービスが頭に浮かばなければ、購入や利用にはつながりません。リピートしてもらうためには、顧客と最初に接点を持つ段階から、印象に残るような発信をする必要があります。
顧客の成長に合わせた商品作りをすることも、売上やリピート率を上げるためには大切です。顧客が商品を購入するときには、なんらかの必要性が存在します。しかし、商品を購入して問題が解決すると、また別の悩みが発生するため、解決するための他の商品が必要になるでしょう。顧客の成長に合わせ、段階的に商品を開発することによって、継続的な購入や利用につなげることが可能です。
単発商品の場合は、成長型ではなく、リピートしてもらいやすいしくみを作らなくてはいけません。生活の一部に溶け込む商品にしたり、通販などに見られる「月に〇回届きます」といったしくみを作ったりすることによって、リピート率が上がりやすくなるでしょう。
集客した顧客に商品を購入してもらうためにはLP(ランディングページ)も重要だと思いますが、効果的に作成するコツがあれば教えてください。
LPの作成は「こういう順番に書いていけばよいですよ」という型があるため、その通りに記述していくことがポイントです。有名なものは、マーケターである神田 昌典さんが提唱したパソナの法則でしょう。
- P(Problem:問題):ユーザーが抱えている欲求や問題を提起
- A(Affinity:親近感):問題の中身を掘り下げてユーザーに共感し、親近感を醸成
- S(Solution:解決策):問題解決につながる具体的な方法を提示
- O(Offer:提案):解決策を導入してもらうための提案を実施
- N(Narrowing Down:絞り込み):期間を絞り込み今すぐ購買すべき理由を提示
- A(Action:行動):購入行動を促進
この他にも、さまざまなLPの型はありますが、パソナの法則だけ覚えておけば十分でしょう。顧客の知りたい情報の流れになっているため、使いやすくなっています。
まず、一番上にキャッチコピーを配置し、その後はパソナの法則に従って内容が網羅されていれば、売れるLPを作成することが可能です。
オンライン集客を実施する際、注意する必要がある点があれば教えてください。
商品を作る前に集客をしてみることです。ほとんどの企業は、商品を作った後、集客を始めますが、私からすれば「失敗が怖くないのか」と思います。売れるポテンシャルがない商品の場合は、赤字になるリスクが高くなり、それを回避するために安売りなど、無理やり売り込む形となる可能性が高いでしょう。
例えば「こんな商品を作りたい」と思った場合に、集客をしないまでもアンケートをとってみたり、体験会を実施してみたりすることによって、顧客の反応を見てみることが大切です。その結果を見たうえで、具体的な商品化を進めるのが賢明だと思います。
また、完璧を求めないこともオンライン集客では重要です。やはり、早く実施できることがオンライン集客の良さだと思うので、完璧を求めると売上につながらない可能性が高くなります。
例えば、iPhoneは新しい端末が発売されると高確率で不具合が発生します。しかしAppleは完璧なプロダクトを出すよりも、ユーザーからフィードバックをもらって改修したほうが早いことをわかっているのでしょう。あれほどの大企業でも、完璧を求めていないわけです。
オンライン集客についても、完璧に準備できなければ実施しないというマインドではなくて、やってみなければわからないというテストのマインドを持つ必要があります。「これは絶対にいけるだろう」と思っていても、まったく売れないことはよくあることです。また反対に「これでも売れるんだ」というケースも、よくあります。
何度もテストを繰り返すことによって、徐々に施策の精度が向上するため、集客効果を高めやすくなるでしょう。数値もすべて確認できますので、さまざまな方法を試してみることが大切です。
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この記事の著者
弥報編集部
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この記事の監修者
鈴木 ケンジ(株式会社ゼロワン出版 代表取締役社長)
12年以上のサービス業での現場経験と集客方法を活かし、2010年起業。オフラインとオンラインの集客を組み合わせた集客を得意とする、マーケティングの専門家。
2019年に出版社である、株式会社ゼロワン出版を立ち上げ【「本×WEB×マーケティング」でひとり起業家の輝く未来・笑顔・ワクワクを創る】をミッションに、起業家の出版に携わりながら、自身の著書もAmazon Kindle本総合ランキング1位など、11冊でトータル170冠以上獲得している。
頑張っているけど頑張り方が間違っている、頑張る方向がズレてしまって成果を出し切れていないひとり起業家を、1人でも多く成功に導くための活動をしている。
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