- 業務効率化
【今さら聞けないメール整理術】OutlookもGmailも「自動仕分け機能」で効率アップ!
2019.06.06
ビジネスチャットが浸透しつつある現在でも、まだまだ仕事でのコミュニケーションに必要不可欠なメール。毎日大量に届くメールをどうさばいていますか? あまり関係のないメールが多すぎて、肝心なメールを見落としていたという経験をした方も多いことでしょう。溜まったメールの整理もなかなか手が回りませんよね。
ところで、メーラーの自動仕分け機能はご存じでしょうか?「知ってるけど、使ってない」という方も少なくないと思います。使いこなせば日々の業務の効率化にとても役に立ちます。今回は「Outlook」と「Gmail」を例に、メールを自動で仕分けして効率よくチェック・整理する術を紹介しましょう。
目次
重要メールの見落とし防止や効率アップに役立つ「フィルタ機能」
すべてのメールは、基本的に「受信トレイ」に届きます。1日に届くメールの数が少なければ見落とすことはないと思いますが、50、100、数百と増えていくと、すべてのメールを確認することさえ困難になってきます。
そこで利用したいのが「フィルタ」機能です。届いたメールに対して仕分けルールを設定することで、フォルダーごとに自動的にメールを分別できます。たとえば、上司からの指示や取引先とのやりとりを1つのフォルダーへまとめることで、重要なメールの見落としが低減できます。特別な通知音や通知メッセージの設定と組み合わせれば素早く確認できます。
配送業者やネットでの購入確認、サービスで利用しているサイトからの広告メールなど、よく届くけれども緊急ではないメールを受信トレイから排除することで、受信トレイに届いたメールの見通しが良くなる効果もあります。最近は検索機能が充実しているものの、フィルタを使うことで検索を使わずともすぐに目的のメールにたどりつくことができるでしょう。
また、関連のあるメールを1つのフォルダーにまとめることで、やりとりの流れも把握しやすく、「早めにチェックする」「時間ができた時にゆっくり読む」「要保存」「読んだら消していい」といった区分けもでき、作業効率のアップにもつながります。
フィルタ機能の設定手順
フィルタ機能を使うには、まず仕分けするためのフォルダーを作りましょう(ルール設定時にも作れます)。
仕分けのルールとしては、たとえば「個人」や「会社」ごとや、件名に「請求書」や「見積もり」、「領収書」と入ったものなど、いろいろと考えられます。ただ注意したいのが、あまりファルダーが多くなりすぎると、かえってチェックしづらくなるので、よく届くメールの中で見逃したくないものやまとめておきたいものに絞ることもポイントです。
ルールを設定するにはいくつかの方法がありますが、まずはメニューの「ファイル」をクリックし、「仕分けルールと通知」を選択します。すると、ダイアログが表示され、「新しい仕分けルール」をクリックすると「自動仕分けウィザード」が立ち上がります。
具体的な手順をOffice365 バージョン1904 (2019年5月現在の最新版)を使って説明していきます。(※バージョンによってレイアウトや表記などが異なる場合があります)
ステップ1で用意されているテンプレートを選択し、必要事項をステップ2で指定します。ここでは、「件名に特定の文字が含まれるメッセージをフォルダーに移動する」を選択し、「請求書」という文字列が件名にあれば、「請求書」というフォルダーへ移動させます。
次へ進むと、さらに細かく条件を設定できるので、必要に応じて追加します。追加したら、それぞれステップ2でルールの編集をしましょう。
「次へ」をクリックすると、設定したルールに対して、どういった処理をするかを選択します。先述のような指定フォルダーへ移動や音を鳴らすだけでなく、削除したり分類項目を割り当てたりなど、数多くの処理方法が用意されています。もちろん、複数組み合わせることも可能です。
さらに「次へ」をクリックすると、例外条件も設定できます。担当者のメールアドレスで仕分けしたけど、複数の人へ宛てたメールは除きたい、などというときに設定します。特に設定の必要がなければ「次へ」をクリックします。
最後に仕分けルール名を付けて完成です。ステップ2の「“受信トレイ”内のメッセージに仕訳ルールを適用する」をチェックすると、過去のメールに対しても仕分けを実行してくれます。
これで簡単!フィルタ機能を使った「仕分けルール」例
