- 業務効率化
IEより作業効率アップ!パソコン初心者のためのChrome(クローム)ブラウザ導入講座
2017.05.16
著者:飯島 範久
皆さんはインターネットを閲覧するとき、どんなブラウザを利用されていますか? Windowsには「Internet Explorer(以下、IE)」というブラウザが標準で搭載されており、インターネットブラウザ=IEだと考えている人も少なくありません。しかし世の中にはほかにも多くのブラウザがあります。その中の1つ、Googleが提供する「Chrome(クローム)」は、IEよりも柔軟性が高く、セキュリティ的にも安全で、業務がはかどる仕組みが備わっています。ここでは、そんなChromeブラウザの導入と活用方法を紹介します。
目次
すでにIEは開発終了し、セキュリティ的にも心配
これまで長年愛されてきたIEですが、Windows 10の登場により、「Edge(エッジ)」という次世代ブラウザへ移行することになります。理由の1つは、過去の機能を継承するために、他社のブラウザに取り入れられているような最新機能を搭載できず、開発に限界が生じてしまったためです。そのため、0から開発し直したEdgeが標準ブラウザとしてWindowsに搭載されたのです。
一部の業務用サービスなどはIEでしか動作しないものがあるため、IEはひっそり残されています。しかしIEはすでにマイクロソフト社による開発が終了しており、セキュリティ的にも不安が残ります。業務用としてやむなく利用しなければならない場合を除き、ほかのブラウザへの切り替えを検討してみてもいいかもしれません。
IEが最新機能を取り込めずにいた中、台頭してきたのがGoogleの「Chrome」です。Googleといえばインターネット検索最大手であり、インターネットを閲覧するためのブラウザとは切っても切れない関係です。現在、日本では約34%、世界的には約52%のシェアを確保しています。
オススメする理由。Chromeのメリットと便利機能
IEと比較した場合のChromeの良い点は以下のとおりです。
- Windows(サポートしているのはWindows7以降)のほか、macOS、Android、iOS、Chrome OSなどさまざまなOSで動作する
- Googleアカウントを作ることで、ブックマークや履歴、パスワードなどを同期させられるので、パソコンでもスマートフォンでも同じ環境で利用できる
- 業務に役立つさまざまな追加機能(Chromeでは「拡張機能」と呼ばれる)やアプリなどが用意されている。通知機能もその1つで、メール受信やスケジュールなど、サービスによってデスクトップ上に通知を表示できる
- IEよりも動作が軽快で、サクサクとWebサイトを閲覧できる
特に1と2は非常に便利です。パソコンやスマートフォンでも、設定やブックマーク、特定のサイトへアクセスするIDとパスワードなども記録、共有できるので、どんな機器を使っていても戸惑うことがありません。
3の拡張機能の1つである通知機能。例えばGmailにメールが届いたり、Googleカレンダーに登録したスケジュールが近づいたりしたときに、デスクトップ上に通知を表示してくれます。さまざまなサービスで活用されていて、スマートフォンの通知のようにパソコン上でもすぐ認識できるようになります。
また4に関しては、動きのあるホームページを表示するための描画エンジンの処理速度がIEよりも速いため、軽快かつスムーズに閲覧できます。
このようにIEから乗り換えれば格段に使い勝手が向上するChromeブラウザ。早速インストールしてみましょう。
ChromeのインストールとIEからの移行方法
ここではWindowsパソコンで使うChromeブラウザのインストール方法を紹介します。Androidスマートフォンには標準搭載。iPhoneなどのiOSではApp Storeからインストールすれば利用できます。
まず、Chromeのサイトへアクセスしてソフトをダウンロードします。ダウンロードしたファイルを実行するとインストールが開始され、既定のブラウザを指定後、Googleアカウントのログイン画面になります(Windows 10の場合は、インストール後に起動してから規定ブラウザに指定できる)。アカウントを持っていれば入力して進み、持っていなければ新規に取得することをオススメします。ログインしていれば、ブックマークなどを同期して一元管理するChromeならではの機能が利用できます。
