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広告運用開始わずか3か月で売上214%アップ!中小企業だからこそ活用したい「リスティング広告」とは
2023.07.06
インターネットで何かを検索すると検索結果の一番上に時折見かける「広告」や「スポンサー」という文字。「うちの商品の広告もこんな感じで出せたらなぁ……」「でも結構お金も手間もかかりそう……」なんて考えていませんか?
「リスティング広告」と呼ばれるこのタイプの広告、実は中小企業にもってこいなのです。その理由は、予算が少なくても効率的に商品の購入へつなげられるから。ポイントを押さえてしっかり運用すれば3か月で売上を2倍に伸ばすことも可能です。
今回はリスティング広告運用のプロである、株式会社バリューエージェントの上野山 光雄(うえのやま みつお)さんに、リスティング広告が中小企業に最適とされる理由や、実際に広告を開始する手順・ポイントについてお伺いしました。
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目次
少額から始められる!だから中小企業にこそリスティング広告がおすすめ
そもそも、リスティング広告とはどういったものでしょうか。
一般的にリスティング広告は、別名「検索連動型広告」と呼ばれる文章広告を指します。検索エンジンで、何かキーワードを調べたとしましょう。その際に、検索結果の箇所に「スポンサー」と表示される関連サービスや商品などが出てくるのを見たことがありますか。それが、リスティング広告です。検索エンジンは、主にGoogleやYahooなどが主流ですね。
リスティング広告で期待できる効果は何ですか。
顧客になる可能性が高い「顕在層」の獲得ができます。
リスティング広告の特長として、商品やサービス、関連事象に対して、ある程度興味があるネットユーザーに直接的なアプローチができるという、画期的な点が挙げられます。
従来の広告は、不特定多数の潜在顧客に向けて情報発信し、何度も接点を持つことで購入につなげるケースが大半でした。一方でリスティング広告の場合は、対象物に対して一定数の興味値を持ったネットユーザーに、選択肢の1つとして自社製品・サービスを視認させることができますから、リスティング広告は直接的な購入につながりやすいと言えるでしょう。
なぜ中小企業におすすめなのでしょうか。
リスティング広告は、予算が少なくても、購入検討するユーザーにアプローチできる可能性が高いため、中小企業がまず取り組むべきインターネット集客の1つとして推奨しています。
大手企業は、CM打ちや雑誌での訴求など、大規模かつ長期的に仕掛ける傾向にありますよね。一方中小企業は、販促予算や人材などが限られていることも多いです。限られたリソースを活かして実績につなげる必要のある中小企業には、より効率良く顧客を獲得できるような販促施策が適しているのです。
リスティング広告で売上が伸びた成功事例を教えてください。
弊社がリスティング広告をサポートした企業さまでは、さまざまな業種で売上拡大や問い合わせ倍増などの例があります。例えば黒毛和牛の通販サイトでは、広告運用開始3か月で、昨年比214%の売上を獲得しました。人事労務管理サービスを展開する企業は、1か月の新規顧客数が平均14件だった状態から、3か月後には68件に増加しました。これらはリスティング広告だけで結果につながった例です。
商品やサービスが良いことはもちろんですが、適正な打ち出し方や運用方法で、対象物の可能性をさらに引き出すことが可能です。関連するキーワードを大きく洗い出し、テストを繰り返した結果、2社とも予想を超える実績につながりました。
リスティング広告に適している商品・サービスの「見極め」と「始め方」
リスティング広告に適している商品・サービスはありますか。
大前提として、リスティング広告を打つ商品やサービスが「検索されるかどうか」が重要です。この世にまだ無いまったく新しい商品や、ユーザーのニーズが見えてこないサービスは、そもそも関連するキーワードを検索する人が少ないですよね。そのような場合は、まずニュースリリースなどを打って、世間に知ってもらうことから始めるとよいでしょう。
逆に、その点だけを留意すれば、あらゆるものやサービスをリスティング広告で打ち出すことが可能です。一般的にはB to Cの物販をイメージされる方も多いかもしれませんが、実はB to Bのサービスや、求人広告なども相性が良いです。検索ボリュームが確立されていれば、リスティング広告は比較的どんな対象物にも適していると考えられています。
リスティング広告を始める際には、何から手を付ければ良いでしょうか。
私たちがリスティング広告を打つ際に推奨している検索エンジンは、ユーザーボリュームの大きいGoogleのため、Googleを使った導入方法を解説します。「Google広告」とインターネットで検索すると、Google Adのページが表示されるので、広告アカウントを作成してください。「キャンペーンを開始する」を選択し、指示に従って広告設定を進めると、運用開始となります。
リスティング広告は、1回クリックされるごとに費用が発生する「クリック課金」という仕組みになっているのですが、上限額を設定できるので想定外の大きな広告費がかかることはありません。その他、地域・属性などの細かいターゲティングも可能です。
ネットでリスティング広告の設定方法を調べると、たくさん解説サイトが出てきますが、下調べに時間をかけるより、実際に手を動かしながらチャレンジすることをおすすめします。Google広告の設定仕様は定期的に更新されていきますし、作成してみてわかることも出てくると思います。
定期的なキーワード見直しで購入率アップへ!リスティング広告運用の極意
