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今日から始めるインターネット集客 第2回 失敗しない中小企業のホームページ作り
2016.11.07
「第1回 あらためて考えるネットを活用した集客」では、インターネットを使って集客する際、「まず自分自身がお客さまになって、さまざまなネットサービスを体験し、ネットの世界の現実を体験しましょう」というお話をしました。そうすることで、どうすればお客さまに喜ばれ、満足いただけるサービスができるかが見えてきます。ホームページ作りに焦りは禁物です。じっくり時間をかけ、失敗しないホームページ作りを目指しましょう。
さて今回は、第1回の内容を行ったうえで、中小企業で働く皆さまが「いよいよホームページを作るぞ!」となった場合に、まず考えなくてはならない点を解説していきます。
目次
ホームページを自社で作るか外部パートナーに依頼するか、その違い
前回お話したとおり、さまざまな体験を経てホームページに必要な要素を洗い出したら、いよいよホームページ制作に着手しましょう。ホームページは、自社で作る方法と外部に委託する方法の2通りがあります。
この2つはそれぞれにメリットデメリットがありますので、どちらが正解というわけではありません。ただ、私の経験上言えるのは、現実的には、中小企業がホームページを全て自分たちだけで作るのは難しく、かつ成果につながりづらいということです。
できあがった後の更新などの運用ならまだしも、立ち上げ時の制作は、外部のホームページ制作業者に依頼したほうが、確実に費用対効果も高いです。
ただ、そのとき知っておきたいのが、ホームページを制作する会社には、依頼者の要望通りにホームページという箱を作るだけの「ハコ物型制作会社」と、戦略やマーケティングなどからきちんと考えて提案したうえで作る「コンサル型制作会社」があるということです。
「ハコ物型制作会社」は、「何をどんなふうに作りたいか教えてください、何を載せるか教えてください、写真や原稿は用意してください、ご希望通りに作ります」という会社で、戦略や構成などは全て自分たちで考える必要があります。こういった会社は安価で作業も速いことが多いので、Web上での商売に慣れている人が下請け的に使うのはいいのですが、慣れていない方にはお勧めできません。
「コンサル型制作会社」とは、インターネットを活用したビジネス戦略を立てたうえで、ホームページの制作や運用などを請け負う、あるいはサポートする会社です。
できるだけ制作費用を安く上げるために、立ち上げ時だけ「ハコ物型制作会社」に依頼し、あとの更新は自力でなんとかしよう、と安易に始めると、たいてい失敗します。何も戦略がないままに作ってしまうと、たとえ表面的にカッコいいデザインのホームページができたとしても、それが集客に結びつく可能性は低いのです。
インターネット集客のパートナー選び 3つの落とし穴
繰り返しになりますが、信頼できる適切なパートナーを選ぶことが大切です。では、外部の専門会社に依頼する場合、どの点をチェックすればいいでしょうか? ここで、よく陥りがちな失敗ケースを3つ挙げてみましょう。
①デザインが斬新→予想以上に費用がかかり成果にもつながらない
デザイン重視で見た目はカッコいいけれど、集客や売り上げに結びつかないケース。デザインが凝りすぎて製品、価格、問い合わせ先といった訪問者が知りたい情報に、スムーズにたどり着けないケースも。慣れている物が使いやすいのはWebも同じ。改めて後述しますが、お客さまの習慣に沿ったスタンダードなデザインが良いと考えます。
また、最新のWeb技術を駆使したデザインは、一部のブラウザやスマートフォンによっては、想定通りに表示できない場合もあります。 さらに凝ったデザインは自力での更新が困難な場合が多く、ちょっとした修正や更新のたびに制作会社へ依頼しなければならず、運用費用がかさみがちです。
②制作費が安い→自力で更新が困難
大枠のデザインだけ制作してもらい、あとは自分で更新するつもりが、実際に運用すると何をどうしていいのかわからない、というケース。安価なサービスは、教材やマニュアルといった操作に関するサポートは用意されていても、運用のサポートがない場合があります。また、操作はわかっても何をどうすればいいかは別問題。もっと問い合せや売上を増やすために何をすべきかという、明確な更新プランやWebの知識がない場合、いつの間にか放置状態になって、ホームページはどんどん朽ち果ててしまいます。
③特定の手法に強い→改善提案が受けられない
さまざまな手段を検討したうえで提案してくれるのではなく、単に特定の手法だけを勧めてくる会社は、最初はお勧めできません。つまりは自分たちの得意なやり方を勧めてくるわけですが、逆に言えばそれ以外の提案も検討もしてくれない可能性があるということです。
