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無駄な会議をしていませんか?「ダメ会議」を「企業の成長につながる会議」に変える方法
2023.04.03
著者:弥報編集部
監修者:沖本 るり子
「この会議って、参加する意味ある?」と社員が感じてしまうような会議をしていませんか?会議が単なる「報告会」や社長が一方的に話す「演説会」になっている場合、会議を良いものに改善する余地があります。
中小企業の場合は特に、質の高い会議を短時間で効率よく行うことが、企業成長の鍵です。そこで今回は、生産性を向上させる会議改善などを行う、株式会社CHEERFULの沖本 るり子さんに、中小企業における会議の生産性を向上するためのポイントなどについてお話を伺いました。
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目次
当てはまると危険!生産性の低い「ダメ会議」とは
「無駄な会議」とはよく聞きますが、生産性の低い会議とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
参加者のほとんどの方が、最初から駄目な会議だと思って参加していることが、生産性の低い会議の特徴です。しかし、実際には会議自体が駄目なのではなく、参加している方々が生産性を低下させているだけだと思います。自主性がなく、依存する形で参加しているため、結果的に良くない会議になるわけです。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 目的や目標のない会議
- 目上の人ばかり話す会議
- 意見を言うと駄目だしばかりされる会議
- 脱線ばかりする会議
- 時間管理がいいかげんな会議
会議とは、関係者が集まり議論し、今後の方針や課題に対する取り組み方を決める場であるはずなのに、駄目な会議を行っている参加者は「何のために自分が、今ここにいるのだろう……」と感じがちです。なんとなく参加して、終わったときにどうなっているのかが不明確な目的や目標のない会議を行っていると、そのように感じる参加者が多くなります。
また社長や上司、先輩など、目上の方ばかり話している場合は、他の参加者が黙って聞くだけの会議になることが多いでしょう。意見を言っても、否定されることが多くなると、参加者は「何か意見を言えというから言ったのに、駄目だしばかりされる。もう何も言わない」と考えるようになり、会議の質が低下します。また何かを提案した際、すべて自分に押し付けられるようになると「言った人が損をする」という雰囲気になるケースも多いでしょう。
そしてもう一つ陥りがちなのが、会議ではなくミーティングになってしまうケースです。ミーティングは会議とは違い、情報共有やアイデア出しなどを行う場となります。
なぜ、そのような事態に陥ってしまうかというと、全般的なルーズさが原因といえるでしょう。時間の管理がルーズな会議を行っていると、開始時間が遅れたり、参加者も遅れてきたりするため、終わりの時間もずるずる長引くケースが多いです。
このような会議では何も生まれないことが多く、生産性は非常に低いと言わざるを得ません。脱線が多く、本来決めるべきことが決まらないため、会議ではなくミーティングとなってしまうのです。
会議がダメになる原因や背景を教えてください。
会議のあり方ややり方を、そもそも間違えているケースが多いと感じています。正しい会議を知らないため、わからないまま何となく続けているケースが多いです。
上司が開催している会議になんとなく参加し、自分が上司になったときも同じような形式で開催することが多く「会議は無駄なもの」という考え方をそのまま継続することも、駄目な会議が多くなる背景にあると思います。
また会議の場において、参加者全員で生産性を上げる取り組みを行うのではなく、個々の参加者同士の戦いの場になっているケースも多いです。相手の意見より自分の意見のほうが正しいことを証明できると、評価が上がる企業もあります。そのような場合、ただ相手を蹴落とすだけの会議になりがちです。こうなってしまうと、会議で生産性を向上させることは、非常に難しい状況といえるでしょう。
そもそも会議とは何をするべき場?
会議とは本来何をするべき場なのでしょうか?
会議とは、本来企業の生産性を上げるためのツールです。したがって、効果が出るように有効活用するべきものです。
しかし有効活用できている企業は非常に少ないため、成果を出し続けられず、成長につながりません。
まずは会議が何を実現するためのツールであるかを理解し、参加者全員が有効活用できるようになることが重要と考えてください。
会議の生産性を上げるために中小企業が取り組むべきこと
会議の生産性を上げるために中小企業が取り組むべきことを、いくつか紹介してください。
中小企業は従業員数が少ないため、スピードが大切です。ゆっくりしている時間はないので、時間当たりの質を向上させるアプローチが必要になるのです。
そのためには、会議を実施する前に以下3つのチェックポイントを確認し「その会議は本当に必要かどうか」を判断しましょう。
- 会議の目的は明確か?
- 会議の目標は明確か?
- 会議以外の方法では駄目なのか?
