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売上アップにつながる!『物を売るバカ』著者に聞く「物語(ストーリー)を売る」方法

近年、新型コロナウイルス感染症や自然災害などの影響で、多くの会社やお店が苦境に陥っています。そのため目の前の売上を回復させることが、重要な課題になっていると思います。

しかしそれ以上に重要な課題は、変化した市場に合った商売のやり方を考えることでしょう。そこで今回は、ベストセラー『物を売るバカ』著者であり、ストーリーブランディングの第一人者である川上 徹也氏に、売上アップにつながる「物語(ストーリー)を売る」方法について解説していただきました。

川上 徹也(コピーライター 湘南ストーリーブランディング研究所代表)

大手広告代理店勤務を経て独立。企業や団体の「理念」を1行に凝縮して旗印として掲げる「川上コピー」が得意分野。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られている。著書『物を売るバカ』『1行バカ売れ』(角川新書)など、海外にも多数翻訳されている。

感情を刺激する「物語の力」

新型コロナウイルスの影響で、商品が売れないという声をよく聞きます。確かに大変なことはよく分かります。しかし、嘆いてばかりでは何も始まりません。

そもそも商品が売れないのは、本当に新型コロナウイルスだけのせいだけでしょうか?今まで見て見ぬフリをしていただけで、ひょっとしたらモノやサービスの提供価値やその売り方を見直す時期にきていたのかもしれません。逆に新型コロナウイルスのおかげで繁盛している業種も要注意になります。昨年までのインバウンド需要のように、環境が変わると真っ先に失速してしまう可能性があるからです。

今後、新型コロナウイルスの影響がいつまで続くのかはだれにも分かりません。たとえ事態が収束したとしても、この時期に加速した新しい働き方や生活様式は、完全に元に戻ることはないでしょう。だとしたら、今こそビジネスモデルを見直すチャンスです。思い切って売り方を変えてみてはどうでしょう?そこから、あなたの会社やお店ならではの「物語(ストーリー)」が発見できるかもしれません。

物を売るのではなくストーリーを売る

私は10年以上前から「ストーリーブランディング」というマーケティング手法を提唱しています。これは物を売らずに「物語(ストーリー)を売る」という方法です。

「物語」を感じることで、人は感情を刺激されます。感情が刺激されると興味を持ち記憶にも残ります。また、だれかにもすすめたくなるのです。

特に小さな会社やお店は、価格・品質・広告など、理性的な部分で勝負しても大手企業やチェーン店には勝ち目がありません。感情を揺さぶる「物語」を発信し続けることで、どんな時でも選んでもらえる「モテる会社」「モテるお店」になれるのです。

しかし「物語で売る」という手法には、大きな欠点があります。それは時間がかかるという点です。

1か月や2か月で簡単に結果を出したい」「そんな悠長なことは言っていられない」という方も多いでしょう。そこで今回は売り方を変えることで、目の前の売上を回復させつつ、近い将来「物語」として発信できるためのヒントをお伝えします。

売り方を変えるキーワードは「時」「場所」「ウリ」

今あなたの店の商品が売れていない場合、従来と同じ方法で売ろうとすればするほど、ますます売れなくなるでしょう。将来に向けての「物語の種」を植えるためには、まず「売り方」を変えましょう。

とはいえ、ただやみくもに考えていても、なかなか良いアイデアは生まれません。そこで以下の3つの視点から、売り方を変える方法を考えてみます。

  1. 売る「時間」を変える
  2. 売る「場所」を変える
  3. 売る「視点」を変える

1.売る「時間」を変える

「売る時間を変える」とは、営業時間・提供する時間・販売期間・タイミング・季節などを変えるということです。当たり前だと思っている時間軸を変えただけで、商品が売れ始めることがあります。

例えば、ある個人経営の喫茶店の例をご紹介しましょう。その店は都心から少し離れた街の商店街にある小さな店です。シニア世代のマスターが1人で切り盛りしている店で、カウンターとテーブル席が数組ある、10人も入ればいっぱいの店です。

