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アパレル業界の新常識に挑む男。10YC・下田将太が語るブランドヒストリー【会計士・大野修平 対談連載】

2019.11.06

「経営者はもちろん経営に直接役立つ情報を求めているけれど、それと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、他の経営者がどんな想いで経営という仕事に立ち向かっているのかを知りたいのだと思うんです」

ご自身も経営者である公認会計士・税理士の大野修平先生のこの言葉をきっかけに、連載【会計士・大野修平-対談連載-「話題のスモールビジネス経営者に斬り込む」】を企画しました。毎回「スモールビジネス経営者と話すことによって、共通するテーマや普遍的なメッセージを引き出したい」をテーマに、大野先生が経営者に斬り込みます。

今回のゲストはTシャツやスウェットを中心に人気のアパレルブランド「10YC Inc.」代表取締役社長・下田将太氏。10YCは「着る人も作る人も豊かに」をコンセプトに透明性を重視して、生産者・生産工程・原価などを公開することで業界の常識に挑戦し、デビュー当時からメディアに取り上げられ話題となってきました。若手起業家として注目されている下田氏に、ブランドの想い、突然の休止と再開、そしてこれからについて語っていただきます。(全2回)

製造原価公開のきっかけは「業界への当てつけ」

大野:実は僕、10YCさんが先週末に開催されたポップアップストアにうかがいました。

下田:今、着てくださっている半袖シャツを2枚買ってくださいましたよね?覚えています。ありがとうございました。

大野:普段はWebストアだけとのことなので、ぜひ実物を拝見したいと思って行ってみたら、買ってしまって。それ以来、週に5日、仕事の時はこればかり着ています。めちゃめちゃ手入れが楽で、何より嫁さんが喜んでいます。

下田:いやー、嬉しいです。ありがとうございます。

大野:最初に社名についてうかがいますが、「10YC」という社名は「10 Years Clothing」という意味だそうですね。「10年着られる」って具体的にはどういうことなのですか?

下田:厳密にいうと2017年のブランド開始当初は「10年着られる」と言っていましたが、今は「10年着たいと思える」と変えています。

というのも僕らとしても、10年着られる耐久性はもちろん大切ですが、1年に1回着て10回着られるのでは意味がない。毎日着たいと思えるものが結果的に10年後も着たいと思えるものであってほしいので、プロダクトのコンセプトとしては耐久性と着心地という二つを軸にした表現の「10年着たいと思える」としています。

あとは、そこに思い出みたいなもの、毎日着ていて、一世一代のイベントの時や頑張らなきゃいけない時にいつも10YCがそばにいるというように「物の品質+愛情」みたいなものがついた結果、10年寄りそう服になっている状態が「10 Years Clothing」ということです。

大野:価格付けにも関心あるんですけど、まず、製造原価を公開されています。あれはどういう主旨なのですか?

下田:最初は業界に対する当てつけでした。アパレル業界に対して「お前らはいくらで作ってんじゃあ!俺らはこれで作ってるぞ!」という反発心からで。

10YCのWebショップでは製品のサイズ毎に製造原価が記載されている

大野:アパレル業界にはいつから?

下田:僕は、大学を出てアパレルベンチャーの生産会社に入社しました。服に関心があったからその会社を選んだわけではなく、グローバルに展開しているのが面白いと思ったからです。

その会社が、納品先だった販売会社にM&Aされて、小売りと生産が一体化しました。生産会社の時は売ったら終わりでしたけど、自社生産から販売までになった時に見えるんですよね、全部。自分達が作ったものが幾らで売られていて、どれだけ売れていて、どれだけ廃棄されているかが見えるようになった時に、疑問を感じたんです。

売価3,000円の服がいつのまにか1,000円になっていたりして、お客さんにも作り手の側からしても本来いくらかわからないものを、できるだけ高く売って粗利を得ようとする、その概念みたいなものに腹が立ちました。

腹が立っていたので、製造原価を公開してやろうと。実際アメリカにエバーレーンという製造原価公開しているブランドがあって、僕らはそのブランドがすごく好きで、インスパイヤされて製造原価公開に踏み切りました。

大野:思い切ってやってみてどうでしたか?

