- 業務効率化
【FAXのDX化】もう出社は不要!リモートワークでもFAX業務を行う方法とは?
2025.01.07
メールやチャットでの連絡手段が当たり前となり、もはやレガシーな通信手段の代表格といえるFAX。しかし、日本のビジネスシーンではいまだにFAXが多用されています。
士業、建設業、不動産業、卸売業、メーカー、店舗など……業種によってはFAXの利用頻度が依然として高いのが現実です。利用頻度が低い企業であっても「FAXをなくせるか?」と問われれば「まだまだなくせない」という企業が多いのではないでしょうか。
FAXは機器の購入費がかかるだけでなく、用紙・インク代などの消耗費やメンテナンス代も継続してかかり、コスト面で負担になります。そのうえ機器の設置場所の確保や配線などで業務スペースに制約が生じるという物理的な課題もあります。
また、リモート環境ではFAXの送受信操作ができないため、業務を行うためには事務所や店舗に行かなければなりません。昨今の「場所にとらわれない働き方」の流れに逆行するため、非効率性も大きな課題になります。
最近の複合機はFAX受信時にデータ化してクラウドや社内サーバーに保存してくれる機種もありますが、機器代も高価になり、そう簡単にはリプレイスできないケースも多いかと思います。
このようにFAXのDX化はハードルが多そうに思われますが、実は「ネットFAX」と呼ばれるサービスを導入することで、簡単にFAX業務をDX化することができます。ここでは弥生の「起業・開業応援パック」でも紹介している「03plus」というサービスで、どのようにFAXのDX化が実現でき、どんなメリットがあるのか紹介していきます。
目次
FAXがなくならない理由は?
「5年後、日本企業の80%以上でFAXがなくなっているか?」と聞かれたら、おそらく多くの方は「NO」と答えるでしょう。ひょっとすると10年後でも同じかもしれません。
2006年と古いデータになりますが、総務省発表の当時のデータによれば日本企業でのFAX普及率は97.8%とほぼ100%に近い数字でした。直近については、企業でのFAX普及率に関する最新データが確認できないため詳細な数値は不明ですが、完全に廃止したという事例はあまり耳にしないため、実際のところはまだまだFAXを保有している企業が多いと推察されます。
世界的に見てもFAXをこれほど多用する国もなかなかないでしょう。アメリカのニューヨークタイムズ紙やイギリスのBBCなど海外メディアでの報道で「なぜ日本人はいまだにFAXを使い続けるのか」と、揶揄されるくらいです。
日本のビジネスシーンではなぜFAX文化が根強いのか、その理由をまとめてみたいと思います。
官公庁や公的機関で使われている
役所の特定機関や裁判所など、公的機関によっては書類の提出方法がFAXのみに限定されているケースがあります。それらの公的機関と書類のやり取りをする必要がある企業は必然的にFAXをなくすことができません
確実に相手に届き、紙で出力される
eメールは送信しても相手側メールサーバーで弾かれてしまったり、見落とされてしまったりするケースがあります。しかし、FAXは送信失敗時や相手方で受信できなかった場合には送信エラーとして記録が残るため、メールのように「送信成功になっているけど実は相手に届いていない」という事態も発生しにくいという性質があります。また、データ漏えいしにくいという特性もあり、官公庁など公的機関への書類提出手段がFAXに限定されている理由にもなっています。
ITリテラシーの低い方やPC操作ができない現場でも使える
FAXを送りたいときは紙に直接要件を記入し、あとはセットして送信ボタンを押すだけなので、PCを使わなくても簡単に送信できます。そのためITリテラシーの低い方が多い会社では特にFAXが重宝される傾向にあります。
また、工事現場や作業現場などPCの操作が難しい場所でも、注文書などに手書きでさっと数量を記入して送信できるため、メールより効率的というケースもあります。だれでもどこでも簡易的に操作できるというのはFAXの強みですね。
このように、FAXの強みである「信頼性・確実性」や「操作の簡易性」といった点から重宝されており、FAXが必須な官公庁や企業と取引をする場合は、どうしても残さざるを得ないことから、日本全体でなかなかFAXがなくならない原因になっていると考えられます。
しかし、FAXの利用頻度が高くない企業からすれば、FAXのために機器の購入費・保守メンテ費用などで出費を続けるのは得策ではありません。
また、テレワークが一般的になった昨今においては、FAX業務の課題に直面することになります。
リモートワーク時代のFAX業務が抱える課題
リモートワークやテレワークが普及し、さまざまな業務が自宅でも滞りなく行えるようになりました。しかし、FAX業務はテレワークと相性が悪い業務の一つにあげられます。
場所を選ばない働き方の妨げになり、非効率的
送受信は、物理的なFAX機で行う必要があるため、事務所や店舗に出社する必要があります。お客さまから「FAX送っといたから」と言われたら事務所や店舗に行って確認するしかありません。このようにFAX業務を行うためには出社しないといけないため、リモートワークの妨げになってしまいます。
ペーパーレス化に逆行
