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集客・売上・問い合わせ・認知度……それ全部「Web広告」で向上できます!

2024.03.01

著者:弥報編集部

監修者:上野山 光雄

スマホやパソコンでネットやSNSを見ていると、必ず出てくるWeb広告。「コストがかかりそうだし、設定も難しそうだからうちにはムリ」と思い、自社とは関係ないものとして見ていませんか。

もしかするとその考え方はもったいないかもしれません。なぜならWeb広告は低予算で始められ、集客や売上アップなどの結果にもつながりやすい中小企業にぴったりのマーケティング手法であるからです。しかしWeb広告は多岐に渡ることから、自社に合った媒体がどれかわからず、運用について不安を覚える企業も少なくないでしょう。

今回はリスティング広告運用のプロである、株式会社バリューエージェントの上野山 光雄さんに、Web広告の種類や概要から、Web広告を打つ際の手順や留意点まで幅広くお伺いしました。

自社に合うWeb広告媒体を知りたいという考えがそもそも違うなど、Web広告との向き合い方も改めて解説いただいたので、取り組む際の参考になればと思います。


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Web広告とは主に「リスティング広告」と「SNS広告」のこと

そもそも「Web広告」にはどのようなものがあるのでしょうか。

Web広告の種類はさまざまですが、特に昨今注目を集めている代表的なものといえば「リスティング広告」「SNS広告」です。1つずつ解説していきましょう。

  • リスティング広告
    別名「検索連動型広告」と呼ばれる、見出しや文章から構成される広告のことです。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで語句を検索した際に「スポンサー」と表示される関連サービスや商品などの広告が表示される仕組みになっています。
  • SNS広告
    LINEやX(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどのSNSに配信する広告です。SNSのタイムラインやおすすめに表示され、画像や動画などのクリエイティブで目を惹く広告デザインが多いです。

その他、Webサイトやアプリ上の広告枠に画像などを表示する「ディスプレイ広告」、一度Webサイトに来訪したユーザーに広告を表示する「リターゲティング広告」、物販販売に適した「ショッピング広告」などもあります。

「リスティング広告」と「SNS広告」で効果の違いはありますか。

一番大きな違いは、獲得できるターゲットの特性です。

リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンで調べるキーワード(単語)と紐づいて表示されます。つまり、既にそのキーワードに対してある程度の関心があり、リサーチ姿勢を持つ顕在顧客を獲得する可能性が高いといえます。

一方、SNS広告は、もともとユーザーがSNSに登録している基本情報や、関心を持つ情報を元に絞り込んで表示されます。例えばFacebookなどでも、自身の基本情報など詳しく登録している方も多いですよね。加えて、「いいね」をするなどの行動から、潜在顧客であるユーザーに対して広告を打っているといえます。

Web広告を打つ際は「何を選ぶか」よりも「何を目指すか」を考えて選ぶ

自社に合ったWeb広告は、どのように選べばいいのでしょうか。

どのWeb広告が自社に適しているか、という視点ではなく、どのような目的を持ち、だれをターゲットにするのかを明確にしたうえで判断しましょう。一般的には、問い合わせを増やすならリスティング広告、認知度を上げるのならSNS広告が適しているといわれています。

例えば、鍵修理店がWeb広告を打つとします。鍵修理店にお客さんが連絡をするときは緊急性が高い場合が多く、検索エンジンで「鍵 緊急 対応」などと検索し、すぐに対応できる店を探しています。その検索時に広告が表示されれば、選択してもらえる確率も高くなりますよね。以上のことから、この場合はリスティング広告が適しているといえます。

しかし、繰り返しになりますが「自社にはこのWeb広告が適している」と断定することが難しいように「この目的には絶対この広告」とも言い切ることはできません。Web広告は、予想を越えた動きもあるので、まずは挑戦し反応を見てから調整していく方法もよいでしょう。

Web広告を打つ際は、どれくらいの予算が必要ですか。

業種によるので一概には言えませんが、目安としては売上の10~30%の費用をかける企業が多いように感じます。また、どこまでの予算感を持って運用していくかによっても変わってきます。

効果はどうであれ、始めようと思えば1,000円からでも運用できるのが、Web広告の良いところの1つですね。

リスティング広告は1クリックごとに課金される「クリック課金」、SNS広告は多くの場合「クリック課金」に加え、広告の表示回数ごとに課金される「インプレッション課金」が用意されています。

例えばリスティング広告では、広告を表示させる検索キーワードを設定し、それに対して1クリックいくらまでなら広告料金を払い「入札」するか、を決めます。競合の多い人気なキーワードはクリック単価が高くなるため、予算を消化しすぎてしまったり、入札に買い負けてしまい、広告が表示されなかったりするので常に調整は必要ですが、一気に巨額の投資をしていた従来の雑誌広告やテレビCMとは異なり、中小企業でも安心して取り組むことができます。

広告文は、機能の羅列よりも「Youメッセージ」が重要

実際にWeb広告を打つ際、何から始めればよいのでしょうか。

広告と連動させるサイトがあることを前提として進めますが、まずは、打ち出す商品やサービスの提供価値を明確にしましょう。そのうえで「Youメッセージ」を意識した文章を作ります。

「Youメッセージ」とは、受け取り側を主語にし、相手がどのような価値を享受できるかを表したものです。

Web広告を見ていると、「〇〇機能搭載!〇〇スペック!」などのような打ち出し文を見ることはありませんか。売り手は自社の商品・サービスがいかにすごいかを伝えたい「Iメッセージ」を発信しがちです。しかし、買い手が購入判断をする際に大切にしている視点は「この商品・サービスが自分にどんな価値やメリットをもたらすか」です。

