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経営者・営業担当者に知ってほしい!結果につながる営業資料の作り方

営業資料作成は、案件を受注するための大変重要な業務です。しかし営業資料をただ作ることはできても、結果につながる営業資料を作り上げるのはなかなか大変です。

中小企業経営者の場合は自ら資料を作成して、客先でプレゼンする機会も多いと思います。そこで今回は営業資料を作成するコツや、経営者自身が作成する場合に盛り込むべき内容について、プレゼン資料制作専門サイト「プレサポ」運営するNull Japan株式会社代表取締役の高村 勇太氏に解説してもらいました。

高村 勇太(Null Japan株式会社 代表取締役)

プレゼン資料制作専門サイト「プレサポ」運営。1982年生まれ。埼玉県出身。
武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼン業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書、およびプレゼン資料の作成を手がける。学校や病院、オフィスビル、商業施設、結婚式場、競技場、工場など、160件以上の提案書と190件以上のプレゼン資料を制作し、累計8,000枚以上のスライド、6,000枚以上の提案書を制作。提案者の意図を正確に汲み取り、複雑な要素をシンプルにまとめあげることを得意とする。プレサポHP

成約率が上がる営業資料とは

営業資料の目的

営業資料にはさまざまな用途があります。

  • 自分の会社を知ってもらう「会社案内」
  • 商品、サービスを知ってもらう「パンフレット」
  • 商品、サービスを購入してもらう「営業資料」

中小企業にとって一番大切なことは、営業活動が確実に利益につながることです。「とりあえず自社を知ってもらって、いつか必要になったときに連絡をもらおう」と悠長なことを考えていてはいけません。

インターネットでいろいろな情報に触れているとき、「おっ!これは役に立ちそうな記事だから後でじっくり見よう」とブックマークしたものの、その記事の存在を忘れてしまった経験はありませんか。多くの人は忙しいので、すぐに忘れてしまうのです。

だからこそ「良さそうな商品だから、今度検討しよう」ではなく「この商品・サービスは役立ちそうだから、購入しよう」と思ってもらえる営業資料を用意しましょう。そのために必要なのは、自社を知ってもらう営業資料ではなく、商品・サービスをアピールする資料です。

相手によって内容を変更する必要があるのか?

「現場の担当者・責任者」や「決定権を持つ人物」など、営業先の相手によって持参する営業資料を変える必要があるかと質問を受けることがありますが、基本的に同じもので問題ありません。最終的に意思決定する人は決まっていますから、その人に向けて内容を精査する必要があると考えましょう。

ただし、営業時に担当してくれた人をないがしろにしてはいけません。その担当者が意思決定者にプレゼンを行うからです。

まずは、窓口となる担当者に「これは良い提案だ!きっと上司も喜ぶぞ」と思ってもらえる資料を作らなければ、意思決定者である上司に熱量を持ってプレゼンをしてもらえません。だからこそ、どんな人にでも分かる内容や言葉で、伝わりやすいシンプルな資料作成が必要なのです。

一読で全体像を把握できる営業資料を目指す

営業資料は営業先の社内で回し読みされるケースや、担当者から上司へ説明されることも考えられます。そのためプレゼンした相手以外にも、不特定多数の人が見ることを想定した営業資料作成が必要です。

プレゼン資料と営業資料の大きな違いは、話し手がいるかいないかという点です。プレゼンであれば、すべての情報をきっちりスライドに記載しなくても話し手の補足で理解できますが、営業資料の場合そうはいきません。

営業時の担当者へしっかり説明しても、そのとおりに社内で説明してもらえることは難しいですし、間違って伝えられてしまう可能性もあります。ですので、だれが読んでも分かるような資料を作ることが必要です。

営業資料はプレゼン資料に比べて情報量が多くなりますので、自然と文章量も増えます。そのため見出しや強調文字を使用して、流し読みでもだいたいの内容がつかめるように構成することが重要です。ページタイトルや見出しには十分時間をかけて、どうすれば先方に興味を持ってもらえるメッセージが伝えられるかを考えましょう。

