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安易な口約束は悲劇を招く?ビジネスで「契約書」を作る重要性【弥生サポートの法令文書ダウンロードをフル活用!】

2018.11.29

著者:弥報編集部

著者:林 達哉

ビジネスのさまざまな場面で交わされる契約書。商品の売買や受発注業務はもちろん、従業員の雇用やオフィスの賃貸など、企業が行うあらゆる約束事に欠かせない存在です。

ところが、最近は電話・メールで簡単に済ませてしまう傾向が強まり、時には思わぬトラブルに巻き込まれるケースも。「いちいち面倒だなぁ」などと思わず、契約書の大切さについてもう一度、確認してみましょう。

「まさかそんなはずじゃ……」 安易な口約束が招く悲劇

社会は、人と人とのかかわりで成り立っています。その当事者がお互いの合意事項を確認することを「契約」と言い、それを文書化したのが「契約書」です。原始時代の物々交換も現代の商取引も、すべては契約に基づいたものであり、社会生活になくてはならない重要な取り決めです。

ただし、日常生活で契約書が必要になるケースはそれほど多くありません。よく知っている相手との間では、いわゆる「口約束」で契約が成立することも一般的です。この場合、スムーズに取引が完了すれば問題ないのですが、困るのは何らかのトラブルが発生したとき。「そんなはずじゃなかった……」という状況に陥ってしまう例が後を絶ちません。

例えば、納品した品物に瑕疵(不良)が見つかったとき、原則としては製造した企業に責任が生じますが、発注側から再三の仕様変更があり、その中での「行き違い」がミス発生の原因になっているような場合は、双方が分担して責任を負う必要が出てきます。

もし両者が「言った、言わない」の応酬を始めたら大混乱は必至。そこで存在感を増すのが契約書なのです。もちろん口頭での契約にも法的効力はあり、万一裁判になった際には証拠として扱われます。ただし、それだけで事実関係を証明するのは大変なため、双方が署名捺印した契約書の有無がとても重要になってくるのです。

トラブル防止だけじゃない―契約書を作るメリット

裁判とか証拠とか、少し仰々しい話になってしまいましたが、契約書はトラブルを防止する目的以外にも、いろいろな形でビジネスに役立つものです。

例えば、新規で取引を開始する際、商品の内訳や支払い条件といった細かな項目をその都度確認するのは手間がかかります。これらの事項を契約書に記載しておけば、効率アップにつながります。また、口頭で打ち合わせた際に生じる「聞き違い」や「思い込み」を事前に防ぐという意味でも、書面を交わしておくことには大きな価値があります。

もう一つ、忘れてはならないのが「信頼関係をより確かなものにする」という効果です。契約書を重視する欧米など諸外国に比べて、日本では口約束で済ませてしまう傾向が強く、その都度契約書にサインを求めるのはむしろ失礼にあたるという認識があります。

「契約書がなければ取引しない!」というような姿勢はネガティブに受け取られる可能性がないとは言えませんが、その一方で契約書は「きちんと約束を守り、責任を持って取り組みます」という意思の表れですから、長年の付き合いで気心の知れた取引先であっても契約書を交わすメリットはあるのです。

