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中小企業が実店舗の強みをECサイトで再現する3つのポイント

2026.04.23

著者:弥報編集部

監修者:安藤 優

実店舗で行っている「顔の見える販売」は、ECサイトでは実現できないと感じている方も多いのではないでしょうか。確かにECサイトではスタッフと直接会話ができず、商品の実物も手に取って確認することはできません。しかし、実店舗の良さをECサイトに反映させることは可能です。

この記事では公益財団法人日本生産性本部の安藤さんに、実店舗の強みをECサイトで再現する方法について伺いました。


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中小企業の実店舗が持つ価値

実店舗営業において、中小企業ならではの強みや価値はどこにありますか?

中小企業は企業規模が比較的小さく、店舗の知名度が高くない場合も少なくありません。その中で価値を発揮する方法の1つが、店主やスタッフとお客さまとの信頼関係の構築です。顔見知りになり雑談ができる関係性まで深まれば、「行きつけの店」として定着し、継続的な来店につながります。

また、地域やコミュニティとつながりやすいのも、中小企業の実店舗の強みです。地域に貢献するとそのつながりの中で知名度が上がり、口コミなどを通じて良さが広まっていきます。

信頼関係を築いてファンになってもらうにはどうしたらよいでしょうか?

まずは顔を覚えること、そしてお客さまの好みや購入履歴から、その方に合った提案ができるとよいでしょう。お客さまが「自分専用の体験」ができれば「この店舗でなければ購入できない」理由になります。新作が入荷したら好みと思われるものを案内するなど、個別に対応できるとお客さまの満足度も上がるでしょう。

また、店や商品に対する店主の想い、店舗の歴史、商品の詳しい品質や開発ストーリーなど、通常の来店だけでは知りにくい情報を伝えることで、お客さまの共感を得やすくなり、ファン化につながります。中小企業では、店主自らの想いやこだわりを店舗づくりや商品に反映しているケースが多く、直接お客さまに伝えやすいのではないでしょうか。

商品の品質を高めることも大切ですよね?

もちろんそうですね。小規模店舗であれば、小規模だからこそ1つひとつの商品に手間をかけやすく、高い品質水準を維持できる点も強みになります。販売戦略にもよりますが、中小企業の小規模店舗では、品質を高めて高価格・少量販売が実現しやすいのではないでしょうか。

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実店舗の魅力をECで再現するポイント

中小企業がECサイトを作成しても、知名度が高くないため選ばれない懸念があります。実店舗のような魅力を感じてもらうには、どうすればよいでしょうか?

知名度のある大規模なECサイトを除き、中小企業のECサイトは、検索やSNS、既存顧客からの流入などを通じて利用されるケースが多いと考えられます。そのため、顔を合わせないECサイトでは、実店舗での魅力をどのようにして伝えるかが課題です。

ECサイトに魅力を感じてもらうには、まず「人が見える設計」にすることが重要です。店主やスタッフの顔写真やプロフィールの掲載、そして店舗への想いや店を始めた理由の記載などで、人間味のあるECサイトにすると実店舗に近い魅力を感じてもらえます。

また、商品に関しては、スペックの説明だけで終わらず、どのような人に向いているかを、年代や体型、好みや利用シーンなどの切り口で具体的に示し、お客さまのベネフィットをていねいに伝えられれば、より実店舗のような信頼関係を構築できるでしょう。

例えばアパレルですと、スタッフの方の体型や骨格のプロフィールとともに実際に着用した写真などがあれば、ただ服を販売しているECサイトと比較した際、より身近に感じてもらえるでしょう。「よくある不安」「FAQ」などで伝える方法も有効です。

写真や動画が多くあると、より実店舗を身近に感じてもらえるでしょうか?

はい、写真や動画は有効な手段でしょう。ECサイト上だけでなく、InstagramやFacebookなどのSNSでは写真や動画をメインで掲載でき、そこからECサイトへ誘導する手法もあります。

ただ、あまり写真や動画の質を高めた過剰演出は必要ないと考えています。近年はAIが普及し、画像や動画の品質を高めやすくなっているため、あまり過度に作り込みすぎると、場合によっては「現実味がない」と、敬遠される可能性もあります。実店舗で実際に販売している雰囲気と、店主やスタッフの等身大のようすからかけ離れないようにした方がよいでしょう。

他にECサイトで紹介しておくとよい情報はありますか?

販売するものにもよりますが、先ほど紹介したように実店舗のようすを再現して人間味のあるECサイトにすることが重要です。そのためには、店主やスタッフとお客さまとの実際のやり取りや、製品の製造工程を1から紹介するなど、さまざまなことが考えられます。商品の背景情報をストーリー化して伝えると、お客さまに共感されやすいでしょう。

実店舗だとスタッフとすぐに話せますが、ECサイトだと難しいと思います。コミュニケーションの面で何か改善策はありますか?

お客さまが問い合わせをしやすいサイト設計にすると、コミュニケーション手段が明確になり、安心感を持ってもらえます。ECサイト上で連絡先を探す必要がないように、例えばトップページに問い合わせフォームや、公式LINEの登録リンクを置いてアクセスしやすくするとスムーズです。

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ターゲットを絞る!ECサイト設計のコツ

実際に中小企業がECサイトを設計する方法を教えてください。

現在、ECサイトの構築自体は比較的容易になっています。そのため、重要なのは「何をどのように伝えるか」の設計です。

決めることとしては、まず、ターゲット設定です。だれに向けて販売するかを明確化しましょう。実店舗中心で運営している場合、ターゲットを明確化できていないケースは少なくありません。基本的なことですが、しっかりターゲットを定めることが出発点です。

そして、規模の小さい中小企業が強みを出すには、ターゲットを絞るのがおすすめです。自社の強み、価値、専門性や差別化のポイントを言語化し、ターゲットにどのようなメリットを提供できるかをイメージするとよいでしょう。ECサイトでも、付加価値を高めれば高価格・少量販売の戦略が可能になります。

ECサイトでは商品を多く掲載した方がよいでしょうか?

