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まずは手紙を書くことから!?プロが教える「効果的なランディングページの作り方」
2022.02.24
新たな集客や売上アップのために、ランディングページ(LP)を作ってみたいという会社が増えています。その一方で「ホームぺージとの違いや作成のメリットがよくわからない」「難しそうだしお金がかかりそうなので躊躇している」との声もありました。
そこで今回は株式会社gracenoteの中村 和正さんに、ランディングページのメリットや、作り方について伺いました。お話の中で出てきたのは「ランディングページを作る前に、まず手紙を書いてみて」という言葉……。手紙を書くことから始めると、本来伝えたいことが明確になり、効果的なページを作ることができます。
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目次
ランディングページって何?メリット・効果は?
ランディングページにはどんな特徴がありますか?ホームページとは何が違うのでしょうか。
ランディングページ(LP)とは、広告の受け皿となるページを指します。つまり、広告をクリックしたら最初に現れるのがランディングページということです。
ホームページは、いろいろ人を相手にしなければなりません。自社の商品やサービスを利用する消費者の他にも、取引先や求職者などさまざまなユーザーが訪れます。それに対してランディングページは「〇〇を売る」という前提があり、ターゲットは限定的です。
ランディングページを作るメリットを教えてください。
訪れる人の目的がはっきりとしているため、コミュニケーションが取りやすいという点です。ランディングページには、売りたい商品の情報だけがあればいいので。もし広告からホームぺージに飛ばしてしまったら、会社概要・採用など項目がたくさんあって商品ページが探しづらい、つまり「売り場がどこかわからない」という事態に陥ります。
また、広告の効果を増幅させることも可能です。もし20代の女性向けの商品だとしたら、なぜその世代におすすめなのかの説明や、同年代の女性の使用レビューを掲載することで、より多くのコンバージョン(商品の購入・問い合わせなど)が見込めるでしょう。
ランディングページの制作はターゲット選定から。ページの内容は「手紙」のつもりで
ランディングページを作ると決めたら、まず何から始めればよいでしょうか。
だれをそのランディングページに連れてきたいのか、ターゲットを決めることです。売りたい相手によってコミュニケーションの方法や語り口、刺さるコピーなどが変わってきますから。女性なのか男性なのか、年代はどれくらいなのか……。それが決まってやっと、スタートラインに立てると言えるでしょう。
そのうえで必要なのが、商品を正しく伝えるための情報です。これは、自己紹介と考えてください。初対面の人に自分を知ってもらおうと思ったら、勤務先・仕事内容・実績など、さまざまなアピールを行いますよね。同様に商品の成分やサイズ、利用シーンなどを詳細に記載します。例えば男性向けのビジネスバッグであれば、ノートパソコンが入るかどうかや、170cmの人が肩にかけてみたときの写真を載せるといった具合です。
次に、より買いたい気持ちにさせる情報で肉付けします。その代表的なものが「第三者評価」「信頼感」「親近感」です。第三者評価とは、利用者の声や受賞歴、楽天でジャンル1位になったというような情報を指します。信頼感につながる情報の例は、大企業であるとか、小さな会社の場合は老舗だったり、研究所を抱えていたりなどです。そして親近感は「自分の子供に安全な食事を提供したい。だからオーガニックの野菜を作っている」といった背景や、人となりによって形成されます。
信頼できる、理念に共感できるといった気持ちは、購買意欲に大きく影響します。極端な話、開発した人の思いが伝わるランディングページと「儲かるんでやっています!」と書かれたランディングページがあったら、後者で買いたい人はあまりいませんよね(笑)。
お客さまを引き付ける情報をまとめるコツはありますか?