続いて、今まで使っていたIEのお気に入り(ブックマーク)や設定をChromeへコピーしましょう。Chromeを開き、ツールバーの右端にある、「・」が3つ縦に並んだボタンをクリックし、[ブックマーク]の[ブックマークと設定をインポート]を選択。[取得先]を[Microsoft Internet Explorer]にし、実行すればお気に入りと閲覧履歴、保存したパスワードなどがコピーされます。
業務で使えるオススメChrome拡張機能やアプリ
インストールができたら、Chromeの特徴の1つである拡張機能やアプリを利用してみましょう。Chrome ウェブストアには数多くの拡張機能やアプリが登録されていて、無料で利用できるものが多数用意されています。今回は、その中から業務で役立つものをいくつか紹介しましょう。
WebページをPDF化する「Adobe Acrobat」
企画書やミーティング時にWebサイトをPDFファイル化して資料にしたいときがあります。そんなときは「Adobe Acrobat Reader DC」や「Adobe Acrobat DC」をパソコンにインストールすると「Adobe Acrobat」を拡張機能として利用できます。
編集可能なPDF形式で保存するだけでなく、メニューからPDFファイルを直接開くこともできるようになるので、その都度ファイルを落とさなくても中身を確認できます。
スケジュールの確認と登録ができる「Google Calendar」
予定を登録できるサービスGoogleカレンダーと連動して予定表示や新規登録が手軽に行える「Google Calendar」も、その都度Googleカレンダーのサイトを開かずに済むので便利です。Chromeでログインしているアカウントの予定が表示されるので、スケジュール管理しているアカウントでログインしている必要があります。
本格的な画像編集ができてしまう「Pixlr Editor」
Chrome上で画像編集が可能な「Pixlr Editor」。レイヤー機能(複数の層にわけて素材を管理し合成できる機能)も扱える本格派で、色味の調整はもちろん、トリミングや合成、フィルターをかけるような作業が行えます。ホームページはもちろん、チラシ制作時に写真を修整したいときにも重宝します。
Gmailの通知機能を強化する「Checker Plus for Gmail」
Gmailにも通知機能はついていますが、Chromeを起動してGmailのページを表示していないと有効になりません。この「Checker Plus for Gmail」を利用すれば、Chromeを閉じてもバックグラウンドで動作して通知を表示することができます。表示する項目や動作、アイコンなど、いろいろとカスタマイズできるので、必要に応じて見やすい設定にすると、使い勝手が良くなるでしょう。
ムダな広告は排除して表示「Adblock Plus」
閲覧するサイトによっては、広告表示が邪魔なケースもあります。そんな広告を非表示にしてしまう拡張機能が「Adblock Plus」です。無料で利用でき、有効にしておくだけで自動的に広告を非表示にしてくれます。サイトによって一時的や常に表示させることも可能で、表示させたくない広告を指定して非表示にすることもできます。ホームページをキャプチャーする際に、ムダな広告を省いて保存したいというときにも便利です。
このようにIEに比べてChromeは、業務の効率アップに役立つ機能が豊富にそろっています。特にスマートフォンとパソコンの両方を利用している人は、その恩恵を最大限受けられるので、すぐにでも導入すべきでしょう。働き方改革が叫ばれる中、勤務時間を短くするためにも効率の良い仕事運びは重要です。最新ブラウザを取り入れて働き方改革を実現していきましょう!
この記事の著者
飯島 範久(いいじま のりひさ)
フリーの編集・ライター。1992年にアスキー(現KADOKAWA)へ入社し『DOS/V ISSUE』や『インターネットアスキー』『週刊アスキー』などの編集に携わる。2015年に23年務めた会社を辞めフリーとして活動開始。PCやスマホはもちろん、ガジェット好きで各種媒体に執筆している。
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