特に中小企業のECサイトでは、何の商品を主に販売しているかをわかりやすくするために、商品数は絞って主力商品の紹介にフォーカスすることが有効です。

知名度のある大規模なECサイトであれば、買い物目的で閲覧してさまざまな商品の中から選ぶ人も多いと思うのですが、中小企業のECサイトであれば、何かの悩みを検索してたどり着くケースが多いと考えられます。そのため、どのような商品を販売しているかが明確ではないと離脱されがちです。さらに、商品数が多いとどの商品が自分に適しているか判断しづらくなり、購入に迷いやすくなります。主力製品をある程度絞っておけば、目的がはっきりした訪問者からは選ばれやすくなります。

商品数を多く掲載するよりも、主力製品に絞ってその魅力を多く伝える方が効果的ということですね?

はい。さきほども申し上げたように商品スペックの説明だけでなく、お客さまのベネフィットをていねいに伝えられると魅力を感じてもらえます。そのためにも、主力製品に絞り、それぞれの魅力を多く伝える設計が有効です。

その他に、お客さまが購入しやすい設計はありますか?

ECサイトで購入するには、氏名、住所、支払方法などさまざまな情報を登録する必要があります。この工程が複雑だと、購入途中で離脱されやすくなりがちです。工程が複雑かどうかによって、購入率に大きな差が生じることもあります。カートに入れてから支払いまでのステップをなるべくシンプルにすることを心がけるとよいでしょう。例えばトップページからチャットボットで会話し決済まで完了するようなしくみや、大手のECサイトでログインし、本人情報をそのまま利用できるしくみなども効果的です。

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信頼関係を築くリピーター育成の秘訣

実店舗のようにECサイトでもリピーターを増やすために有効な施策があれば教えてください。

リピーターを増やすためには、まずは実店舗と同様に信頼関係の構築が大切です。顔が見えない中でも、公式LINEを通した情報発信、意見の収集、InstagramなどのSNSでコメントのやりとりなど、手厚いアフターフォローでお客さまとの関係を深めることができます。

また、ECサイト上でもていねいなやりとりで接客品質を高めたり、商品送付時に手紙を同封するなどで差別化を図ることもできます。

商品の品質でリピーターを増やすことも大切ですよね?

もちろんそうです。商品の専門性を高めて「このECサイトでなければ手に入らない」独自の商品を開発して需要が高まれば、差別化ができてリピーターは増えるでしょう。ECサイトの設計と比較して簡単にできるものではないですが、本質的な施策ですので常に開発していく必要があります。

ECサイトは、一見、低コストに見られがちですが、システムの維持費用や広告宣伝費などさまざまなコストがかかります。中小企業は規模が小さく、薄利多売の戦略をとりにくいケースが多いため、費用以上の効果を出すためには、スタッフや開発者の魅力を活かすとともに、商品の差別化をして、価格競争に巻き込まれないような戦略をとることが望ましいでしょう。

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実店舗とECの強みを組み合わせて売上を最大化

実店舗での販売を続けながらECサイトでも販路を拡大したい場合、サイトをどのように設計すれば効果的でしょうか?

実店舗販売を続けながら、ECサイトも作って販路を広げる事業者は多いと考えられます。

ECサイトの設計は、既に実店舗で培ってきた強みをECサイトでも再現することが効果的です。例えば、実店舗で把握しているターゲット層を考慮して、ターゲット層のお客さまのベネフィットをECサイトでもていねいに表現することが考えられます。

そして商品の魅力だけでなく、店主やスタッフの人柄を見せる、店舗や商品の歴史、開発ストーリーなどをECサイトでも表現して伝えられるように設計し、お客さまと信頼関係を築けるような設計にすることが大切で、これらはECサイトのみで販売する場合とも共通する施策といえます。

店舗販売とECサイトを組み合わせて効果的に活用する方法はありますか?

中小企業のECサイトは知名度の面で不利なため、実店舗があれば、そこで購入いただいた顧客へECサイトを案内すると効果的です。

ECサイトは時間と場所を問わずに購入できるなど、便利な面も多くあります。お客さまが実店舗とECサイトを状況に応じて使い分けられるようになれば、販路が拡大できて売上拡大につながります。

実店舗へお越しのお客さまにECサイトを案内する際に、例えば消耗品なら次回からオンラインで購入すれば便利であることや、何かあればオンラインで質問もできる点、店頭にないサイズやカラーも注文できるなどの利便性を伝えられると、両者の相乗効果が得られるでしょう。

ECサイトでの売上の拡大と顧客満足度向上のためには、小さな改善の積み重ねと継続的な試行錯誤が成功の鍵となります。


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この記事の著者

弥報編集部

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この記事の監修者

安藤 優(公益財団法人日本生産性本部 コンサルティング部 経営コンサルタント)

大学卒業後、広告・製薬・化粧品業界でEC・通販事業に約12年間従事。EC統括部長として戦略立案からマーケティング、IT、財務、組織開発まで広く経験。その後、IPビジネスを営む企業の実店舗事業で戦略ディレクターを務め、事業戦略立案・実行、DX推進などを牽引した。
現在は経営コンサルタントとして、企業の診断指導や人材育成に従事。実務経験に基づいた多角的な視点から、事業成長の実行支援を強みとする。

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