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【離職率低下の事例あり】小さな会社で働く従業員の健康管理に。置き型社食サービス「オフィスおかん」とは

2023.05.24

著者:弥報編集部

監修者:株式会社OKAN

経営者の皆さん、従業員の健康のことを考えていますか?近年「健康経営」の重要性が注目されています。健康経営とは、従業員の健康管理を個人に任せるのではなく、経営課題として捉える考え方です。中小企業では、1人でも休んだり辞めてしまったりするだけで大きな影響が出るため、健康経営はリスクマネジメントのカギとも言えるでしょう。

健康経営を始めるにあたり、会社が比較的取り入れやすい・続けやすいものが食に関する福利厚生です。「オフィスおかん」は、電子レンジとスペースさえあれば始められる置き型の社食サービス。1品100円で、従業員各自がいつでも好きな組み合わせで利用できます。しかも「オフィスおかん」は、管理栄養士がメニューを監修していて自宅への持ち帰りにも対応!

今回は、オフィスおかんのサービスを運営されている株式会社OKANの中村さんに、サービスの概要や健康経営のメリットについて伺いました。離職率の低下につながったという導入事例も交えながら紹介します。福利厚生が使われていないとお悩みの会社も、必見の内容です。


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健康経営とは?メリットや取り組み方について

そもそも「健康経営」とは何ですか?

健康経営とは、従業員の健康管理を個人に任せるのではなく、経営課題として捉える考え方です。経済産業省のページでは以下のように記載されています。

“「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。“

(引用)
健康経営|経済産業省

健康経営に取り組むと、企業にどんなメリットをもたらしますか?

「健康」は安心して働くための土台となりますから、人材の定着に役立つのは1つのメリットです。中小企業では、健康問題でだれか1人抜けただけでも影響が甚大です。その人の知識が失われ、顧客とのつながりがなくなるなどすれば、売上の低下を招くでしょう。健康経営によって、そういった事態に備えることも可能です。

健康経営はどのように取り入れると良いでしょうか?

さまざまな総務の方とお話ししていると、健康経営に基づいて福利厚生を実施する際は、非日常ではなく日常に寄った施策が長続きしやすいようです。例えば、ウォーキング大会を開いたとしても、健康を意識するきっかけには効果的ですが、継続するのはなかなか難しいですよね。運動であればラジオ体操のように簡単にできるものが継続しやすいですし、運動や食事など、だれにでも当てはまる領域も取り入れやすいのではないでしょうか。

1品100円!簡単に始められる「オフィスおかん」のシステム

オフィスおかんについて教えてください。

オフィスに冷蔵のお惣菜を設置するサービスです。お惣菜を保管する冷蔵庫をはじめ、容器の資材ボックス・料金箱はオフィスおかん側で用意します。利用される事業者さまは、電子レンジと設置スペースを準備するだけで大丈夫です。従業員の皆さんが食べたいお惣菜を各自で選び、召し上がっていただけます。

メニューは毎月約20種類で、旬の食材も意識し、こだわった品揃えです。主菜・副菜・ごはんを揃えて定食にしたり、持参したおにぎりに1品プラスしたりと利用シーンはさまざま。好きな時間に使えるため、朝食・間食や夜勤の人にも対応できます。

どのような会社が、オフィスおかんを利用していますか?

健康経営優良法人認定制度というものがありまして、その認定を目指すためにオフィスおかんを利用し始める会社もいます。健康経営優良法人認定制度は、経済産業省が優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度です。中小規模法人部門の上位法人「ブライト500」社のうち、約10社に1社がオフィスおかんを利用しています。

食事に関する福利厚生というと社員食堂がまず思い浮かびますが、導入のハードルは比較的高いです。一方、オフィスおかんは「ぎゅっと小さくした社員食堂」なので、企業が導入しやすいサービスを展開しています。

オフィスおかんの料金について教えてください。

料金は、会社の規模や利用人数に合わせて複数のプランを用意しています。お惣菜は1品100円で、こちらは購入した人が負担します。設置したお惣菜が足りなくなった場合は、追加が可能です。

オフィスおかんの特長・メリットを教えてください。

社外に出ずに購入でき、手軽に利用できることから、忙しさのあまり食事を抜いてしまうような方にも効果的ですし、欠食予防にもつながります。また管理栄養士がメニューを監修しているので、バランスの良い食事をとりやすく、強く意識しなくても健康に配慮できるしくみを構築できるのではないでしょうか。電子レンジを使っている間に他部署の人と交流するなど、コミュニケーションのハブになっているという声も聞かれました。

お惣菜には1か月以上日持ちする加工が施されており、持ち帰りも可能です。その分家庭の負担は減りますから、SDGs・女性活躍推進の一環として推奨している会社もありました。リモートワークの日に備えて、お惣菜をまとめ買いする人もいます。

つまり、メリットは食事環境の整備だけに留まりません。多様な課題にアプローチできますし、人材定着・生産性向上といった、企業価値の向上にもつながっていくでしょう。

離職率が改善したケースも!「オフィスおかん」の導入事例

オフィスおかんは、どんな業種・規模の会社に利用されていますか。

業種・規模の偏りはなく、利用企業はさまざまです。中小規模だと製造業・介護・医療での活用が多い印象があります。こういった業種は出社を伴うエッセンシャルワーカーが多く、離職率が高かったり、競合も激しかったりするのではないでしょうか。従業員の満足度向上や他社との差別化にも、オフィスおかんが役立っていると考えています。

小さな会社での導入事例を教えてください。

15名規模の会社で、導入後に離職率が大幅に改善した事例があります。こちらの会社では、以前は3人採用しても2人辞めてしまうという状況でした。やがて働く環境を重視する人が増えていると気付き、採用対策と従業員の食生活改善を兼ねて導入を決めたそうです。

その結果、離職率が低下しただけでなく、お惣菜をシェアすることで社内コミュニケーションも増えたとのことでした。従業員の結束力が強化されて、事業成長にもつながったとの意見をいただいています。

健康経営へ取り組む際に意識すべきポイント3つ

健康経営に取り組むにあたって、経営者が意識すべきことは何ですか?

健康経営に取り組む際は、3つの意識が大切です。

1つ目は、全体最適・部分最適の順に実施するということです。つまり、まず従業員全員に向けて福利厚生を用意してから、不足している対象を支援するようにします。

2つ目は、福利厚生の目的を明確にしたうえで、それを従業員に伝えてください。どうしてこの福利厚生を導入するのかという意図が伝わらないと、使う側も迷ってしまいます。

3つ目は、自社の状況に合わせた対策が重要という点です。他の会社でうまくいったものが、自社でもそうなるとは限りません。男女比や年齢層に合わせて施策を考えたり、ヒアリング・アンケートなどで現状を把握したりするのもよいでしょう。

健康経営に取り組むにあたって、読者へメッセージをお願いします。

冒頭でお伝えしたように、福利厚生は継続性が大切です。とはいえ、時代や会社の状況によって求められる内容は変わっていきます。現在はリモートワークが進んで出社しない従業員も増えています。また従業員が年齢を重ねていけば、以前とは異なる施策を講じなければならないかもしれません。随時見直しを行い、使われない福利厚生は廃止する決断も必要だと思います。


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この記事の著者

弥報編集部

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ミッション・ステートメントに、リテンションマネジメントカンパニーとして、人材不足が深刻である日本における企業課題と社会課題の解決に取り組み、「働きつづけられる」社会を実現することを目指しています。

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