大野修平(公認会計士・税理士) 大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入所。金融インダストリーグループにて、主に銀行、証券、保険会社の監査に従事。トーマツ退所後は、税理士法人にて開業支援、融資支援、税務顧問などの業務を行う。

下田:やってみてわかったのはお客さんが「知ること」に対してすごく興味があるということ。日本人だけなのか他の国でもそうなのかわからないけど、知らないものに対してものすごく厳しいじゃないですか、人って。
服の場合、作っている工場だったり、作り方だったり、作っているお金の価値だったりとかを僕らが公開することで、お客さんが、こういう風に作られているものだとこのくらいするのか、と知ってくれる。

そのお客さんが他のブランドの服を買う時にも、それがどんな風に作られているのか、実際、どれくらいの原価で作られているんだろうと思ってもらえるようになってきていると感じます。

大野:製造原価を公開した上で、全製品粗利50%にしてますけど、それはどうしてなんですか?

下田将太(10YC 代表)大学卒業後、衣料品製造委託のベンチャー企業に入社。その後、合併に伴い大手アパレル企業に転籍。中国生産現場での駐在経験を経て、ブランドの生産担当に従事。 2017年8月に退職し、同年9月に友人と3人で株式会社10YCを創業。店舗を持たずにインターネット販売をメインに全国各所で期間限定ポップアップストアなど行いながら洋服の販売をし、「作る人も着る人も豊かに」なる社会の実現を目指している。

下田:アパレル業界の小売りの仕組みに納得いかなかったんです。通常のアパレル企業の平均原価は25%前後なのですが、なんで75%粗利取らなきゃいけなかったんだっけ? セールで値引きして粗利下がって結局利益率45%くらいになってるじゃん。そのくせ「セールするから原価下げてくれ」とか、「セール用に商品を作るから、安いもので作ってくれ」みたいにして、結局、お客さんや作り手が見えないところでしわ寄せがいってるのが、なんかよくないなっていうか、自分が納得いかなかった。

そうなったときに、僕らって店舗を持っていないので、家賃や人件費がかからない。そして、今のものづくりの仕組みがこのまま続けば、作り手がいなくなったり物が作れなくなる。って考えた時にもう少し良い仕組みをつくれるんじゃないかと思いました。10YCはセールをしないと最初から決めて、利益率50%って決めて最初から一番いい値段でお客さんに買ってもらおうと。

在庫切れを発端に、自分たちを見つめ直すために一時休止

大野:2017年にクラウドファンディングを実施して、その後、Webストアを開始され、メディアにずいぶん取り上げられたりもして順調にきてたんですよね?

下田:はい、最初にCAMPFIREでクラウドファンディングをやりました。ちょうどその頃、CAMPFIREが盛り上がっていたので。おかげさまで目標以上の支援が得られ、手ごたえを感じてWebストアをオープンしました。

メディアにたくさん取り上げていただき、コンセプトに賛同してリピート買いしてくださるお客さまもついてくださり、売り上げは伸ばしてこれました。

大野:順調に来ていたのに、2年目の2018年に休止期間ってあったじゃないですか。なんで休止したんですか。

下田:その年の8月31日から休止しましたけど、その年の5月頃からTシャツの在庫がなくなり始めました。いろんな影響で思った以上に売れたというのがありますが、工場さんとコミュニケーションが取れず、連絡が取れないような状態になってしまいました。生地ができないから商品も入荷できないという状態が続き、数字で言うとお客さんのコンバージョン率(購入率)ですとか、Webサイトに来た時の直帰率が高くなるとか、そういう状況になってしまったんです。

Webサイトに初めて来た人が、そういう状態のサイトを見たときに、そんなブランドにもう今後来ないだろうなというのが自分の中でわかっていました。また、10月3日にはスウェットとパーカーが販売開始できる見込みがあったので、それまでの期間、Webサービスを休止しました。

大野:工場さんとなんで連絡取れなくなっちゃったんですか?

下田:いろいろあったんですが、そもそも僕らが希望をぶつけ過ぎたみたいなところがあり、先方は最後までおっしゃいませんでしたけど、一緒に仕事をしたくなかったんだと思います。僕たちと。

大野:「うるさいー!」という感じ?

下田:「うるさい」なのか、要求が高いなのか、自分たちがこういう感じで立ち上げてメディアにも取り上げられて、自分たちがやりたいようにやるって感じに少し疲れ始めちゃったんだと思います。それがほんとはよくない。よくない状況を作っちゃったのが僕たち、10YC。 そこをなんとかしないと、そもそも「作る人も着る人も豊かに」と掲げながら、作る人をまったく豊かにできていないという状況に自分たちが直面しました。

建前上は、こういう風に作っていいもの作っていますよ、こういう人たちが作っていますよ、といいながら、実際、工場の人たちが働くにあたって豊かになっているかというと全くなってなかった。自分達が要求するところは要求するけれども、なんかもう少しいいやり方があるんじゃないのかなと思い、もっといい仕組みを作りたかったので、お休みをいただきました。

大野:端的に言えば、いい商品を作った結果が、作る人にとってはいい結果を招かなかったということですか?