ホームページ立ち上げの相談をしているのに「とにかく動画を入れるべき」「広告を打つべきだ」とそもそもの戦略ではなく手法の話ばかりされては困りますよね。課題に対して、さまざまな切り口から提案をしてくれるかどうかが重要です。
また、パートナー選びのポイントとして、地元の知り合いなどにこだわらず、できるだけ広い範囲で探してみることをお勧めします。ネットで探す場合は、具体的な事例が参考になります。同業種の制作経験が多い会社ほどいいでしょう。その際、事例として紹介されたホームページを訪れ、状況を確認してみたり、その企業に直接連絡して評価を聞いてみたりすると、きちんと集客できているかが確認できるので、より選びやすくなります。
ほかにも、Web制作会社の主催するセミナーなどに参加して、情報を集めるのも有益です。良いパートナーが見つかれば、それは大きな前進です。
奇抜さはNG!業界にあったデザインを踏襲すること
上記の①に関連して、デザインについて大事なことをお伝えします。ホームページのデザインを考えるとき、多くの方は競合他社と違うものを作りたくなります。しかし、「ほかと違うモノ=使いづらいモノ」となるケースが多いです。デザインにこだわるあまりに、お客さまのことを考えていないホームページをよく見かけます。インパクトはあっても、住所が画像になっていてコピーができず、検索やアドレスの登録できなかったりするようでは困ります。
素直に情報を吸収してもらい、反響を得るのがホームページの目的です。奇抜なことをしてしまうと、お客さまに違和感を生み、成約率がどんどん下がってしまいます。ホームページの目的を考えたとき、奇抜なデザインより平素なデザインの方が望ましいのです。
たとえば、業種によって使われる色調の傾向があり、ビジネス向けなら青系、住宅業界なら茶色や緑色系、セールス色を強く押すなら目立つ赤系、というホームページがよく見られます。一般的なサイト構造でわかりやすいナビゲーション、読みやすい文字で、スムーズに情報が伝わるホームページを目指しましょう。見た目は至ってシンプルに、キャッチコピーやコンテンツで他社との差別化を図っていきましょう。
自力でのホームページ運用を目指そう
パートナーとともにうまくビジネスを進めていくために、役割分担を先にしっかり決めておくことが大切です。ホームページにはどんな情報を盛り込めばいいのか、誰がいつ更新するのか、長期的な計画をしっかりと練っておく必要もあるでしょう。
ホームページの運用には、コンテンツを更新していくという作業以外にも、サーバーやシステムを管理したり、SEOや市場分析をしたりしなければなりません。そのような専門的な部分に関しては、プロの専門会社に任せた方がいいでしょう。
ただ、それ以外(たとえば掲載コンテンツの更新)に関しては、基本的には自社でやるべきだと私は考えます。なぜなら、お客さまのことを一番よく知っているのは、他ならぬ皆さまだからです。お客さまは、どんな情報を欲しがっているのか、何に悩んでいるのか。これらは、お客さまと培ってきた関係性のなかで見えてくるものです。たとえ文章を書くのが苦手でも、皆さま自身が考えて文章を書き、写真を撮り、コンテンツを編集したほうがお客さまに必ず響きます。
私がお手伝いをする場合は、失敗してもいいから、基本的にご自身で編集してみて、どうしてもわからないときや、新しい機能を入れたいときだけ、相談してもらうようにお客さまへお伝えしています。
成功するかどうかの分かれ目は、勉強量にあり
前回もお話しましたが、半年間くらいかけてきちんと勉強してからホームページを立ち上げるのが理想的です。その際、専門家と一緒に何かを作りながらノウハウを学んでいくというのも1つの手です。また、個人的に無料ブログなどを開設して、どんな記事を書くと読んでくれるのか、という研究をするのも役立ちます。
ラクして成功する道はありません。成功するかどうかの分かれ目は、事前にどれだけ勉強してきたかに比例します。また、運用しながら勉強し続けられるかもキモになります。努力した分だけ、確実に成果は返ってきます。ちょっとした失敗で諦めずに頑張っていきましょう。
次回は、ホームページを作成したあとに重要な「どうやって人に来てもらうか」についての話をする予定です。お楽しみに!
今日すぐ始める3つのアクション
- どんなホームページを作るか一緒に考えてくれるパートナーを探そう
- パートナーに何をお願いするのか、役割分担を決めておこう
- 自分たちで日々の運用ができるよう自学自習を始めよう
この記事の著者
中山 陽平(なかやま ようへい)
Webコンサルタント。中小企業専門のWeb活用支援企業、株式会社ラウンドナップ代表取締役。Podcast「ノンスペシャリストのためのウェブマーケティングPodcast」は毎月1万ダウンロードを記録。
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