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ラクして商機をつかむ顧客管理術:【後編】名刺管理の実態とビジネスへの活用
2016.11.24
Sansan株式会社の調査によると、「名刺を探すために、1人あたり年間20時間以上を費やしている」というデータがあります。およそ丸1日、約3営業日分もの時間と考えると、どれだけもったいないことかイメージできますよね。
さて、「【前編】名刺を机の中に眠らせていませんか?」では、名刺を社内で共有することでビジネスチャンスを広げられる可能性や、近年活用が広がっている名刺管理ツールの有用性についてお話ししました。
後編では、企業における名刺管理の実態と、名刺をどのようにビジネスの発展につなげていくかの、具体的な方法について説明したいと思います。
目次
実は無駄が多い!?企業の名刺管理の実態
1人につき1,383枚。これは、ビジネスパーソンが社会人になってから今までにもらった名刺の平均枚数です。厚さにすると約40センチ。これだけあると机の上でも場所をとってしまい、引き出しやロッカーにしまい込んで、そのまま忘れてしまう人もいるでしょう。そして、いざ必要になり名刺を探そうとしたときに、多くの時間を浪費してしまっているのです。
冒頭のデータをもう少し詳しく見てみましょう。1枚の名刺を探し出すのに約6分の時間がかかり、1人平均で週に約4回名刺を探していると言われています。これを1カ月にすると約16回、時間にして約1時間36分。1年に換算すると約208回、20.5時間もの時間を費やしていることになります(図1)。
また同調査では、名刺の管理方法の傾向も明らかになっています(図2)。調査の時点で、78.9%もの人が名刺ファイルやホルダーといったアナログな手法で管理しており、クラウドツールやスマートフォンアプリなどを使ったデジタルでの管理は、わずか10.1%という結果でした。そして双方の管理方法における満足度では、アナログ管理では満足と答えたのが47.5%にとどまるのに対し、デジタル管理では83.3%もの人が満足していると回答しています。
アナログの名刺管理に煩わしさを感じている反面、管理ツールの導入が進んでいない実態が明らかになっています。さらにアナログで管理している人の中には、名刺が邪魔になって、結局活用しないまま捨ててしまう人が約3割もいるというデータもあります。
参考:名刺に関する実態調査2015|Sansan株式会社
デジタルツールの活用で削減できる多くのロス
前回の記事でも名刺管理ツールのメリットを紹介しましたが、やはりこの調査から伺える「時間のロス」を劇的に改善できることが、ツール導入の大きなメリットです。 まず名刺を探す時間を大きく短縮できます。調査では1件あたり約6分もの時間がかかっていましたが、デジタルなら文字検索によってすぐに見つけられるので、これまでの無駄な時間を一気に短縮できます。
また、クラウド型の名刺管理ツールであれば、出先からでもタブレットやスマートフォンなどで即座にデータの検索や閲覧ができるので、出張や休暇中に急ぎで連絡先を知りたい場合にも会社へ電話して問い合わせる必要がなくなります。
さらに、名刺を登録する手間も最小化できます。前回ご紹介したように、大量の名刺をスキャナーで一気に取り込んだり、スマートフォンのカメラで撮影したりするだけで、あとは自動的にデータ化してくれます。
例えば名刺ホルダーにファイリングしている場合だと、会社名や個人名で並び順を考えたり、ポケットが足りなくなったら追加したり、場合によっては大幅に整理し直さなければならないこともありますよね。こうした煩わしさも一切なくすことができます。
ただし名刺管理ツールを導入する目的は、このように多くの無駄な時間を削減することだけではありません。こうして蓄積された顧客情報をもとに「ビジネスの拡大につなげること」、それが名刺管理ツールを導入すべき最大の理由です。
ここで、「Sansan」を使った具体的なビジネス活用例をご紹介しましょう。
Sansan活用例①:メルマガ配信で見込み客の接点強化
せっかくCRM(顧客管理システム)を導入したのに、データ入力が面倒になって使いきれず、導入失敗に終わってしまう企業が少なくありません。マーケティング活動のためには、正確性と最新性が保たれた顧客情報データベースが不可欠ですが、どうしても手入力の負担が大きな課題になります。
その点、Sansanは「データ入力の手間がかからないCRM」として活用できます。名刺をスキャンするだけで良いというのは、一見小さなことのように感じるかもしれませんが、その効果は計り知れないものがあります。
そしてSansanにはマーケティング支援機能として、「メール配信」の機能が備わっています。見込み客リストを絞り込んでメルマガで情報配信などを行えば、いずれ優良なビジネス案件につながる可能性を高められます。
できれば手元にあるより多くの名刺を集めて見込み客のデータを増やしましょう。メール配信機能を使って、今まで十分にアプローチできていなかった見込み客との接点を強化すれば、契約や販売につながる裾野を広げられます。
さらには他社のSFA(営業支援システム)と連携させて、より効率的な営業活動に結びつけることもできるのがSansanの特長です。
Sansan活用例②:営業日報も兼ねた商談記録の蓄積
蓄積された顧客情報データベースは、日々の営業活動においても活用シーンが広がります。
例えば、営業には欠かせない日報です。「今日はどこの会社の誰と、どんな商談をしてきた」といった営業活動の内容を、上司宛てにメールで報告しているケースがよく見られます。しかしこれだと、あとで必要な情報を検索しづらく、また途中から参加した人は過去のメールを参照できない、上司以外は情報を把握できないなど、社内全体での情報共有が難しいといった課題があります。
その打開策が「名刺管理に日報を組み合わせる」という方法です。データ化された名刺情報にひもづけて、その人物や企業に対してどのようなコンタクトや商談を行ったかのメモを残せば、営業管理ツールとしての役割も果たせます。
このメモは入力した本人だけでなく、社内全体で閲覧できるため、「誰が、いつ、どこの企業を訪問した/どの担当者と会った」ということが可視化され、複数人でひとつの企業を担当している場合なども情報を簡単に共有できます。また、引き継ぎをする際も、このデータを参照すればいいので、新しい担当者も過去の営業活動をすべて確認できるというわけです。
まずはデスクの引き出しを開けてみてください!
マーケティングや営業活動における、デジタルな名刺管理の意義をご紹介してきましたが、これらを行うためには、まず「きちんとした顧客データ」が必要です。そして、そのデータは皆さまの会社の引き出しにほったらかしにされている名刺にこそあります!
名刺情報をデータ管理することで、時間的にも人員的にも多くの無駄を省くことができ、業務のスピード化、そして効率化を図ることが可能になります。これを機会に、名刺を活用した「デジタルな顧客管理」を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の著者
日比谷 尚武(ひびや なおたけ)
Sansan名刺総研所長。名刺を有効活用する研究や、名刺に関わる自主調査などを行う名刺総研の所長として調査・研究とともに、全国で企業向けセミナーや講演などを行っている。また同社の個人向け名刺管理アプリ『Eight』のエヴァンジェリストも務める。Sansan株式会社 ホームページ
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