頭では理解していても、自社の提供しているものがユーザーにどのように役立つかを、具体的かつ簡潔に説明することができない企業は意外と多いものです。これを機に、改めて自社の提供する価値を考えてみましょう。

具体的な方法としては、まず自社の商品・サービスの特徴や機能を書き出し、そこから1つずつ掘り下げていくのがよいでしょう。例えばカメラを打ち出したい場合、画素数などの数値を書き出すことからはじめ、その数値があることで具体的にどんなシーンで何が撮影できるのか、何枚撮影できるのかなどを明確にしていきます。さらに掘り下げ、「学校イベントや日常の様子など、小学校6年分の子どもの撮影が十分に撮れる」など、具体的に顧客が享受できる価値にたどり着くまで繰り返します。

具体的なWeb広告の設定手順を教えてください。

広告媒体により多少の違いはありますが、基本的には広告配信設定ページの指示に従って必要事項を入力していけば運用が可能となります。

全体の流れをかいつまんで解説しますと、まず広告内容を設定します。リスティング広告の場合は、「広告見出し」と「説明文」を、SNS広告の場合はそれに加えて画像などを登録します。作成したYouメッセージを元に、作成していきましょう。

次に、リスティング広告ならキーワード、SNS広告ならターゲットの興味関心のある分野などを設定します。

その後、クリック単価などの金額設定を定めます。1日の上限金額なども設定できるため、自社の予算と相談しながら入力していきます。その他、地域やターゲットなどそれぞれのWeb広告媒体で設定できますので、まずは広告設定ページを見てみるのが早いと思います。

Instagramの広告設定画面の例

リスティング広告を打つ際に推奨している検索エンジンは、ユーザーボリュームの大きいGoogleです。「Google 広告」とインターネットで検索すると、Google Adのページが表示されるので、広告アカウントを作成してください。「キャンペーンを開始する」を選択し、指示に従って広告設定を進めると、運用開始となります。

リスティング広告の具体的な設定方法についてはこちらの記事もご参考にしてください。

・広告運用開始わずか3か月で売上214%アップ!中小企業だからこそ活用したい「リスティング広告」とは|弥報Online

運用で注視すべきは「CV」と「CPA」

Web広告配信後、何を注視して運用すればよいでしょうか。

特に注意して見ていただきたいのは2つです。

1つ目は、商品購入数や会員登録数など、各社が定めた成果である「CV(Conversion)」の獲得数です。CVは広告を打つ企業によって異なりますので数値の目安はありませんが、ただ広告を打つだけになっていないかを見極めるために重要な指標です。

2つ目は、1つのCVを獲得するためにかかった広告費用を意味する「CPA(Cost Per Action)」です。CPAの数値が低ければ低いほど、広告宣伝の費用対効果が高いとされていますが、低くしすぎると広告の成果であるCV数を獲得できません。管理画面では、コンバージョン単価と表示されています。

この2つのバランスを見ながら、クリック単価や日予算を調整したり、地域やターゲット、キーワードなどの絞り込み、または拡大などを繰り返したりすることがWeb広告運用のコツです。

その他、Web広告運用に関して留意点はありますか。

ネット検索の状況は日々変わり、予測も難しいため、Web広告も検証を続けていく必要があります。利用予算などにもよりますが、最低1〜2週間に1回を目安に設定内容の見直しを行いましょう。

リスティング広告の場合は、広告からLP(ランディングページ)に流入した数を明確に測定するために、Googleアナリティクスなどを活用し、分析するのもよいでしょう。トラッキングのためのタグをサイトに埋め込むなどの操作は必要になりますが、より確実な効果測定ができます

困ったときは無料のサポートサービスを活用しよう

Web広告運用に関して、活用できるサービスなどはありますか。

設定方法がわからないなどの操作的な悩みであれば、GoogleやFacebookには無料のサポートサービスがあるので相談することができます。

また、Googleには「スマートアシストキャンペーン」というサービスも搭載されています。電話問い合わせを増やす、Webサイトでの商品購入や申込数を増やす、店舗の来客数を増やす、といった企業の広告目的を選択すれば、ある程度の設定をするだけで広告配信後もAIが自動で運用してくれるのです。設定した広告の目的や予算に応じてくれるので、「よくわからないけどまずは配信してみよう」という運用の初期段階ではおすすめです。

ただ、AIに任せれば手放しで運用できますが、結果につなげたいということであれば頼りっぱなしではいけません。反応を見て細かな広告設定の修正を重ね目標達成に近づけることができるのがWeb広告の最大の特徴ですので、しっかりと軌道修正していきましょう。(※本格的に取り組む場合は、スマートアシストキャンペーンではなく、通常の広告管理画面より運用することをおすすめします)

広告運用代行などの有識者に依頼することも選択肢の1つとしてあげられます。いずれにしても、さまざまなサポートの力を借りながら、まずはチャレンジしてみることをおすすめします。


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この記事の著者

弥報編集部

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この記事の監修者

上野山 光雄(株式会社バリューエージェント 代表取締役)

新卒で店頭公開のITシステム会社にSEとして就職。その後、オーストラリアでワーキングホリデーで滞在。帰国後、就職したベンチャーが急成長を行い、売上100億円近い時に取締役に就任。取締役を3年間経験。
2005年に株式会社バリューエージェント設立。マーケティングシステム、店舗集客、WEBマーケティング事業で中小企業を中心に述べ500社を超える集客サービスの支援実績がある。

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