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自社らしさを表現するヒントは「日常」にあり【小さな会社の情報発信、3つのポイント】

「うちの会社は、別に特別なことは何もしていないです。だから、発信といってもネタがなくて」

……この10年で一体何回、このセリフを聞いてきたでしょう。

私はライター・編集者として、長らく企業広報の仕事にたずさわってきました。これまでおよそ1000社におよぶ会社を取材してきましたが、中小企業の方に取材をすると、必ずといっていいほどこのセリフが飛び出すのです。

そんな企業の方に出会うたび、私は何度もくりかえし強調してきました。

「発信できることがない会社なんて、一つもありません!」と。

情報発信は、PR/広報の効果を高めるために欠かせない取り組みです。前回の記事「小さな会社だからこそ成果が出るPRの考え方」では、“うまくいっている会社の共通点”としてPR(Public Relations) の実践をあげ、小さな会社がどこからPR/広報活動に着手すればいいか、解説しました。

今回はPR/広報の手法の一つ、「対外的な自社発信」を取り上げ、実践するうえでのポイントをお届けします。

執筆者:大島 悠

企業広報を専門とする編集パートナー、 合同会社ほとりび代表

デザイン制作会社勤務を経て、2013年より「企業広報支援ライター」として活動。BtoBビ ジネス領域の広報ツール、各種コンテンツの編集・制作に多数携わる。2018年7月に法人化し、現在は中小企業向けに、編集の技術をいかした伴走型の広報支援サービスを提供している

対外的な発信は、インパクトある情報がないといけないのか

インターネットやSNSによって、小さい規模の会社でも、自分たちで自由に発信ができるようになった今の時代。ただ、ブログやSNSでいざ情報発信をしよう! と思い立っても、すぐにネタに詰まってしまい、なかなか続かない会社が多いようです。一体何を発信したらいいのかわからない、と。

業界No.1のサービスやカリスマ社長、界隈で有名なエース社員、ドラマチックな開発ストーリー……対外的に情報を発信するならば、そのくらいのインパクトがないといけない。みなさん、そう思われるのでしょう。

ただ単純にサービスや商品の仕様や特徴だけで比較しようとすると、絶対的な差をアピールすることが難しくなっている時代です。技術力やサービス力で勝負しようにも、市場が成熟しているためほぼ横並びになってしまう。(例えば、とあるテレビの厚さが2ミリ他社製品と比べて薄かったとしても、生活者に与える影響はほとんどありませんよね)

でも、会社の歴史や創業の経緯、経営者の想い、働く人たちの人柄、働く環境、これから目指すことなど、“会社のソフト面”はどうでしょうか。そこには100社あれば100通りの「自社らしさ」があるはず。

そうしたソフト面における「自社らしさ」の発信が、いま、PRを実践していくうえで重要な施策の一つになっています。

PR /広報の基本は、まず「自社理解を深めてもらうこと」

前回の記事「小さな会社だからこそ成果が出るPRの考え方」でご紹介した通り、PRとは「Public Relations(=社会との良好な関係構築)」のこと。

みなさんが初対面の人と関係性を築こうとするとき、きっと多くの人が、お互いに自己紹介し合いますよね。どこからきたのか、どんな仕事をしているのか、何が好きなのか、どんなことに興味があるのか。

企業のPRも、それと似た側面があります。いまどんな事業をしているのか、これまでどんな道をたどってきたのか、これからどんな未来を目指しているのか。(詳しくは前回記事をご参照ください)

そこからさらに自社への理解を深めてもらうためには、さまざまな角度から会社を切り取り、表現することが必要になります。

そのとき、必ずしも前述のような社会的インパクトのあるネタだけを選ぶ必要はありません。「誰と」「どんな」関係を構築したいかによって、選ぶ食材も調理の仕方も変わってくるからです。

小さな会社の情報発信、押さえておきたい3つのポイント

では、特別な素材を持たない小さな規模の会社は、どのように情報発信の素材を選べばいいのか。3つのポイントを軸に、具体的にみていきましょう。

ポイント① “高級食材”じゃなくてもいい!会社の“日常の食卓”をシンプルに表現しよう

一部の会社に存在する、カリスマ社長の金言やオリジナリティあふれる事業の特性などは、いわば“高級食材”のようなものです。

確かにそれは印象に残りやすいかもしれませんが、別に高級食材がないからといって、料理ができないわけではないですよね。大皿に盛り付けた一品料理だっていいし、一汁一菜だっていい。

むしろ高級食材だけをずらりと並べて期待値を上げすぎ、いざ一緒に仕事をしたり、採用されたりしたときの日常食とのギャップにがっかりする……なんてことも起きやすいのです。