私がよく言っているのは「買ってくれる人に向けて手紙を書いてみる」ことですね。ランディングページを作るとなると、どうしていいかわからなくても、手紙で考えたら「うちの商品のこだわりはこれで、あなたのここに役立つ」とスラスラ書けたりするんですよ。「音楽を聞かない人をフェスに誘うには」「甘いものが苦手な人をスイーツのお店に連れていくには」のように、仮定のテーマを決めて手紙を書くのも、情報をまとめるトレーニングになります。
手紙を書くときに、相手のことを考えない人はいません。要は、自ずとターゲットに合わせた情報が抽出されてくるというわけです。お金もかかりませんし、ランディングページ初心者であればこれだけでも十分でしょう。いきなりレイアウトから考えようとすると、お客さまアンケートを入れよう、ではグラフは円と折れ線のどちらがよいか……などと余計なところに脱線してしまいがちです。
デザインはターゲットや商材との相性を重視
デザインはどのように決めるとよいですか?商材ごとに合う・合わないはあるのでしょうか。
デザインというより、テンションが合っているかどうかで考えるとよいでしょう。安さが売りなのに高級感あふれるランディングページだったり、逆にブランド品を「ワゴンセール!」と売っていたらズレを感じますよね。また、赤いコーポレートカラーの会社のランディングページが緑色だと、フィッシングサイト(偽りのサイト)に飛ばされたんじゃないかと、勘違いする可能性もあると思います。
文字が小さすぎて読めない、画像を開くのに時間がかかるサイトは、そもそも論外なので注意しましょう。そして画像は、できればプロに撮ってもらうようにしてください。社内にインスタグラマーがいれば、そういう人に頼むのもアリですね。
技量の高いデザイナーがきれいなランディングページを作っても、中身がなければ売れません。逆に、多少デザインがまずくても、必要な情報がしっかり書かれていればユーザーには伝わります。先ほど「手紙を書くように」とお話しましたが、ターゲットに伝えたい情報をしっかり盛り込むことが大切です。
商材ごとの話で言えば、見る端末がスマホかパソコンかによって、向き・不向きはあります。何千万もするマンションを、スマホでは買わないですよね。それにマンションの場合、ページのゴールは「購入」ではなく「資料請求」「見学予約」に設定することがほとんどです。住所・氏名など入力が求められるため、なおさらスマホよりパソコン版のサイトを重視すべきと言えます。入力の手間という面では、保険の資料請求なども同様です。
ランディングページにSEO対策(検索で上位に表示させる対策)は必要でしょうか?
検索の対策はいりません。ただ、GoogleやYahoo!などの検索で上部に出てくる「リスティング広告」で競合よりも上に表示させたいときは、タイトルとディスクリプション(コンテンツ概要の説明文)をていねいに作ってください。せっかくリスティング広告で1番目にきても、タイトル・ディスクリプションの情報が不足しているため、2番目のサイトに流れたというケースもありました。
サイトの設計に関して注意すべきは、ページスピードだけですね。ページスピードは「Google PageSpeed Insights」という無料のツールでチェックできます。速度を100点満点のスコアで表示するシステムになっていて、できれば90点以上を目指すようにしましょう。
小さな会社だと、ランディングページを自社で作るのは難しいかもしれません。制作会社などに頼む際の注意点は?
ランディングページの作成実績があるかどうかです。ホームぺージなどのWebデザインとランディングページの実績は、別物と考えたほうがよいでしょう。商材によっても、不動産やゴルフ会員権のように高度な専門知識が求められるものは、そのジャンルの経験があるところに頼むのがベターです。
これは一概に全てがそうとは言えませんが、基本的には「安かろう悪かろう」と思っています。あとは、いつでもすぐに制作できますという会社も、あまりおすすめしません。実力のある会社はリピートの仕事などで埋まっていて、タイミングが良くないと新規の仕事を受けれないケースが多いものなので。
「作ったら終わり」ではなく、常に磨きをかける
作ったランディングページから継続的に集客するためには何をすべきでしょうか。
運用面では「PDCA」、すなわちPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返し行います。PDCAを実行するには、ページの最終的なゴールに訪れた数を指すコンバージョンや売上、広告費をはじめ、あらゆる数字を見ることが必要です。この数字は、包括的に検証しなければなりません。例えば「ターゲットの世代には売れていなくて他の世代に売れているけど、売上が出ているからまあいいか」で終わらせてはダメなんです。数字を分析して、それがなぜなのかを突き詰めれば、本来のターゲットにも売れるようになります。ランディングページは、複数のターゲットに向けていくつも作れます。この点は、ホームページと違ってランディングページのメリットといえます。
その他にも、コンバージョンは多いのに売上がないとか、コンバージョンは少ないけれど自社サイトへの流入が多いなど、さまざまなケースがあり得ます。いずれの場合もその理由を検証して、ランディングページに磨きをかけるようにしてください。
「ランディングページを作ってみたい」と考えている中小企業に向けて、メッセージをお願いします。
自社の強みや特色は、中小企業の方のほうがしっかり把握されていると思います。楽天市場でいうと、ページのデザインはイマイチだけど売れている小さなお店はたくさんあります。そういうお店の担当者や経営者は、自社の商品をよくわかっていて、商売も上手なんです。大切なのは商品やサービスへの思い入れ、そしてターゲットを絞ってそこに必要な情報を伝える「ストーリー」の作成と言えるでしょう。
ご年配の方で、ランディングページを自分で作っている人もいます。外部に頼むとしても、任せきりではうまくいきません。逆に言うと、ストーリーの部分さえちゃんとしていれば、お金をかけなくても勝負はできますよ。
この記事の著者
弥報編集部
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この記事の監修者
中村 和正(株式会社gracenote 代表取締役)
Webクリエイティブエージェンシーにてクリエイティブ部門を統括。その後、フリーランス、デジタルマーケティングコンサルティング企業の執行役員などを経て2018年に起業。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、自身がプロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。
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