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労務作業を大幅に軽減し年間165万円削減したクラウド労務ソフト「SmartHR」とは?

2017.03.22

著者:弥報編集部

労務作業を大幅に軽減し年間165万円削減したクラウド労務ソフト「SmartHR」とは?

お話を伺った方:瀧本 遥可さま Exys(イグジス)株式会社 管理部 人事労務グループ

企業において、従業員の入退社時に、社会保険、雇用保険の手続きをすることは必要不可欠です。さらに2016年からはマイナンバーの収集・管理も必須となり、人事労務担当者にとっては負担が増しています。しかし近年、こうした労務手続きをカンタン・便利にできるサービスが登場しているのはご存じでしょうか?

その中の1つが、2015年11月のサービス開始以降、すでに3,800以上の企業で登録されているクラウド労務ソフト「SmartHR(スマートエイチアール)」です。今回は、2016年11月にSmartHRを導入したExys(イグジス)株式会社にお邪魔し、人事労務を担当する瀧本さまに、実際に使ってみた効果を伺いました。

ハローワークへ行くのが面倒でした

2008年2月に設立し、当初はゲーム開発のみを手がけていたExys。現在も開発会社とゲーム事業を続けながら、イラストや、マンガ・アニメなどのオリジナルコンテンツを制作するなど、多方面にビジネス展開しています。

最近では事業拡大のため、月に5人ほどの従業員が入社しており、労務管理が大きな負担になっていたといいます。

これまで入社時の手続きには個人情報を書類に記入してもらったり、必要書類のコピーを提出してもらったりしていました。すると、雇用保険番号がどういったものなのか分からず質問を受ける、年金手帳のコピーがすぐに提出されないなど、手続きに時間がかかってしまうケースがありました。

また、従業員の個人情報はエクセルに入力して管理し、重要な書類はキャビネットに鍵をかけて保管していました。そのため情報をあちこちに登録・管理しなければならず、こういった作業に、1人入社するごとに30分ほどかかっていました。

「いちばん面倒なのが離職時の手続きです。書類の作成自体は慣れてしまえばそれほど時間はかかりませんが、その書類を持ってハローワークに行かなければならないのが面倒でした。ハローワークは決まって行列ができており、1時間待つことは当たり前でした。会社からの往復の時間を含めると、1回で約2時間が割かれます。入社手続きに比べて離職手続きは少ないですが、大きな負担になっていました」

上司からのススメ。業務課題にぴったりはまり多機能で使いやすい

そんなとき、たまたま上司から教えてもらったのが、SmartHRでした。

「社会保険・労働保険の手続きに、国が提供しているe-Govが使えることは知っていたのですが、使い勝手がそれほど良くなく、申請手続きしかできないので、コストに見合わないと感じていました。そこで、上司に勧められたSmartHRを使ってみたところ、電子申請だけでなく、従業員のデータを管理できたり、給与明細もWeb化できたりと、多機能でe-Govよりもコストパフォーマンスが高いと感じました」

SmartHRの実際の画面。シンプルで簡単な操作性が特長
SmartHRの実際の画面。シンプルで簡単な操作性が特長

SmartHRを運営する株式会社KUFUによると、IT業界を中心に口コミでサービスが広まり、労務担当者が上司にサービスの導入を掛け合うケースも多く、中には社会保険労務士から導入を勧められる企業もあるといいます。今回のケースは、瀧本さまの上司が労務担当者の業務や課題を把握していたことと、SmartHRの機能を理解していたことで、すぐにサービスの導入が決まりました。

セキュリティ面での対策も安心です。機密性の高いデータの暗号化はもちろん、2段階認証や操作履歴が閲覧できるほか、「ISO 27001(ISMS)」の認証を取得しており、情報の機密性や完全性、可用性の維持に日々取り組んでいます。

「SmartHRを導入したことで、従業員にとっても入社手続きの煩雑さが少なくなりました。自らSmartHRにログインし、必要な項目を入力するだけで済みます。それにより、労務担当者が従業員の情報を入力する手間がなくなり、複数箇所に入力していた作業も不要になったため、15分程度あれば終わるようになりました。また入力項目にはすべて説明がついているので、従業員からの質問も少なくなり、書類に記入していたときより大幅に負担が軽減されています。

