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【Excel活用術】「統合」を使えば複数のシートやブックに分散したデータが一つの集計表になる【第26回】

2019.01.31

著者:上田 朋子

Excelには、下の図のように複数のシートやブックに分散して作成されているデータを1つの表にまとめて集計することができる《統合》という機能があります。
統合を知っていると、今までムッとしながらやっていたデータ集計も、笑顔でひきうけられるかも。

サンプルの表は月別にシートを変更して、それぞれのシートの縦に東京・愛知などの支店名を表示し、横に商品分類を並べています。そして地区別の売上数値が入力されています。でも支店の順序も商品分類の順序もシートによってバラバラ、3月シートにだけ「新潟」地区があるという状態。
表そのものもA列から作られていたり、B列からだったり、1月シートにだけ合計値が集計されていたり...かなり自由な結果です。
それでもキチンと一つの集計表にしてしまうのが《統合》のステキなところ。早速、その方法をご紹介。

操作は、各シートにそれぞれのデータが入力された状態から説明します。
今回の機能は一緒に操作すると感動が大きいです。ぜひ3枚のシートにデータを入力して一緒に操作しましょう。そのとき、各シートの罫線、1月の合計行と合計列はなくても構いません。

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早速はじめましょう

1.3つのシートにデータを入力したら、集計表を作成する場所を決めます。今回は新しいシートに集計をするので、新規シートを作成します。
具体的には「3月シート」が表示されている状態で、「新しいシート」ボタンを押します。

2.アクティブセルを新規シートのセルA2に置き、リボンの「データ」タブにある「統合」をクリックします。

※「統合」をクリックすると、「統合の設定」ダイアログボックスが表示されます。

3.「統合の設定」ダイアログボックスで「統合の基準」の「上端行」と「左端列」にチェックを入れます。

《Point》
「上端行」のチェックは商品分類別の集計を指示し、「左端列」は地区名別の集計を指示します。
行・列双方のチェックを入れることで、マトリクス集計が可能になります。

4.「統合の設定」ダイアログボックスで、集計範囲を指定します。
具体的には...
統合元範囲の枠内にカーソルがある状態で、「1月」シートをクリックします。

範囲選択を始めると「統合の設定」ダイアログボックスが縮小表示されるので、「1月」シート内の集計範囲A3からD7を範囲選択します。

※集計範囲には合計の行と列を含めません。

「追加」ボタンを押すと、「統合元」エリアに範囲が追加されます。

※統合元に追加してから範囲が違っていたら、追加の下にある「削除」ボタンで追加された範囲を削除し、再度選択し直します。

「1月」シートが統合範囲になったら次は「2月」シートです。
統合元範囲の枠内にカーソルがある状態で、「2月」シートをクリックします。Excelは「1月」シートの範囲と同じエリアを選択範囲と認識するので、相違があれば正しい範囲(B3からE7)をドラッグして選択します。

正しい範囲を選択したら「1月」シート同様に、「追加」ボタンをクリックします。

「3月」のシートも同様の手順で追加をします。

※範囲選択のポイントは、一番左の列に集計表の見出し列(今回は地区名)、一番上の行に集計表の見出し行(今回は商品分類)を含むことです。

5.3つのシートを全て統合元に追加したら、OKをクリックします。

6.すると、Excelが勝手に3つのシートの統合集計表を作成してくれます。

※作成された表には罫線や背景色などはつかないので、自分で好みのレイアウトに仕上げます。

《補足1》
完成した表は統合元とリンクされていません(リンクとは、元データの数値を変更すると、作成された統合表の数値も一緒に変更される設定です)。
リンク状態の表にしたい場合は、「統合の設定」ダイアログボックスで、「統合元データとリンクする」にチェックを入れてOKを押します。

このとき作成される表は行番号の左側に「+」マークが表示されます。
この「+」マークをクリックすると「+」が「-」に変わり、合計値の内訳数値が表示されます(展開するといいます)。この展開したデータは「-」をクリックすれば閉じます。

《補足2》
合計だけでなく、平均やデータの個数など、様々な集計が可能です。異なるブック間の集計もできます。

統合は手順が多いため、慣れないと面倒に思うかたが多い機能のひとつです。でも、データの順番や見出しがバラバラバラでも、ダブりがあっても一つの表に纏まってしまう、とても便利な機能です。
各支店に売上テータを纏めて提出してもらったら、列の並びがこちらの指示とは違ったとか、商品が支店毎に異なっていて、コードの付いてない支店もあった等々、思惑と結果が一致しないことは日常茶飯事。そんなときに、この《統合》機能を思い出していただけるとうれしいです。

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この記事の著者

上田 朋子(うえだ ともこ)

株式会社システムプラザソフィア代表取締役。マイクロソフト認定トレーナーとして、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)取得講座の講師実績多数。また職業訓練校として、パソコン初心者をたった3カ月でMOS取得まで導く分かりやすい指導方法にも定評がある。弥生認定マスターインストラクター。静岡県は清水に生を受けて50有余年、清水っ子の血が騒ぐ港祭が生き甲斐。知らない土地に出掛けたら、その土地の味噌・醤油を買うのが幸せ。

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