しかし一昨年、その喫茶店に激震が走りました。近くに大手の珈琲チェーンができたのです。すると、パタリとお客さんが来なくなったのです。特にそれまで多かったモーニングのお客さんは壊滅的でした。大手チェーンの店の方が開店時間も30分早く、ゆったりできるしモーニングも充実している。その店に勝ち目はなかったのです。

そこで店主は大きな決断をします。それまで朝9時~18時だった営業時間を、思い切って朝5時~13時に変えたのです。メニューも開店から閉店までモーニングサービス一本にして、今までトーストに卵だったものを、熱々の玉子焼きをのせたホットサンドに変更しました。

「そんな朝早くからお客さんなんて来ない」と思いきや、しばらくすると多くのお客さんが利用するようになりました。今までどの店も開いていなかったので、通勤先の都心で朝食を食べていた人たちが、地元で食べてくれるようになったのです。

一方、午前中は朝昼兼用で食べに来る人も増えました。これはコロナ渦になっても変わりません。朝早くから職場に向かう人は、テレワークができないエッセンシャルワーカーの人が多かったからでしょう。

2.売る「場所」を変える

「売る場所を変える」とは、売る地域・売るチャネル・売る店・売場などを変えるということです。また、売る場所を変えるということは、今までと違うお客さんに向けて売ることでもあります。

例えば、都心の商業施設に入っている某高級焼肉店の例を紹介しましょう。以前までは商業施設の集客力もあり、単価が高いにもかかわらず繁盛していました。しかし新型コロナウイルスの影響で、売上が壊滅的に減少します。同じ施設に入っているオフィスが軒並みテレワークになり、そのビルに来る人自体が減ったからです。

このまま待っていても人が戻ってこないと判断したオーナーは、大きな決断をします。キッチンカーを購入して郊外の人が集まる所へ出向き、家で楽しめる「焼肉セット」の販売を始めたのです。これが大好評で計画以上に売れました。今後キッチンカーの台数を増やしていく計画もあるといいます。

3.売る「視点」を変える

「売る視点を変える」とは、「セールスポイント」を変えること、つまり「ウリ」を変えるということです。中身は同じ商品であってもその用途・切り口・カテゴリ・名前・パッケージなどを変えるだけでも新しい「価値」が生まれ、今まで売れなかった商品が売れるかもしれません。物そのものではないセールスポイントを探すことが重要なのです。

あなたの店が居酒屋だとしましょう。夜の来店客が少なくなったため、お昼にテイクアウトでお弁当販売を始めるとします。どのような売り方をするべきでしょう?

通常メニューの延長線上にあるお弁当を販売するだけでは「物語の種」にはなりません。「味」「食材」だけではない、何か別の切り口をセールスポイントにできないでしょうか?

例えば、免疫を上げるといわれている健康的な食材を使って「免疫力アップ弁当」を販売するのはどうでしょう?それぞれの食材の栄養を説明するリーフレットなどを一緒につけて売ってみるのです。この時代、多少、単価が上がっても求められるのではないでしょうか?

このほかにもオフィス街にある店であれば、「会議」「プレゼン」などに特化した弁当を作るのもいいですね。実際に「会議活性化弁当」を販売している店もあります。「プレゼンにカツ弁当」なども良いかもしれません。

手応えを感じたら、それを「物語の種」に

売り方を変えることは、将来に向けた「物語の種」を植えることにもつながります。

例えば、あなたの店でテイクアウトの「免疫力アップ弁当」が売れて、一定の手応えを得たとしたら、店全体の切り口を「免疫力アップ」にするのはどうでしょう?食材だけでなくBGMや照明など、店内のあらゆるものを免疫力アップに繋げるのです。笑うと免疫力が上がるという研究結果もあります。何かでお客さんを笑わせる方法を考えるのも良いでしょう。

これで「お客さんの免疫をアップさせる店」というコンセプトが生まれます。そのコンセプトがなぜ生まれたのか、自らの体験を交えて語ることでそれがあなたの店だけの「物語」になるのです。

もし今、あなたの会社や店で商品が売れずに困っているとしたら、何か売り方を変えてみましょう。そのチャレンジが「物語の種」になり、将来、芽が出て幹になり、花を開くことになるかもしれません。

弥報編集部
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