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Q&Aでわかりやすく解説!消費税改正と軽減税率制度に対応する際の注意点

2019.02.01

著者:弥報編集部

監修者:岩谷 誠治

2019年10月1日から消費税増税と軽減税率制度が導入されます。いろいろと複雑な部分もありますから、業務への影響を最小限に抑えられるよう、できるだけ早めに軽減税率への対応準備を進めていきましょう。

税率改正の直前に慌てることのないよう、今回の消費税改正の概要と軽減税率制度に対応する際の注意点をまとめました。監修:岩谷 誠治 氏(株式会社会計意識 代表取締役 公認会計士・税理士・システム監査技術者)

複数税率に対応した経理処理を

2019年10月1日から消費税率が8%から10%に引き上げられ、それと同時に、飲食料品(酒類、外食等を除く)と新聞(定期購読によるものに限る)を対象とした8%の軽減税率が導入されます。今までの単一税率とは異なり、複数の税率が併存する新しい制度がスタートするということになります。

消費税率の引き上げと軽減税率の導入にあわせて、まずは会計ソフトの消費税区分見直しが必要となります。これからは日々の取引ごとに複数の税率を区分しながら処理していかなければなりません。

また、帳簿や請求書等の記載方法も、複数税率を区分して記載する区分記載請求書等保存方式に変わります。例えば軽減税率対象品目の売上がある場合、請求書等に「軽減税率対象品目である旨」と「税率の異なる品目ごとに合計した税込金額」を追加して記載します。

軽減税率10%導入から4年後の2023年10月1日からは、請求書等の厳格な管理が求められる適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)の導入が予定されています。これからの消費税改正に効率的に対応するためには、今回の軽減税率制度だけではなく、将来のインボイス方式へのスムーズな移行まで見据えて対応を検討しましょう。

価格表示の見直しも必要

消費者を顧客とする小売業では値札の修正も必要です。価格表示を税込みで行うのか税抜きで行うのかも重要な検討ポイントです。税率が10%になると税込価格と税抜価格の差はますます大きくなるため、同業他社の動向にも注意しましょう。

また、中小企業が新しいレジの導入や受発注システムの改修を行う場合には、その経費の一部を補助する軽減税率対策補助金制度も用意されていますので、これら補助金の活用を検討されるのもよいでしょう。

以下に軽減税率に関する基本的なQ&Aを掲載しておきますので、参考にしてみてください。

軽減税率Q&A

Q 軽減税率の対象は飲料食品と新聞だけですが、飲料食品を扱う業種ではない場合、影響はないのでしょうか?

A 消費税は売上だけに関係するのではなく仕入れや経費にも関係します。軽減税率の対象となる飲料食品や新聞を扱う業種以外でも、会議で使うお茶やお菓子、会社で購読する新聞代などを支払っているでしょう。このような仕入れや経費については業種に関係なく軽減税率の影響を受けるのです。

Q. 軽減税率の対象となる飲食料品は、どこまでの範囲を指していますか?

A. 飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(酒類を除く)をいいます。しかし、飲食に用いられる設備がある場所で食事を提供する「外食」や、相手方の指定した場所で調理や給仕を行う「ケータリング」などを含まない点に注意してください。

Q. 8%と10%の2種類に分ければ良いということは、以前の税率引き上げ時と同じ対応で良いのでしょうか?

A. 経過措置の8%と軽減税率の8%は区別します。税率改正の前後には、賃貸借契約や請負契約に経過措置が設けられるため、旧税率と新税率の2種類の取引が混在します。現行税率の8%と新しい軽減税率の8%は、消費税と地方消費税の割合が違うため、今回の改正では旧税率8%、軽減税率8%、新税率10%の3種類の分類が必要になります。

さらに詳しい情報や、相談先の公的機関の一覧などは弥生の「消費税改正あんしんガイド」もあわせてご覧ください。

https://www.yayoi-kk.co.jp/lawinfo/shouhizei/

法令改正への対応はあんしん保守サポートの「法令改正対応サービス」がおすすめです。

https://www.yayoi-kk.co.jp/yss/service/decree/index.html

本記事は、 弥生のあんしん保守サポートベーシックプランまたはトータルプランにご加入中のお客さまにお届けしている情報誌「弥報Magazine」(2018年11月号)に掲載した内容を再編集したものです。

この記事の著者

弥報編集部

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この記事の監修者

岩谷 誠治(株式会社会計意識 代表取締役)

公認会計士 税理士 / システム監査技術者
株式会社資生堂を経て朝日監査法人(現 あずさ監査法人)に入社。現在は株式会社会計意識 代表取締役として会計知識のビジネスへの応用を指導。

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