このように、仕分けルールを必要に応じて作ることで、見落としを低減させ、効率よくメールチェックできるようになります。いくつかの仕分けルールの例を挙げましたので、参考にしていただき、自分なりのルール設定をしてみてください。
ルール | 設定方法 |
プロジェクトチームのメンバーからのメールはフォルダーへまとめる | ①「特定の人から受信したメッセージをフォルダーに移動する」を選択 ② [差出人]にメンバーのメールアドレスをすべて指定する ③ 移動先のフォルダーを指定する |
上司からのメールはすぐ気がつくようにする | ①「特定の人から受信したメッセージにフラグを設定する」を選択 ② [差出人]に上司を指定し、フラグ期限を設定する ③「[音]を鳴らす」を指定し、通常とは違う音を設定 ④ 必要に応じて「新着アイテム通知ウィンドウに通知のメッセージを表示する」を設定 ⑤ 通知メッセージとして「上司からメールが届きました」など認識しやすい内容にする |
問い合わせメールに対して自動的に返信メールを送る | ① まず返信用のメールを新規作成しファイルメニューからOutlookテンプレート形式で保存 ② 保存する際、フォルダーはc:\users\username\appdata\roaming\microsoft\templatesとする ③ 仕分けルール作成で「受信メッセージにルールを適用する」を選択 ④ 条件で「[宛先]または[CC]が名前/パブリックグループの場合」を選択 ⑤ [宛先]または[CC]に問い合わせ用のメール不ドレスを指定する ⑥ 処理として「特定のテンプレートを使って返信する」を選択 ⑦ 最初に作ったテクプレートファイルを指定する |
特定の会社からのメールは、フォルダーにまとめる | ①「受信メッセージにルールを適用する」を選択 ② 条件で「差出人のアドレスに特定の文字が含まれる場合」を選択 ③ 差出人のアドレスとして、特定の会社のメールアドレスで@以降の文字列を入れる ④ 処理として「指定フォルダーへ移動する」を選択 ⑤ 移動先のフォルダーを指定する |
メールを処理しているときに、ルールを追加したい場合は、仕分けしたいメールを選択したうえで「ホーム」のリボンにある「ルール」をクリックし、「仕分けルールの作成」を選択しても同様のことができます。
もし、この差出人のメールを仕分けしたいのであれば「次の差出人からのメールを常に移動する:~」を選択すれば、移動先フォルダーの選択ダイアログが表示されるので、移動先フォルダーをチェックすればすぐにルールが設定されます。よくやり取りする取引先の担当者や上司など、見落としたくない個人を指定するときに便利です。
Outlookは、複数のメールアドレスを設定することで、まとめてメールチェックできます。
たとえば、問い合わせ用や営業用など別のメールアドレスが用意されていれば、それらを同時に受信して確認できます。この手のメールはメーリングリストを使って複数の人へ転送している場合も多いですが、その場合だと返信するときに個人メールアドレスからになってしまうため注意が必要です。問い合わせメールを各担当者が受信するようにしておけば、返信の際も返信用のメールアドレスとなり、間違いを低減できます。
仕分けルールは基本的にメールアドレスごとの登録が必要です。ただ、仕分け先のフォルダーは別のメールアドレス用のフォルダーを指定する、なんてことも可能です。もし仕事で複数のメールアドレスを使い分けている場合は、さらに効率よくチェックできることでしょう。
Gmailではラベルを活用して仕分け
ここまでOutlookでの仕分け方法を紹介しましたが、Gmail(G Suite)でも同様のことができます。基本的にGmailは自動的にある程度カテゴリ分けされるようになっています。そのことを理解していないと、かえってメールを見落とすことになるので注意しましょう。
以下、Web版のGmail(2019年5月現在の最新版)に沿って説明していきます。(スマートフォン用のアプリでは画面や操作方法が異なりますが、同様な機能が提供されています。)
あらかじめ用意されているカテゴリは、SNSからの通知などの「ソーシャル」、マーケティング系などの「プロモーション」、グループやメーリングリスト系などの「フォーラム」、自分宛てに届いた新着メール「新着」の4つ。これに加えて、これらのカテゴリに含まれないメールを「メイン」に仕分けられます。
