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中小企業が業務手続上おさえるべき「手続きのデジタル化」-GビズIDやミラサポplusを活用しよう

新型コロナウイルス感染症の影響で新しい生活様式へのシフトが求められる今、政府は一気に手続きのデジタル化を推進しようとしています。テレワーク定着やコスト削減に欠かせない手続きのデジタル化の波は、中小企業や個人事業者にも迫りこようとしています。例えば、2020年の年末調整から、申請のデジタル化がスタートすることをご存知でしょうか。デジタル化により、これまで年末調整手続きに必要だった従業員と担当者間での書類のやりとりが不要となり、さらには計算作業も自動化されます。また、年末調整関連書類は7年間の保管が義務づけられていますが、その書類保管スペース削減もデータ化により期待できるでしょう。

政府は現在、中小企業や個人事業者がスムースにデジタル化へシフト可能な仕組みづくりとして「GビズID(法人共通認証基盤)」や「ミラサポplus」などのシステム導入にも力を入れています。とはいえ、これまで紙で行ってきた手続きを一気にデジタル化するという政府のスタンスに、戸惑っている中小事業者の方も多いのではないでしょうか。今回は、手続きのデジタル化に不可欠となるGビズIDやミラサポplusが、具体的にどのような仕組みなのかを解説します。一見複雑そうに見えますが、一度手続きをすれば今後の業務負担軽減が期待できますので、ぜひ活用しましょう。

執筆者:榎並 利博(デジタル・ガバメント研究者)

前・株式会社富士通総研経済研究所、主席研究員。1981年東京大学文学部卒、富士通株式会社入社。住民情報、財務・地図情報など自治体におけるシステム開発に従事。1996年株式会社富士通総研へ出向し、デジタル・ガバメントや地域活性化をテーマとした研究に従事。電子政府やマイナンバーに関する著書・論文・講演等多数。直近の著書として『デジタル手続法で変わる企業実務』(日本法令、2020年4月)を出版。

年末調整申請や社会保険手続きの効率化を実現する「GビズID

経済産業省で普及を促進している「GビズID(法人共通認証基盤)」は、法人番号を活用して民間企業が1つのアカウントを取得するだけで、複数の行政サービスへの申請が利用可能となる認証システムです。

これまでは、管轄省庁が違う手続きに関しては提出先や手続き方法がすべて異なっていました。例えば、社会保険の手続きは日本年金機構に、そして雇用保険の手続きなどは厚生労働省にと大変複雑でした。手続きをする省庁が違えば、その一つひとつの手続き方法やIDが異なり、その手続きの数だけIDやパスワードが必要だったのです。複数のIDとパスワードを管理するのも、なかなか大変です。このような手間がGビズID取得により大きく変わります。一度企業代表者がGビズIDを取得すれば、それ以降1つのIDとパスワードで複数の行政手続きにおける認証利用が可能となるのです。

GビズIDを取得している企業は、補助金申請システム「jGrants」や、電気事業法における各種届出提出などをインターネットで完結できる「保安ネット」、社会保険手続などの電子申請を利用することが可能です。IDの一本化により、企業活動における業務効率化に大きな効果が期待されています。

自社が対象となる補助金や事業支援がすぐ分かる「ミラサポplus

ミラサポplus」は中小企業・小規模事業者に対して、各種補助金申請や事業支援に関する情報提供から申請の誘導までトータルにサポートしてくれるサイトです。これまでは、企業が補助金や事業支援を利用したいと考えていても、自分の事業がその対象となっているかが分かりにくく、申請を躊躇してしまうことが大きなネックとなっていました。しかし、ミラサポplusを利用することにより自分の事業がどの補助金や支援制度を利用できるのか、簡単に調べることが可能となりました。新型コロナウイルス対策においても、各府省と自治体が事業者向けに提供する各種支援情報を一元化し、自由に検索できるサービスを提供したことで注目されました。

新型コロナウイルス対応では、特に持続化給付金の申請、持続化給付金試算ツール、資金繰り支援・簡単チェックツールなどがよく利用され、事業者の給付金受給や資金繰りなどで活用されています。また、自分の事業がどの制度の条件を満たしているかを調べることも可能で、個人事業者・フリーランス、小規模事業者、中小企業や、宿泊業・サービス業・小売業・飲食業などの特定業種向け制度照会ができます。

請求書・領収書デジタル化やキャッシュレス決済など次なる「デジタル化の波」を見据えて

今後、中小企業や個人事業者は、新型コロナウイルス感染阻止を目的として社会的距離を確保しながら「仕事」「学び」「くらし」を継続させるため、デジタル化を前提とした変革が余儀なくされていくでしょう。この流れから取り残されないために、企業としては今後、具体的にどのような取り組みが求められるのでしょうか。国の施策を受け、企業活動については以下の3つの対応が必要となることが考えられます。                                                 

1.請求書・領収書のデジタル化

社会全体の流れとして、書面主義を打開すべくタイムスタンプに関する認定制度整備と、eシール関連の認定制度が創設される予定です。また、リモート署名の電子署名法上における位置づけも明確化が計画されており、企業にも導入が求められることが考えられます。

2.キャッシュレス化

政府はQRコード決済における統一QRである「JPQR」を全国展開することで、キャッシュレス化を推進していく予定です。それに伴い、企業側もキャッシュレス対応が必要となります。また、税務申告や将来的なインボイス制度への対応も、今後必要となることが予測できるでしょう。

3.税・社会保険手続きの電子化・自動化

年末調整といった税関連の申請や、社会保険手続きの電子化・自動化は必須となると考えましょう。企業が行う従業員の各種税・社会保険手続きのほか、以下の事項が取り組まれる予定ですので、一読しておいてください。

  • 税務申告(申請届出)から納税(納付)までの一連の手続きのシームレス化
  • ダイレクト納付も含めた口座振替申し込みのオンライン完結、個人住民税の特別徴収税額通知書など行政機関などからの処分通知などの電子送達の検討
  • 年末調整・確定申告手続きに関するマイナポータル活用において、社会保険料控除証明書など各種申告書の入力自動化に関するロードマップ策定
  • 国や自治体の窓口において「対面でもデジタル」な手続きを可能とするため、マイナンバーカードのICチップ活用

デジタル化推進のために政府がサポート体制構築に力を入れている現状は、企業にとってもデジタル化へ踏み出す絶好のタイミングです。この機を逃すことなく、着実にデジタル化を進めましょう。

デジタル化対応は「企業の未来」を切り開く一助に

これからの時代、GビズIDやミラサポplusを活用し、各種申請や手続きといった企業活動のデジタル化が必要不可欠です。

「大変そう」「よく分からない」と不安になるのではなく、この時流を契機と捉え、その動向を踏まえながら着実に手続きのデジタル化を進めていきましょう。結果として、その動きこそがコスト削減や業務効率化といった自社のメリットにつながっていきます。

榎並利博
著者:榎並 利博(えなみ としひろ)/デジタル・ガバメント研究者
前・株式会社富士通総研経済研究所、主席研究員。1981年東京大学文学部卒、富士通株式会社入社。住民情報、財務・地図情報など自治体におけるシステム開発に従事。1996年株式会社富士通総研へ出向し、デジタル・ガバメントや地域活性化をテーマとした研究に従事。電子政府やマイナンバーに関する著書・論文・講演等多数。直近の著書として『デジタル手続法で変わる企業実務』(日本法令、2020年4月)を出版。

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