具体的な流れは、どのようなものになるのでしょうか。
会議の実施が必要だと判断した場合、まず制限時間を設けます。制限時間を設定する際には会議の始まりと終わりだけでなく、議題ごとに分刻み、あるいは秒刻みにすることが重要です。
例えば年末の紅白歌合戦は、毎年23時45分に必ず終わらせなくてはいけません。終盤には大物歌手が出てくるため、歌わせずに終わることは絶対に許されない状況です。
これは、会議も同様です。すべての議題について話しあうためには、時間配分を適切に行う必要があります。複数の議題がある場合は、時間を細かく刻んでタイムスケジュールを組みましょう。そして、その通りに進行することが非常に重要です。
次に「会議を参加者全員で動かす」という意識を持つことも必要です。そのために以下3つの役割を、参加者の持ち回りで担当します。
- 進行係
- 記録係(メモ係)
- 時間係
例えば、何時何分の項目についてはAさんが進行係、次の項目はBさんが記録係など、順番に割り振っていきましょう。そして1つ1つの議題に対して、全員が意見を出すことも必須です。
すると、議題ごとに1人当たりの話せる時間が明確に決まるため、同じ人が長々と話せなくなります。制限時間になったら時間係が話を区切り、順番に回していけばよいのです。
記録係が議事録をリアルタイムに作成すれば、すべての意見が記録されるため、会議に参加する意義も高くなります。
最近はWeb会議を実施するケースも増えていますが、Web会議ならではの生産性を向上させる方法があれば教えてください。
Web会議では、チャット機能の使用を禁止しています。Web会議は「話す・聞く・見る」が基本です。チャット機能を使うと、見たり入力したりする手間が発生するため、集中力が分散されます。
また、無駄なオーバーアクションも必要ありません。例えば「Yesのときはこういうアクションをしましょう」といった、ルールを決めるケースもありますが、参加者が疲れるので実施しないほうがよいです。Web会議では「聞こえている・見えている・わかっている」を前提に考え、わからないときだけ質問をする形で進めましょう。
そして、Web会議ならではの「ミュート機能」を活用することも有効です。制限時間が来たら、ミュート機能で話者のマイクをオフにします。もちろん、事前に参加者へ伝えておくことが前提です。
最初は、違和感を覚える人もいるかもしれませんが、徐々に慣らしていけばいいのです。「時間内に話さないと自分の意見が反映されない」と、参加者に自覚してもらうことが大切と考えてください。Web会議で慣れておけば、リアルな会議でも同様のことが実施しやすくなるでしょう。Web会議を、会議の進め方を変えるチャンスと捉えることが重要です。
ここまでのお話もふまえ、中小企業が会議の生産性を上げるために、まず何から取り組むべきでしょうか?
先述のとおり、会議の生産性を向上させるためには、対面の会議もWeb会議も制限時間を決めることから始めてください。簡単なことのようですが、高い効果が期待できるので、おすすめです。限られた時間内に伝えたいことをすべて話せるように発言者も準備するようになりますし、聞く側の集中力もキープしやすくなります。
会議の在り方を見直す際の「?」を解決するFAQ
情報共有の場としての会議もよくあると思いますが、そもそも必要なのでしょうか?
必要か不要かと言われれば、必要です。ただし、他に方法がない場合に限ると考えてください。
情報共有は必要ですが、実施する方法は掲示板やメールなど、さまざまな手段がある時代ですから、効率化のために本当に会議をするべきか見極めることも重要です。
さまざまな方法を検討し、それでも全員で集まって情報共有をしなければいけない場合に、会議を実施するとよいでしょう。
「会議」を軸に考えるのではなく「効率化を図るために何をすべきか」を検討することで、より正しい判断ができるようになりますよ。
中小企業の会議では社長ばかり話しているケースも散見されますが、この問題を解決する方法はありますか?
まず社長に対して、事前に制限時間があることを伝えておくことが必要です。例えば「今回の制限時間は2分なので、時間になったら打ち切ります」と伝えておきましょう。事前に伝えず、話しているときに遮ってしまうのはNGです。
次に、制限時間を知らせる際には、音を鳴らすことも重要なポイントです。そのため、キッチンタイマーなどの使用をおすすめします。できるだけ、大きな音が鳴るものを選びましょう。
そして話が終わった後、全員で拍手喝采することが、話を早く終わらせる一番のコツです。拍手には「話の内容がすごくよかった」「時間が来たのでやめましょう」という2つの意味が含まれます。
拍手喝采されると、話している側も「もういいか」とやめる気持ちが強くなるため、全員で実施してください。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
質の高い会議は、企業成長に大変有効です。自社で行っている会議は、実際にはどうでしょうか。社長が一方的に話すだけの会議や、資料を読み合わせるだけの会議が行われている場合は、その会議が本当に必要か、ぜひ見直してみてください。
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この記事の著者
弥報編集部
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この記事の監修者
沖本 るり子(株式会社CHEERFUL 代表取締役)
「5分会議」では、「立場上どんなにえらい人でも、意見はすべて1分以内にまとめる」ことを提唱。企業向けコンサルタントや研修講師を務め、台湾(労働部)の講演会でも登壇。「5分会議」はRKB毎日放送「今日感テレビ」で紹介された。『生産性アップ! 短時間で成果が上がる「ミーティング」と「会議」』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』・『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)、『人を動かしたければ1分以内で伝えろ!』(三笠書房)他。
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