例えば、

「市場環境構造的に女性の需要が高まる」という見出しよりも、

2022年までに70%の女性が必要になるサービス」と具体的な数字を伝える見出しで、本文を読んでもらえるように誘導する工夫が大切です。

一生懸命作った営業資料で、仕上がりに自信があればあるほど、「先方全員がすみずみまで読んでくれる」と思い込みがちですが、ほとんどの場合じっくりと読んでくれません。そのことを踏まえて、営業資料作成を行いましょう。

成約率を上げる営業資料作成のコツ

営業資料に盛り込むべき「具体的なメリット」

セールスライティングやマーケティングを学んでいる人からすると当たり前のように感じるかもしれませんが、一番大切なことは相手のメリットをしっかりと伝えることです。当たり前のことのようで、意外と多くの人ができていないというのが実情です。

人は考えることをあまり好みません。非常に面倒くさがりです。だからこそ、営業資料でメリットを伝える際には相手の想像に委ねるのではなく、こちらが伝えたいメリットを明確に提示しましょう。

例えば、LEDを使った目に優しいデスクライトを販売するとしましょう。営業トークとしては「これはLEDを使っているので、長時間PC作業や勉強しても目が疲れません」と相手のメリットを伝えますよね。

ですが、これではメリットを伝えたとは言えません。「目が疲れないことで、自分にとってどういう効果があるのか?」という点まで伝えるようにしてください。

「目が疲れないから、偏頭痛に悩まされている人におすすめ」

「目が疲れないから、集中力が高まり、パフォーマンスが高まる」と、相手が想像する前に具体的なメリットを伝えるのがベストです。そうすることで、相手の感情を直接刺激するメッセージが届けられます。

またメリットを伝える際には、営業資料の最初で伝えるようにしましょう。とにかく、最初に相手の興味を引くことが重要です。

デザインの注意点

営業資料におけるデザインの意味は、2つあります。

1つ目は、資料を読みやすくするためのデザインです。ごちゃごちゃしたデザインは読みにくく、最後まで読み進めてもらえる可能性が低くなります。

2つ目が、期待させるためのデザインです。例えば、ネクタイや化粧品をネット通販で買おうと思ったとき、訪れたWebサイトが20年ほど前の古いデザインのホームページでは、買う気が失せてしまいますよね。「ちゃんと商品が届くだろうか」と心配になり、信用するのが難しくなります。一方、洗練されたデザインのホームページであれば、顧客にポジティブな印象を与えることもできます。

とはいえ中小企業や個人事業主の場合、営業資料のデザインまで十分な費用を回すことができず、残念なデザインになっているケースも散見されます。競合が同じ企業規模だった場合、営業資料をキレイにするだけでも「きちんとした会社なのでは」「頑張っている姿勢が見える」と、商品やサービスへの期待値もアップする効果が期待できます。実際に弊社でも、資料をキレイにするだけで受注率が上がった事例もあるため、デザインは営業資料において大切な役割を占めているといえます。

以下、弊社で制作したデザインの事例を3つ紹介するので、参考にしてみてください。

【デザイン例1
色の扱いを2色にすることで統一感のあるデザインを実現

【デザイン例2
見出しで興味を持ってもらう

【デザイン例3
強調文字で読みやすさの向上

デジタルデータの営業資料はサイズに注意

私個人としては、デジタルデータと紙の営業資料差別化は特に意識していません。ただしデジタルデータの場合、画像などを多用するとデータ量が重く開くまで時間がかかったり、メールに添付できない場合もあります。そのため、できるだけ画像を軽くするなどの注意が必要です。