契約書の種類とその役割をおさらいしよう

ここで、ビジネスシーンで広く使われている契約書の種類と、その役割について考えてみましょう。

  • 商品販売・売買に関する契約書
    取引を行うための条件を定めるもの。基本的な合意事項をまとめた「取引基本契約書」をはじめ、メーカーや商品提供者の名で取引を行うための「代理店契約書」、商品の販売業務を委託する際の「販売委託契約書」などがあります。
  • サービス提供に関する契約書
    商品取引以外のさまざまなサービスを受けるために定めるもの。弁護士など専門家による支援・助言を得る際の「顧問契約書」、発注者が業務を外部の会社に委託して行うための「業務委託契約書」などがあります。
  • 不動産に関する契約書
    事務所ビルなどの売買を行う「土地建物売買契約書」をはじめ、管理業務を委託するための「建物保守管理委託書」、フロアの一区画を賃貸借する際の「店舗賃貸借契約書」などがあります。また、資金調達のために不動産を担保とする「抵当権設定契約書」、連帯保証をする際の「保証契約書」も使われます。
  • 資金調達に関する契約書
    事業資金の借り入れ時に交わされる「金銭消費貸借契約書」、売掛金回収などに使われる「債権譲渡契約書」、株式発行を行う際の「株式引受契約書」、手形割引で使われる「信用保証付極度手形割引約定書」などがあります。
  • 秘密保持・知的財産に関する契約書
    取引にまつわる情報漏えいを防止するための「秘密保持契約書」、商標や特許権、著作物といった知的財産に関する許諾条件を定めた契約書などがあります。
  • 人事・労務に関する契約書
    雇用に際して従業員と交わす「労働契約書」をはじめ、出向・転籍にともなう契約書、社宅使用に関する契約書などがあります。
  • その他
    会社の合併・分割などに際して発行される契約書、株式の交換・譲渡に関する契約書、業務提携や事業譲渡を行う場合の契約書があります。

ここに挙げた以外にも、契約書には用途、目的別に多くの種類があります。言い換えればすべての取引で契約書が作れるということになりますので、まずは労働契約書など、法的に提出が義務付けられているものを整備して、それから自社の業務に必要なものを選んで作成していくのが道筋だと言えるでしょう。

契約書の作成時に気をつけたい3つのポイント

今回紹介した契約書の多くは、弥生のあんしん保守サポートに法令ビジネス文書サービス「よく使う書式セット」として、空欄に必要事項を記入するだけで簡単に契約書類を作成できるテンプレート(ひな形)が用意されています。あんしん保守サポートに加入中であれば自由にダウンロードでき、さらに書類作成時のポイントも掲載されています。

このテンプレートを利用すれば契約書類は簡単に作成できますが、作成にあたっていくつか注意しなければならない点があります。

  1. 相手の社名は正しく記載したか?
    これはすべてのビジネス文書に言えるのですが、同じテンプレートを何回も使うときなど、以前記入した相手の会社名がそのまま残っていることがあります。単純なケアレスミスですが、それが競合の同業他社だった場合などは思わぬトラブルにつながりかねないので、くれぐれも注意しましょう。
  2. 取引の実態に合っているか?
    テンプレートにある各項目はあくまでモデルケースに基づいた内容なので、当然ながら実際に行われるビジネスとは違いが生じます。例えば返品に関する条項などでは、自社(もしくは相手)に不利な条件が記載されていることもありますから、必ず各項目を読み返して確認する必要があります。
  3. 重要な契約書は専門家のチェックを
    契約書は、トラブル発生時には重要な証拠になる文書です。テンプレートで「それらしい」ものが作れても、内容に不備があれば使い物になりません。重要な契約を結ぶ際は、必要に応じて作成後に専門家(弁護士、行政書士など)にチェックを依頼するようにしましょう。なお、専門家のチェックは費用の面から敬遠される方がいますが、有効な書類であるか判断するためにも、ご自身が法律や契約の専門家でない限り、依頼することをおすすめします。

契約書には署名捺印のほか、文書の種類と契約内容によって所定の「印紙」を貼る必要があります。印紙は法的効力を持たせるために大切なものですが、契約先が多い場合などは負担が大きくなりますので注意が必要です。

「うちは“口約束”の仕事ばかりだけど、特に問題は起きてないよ」とおっしゃる経営者の方もいるかもしれませんが油断は禁物です。実際に2011年の東日本大震災では、正式な契約書の有無が企業の明暗を分けたケースが続発しました。BCP(事業継続計画)の一環として、そして、災害などの緊急事態に備えるためにも、現在手がけている仕事に関する取り決めを文書化することには大きな意義があります。

「備えあれば患いなし」の故事に倣い、ビジネス上の取り決めをもう一度見直してみましょう。

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この記事の著者

弥報編集部

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この記事の著者

林 達哉(はやし たつや)

出版社勤務を経て独立。書籍・雑誌のコンテンツ制作、マーケティングに携わる傍ら、IT、ビジネス等の分野で執筆活動を行う。

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