「日常食」は、特に採用候補者に対して必要となる情報です。これからまさに入社を検討せんとする人たちが知りたいのは、業界No.1のサービスかどうか、社長がどれだけカリスマ性があるかよりも、一緒に働くのはどんな人たちなのか、オフィス環境はどうなっているのか、働き方はどんな感じなのか、といった日常ですから。

 採用候補者が知りたい「日常食」な情報の例

 ・どんな人たちが働いている?(社員の顔や人柄が見える)
 ・オフィスはどんな印象?(働く場所のイメージがわく)
 ・働き方はどんな感じ? 自由度は?(毎日の働き方をシミュレーションできる)
 ・日々の仕事でこだわっていることは?(企業文化にふれられる)

ただ、いくら日常の風景が大事だとはいえ「個人名や顔写真をインターネット上に出すのは不安」と感じる社員の方もいらっしゃると思います。ここで大事なのは会社の雰囲気がわかることであって、全員が必ず個人情報をさらす必要はありません。

実際のところ、顔写真ではなく似顔絵イラストをつかう、ネットに名前を出すときは苗字までにする、全員本名とは違うペンネームを名乗っているなど、発信の際にさまざまな配慮をしている企業もあります。ここはできる限り気をつけたいところですね。

ポイント② 「ウソ」は絶対にバレる。素材を無視した”過剰な味付け“は厳禁

日常の情報発信をするうえで、絶対にしてはいけないことが一つ。それは表面的にだけつくろった言葉を盛る、つまり「ウソ」をつくことです。

思ってもいないこと、本気ではない取り組み、響きがいいだけのカッコいい言葉。実態がないまま「がんばって盛った」情報発信は、マイナスのギャップにつながり誰も幸せになりません。

もちろん、社風に合ったテイストのデザインをほどこしたり、写真の撮り方を工夫したり、見せ方で「自分たちらしさ」を表現するのはOKです。でも、本当はないものをあるように見せたり、素材を無視して過剰な味付けをしてしまうのはよくありません。

一時的に調味料の匂いにつられて近づいてきた人も、実際の料理がおいしくなければ、すぐに離れていきます。実態とかけ離れた表現はやめましょう。

ポイント③ “自社らしい味わい”は、「なぜ?」という問いからにじみ出る

日常のことを、ウソなく発信する。高級食材は必要ない。「理屈はわかったけど、本当にそれでいいの……?」と心配になった方もいるかもしれませんね。

基本の素材を使い、”自社らしい味わい”を出していくにはちょっとしたコツがあります。どんな情報を発信するときも、必ず「なぜ?」と振り返り、その理由を示すこと。

例えば「先輩社員たちがこの会社に入社し、いまも働き続けているのはなぜ?」「社長が現在の事業を拡大しようとしているのはなぜ?」「この場所にオフィスがあるのはなぜ?」「その福利厚生を取り入れたのはなぜ?」「お客様と接するときの態度に特別厳しいのはなぜ?」

この「なぜ?」という問いを繰り返していくと、じわりと出汁がしみこんでいくように、自社らしい味わいが生まれてきます。

会社としてなぜそれを大事にしているのか、なぜその行動をよしとしているのか。その問いに対する答えから、企業独自の思想や哲学、考え方がにじみでていくためです。

「自社らしい」日常食には大きな価値がある

かつて私はライターとして、毎日のように企業で働く方々への取材を重ねていました。そこで一つ、感覚的に実感したことがあります。

同じ会社の社員の方に何人もお話を聞いてみると、表現は違っていても全員が似た傾向の思考をしていたり、同じような言葉づかいをしていたり、行動が似通っていたりと、どんな会社であっても必ず共通項があったのです。

それは言葉でうまく言い表せないことも多々ありました。でも、それこそが正真正銘の「にじみでる自社らしさ」なのだろうと思います。

どんなにオーソドックスな食材や料理でも、それがみなさんの会社にとっての「日常食」なのであれば、それを発信する価値があります。

自社理解をさらに深めてもらうためにも、ないものをよく見せようと背伸びせず、高級食材にこだわらず、等身大の自分たちを発信することを心がけてみてください。

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大島 悠(おおしま ゆう)
著者:大島 悠(おおしま ゆう)
企業広報を専門とする編集パートナー、 合同会社ほとりび代表

デザイン制作会社勤務を経て、2013年より「企業広報支援ライター」として活動。BtoBビ ジネス領域の広報ツール、各種コンテンツの編集・制作に多数携わる。2018年7月に法人化し、現在は中小企業向けに、編集の技術をいかした伴走型の広報支援サービスを提供している

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