下田:いいものを作ることは作る人を豊かにすると思いますけど、いいものを作るためのアクションの仕方があからさまに悪かったんだろうと思います。

「10YCはあるべきなのか」から社内で再検討、工場を回って今後について話し合った

大野:約1か月間休止されたわけですが、その間は具体的には何をしてたんですか?

下田:そもそも10YCはあるべきなのかみたいな話をしながら、そもそも10年着られる意味ってあるんだっけ?10年着る必要なんてないって言われたこともあって、10年着られるって自分たちのエゴじゃないかって考えはじめたのもそのぐらいの時期。

それで、人ってそもそも10年着られるから服を買おうと思わないよね、自分たちが10年着てほしい想いがあるから「10年着られる」という想いで会社を作ったんだ、っていう原点を再確認するインターナルブランディングみたいなところをやりました。

あとは生産工場をメンバーにグルグル回ってもらいました。僕らはこういう風に商品を作っていきたい、ブランドは10年くらいでこれくらいの規模感にしていきたいので、来年はこういう風にこれくらい発注していきたいんだみたいな話をして、コミュニケーションをより密に取ってもらいました。1か月だからそんなに最後までできたってわけじゃないですけど、基本的にはその二つを重点的に取り組みました。

大野:生産工場の負担を減らすための工夫もされたんですよね?

下田:はい。例えば、休止前はTシャツの脇に継ぎ目の入らない「丸胴」という方法で8サイズ作っていました。それほどのサイズ数を丸胴で作るのは非常に大変なので止めて、横を切って生産工場がもっと楽に作れるようにしました。それもお客さんがほんとうにそこを求めているのかもしっかり議論して、「ここ要らないよね」となったところをどんどんぶった切って、作りやすさに寄せていくところに挑戦をしていきました。

結局、自分たちがほんとうにいいと思っていたものを作っていたら、作る人は豊かになっていなかったというイメージですね。今もまだまだ豊かになっていないですよね、10YCに関わってもらえている工場さんは。完全に支えてもらっているという方が強いですね。今後10YCがどうなっていくのかによって、豊かになっていくのかならないのかってところが変わってくるのだと思います。

消費者は答えを知らない。答えを知らせるのは僕らの役割

大野:そもそも「豊かさ」にいろんな捉え方があると思うんですけど、今のお話を聞くとブランドの方から工場もしくは消費者に歩み寄り始めていて・・・。僕から見ると、なんだかブランドが揺らぎ始めているように見えますが、それってどうですか?

例えば、最初は丸胴ってものでやった方がいいと思ったけど、消費者に聞いてみるとそこは重要視されていないようで、工場もそうじゃない方が作りやすいって言う。だから止めるというのは、究極的にはファストファッションに行きつく気がしますけど、それってどうなんですか?程度の問題ですか?

下田:ブランドを立ち上げる時は想定ユーザー層へのヒヤリングはせず、自分たちが作りたいものを作っていました。「丸胴がいいから、丸胴で作るんだ!」としか思っていなかった。工場さんから見れば、「なんか熱い若者が来た」くらいの感じですから、とりあえず「やってみれば?」という形で協力はしてくれました。この時は、自分たちは100%以外出さない、みたいなイメージで作っていましたね。

それを見直したわけですけど、自分たちが10YCをやってきた中で、洋服というものに対して人が感じる部分の割合が見えてきたというのがあります。8割は生地で、肌触りがいいかどうか、機能性があるかどうか、色や柄などの見映えだったりデザインだったりです。あと2割くらいは縫製。縫い目が綺麗かとか、ストレスがない仕上がりになっているかなんです。

感じる割合が高い部分は譲りたくない、だからコスト削減したくない、だから生地は妥協せずやりましょう。その一方で、譲ってもいい部分もある。そこはある程度変更していくというか、修正していく必要があるんじゃないかというイメージですね。

大野:僕の感覚だと消費者は答えを知らないんですよ。それは10YCさんがずっと言ってこられたことで、ほんとにいいものって、やっぱり知らないとわかりませんよね。それを知らせるのが僕らの役割なんじゃありませんか?消費者にヒヤリングしてしまうと、どんどんファスト的な方向に流れていくんじゃないのかなぁ、と思って、ファッションでもフードでも。

