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インボイス制度への対応で最大250万円もらえる?「小規模事業者持続化補助金」について【教えて吉田先生!】

2023.07.25

小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営を実現するために、経営計画に基づいて小規模事業者の業務効率化や販路開拓などの取り組みを支援する補助金です。小規模事業者持続化補助金は、これから新たに取り組みたい事業に対しても利用できるのが、大きな特徴です。また、インボイス転換事業者は、最大50万円上乗せ分を得ることもできます。

今回は、この「小規模事業者持続化補助金」について財務・資金調達コンサルタントの吉田学先生に伺いました。

※本記事は2023年7月12日時点の情報を基に作成しております。法令などの最新情報については、政府から出ている文書をご確認ください。


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小規模事業者持続化補助金とは何ですか?

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者などが今後直面する制度変更など(物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入など)に対応するための補助金です。商工会・商工会議所の支援を受けながら自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成したうえで行う、販路開拓や生産性向上の経費の一部を補助する支援制度となっています。

なお小規模事業者とは、常時使用する従業員数が「商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)」の場合は5人以下、それ以外の業種の場合は20人以下である事業者のことをいいます。

どのような申請枠があり、それぞれの補助額や補助率はどうなっていますか?

各申請枠の概要については、以下の通りです。

補助上限額は50~200万円、補助率は2/3となっています。

申請枠ごとの詳細については、以下の通りです。なお、通常枠と特別枠のいずれか1つの枠のみ申請が可能となっています。

インボイス特例の適用要件について教えてください。

免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者に対して、補助上限額が一律50万円上乗せされています。

要件としては「2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で、一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録が確認できた事業者であること」となっています。ただし、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合は、特例は適用されません。

なお、小規模事業者持続化補助金〈一般型〉において「インボイス枠」で採択を受けて補助事業を実施した(している)事業者は、本特例の申請対象外となりますので注意してください。

〈イメージ図〉

どういった経費が対象になるのですか?

補助対象となる経費は以下の通りですが、状況によって対象とならない場合がありますので、必ず公募要領にて詳細内容を確認してください。

なおウェブサイト関連費は、補助金交付申請額および交付すべき補助金の額の確定時に、認められる補助金総額の1/4(最大50万円)を上限とします。ウェブサイト関連費のみによる申請はできませんので、注意してください。

また設備処分費は、補助対象経費総額および交付すべき補助金の額の確定時に、認められる補助対象経費の総額の1/4を上限とします。設備処分費のみによる申請はできません。

その他、細かい注意事項がありますので、以下について確認してください。

〈主な注意事項〉

  • 汎用性が高く目的外使用になりえるもの(車・オートバイ・自転車・文房具など・パソコンなど)は補助対象外となります。
  • 経費の支払いは「銀行振込」となります。特に10万円を超える支払い(一括、分割問わず)については、現金支払いの場合、補助対象外となります。
  • 相殺や小切手、商品券などによる支払いは、補助対象外となります。
  • クレジットカード払いなどで口座から引き落とされた日が、補助事業実施期限を過ぎている支払いについては、補助対象外となりますのでご注意ください。
  • 100万円(税込み)を超える支払いは、2社以上の見積もりが必要です。中古品の購入(税抜き50万円未満のものであること)については、金額にかかわらず、すべて2社以上からの見積もりが必須となります。
  • オークションによる購入は補助対象外となります。

審査のポイントについて教えてください。

補助金の審査は、有識者などにより構成される審査委員会において行われます。審査は「基礎審査」「書面審査」「加点審査」が実施されます。

基礎審査とは、必要な提出資料などについての要件審査になります。

書面審査とは「自社の経営状況分析の妥当性」「経営方針・目標と今後のプランの適切性補助事業計画の有効性」「積算の透明・適切性」などについて審査されるものです。

加点審査とは、例えば「赤字賃上げ加点」「東日本大震災加点」「事業承継加点」などがあり、該当する事業者については加点されます。

少々、難しく感じられるかもしれませんが、公募要領に詳しく解説されていますので確認してください。不明な点については、商工会、商工会議所の担当者や積極的に顧問税理士などにも相談することをおすすめいたします。

今後の公募スケジュールはどうなっていますか?

第13回受付の締切は、2023年9月7日(木)です。第14回受付締切のスケジュールについては、今後改めて公表されますので、中小企業庁や商工会、商工会議所のHPなどで確認するようにしてください。

申請窓口を教えてください。

本補助金の申請窓口は「商工会」「商工会議所」になっています。商工会・商工会議所地区ごとに申請先が異なりますので注意してください。本補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む形となっており、事業支援計画書の発行および補助事業実施における助言などの支援を受けながら、事業を実施する必要があります。

また本補助金の詳細については、「商工会」「商工会議所」のHPにて公募要領がダウンロードできますので、必ず内容を確認して下さい。

なお電子申請に際しては、補助金申請システム(Jグランツ)の利用になります。Jグランツを利用するにはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。アカウントの取得には数週間程度を要しますので、これから手続きをされる事業者の方は注意してください。

(参考)
小規模事業者持続化補助金|全国商工会連合会
小規模事業者持続化補助金|商工会議所地区

※本記事は2023年7月12日時点の情報を基に作成しております。法令などの最新情報については、政府から出ている文書をご確認ください。


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この記事の著者

弥報編集部

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吉田 学(よしだ まなぶ)

財務・資金調達コンサルタント
株式会社MBSコンサルティング 代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)、「税理士だからできる会社設立サポートブック」(第一法規)などがある。
また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。

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