これらカテゴリの判断は、Gmailがこれまでのメールのやり取りや内容、メールアドレスなど総合的に判断して仕分けされるため、この時点で重要なメールはだいたい「メイン」に集約されてきます。
もし、届いたメールを違うカテゴリに仕分けたいときは、メールの右クリックから「移動」でカテゴリを選択するか、「ラベル」でカテゴリを選択することで、今後同様のメールは指定したカテゴリに仕分けされるようになり、より精度が上がります。
さらに、Gmailでは受信トレイ内のメールを整理して表示するために「受信トレイの種類」(受信トレイ内のメールの整理レイアウト)が最初の状態(デフォルト)を含めて5つ用意されています。
受信トレイの種類 | 内容 |
デフォルト | カテゴリーに分けて整理されるレイアウト。基本はこのレイアウトになっている |
重要なメールを先頭 | 重要だと判断されたメールを上部に表示するレイアウト。重要か否かはこれまでのやり取り、開封率などを総合的に判断して「重要タグ」を付加する仕組み |
未読メールを先頭 | 未読メールを上部に表示するレイアウト。メールのチェック漏れを防ぎたいときに便利 |
スター付きメールを先頭 | メールに対してスターマークを付加したものを上部に表示するレイアウト。メールチェック時にあとで見返すためにスターマークを活用している人向け |
優先トレイ | 重要な未読メールとスターマーク付きメールを上部に表示するレイアウト。未読メールよりさらに重要度の高いメールを上部優先してチェックしたいとき |
デフォルト以外のレイアウトは、比較的1日のメール量が少なくプロモーション系メールが少ない人にはおすすめしますが、基本的にはデフォルトを使用し、未読確認したいときなどで切り替えて使うというのがいいでしょう。
Outlookのようなフィルタ機能も、もちろん用意されています。自動的に転送させたり削除したりするだけでなく、仕分けも行えます。
ただしGmailの場合はフォルダーを作って仕分けするのではなく、ラベルを設定することで仕分けられます。このため、受信トレイから各フォルダーへ移動されるのではなく、メールにラベルが付加され、メインメニューに並んだラベルをクリックすることで一覧表示されます。
設定をするには、まず検索窓の右端にある▼をクリックし、仕分けしたいメールの条件を設定します。「フィルタを作成」をクリックするとその条件のメールが一覧表示されるので、きちんとフィルタリングされているかが確認できます。
この条件でよければ、メールが届いたときにどうしたいかを決めます。ラベルを付けて仕分けたいときは、「ラベルを付ける」でラベルを選択します。このとき新規にラベルを作ることもできます。また、複数の条件を設定できるので、スターや重要マークを付けつつラベルを付けることもできます。
また、1つのメールに複数のラベルを付けることも可能です。この場合は、1つの条件フィルタに対して1つのラベルしか付けられないため、もし同じ条件のフィルタで複数のラベルを付けたいときは、ラベルごとにフィルタを作成する必要があります。
ラベルで仕分けられるメリットは、例えば特定の会社名のラベルと請求書のタイトルが含まれるときだけ付ける請求書のラベルを作れば、どちらのラベルにも同じメールが表示されるため、同一人物からのメールがタイトルによってバラバラにならずに済みます。
上手に仕分けて効率アップ!
今回はOutlookとGmailでの設定方法を解説しましたが、ほとんどのメーラーに同様な機能があります。社内や取引先とのメールのやり取りが多い場合は、メールタイトルに【至急】【重要】【要返信】【参考】といったラベルを入れるルールを決めて、お互いに見落としやストレスを減らすこともおすすめです。
最近はSlackやChatworkなどのビジネスチャット、SNSのメッセンジャーやLINEを使って連絡することも増えていますが、まだまだメールは仕事でのやり取りの要。上手に仕分けて、日々のメールチェックや整理にかける時間を短縮させましょう。
この記事の著者
飯島 範久(いいじま のりひさ)
フリーの編集・ライター。1992年にアスキー(現KADOKAWA)へ入社し『DOS/V ISSUE』や『インターネットアスキー』『週刊アスキー』などの編集に携わる。2015年に23年務めた会社を辞めフリーとして活動開始。PCやスマホはもちろん、ガジェット好きで各種媒体に執筆している。
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