それは僕たち、会計の業界でも一緒だと思っています。お客さんは税務しか望んでないから、それでいいや、ってやっているファスト税理士みたいな人も多分いっぱいいるんでしょう。でもそういう方向に僕たちは行かないんですよ。もしかしたらだから下田さんも苦しんでいるのかもしれないけど。僕たちも苦しんでますよ、同じ経営者として。でもそこのバランスをうまく取っていくのがやっぱり大切だなっていうのは、ありますね。

下田:そうですよねぇ。それを言語化してないんですよ、10YCの場合。メンバーが少ないんで頭の中で考えていることはだいたいわかっているから、敢えて言語化はしていない。言語化してないが故に、今の説明とかもうまくできていません。でも自分たちの中で「ここは譲っちゃいけないよね」っていうのはわかっています。何が一番重要かというと、「作る人も着る人も豊かに」というコンセプト。

さっきおっしゃたように、「豊かさ」って何なのか明確にはわからないけど、このコンセプトは譲らずやってきましたね、この一年、ほんとに。

大野:なんかまぁ、会社として経営者としては着実に成長しているなと感じますね。

下田:いやですねー、言われますけど。

「作りたい想いはわかった」工場の理解を得て再始動

大野:そうやって作りやすくしたりコミュニケーションを強化したりすることで、割と協力体制はできたというか理解はしてもらえたんですか?

下田:そうですね、理解をしてもらえたということで間違いないと思います。「まだまだ時間かかるだろうけどね」というようなことはどこの工場さんからも言われてはいて、だから作りたい想いはわかったから応援はするよ」と。どっちかっていうとお願いをしていったみたいな感じです。

大野:で1か月して、再開した時にやっぱり結構お客さんが殺到したんですよね?

下田:殺到したんですよね。思った以上に。初めてなんですよね。

大野:やっぱり待っていた人がいたってことなんですか?

下田:そういうことなんですかねー。なんか僕もあんまりわかってないですが、リピーターの方が多かったことは確かです。再開時にパーカー、スウェットを販売したわけですが、ほぼ新商品みたいなものだったので新規ユーザーが来てくれて、それにTシャツを買ってくれていたリピーターの人が重なり合ってきたのだろうとは思います。あとは各メディアさんで取り上げてもらったんでその影響もあり、殺到しましたね。

大野:待っていたんですよね?

下田:それをなんかあんまりこう、表に出さないんですよ、10YCのお客さんて。TwitterとかSNSで10YC着心地がいいとか、ずっと愛してますって人もいなくて、劇的なメールを送ってくる人もいない。だけど、買ってくれる。新商品が出る度に買ってくれるみたいなお客さんが多い印象で、熱狂しているかわからないんですよね、こっち側から見ていると。でも購買回数が熱狂とみるなら熱狂している人はいたんだと思います。

大野:確かにインスタ映えする服でもないし、着心地とかそういったものって一番こう写真とかでは伝わり辛いから、SNSに熱狂が現れないのは仕方ないですよね。

でもまぁ、やっぱりサイトを再開するとそうやって買われるということは多分待っていた人がいるってことですよね。コンセプトとしては10年着られる服っていう形で出しているにも関わらず、1か月かそこらでまた次の服を買いたくなるという意味では、ある程度ブランドが構築されていてそこに共感する人がいるということだと思います。

休止について、欠品商法と言われたりしたそうですけど、僕は品切れってそんなに悪いことじゃない、別にいいじゃんと思うんですよ。僕なんか、いつもそうですよ。いろんなところからオファーきますけど、「忙しいんで」って言って、それで商売してるから。

下田:そうなんですか(笑)。

大野:別にいいと思いますよ。在庫切れを起こさないビジネスをやるわけでもないんだから、いいんじゃない、それは。

下田:勉強になります、ほんとに。

大野:言い方じゃないですか、そんなの、やっぱりねぇ。わざと起こしているわけじゃないし、わざとやる人もいるとは思いますが、わざとじゃなく起こってるんだから。

後編では、大野先生がブランドのこれからと経営者の役割について下田氏に鋭く斬り込みます)

【後編はこちら】

撮影:Taira Tairadate

会社名:株式会社10YC(10YC Inc.)https://10yc.jp/

代表者:代表取締役 下田将太

本社所在地:東京都墨田区石原3-30-11

創立日:2017年9月22日

事業内容:アパレル商品の企画・生産及び販売

この記事の著者

弥報編集部

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