検索キーワードに関しては、どのように設定すべきでしょうか。
広告設定の際に、どのような検索キーワードと連動させて広告を表示させるかを決めますが、検索キーワードの設定も非常に重要な要素です。リスティング広告には、自動で関連キーワードを追加してくれる機能があります。日々のキーワード管理が難しい時にはとても便利なのですが、その中には関連性の薄いキーワードも入っている可能性が高いです。
例えば建築関係の求人広告を打っている場合「現場監督 資格」などのキーワードを設定してしまうと、仕事を求めている人ではなく、現場監督の資格に関して調べている人に広告が配信されることになります。システム任せにするのではなく、本当に検索キーワードが商品・サービスに適しているかどうか、自身で検索して確認する必要があるでしょう。
また広告運用画面には「検索語句」というページがあります。このページに掲載されているのは、実際にユーザーが検索した語句です。検索語句から、実際に広告をクリックした回数なども表示されています。狙ったキーワードからの流入であればよいのですが、自社商品・サービスとまったく関係のない検索語句からの流入が大きいと、購入につながる確率は低く、広告の無駄打ちとなっている場合が多いです。
対策としては、次からその検索語句で広告が表示されないように、対象の検索語句を「除外キーワード」として設定することで、広告費を削減し、その分購入確率の高い広告打ちができるようになります。
これらのキーワードに関しては、日々のニュースやトレンドなどで変動します。細かく動向をチェックし、調整していくことで広告の精度を上げることが重要です。
リスティング広告を始める際に、押さえるべきポイントを教えてください。
リスティング広告は「広告見出し」と「説明文」から成り立っていますから、まずは端的に商品・サービスの強みを伝える内容を考えることが大切なポイントとなります。ネットユーザーはこの文章を見てクリックするかどうかを判断しますので、広告見出しと説明文は非常に重要です。
広告文だけが目を惹く内容であっても、実際の商品が伴わっていなければクリックされるだけで終わってしまいます。よく「クリック率が高ければコンバージョン率(商品購入などの目標値)も上がる」とハウツー本などにはありますが、このロジックは、大手企業が潤沢な予算をかけて広告運用を行う際に挙げられるものです。
限られた予算のなかで、最大限の効果を得るためには、本当に購入を検討しているネットユーザーに広告をクリックしてもらう必要があります。ポイントとしては、広告文とLP(ランディングページ=広告を経由して最初にアクセスされるページ)の内容を一致させ、広告をクリックした閲覧者を不安にさせないようにすると、購入率も上がるでしょう。
同じタイミングで、LPの内容に関しても商品・サービスの打ち出し方は適しているか、ターゲット像は明確かなど、今一度確認しましょう。
リスティング広告を運用する際のポイントはありますか。
先ほどもお伝えした検索キーワードのように、ネット検索の状況は日々刻々と変わっていきますから、リスティング広告も検証を続けていく必要があります。短い期間で修正を繰り返しても、検証に必要なデータが少ないと正確な判断ができないため、2週間に1回を目安に、検索キーワードや除外キーワードの検証を行いましょう。実際に検索してみるほか、競合他社がどのような広告を打っているのかを参考にするのも有効です。また、検証の精度をさらに上げるためには、リスティング広告を経由してLPに流入した数を明確に測定するために、LPにトラッキングのためのタグを埋め込むなどの操作が必要になります。
よく聞くのは「とりあえずセッティングしてみたものの、定期的に眺める程度の調整しかしていない」というケースです。せっかく取り組んでいるにもかかわらず、予算を消化するだけの広告になっている可能性も高く、非効率な状況です。どうしても対応が難しい、より結果を確実に出したいというケースであれば、広告運用代行などの有識者に依頼することをおすすめします。その際は丸投げではなく、実際に広告を運用する当事者と接する機会を設けてもらえるのか管理画面を共有し、検索語句などを見せてもらえるのかなどの点を確認しておくと、安心できるでしょう。定期的なレポート報告のみを行う会社もありますので、信頼できる運用代行かどうかは慎重に判断しましょう。
その他、社内で担当者をつけて運用する方法もよいでしょう。担当者に適任なのは、自社の商品・サービスをしっかりと理解し、消費者目線で打ち出せる人物です。
また、広告を運用して3か月たっても効果を感じられない場合は、広告やLPの見直しのほかに、商品・サービス自体の在り方も検討すべきです。リスティング広告はあくまでも売上促進の1つです。多方面から常に改善を続けることで、売上を獲得できるようになるでしょう。
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この記事の著者
弥報編集部
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この記事の監修者
上野山 光雄(株式会社バリューエージェント 代表取締役)
新卒で店頭公開のITシステム会社にSEとして就職。その後、オーストラリアでワーキングホリデーで滞在。帰国後、就職したベンチャーが急成長を行い、売上100億円近い時に取締役に就任。取締役を3年間経験。
2005年に株式会社バリューエージェント設立。マーケティングシステム、店舗集客、WEBマーケティング事業で中小企業を中心に述べ500社を超える集客サービスの支援実績がある。
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