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アフターコロナの資金不足!どうしても資金が必要な時どうすればいい?【教えて!吉田先生】
2024.04.09
著者:弥報編集部
著者:吉田 学
アフターコロナと言われていますが、まだまだ資金繰りに苦しんでいる事業者は少なくないのではないでしょうか。
資金繰り対応策にはさまざまな種類がありますが、コロナ禍のように無条件で対応してくれたものばかりではありません。リスクがあるものもありますから、いざトライしてみようと思っても安全性において見極めが難しく、思うように資金調達ができず、苦しんでいるケースもあります。このような状況を、どのようにクリアしていけばいいのでしょうか。
今回はアフターコロナにおける融資関連の対応策について、財務・資金調達コンサルタントの吉田学先生に伺いました。
なお、本記事においては即効性のない補助金などについてのご案内は省略しています。
※本記事は2024年3月時点の情報を基に作成しております。法令などの最新情報については、政府・各省庁などから出ている文書をご確認ください。
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目次
アフターコロナでも業績が回復していない場合の資金調達方法は?
まずは、自社のコスト削減と資金調達の対応策に取り組んでください。
「コスト削減なんて無理」と思ってしまうかもしれませんが、頭ごなしに否定するのではなくできることを行い、その削減策については融資申請時に金融機関なども伝えることが大切です。
資金調達の対応策は、以下の順にて検討してみてください。
〈資金調達対応策〉
- 借換+新規融資(※資本性ローンによる借換)
- 既往融資の借換
- オンラインレンディング
- 公的共済、法人保険の契約者貸付
- ノンバンクによる融資
- ファクタリング
- 条件変更(リスケジュール)
1~3については、日本政策金融公庫や取引先金融機関への対応となります。4については、共済や保険などに加入されている方が対象です。5、6については、金融会社(ノンバンク)による対応になります。そして最終的には7の条件変更(リスケジュール)になります。
なお、5および6に関しては、条件変更後も利用できるケースもありますので、優先順位の判断やその活用方法については専門家などに相談するようにしましょう。
大前提として、安易に悪質金融(闇金、悪徳ファクタリングなど)には絶対に手を出さないようにしましょう。甘い言葉に騙されないようにしてください。
コロナ融資の借換にコツは?オンラインレンディングは小規模事業者でも可能?
コツがあるとしたら、しっかりとした改善計画を示すことです。「借換」はコロナ禍のコロナ貸付やゼロゼロ融資のようにほぼ無審査で実施するものではありませんから、中小事業者の方においては、しっかりと準備を整え、最善を尽くしてください。
なお、借換の詳細については、以下の記事を参考にしてください。
(参考)
・コロナ融資が返せない!借換保証を成功させる「事業計画書」のポイントは?【教えて吉田先生!】|弥報Online】
オンラインレンディングは、大手金融機関やネット銀行などが実施しています。審査については、会計ソフトなどからAIが判断するようなシステムであったり、法人口座から資金の流れでAIが判断するシステムもあったりします。後者の場合は、ある程度口座で資金の流れが発生していないとAIが審査することができませんので、現状、資金繰りに問題のない事業者の方も先を見込んで活用できるように手続きだけでもすることをおすすめします。
コロナ関連資金については、基本的に「借換+新規融資」というスタイルで対応するのがいいでしょう。返済負担を減らし、追加の資金の融資を受けられれば資金繰りは楽になります。日本政策金融公庫においては、資本性ローンなども検討してみてください。
また、コロナ関連の融資以外の既往融資も借換(借換保証制度などの活用も検討)でまとめたり、1本化などをして返済負担を減らしましょう。
政府は「借換」を推奨していますが「申請したけど断られた」という声も聞こえてきます。私が相談を受けた例では、多くの方が「改善計画書などの必要資料を提出すれば(容易に)借換してくれる」と思っていたようですが、そうではありません。改善計画書を作り直して、改めて改善計画書などを策定して金融機関に相談したところ、借換に応じてくれた例もありました。
公的共済、法人保険の契約者貸付が利用できるのかどうかわからない場合の対処法は?
公的共済については、契約者への貸付制度がありますので利用することが可能です。なお、現時点で加入されていない方も今後のことを考慮して加入することをおすすめします。
共済制度は、コロナ禍の対応として特例措置が実施されていたり、現在(2024年3月時点)能登半島地震に関する特例措置などが実施されています。このように非常時において速やかに特例措置などが実施されますので、小規模・中小事業者にとっては、とてもありがたい制度と判断できます。
次に保険の契約者貸付については、原則として解約返戻金内にて契約者への貸付が可能となっています。詳細については、生損保会社または保険代理店に確認するようにしてください。現時点で必要のない事業者の方も一度、確認しておきましょう。
ノンバンク融資やファクタリングを利用しても大丈夫?
大前提として、ノンバンク融資やファクタリング自体がダメということではありません。しかし、悪質な業者も存在していますし、また依存しすぎると必ず限界がきますので、そういう点について最新の注意を図りながら活用を検討してください。
ノンバンク融資については、小口で短期返済、決算前の返済を心がけてください。もし利用される場合は、顧問税理士や専門家などから大手ノンバンクの紹介を受けることができればベストでしょう。ファクタリングについては、悪質な業者もいます。比較サイトやHPのイメージだけで判断しないようにしてください。また、民間の金融機関においてもクラウドファクタリングなど実施しているところもありますので、取引先の金融機関に確認してみましょう。
条件変更(リスケジュール)をしても資金を借りることは可能?
条件変更(リスケジュール)をすると、その後の追加融資などを受けることは非常に困難となります。原則として、追加融資は不可能と理解してください。よって、“最終”手段だと考える必要があります。しかし、毎月50万円の借入金返済がゼロになれば、50万円×12か月=600万円のキャッシュイン効果を得ることができます。つまり600万円の融資を受けられたという見方もできます。
このようにメリット・デメリットがあり、最終手段ですので条件変更(リスケジュール)をする際は、まずは顧問税理士に必ず相談してください。安易に行わないようにしてください。
なお、条件変更(リスケジュール)の詳細については、以下の記事を参考にしてください。
(参考)
コロナ融資の返済に困ったら……リスケジュール・条件変更交渉のコツ【教えて吉田先生!】|弥報Online
自社の経営状態を適正に把握し、建設的な改善策を立てることや、コスト削減に励むことは、資金繰りにプラスに作用するのはもちろんですが、経営状況の立て直しにも役立ちます。
積極的に行っていきましょう!
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この記事の著者
弥報編集部
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この記事の著者
吉田 学(よしだ まなぶ)
財務・資金調達コンサルタント
株式会社MBSコンサルティング 代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)、「税理士だからできる会社設立サポートブック」(第一法規)などがある。
また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。
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