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2023年度版:中小企業が活用しやすい補助金・助成金まとめ【教えて吉田先生!】

2023.06.22

補助金、助成金などは、国や自治体などが実施しており、数百から数千種類あると言われています。その中から、中小企業が自社に合致する制度を探すのは大変ですよね。具体的には、どのように自社に適した制度を見つければいいのでしょうか。

まず、人気のある制度に着目して、その制度に自社が申請できるかどうかを確認するのが近道でしょう。

今回は、全国規模で特に人気のあるおすすめの経済産業省系の補助金について、財務・資金調達コンサルタントの吉田 学先生に伺いました。

※本記事は2023年5月22日時点の情報を基に作成しております。法令などの最新情報については、政府から出ている文書をご確認ください。


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2023年に公募されるおすすめの補助金を教えてください。

生産性革命推進事業として公募されている「ものづくり・商業・サービス補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」の4補助金が私のおすすめです。

生産性革命推進事業とは、生産性向上を図ろうとしている事業者を支援するものです。4補助金は、その推進事業の一つとして実施されている公募事業になります。

「事業承継・引継ぎ補助金」については、事業承継時期の事業者を対象としていますので、「ものづくり・商業・サービス補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」が利用しやすいでしょう。

(参考)
生産性革命推進事業|独立行政法人中小企業基盤整備機構

「ものづくり・商業・サービス補助金」について、具体的に教えてください。

「ものづくり・商業・サービス補助金」とは、事業者が革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善などを行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助制度です。通常枠をはじめ、各種申請枠が用意されています。

通常枠は、革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援をする枠になります。

申請枠には「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」があります。「回復型賃上げ・雇用拡大枠」は、業況が厳しい事業者※が賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者を支援するものです。「デジタル枠」は、DXに資する革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資などを支援します。「グリーン枠」は、温室効果ガスの排出削減などに必要な設備などを、「グローバル市場開拓枠」は、海外事業の拡大等を目的とした設備投資などを支援します。

詳細および具体的な公募スケジュールなどは、以下のサイトから確認してください。

(参考)
ものづくり補助金総合サイト|全国中小企業団体中央会

「持続化補助金」とは何ですか?

「持続化補助金」とは、小規模事業者などの販路開拓などの経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者などの生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした補助制度です。補助額は50~200万円、補助率は2/3(賃金引上げに取り組む事業者のうち、赤字事業者は3/4)で、店舗改装、広告掲載、展示会出展費用などを補助します。

また、窓口は全国の商工会などになっており、申請サポートもしてくれますので、小規模事業者には利用しやすい制度だといえるでしょう。

詳細および具体的な公募スケジュールなどは、以下のサイトから確認してください。

(参考)
小規模事業者持続化補助金|全国商工会連合会
小規模事業者持続化補助金|商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局

「IT導入補助金」とは何ですか?

「IT導入補助金」とは業務の効率化やDXの推進、セキュリティ対策のためのITツールなどの導入費用を支援する補助制度です。申請枠として「通常枠(A型、B型)」「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入型、複数社連携IT導入類型)」「セキュリティ対策推進枠」が用意されており、補助額は最大450万円/者、補助率は1/2~3/4となっておりますが、それぞれの枠、型ごとに細かく設定されていますので、詳細についてはパンフレットや事務局ホームページから確認してください。

(参考)
中小企業対策関連予算『IT補助金』|中小企業庁
IT導入補助金2023|IT導入支援事業事務局

弥生製品を導入する場合も、IT導入補助金を活用することができます。

(参考)
IT導入補助金サイト|弥生株式会社

インボイスに関する補助支援があると聞きましたが、どういう制度になりますか?

2023年10月1日よりインボイス制度が開始されます。政府は、インボイス制度への対応に取り組む事業者に対してさまざまな支援を実施していますが、課税事業者を選択する事業者向けに「IT導入補助金」および「小規模事業者持続化補助金」にて補助支援を実施しています。

IT導入補助金においては、デジタル化によるインボイス対応に関する事務負担の軽減を支援するために、ITツール(一部ハードウェアも含む)の導入費用などを補助します。

弥生製品は、IT導入補助金の対象となっています。Webサイトで、IT導入補助金の対象となる弥生製品の紹介や、IT導入補助金を使って弥生製品を購入する流れもまとめられているので、ぜひご活用ください。

また「みらデジ」により、インボイス対応も含めた自社のデジタル化状況や経営課題を確認することもできます。ぜひ、チェックしてみてください。

(参考)
みらデジ経営チェック|中小企業庁

次に、小規模事業者持続化補助金においては、免税事業者からインボイス発行事業者に転換する事業者(インボイス転換事業者)に対し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓などの費用(税理士などへの相談費用を含む)支援をしています。現在、すべての申請枠で補助上限を一律に50万円上乗せされています(最大250万円補助)。

なお、インボイス制度についての解説は以下を参考にしてください。

(参考)
2023年10月1日スタートの「インボイス制度」をまるごと解説【まとめ】|弥報Online

その他、おすすめの制度について教えてください。

事業承継の課題などを抱えている事業者には、生産性革命推進事業にて実施されている「事業承継・引継ぎ補助金」もおすすめいたします。採択率も高く要件に合致すれば利用しやすい制度だといえるでしょう。

(参考)
事業承継・引継ぎ補助金|事業承継・引継ぎ補助金事務局

補助金、助成金はとても数が多いので、弥生会計の「資金調達ナビ」などの検索サイトを利用して自社に合う制度を探してみてください。

(参考)
資金調達ナビ|弥生株式会社
ミラサポPLUS|経済産業省
J-Net21|独立行政法人中小企業基盤整備機構

また、厚生労働省系の助成制度については、厚生労働省のホームページなどから自社に合う制度を探してみてください。また、助成金を専門としている社会保険労務士に相談するとスムーズに手続き支援などをしてくれます。

(参考)
各種助成金・奨励金等の制度|厚生労働省

※本記事は2023年5月22日時点の情報を基に作成しております。法令などの最新情報については、政府から出ている文書をご確認ください。


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この記事の著者

弥報編集部

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吉田 学(よしだ まなぶ)

財務・資金調達コンサルタント
株式会社MBSコンサルティング 代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。

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