普段そこまでFAXを利用しないという会社でも、気が付いたら毎日のようにFAX DMが届いているというケースは多いのではないでしょうか。ただでさえFAXは送受信時に紙を必要とします。そのうえ無駄なFAX受信で紙を消耗してしまい、ペーパーレス化の大きな妨げになります。
また、紙の情報は情報共有に向いていません。受信したFAXをいちいちスキャンしてデータを共有するという面倒な作業が必要となります。
さらに、電子帳簿保存法の改正によりFAXで受信した書類を帳簿の書類としてそのまま使用できなくなるため、紙をデータ化しなくてはならないという手間も生じてしまいます。
業務効率化の阻害
メールやチャットに比べFAXは送受信に時間がかかるため、情報伝達の効率化を悪化させ生産性低下につながってしまいます。そのうえ自分の席のPCから操作できないため非効率的です。
「大フロアの隅にあるFAX機のところまで行くのが面倒……」という程度ならまだしも「別フロアに移動しないといけない」「FAXのために事務所に戻らないといけない」というケースでは大きな時間ロスにつながってしまいます。
インターネットFAXで従来のFAXの課題を解決
しかし、これら従来のFAXの課題を解決できる「インターネットFAX」と呼ばれるクラウドサービスを、導入する企業が増えてきているのをご存じでしょうか。ここからは最近注目を集めている「インターネットFAX」について紹介していきます。
インターネットFAXとは、パソコンやスマホのWebブラウザからFAXを送受信できるサービスです。インターネット回線経由でFAXの通信を行うことから「インターネットFAX」や「ネットFAX」と呼ばれ、またFAX機や電話回線工事が不要なため「クラウドFAX」と呼ばれることもあります。
従来のように物理的なFAX機を必要とせず、場所を選ばずにFAXの送受信ができるため、自宅や外出先でもFAX業務を行うことが可能になります。これまでのようにFAXのために出社する必要もなくなり、受信したFAXデータを社内ですぐに共有でき、テレワーク環境においてもスムーズなコミュニケーションを可能にします。
インターネットFAXの主な特徴は以下の通りです。
時間と場所を選ばない
時間や場所を選ばずにパソコンやスマホからFAXの送受信ができるため、FAXのために出社する必要がなくなり、FAX業務のクラウド化が可能になります。
例えば飲食店で、これまでは営業終了後に食材のストックを確認し、お店から業者にFAX送信が完了してからようやく帰宅していたようなケースでも、インターネットFAXなら帰宅中の電車内でスマホからFAX送信をすることも可能になり、時間を節約できます。
ペーパーレス化
受信したFAXはPDFなどデータに自動変換されファイルとして保存されます。Webの管理ページなどで受信データの確認ができ、FAX DMで届いた不要なデータもすぐに削除でき、必要なデータのみPCなどに保存しておくことが可能です。
送信時もPCやスマホでデータを作成してそのまま送信できます。送受信ともに紙を使用せずにFAXができるため、ペーパーレス化につながります。
業務効率化
自分の席からFAX機まで移動したり、あるいは出社したりといった必要がないため、業務効率を大幅にアップすることができます。
FAXを受信したら自動的にデータに変換されているため、メンバー間での確認や共有も手間がかからず、従来に比べてはるかに楽になります。
インターネットFAXの最大の課題
このようにインターネットFAXであれば従来のFAX業務の課題を解決できますが、導入時にネックになる問題点があります。それは、インターネットFAXサービスの多くが「既存のFAX番号を引き継げない」という点です。
インターネットFAXサービスの多くは、050や一部市外局番などのサービス提供事業者から発番された新規番号でネットFAXの送受信を行うことになり、FAX番号が変わってしまうことになります。FAX番号が変わってしまうと、既存取引先へ番号変更の案内の手間が発生したり、普段取引が少ない企業などからFAXが受信できず機会損失が発生したりと、多方面に影響が出てしまいます。
どうしてもFAX番号を変えたくない場合、既存のFAX回線の契約は残し、そこからインターネットFAXサービスから払い出された050などの番号に転送させるという方法があります。とりあえずはこの方法でFAX番号を変えずにネットFAXを利用することができますが、この場合、以下のようなデメリットが生じてしまいます。
- FAX転送時の転送通話料がかかる
- 既存FAX回線の基本料にプラスして、ネットFAXの利用料がかかる
- PCからの送信時は新規番号からでないと送信できない
特にFAXの受信頻度が高い場合は、FAX受信の度にネットFAXへの転送料が発生するためかなりのコスト増になってしまいます。
そこでおすすめしたいネットFAXサービスが、弥生の「起業・開業応援パック」でも紹介している「03plus」というサービスです。
「03plus」ならインターネットFAXの課題も解決
スマホアプリから固定電話番号で音声通話ができるクラウドPBXサービス「03plus」は、インターネットFAXの機能も提供しています。03plusのインターネットFAXを利用することで、以下のメリットが得られます。
ナンバーポータビリティーで既存FAX番号の継続利用も可能
03plusはナンバーポータビリティーに対応しているため、既存FAX番号を引き継いでネットFAXに移行することが可能です。