経営者自ら営業資料を作るときのポイント

経営者だから語れるストーリーを落とし込む

経営者が営業資料を制作する場合に大切にしてもらいたいことは、「ストーリーを伝えること」です。

商品・サービスを提供するまでには多くの苦労や失敗、挫折とそれらを乗り越えた経験があると思います。そういった具体的なストーリーは相手を引き込み、信頼獲得に効力を発揮します。

例えばコンサルタントが、「自分自身が起業してから3年間まったく売上が立たず、アルバイトをしながら食費を削り、毎日4時間ほどの睡眠時間でさまざまな集客方法を試した。その結果、1つの再現性の高い集客方法を見つけ出した」といったストーリーを伝えたとします。

もし自分が起業して同じ境遇なら、とても共感して親しみを感じ、信頼を寄せる確率が高くなります。オーガニック化粧品などでも、よくストーリーが語られています。

「創業者自身が肌荒れに悩んでいて、いろいろな化粧品を使っても病院に行っても症状が改善しなかった。それを何とかしようと化学物質の入っていない化粧水を自分で研究して作り、使用したところ肌荒れが改善された」

このように伝えられたら肌荒れで悩んでいる人は強く共感し、使用してみたくなりますよね。

また、家電メーカーのバルミューダが最近発売したスピーカー「BALMUDA The Speaker」についてのストーリーも秀逸です。

「バルミューダの社長は昔バンドを組んでいて、音楽をとても大切にしていた。バンドが生で演奏するライブだからこその感動やグルーブ感は、スピーカーから流れる音では絶対にかなわない。だから、オーディオ機器だけは自社で作らないと決めていた。しかし、社内のデザイナーが提案したスピーカーのコンセプトモデルに感動し、作らないと決めていたオーディオを作成することにした」

こういった具体的なエピソードが添えられ「音にこだわる代表が納得したスピーカー」と言われると、一度その音を実際に聞いてみたくなりませんか?このように感情をダイレクトに刺激するストーリーには、購入欲求を高める効果が期待できるのです。

ストーリーは、体験した本人が語るからこそ説得力があります。ぜひご自身のストーリーを振り返り、資料に落とし込んでみてください。

 経営者自らが作る営業資料に入れるべき内容

経営者が自ら作った資料で営業に行かれる場合には、自分がだれなのかをハッキリさせる必要があります。そのため、自己紹介ページは準備しておくべきでしょう。

ただし、自己紹介ページはあまり長々と書かないようにしてください。どこの高校を卒業して、こんなアルバイト経験があって……など、細かく書く必要はありません。

  • 何をしている人か(肩書)
  • 実績(これまでにどんなことをやってきたのか)
  • 強み(他とはどこが違うのか)

といった内容に絞って、簡潔に伝えましょう。

経営者が作った営業資料にありがちな失敗例

経営者が営業資料作成の際に陥りがちな失敗として、すべてを盛り込もうとして何を伝えたい資料か分からなくなる、というものがあります。

私が営業資料制作の仕事を受けている中でもよくあるのですが、打ち合わせをしていると「あれも伝えたい」「これも伝えたほうがいいかな」「これは絶対に伝えたい」とアイデアが経営者からどんどん湧き出てくることがあります。こういった内容をすべて付け加えていくと一貫性がなく、同じことを違う表現で伝えるだけのくどい資料になってしまいます。

そのような場合は「この資料で何を一番伝えたいのか」思い出してもらうようにしています。すると「あっ、確かにこれは必要ないな」とご納得いただけます。

経営者が資料を作る場合は、制作者であると同時に編集者である必要があります。編集者とは、多くの情報の中から本当に必要な情報を見つけ出し、必要ではない情報を捨てる勇気を持った人のことです。野球のボールを一度に5個投げても、相手はすべてをキャッチできません。でも、1つのボールならキャッチしてもらえます。情報も同じで、伝えたい内容を1つか2つに絞って伝えるほうが、相手にも断然伝わりやすくなります。「あれもこれも伝えたい!」と思っても、すべてを盛り込まないようにしましょう。

弥報編集部
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