従業員に対しては、導入する旨を伝えたうえで、よく使う機能だけマニュアルを作成しました。導入から約3カ月たちますが、従業員から使い方に関する質問は一切ありません。導入してから転居したり、扶養が増えたりした従業員がいましたが、記入漏れもなく書類を作成できたので、すごくスムーズに手続きが進みました」

労務担当未経験でも業務を任せられるように

「SmartHRは、労務担当者にとっての使いやすさも考慮されています。分かりやすい操作画面で、ToDoリストに従って作業すれば手続きが完了するため、誰でもすぐに理解できる」と瀧本さまは話します。

「分からないことがあった場合でも、画面上のチャットで質問するとすぐに回答してくれるので、作業が止まることなく解決しますね。弊社には福岡支社があるのですが、これまで支社の手続きも私が行なっていました。SmartHRを導入後、福岡支社では労務経験のない社員が担当するようになりましたが、入退社手続きをスムーズに行うことができています」

瀧本さまは労務だけでなく総務も担当しています。総務の観点からコスト面でもメリットがあるようです。

「SmartHRの導入によってどの程度コストが削減されたのか計算してみたところ、1年間で約165万円にもなりました。これまで上司に手伝ってもらっていた分の人件費やほかの業務ツールの使用料が大きかったです。例えば、給与明細の発行がSmartHRで行うことができるようになったので、SmartHRで代替できるツールは解約しました」

負担が軽減されたうえにコストダウンも実現したことで、SmartHRの導入効果は絶大だったわけですが、使ってみて便利だった機能としてマイナンバー収集・管理も挙げています。

「これまで従業員のマイナンバーの収集時には、紙に書いてもらって、本人確認の書類と照らし合わせていました。しかし、書類が何日も揃わず、不備があるケースが多々ありました。でもSmartHRで提出できるようになると、当社がIT企業なので、インターネットの方が簡単だと感じる従業員が多く、さらに未提出者へのリマインドもしやすいため紙よりも回収が早いと感じています。

今まで私がすべて入力していたマイナンバーに関するデータを、従業員が自ら入力できるため、私の作業は給与と部署名を書き加える程度にまで減りました。どの従業員がいつアクセスしたか履歴が残る機能もあるため、セキュリティ面でも安心です」

SmartHR mobile
面倒なマイナンバーの収集・管理もインターネット上で完結

SmartHRではマイナンバーの収集・管理機能のほかにも多くの機能があり、そのひとつに従業員がPCやスマホから年末調整の手続きを行うことができる「ペーパーレス年末調整機能」があります。

「弊社でも今後使いたいと思っています。なぜなら、年末調整に関しても紙だと書き方が分からず入力ミスや未記入のまま提出されることが多く、回収にも一苦労だからです。今年の年末調整時にはマイナンバー同様、SmartHRで手間が軽減されることを期待しています」

労務管理サービスは、2014年に総務省がe-Govの電子申請システムのAPIを公開したことで、一般のソフトウェア企業がサービスを開発できるようになりました。2015年にいち早く「SmartHR」が登場し、今後もさまざまな機能を追加し、別のサービスと連携していく予定だといいます。利便性が高まり、ますます利用する企業が増えることでしょう。SmartHRは15日間のトライアル期間を設けているので、まずはその便利さを体験してみてはいかがでしょうか。

「SmartHR」の機能概要やお問い合わせはこちらから

お話を伺った方:瀧本 遥可(たきもと はるか)さま

Exys株式会社 管理部 人事労務グループ。Exys株式会社は2008年2月1日に設立。当初はゲーム開発を行っていたが、その後ゲームを中心としたキャラクターデザインやシナリオなどを手がける制作会社に。現在はゲームだけでなくマンガや動画にも事業展開している。

クラウド労務ソフト「SmartHR」( https://smarthr.jp/ 

株式会社KUFUが手がける、クラウド型労務管理ソフト。これまで労務知識が必要とされるうえに、煩雑で手間がかかっていた社会保険や労働保険の手続きを、簡単かつシンプルに行うことができ、オンラインで役所への申請も可能。マイナンバーの収集・管理やペーパーレス年末調整機能など、労務管理機能を拡充させている。2015年11月にサービスを提供開始して以来、登録企業は3,800社にのぼる。

この記事の著者

弥報編集部

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