前述の他社ネットFAXサービスでは番号を引き継げず番号が変わってしまうという課題も解決でき、番号変更に伴う手間も発生しません。また従来のFAXと同様、受信時の料金もかかりません。
FAX機との併用も可能
FAXの利用頻度が高い法人やFAXの運用形態によっては、まだまだFAX機も必要というケースもあるかと思います。インターネットFAX専門サービスはFAX機との併用に対応していませんが、03plusであればFAX機との併用も可能です。「事務所ではFAX機で、外出時はネットFAXを利用」といったケースや「事務職の方はFAX機で、管理職の方はネットFAXを利用」など、ケースに応じて柔軟な運用が可能です。
FAX番号だけでなく固定電話番号もクラウド化できる
従来のインターネットFAXサービスはFAX機能だけで、電話の機能は提供していません。そのため、固定電話とFAXで別々のサービスを契約・運用する必要がありました。しかし、03plusであれば固定電話とFAXを一元管理することができ、1台のスマホで電話もFAXも可能になります。
固定電話は不要という場合は、03plusのインターネットFAX機能だけを利用できる専用サービス「03FAX」の利用も可能です。
インターネットFAX導入に向いている業種・ケース
最後にインターネットFAXの導入に向いている業種やケースについてまとめてみます。
士業やコンサルなど
士業やコンサルなど個人や小規模で事業を行っている方は、外出で事務所を不在にするケースも多いかと思いますが、インターネットFAXであれば外出先でもFAXの確認や送信も可能です。
また、役所や裁判所など公的機関へのFAX送信もPCやスマホから送信でき、何かとFAXの利用頻度が高いこれら業種では用紙やインク代など消耗費の節約につながります。
不動産業、建設業
不動産業や建設業など図面のやり取りなどでFAXの利用頻度が高い業種でも、ネットFAX導入による用紙やインク代など消耗費の削減が期待できます。また、外出先でもスマホやタブレットでFAX図面を確認でき、業務効率化にもつながります。
建設現場の仮設事務所であれば回線工事不要でFAX番号を用意できます。PCやスマホから送受信できるためFAX機を置く必要もないうえ、03plusであればスマホから固定電話番号で発着信もできるため電話機の設置も不要です。
飲食店や小売店、卸売業など
日々の受発注業務でFAXを利用しているケースが多いこれらの業種もインターネットFAX導入により消耗費削減を図ることができます。また、移動中や外出先でも送受信が可能になり、業務効率を改善することができます。
事務所移転
昨今では事務所移転と同時に、オフィスのフリーアドレス化やネットワークの無線化が主流になっています。この流れの一環で、固定電話も従来のPBX装置を必要としないクラウドPBXへの移行も右肩上がりで増えています。
ただ、クラウドPBXにした場合、FAX回線はノータッチというサービスが多く、その場合は結局FAX用にアナログ回線をひかないといけないケースがあります。しかも最近の新築ビルではアナログ回線をひいていないため、独自でアナログ回線工事をしようとすると高額な工事費用が発生してしまう、というケースも増えています。
また、インターネットFAX専門のサービスでは番号ポータビリティーでの番号の転入に対応していないため、ネットFAXにしても番号はどうしても変わってしまいます。
しかし、03plusであれば番号ポータビリティーにも対応しているため、移転先でもFAX番号を変えないままネットFAXに移行することができます。また、03plusは固定電話サービスも提供しているため、電話番号も変えずにクラウドPBXへ移行することができます。移転時に電話もFAXもまとめて03plusに移行すれば回線工事不要で手間をかけずに電話/FAX環境を構築することができます。
シェアオフィスやコワーキングスペースの利用者
シェアオフィスやコワーキングスペースを利用している場合、事業社によってはオプションサービスとしてネットFAXサービスの利用が可能な場合があります。しかしこれらのサービスは月数千円と相場より高いうえ、他の人と番号が共有だったり、専用番号を利用できても番号が選べなかったりと何かと制約があります。
03plusであれば、FAX番号も番号リストから選ぶことができ、コストも抑えることができます。
まとめ
インターネットFAXを導入することで、自宅やシェアオフィスなどこれまでFAX業務を行うことが難しかった場所でもFAXの操作が可能になります。PCやスマホから場所や時間を選ばずどこでもFAXの送受信が可能になり、業務効率化につながります。
また、ペーパーレス化により用紙やインク代など消耗費を削減できるほか、FAX機や配線が不要となるため物理的なスペースや管理保守の手間とコストも削減できます。
03plusであれば、従来のFAX番号を変えずにそのままインターネットFAXに移行することができ、番号変更の手間もかかりません。
特に事務所の新設・移転時や、FAX機のリース更新や買い替えを検討されている方は、一度インターネットFAXの導入を検討してみることをおすすめいたします。
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この記事の著者
弥報編集部
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