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縮小・移転?会議室廃止?ウィズコロナ・アフターコロナでオフィスはどうなる

新型コロナウイルス感染症の影響によりテレワークが浸透したことで、働き方は大きく変わりました。中でもその変化が顕著なのが、オフィスの存在です。固定費として大きな比重を占めるオフィスを今後どうすべきか、各企業は検討の局面を迎えています。

そこで今回はオフィスの縮小・移転の方法や、そのメリット・デメリットなどについて「オフィス移転支援」を中心に「働く場」、「働き方」に関するプロジェクト全般の企画・実現のサポートを行っている「株式会社ヒトカラメディア」広報の有園 七海(ありぞの ななみ)さんにお話を伺いました。

株式会社ヒトカラメディア 企画編集部 有園 七海 氏

みんなのコーポレート 採用・広報。新潟県上越市出身。明治学院大学フランス文学科卒業。2019年4月にヒトカラメディアに新卒第一期生として入社。現在、採用と広報を兼任。「都市も地方も関係なく人生においてあらゆる選択肢を増やし、挑戦する人を増やすこと」を実現すべく奮闘中。
株式会社ヒトカラメディア 『「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする』というミッション、そして『「働く場」と「働き方」からいきいきとした組織と個人を増やす』というビジョンを実現すべく、これからの働き方・暮らし方を提案している。影響の大きい「働く」というテーマを軸に、企業の成長や地域の課題解決を後押しする「働く場づくり」を展開。オフィス移転やビルオーナー支援、遊休施設に関わる多数のプロジェクトを手掛ける。

新型コロナウイルスの影響によるオフィス縮小・移転がトレンドに

――テレワークの浸透により「オフィスに出社しても、人がいない」という経験をされた方も多いと思います。実際のところオフィスを縮小・移転する企業は増加傾向にあるのでしょうか?

ベンチャー・スタートアップ企業が主なクライアント層となる弊社においては、新型コロナウイルスの影響前は案件の9.5割が拡張移転でした。しかし、新型コロナウイルスの影響が出始めた4月以降、案件の9割が縮小移転のご希望に変化しました。

新型コロナウイルスの影響後に縮小移転を検討される企業は大きく分けて2パターンあります。

  • 販管費削減を目指すケース

新型コロナウイルスの影響を受けて事業に大きなダメージを受け、とりあえず目の前のキャッシュアウト(資金流出)を避ける

  • オフィス最適化を目標とするケース

テレワークが上手く活用できたので継続導入を決め、オフィス規模を小さくする

これまでテレワークNGだった取引先の大手企業が、新型コロナウイルス感染拡大を機にテレワークを解禁したため、テレワークを導入しやすくなったという企業さんもいらっしゃいました。

――オフィス縮小・移転の流れは、経済や仕事にどのような影響を与えると思われますか?

テレワークが増え、仕事に必要なオフィス面積が縮小されることにより生じる影響としては

  • オフィスを構える場所や働く場所の選択肢拡充
  • 業務の効率化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の加速
  • 会社から従業員に還元されるものの変化

などが考えられます。

まずオフィス所在地についてですが、ターミナル駅へのこだわりが下がり、多様な立地での検討が増えました。東京都内では山手線の外側を検討する企業もいらっしゃいます。また、今まで手が出なかったような立地や、グレードが高いビルへの縮小移転、生活圏においてもワーキングスペースの需要が出てくるものと予想されます。ただし対面ベースの職種では、ソーシャルディスタンス確保のため、より広い面積が必要となる場合もあるでしょう。

次に、オンライン上で業務を行うためには、デジタル技術活用によるビジネス変革に取り組むDXを推進し、欲しいデータをすぐに探せて使える状態にしておくことが必須です。

そして、これまで社員に支給していた通勤費は、在宅支援費などに変化することも予測されます。テレワークに必要な機器や家具の導入補助、家賃補助、光熱費やインターネット代の補助といった、これまでとはまったく違った項目に充てられることが考えられるでしょう。

――生き残りをかけた手段として事務所を縮小移転、地方分散させることで、オフィスやデスクの固定費を削減したい経営者の方も多いと思います。実際に実施する方法や、注意点などについて教えてください。

まず重要なのは、従業員の声をしっかりと聞くことです。どんな働き方を求め、どんな機会を失いたくないと考えているのか。そして、リモートとオフラインのバランスなど、実際にあるニーズをしっかりと把握し検討することで、大きな変化を会社全体で実現できます。

次に取捨選択を行い、最適な規模のオフィスにすることを心掛けましょう。縮小のケースでは、どの程度の縮小がその企業にとって最適なのかを見極めることが重要です。また、オフィスにどういった機能を持たせるかについても、慎重に決めなくてはいけません。坪単価の安いエリアに移り、ソーシャルディスタンスに配慮した、広くゆったりとしたオフィスを構えるという判断もあるでしょう。

どの施策も、中長期的な削減につながるかどうかを判断することが重要です。例えば、家賃は下がったとしても、移転にお金や人、時間のコストが大幅にかかることもあります。その総額も含めて、中長期的なジャッジをする必要があります。

――小売・サービスといった業種が、オフィスを縮小・移転した事例を教えてください。

社員数20名ほどのアパレル系企業の事例になりますが、現在の店舗兼事務所から3分の1のサイズの事務所、もしくは展示スペース兼事務所として半分のサイズに縮小移転をお考えのケースがあります。展示スペースは同業者への貸し出しも想定のうえ、検討を進めています。

オフィス縮小・移転によるメリット・デメリット

――オフィスの規模や、場所が変わることで仕事の進め方も大きく変わるため、生産性に影響することもあると思います。中小企業がオフィスを縮小移転するメリットを教えてください。

最近の企業動向をみますと、テレワーク導入によるオフィス縮小移転で得られるメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 販管費の削減

オフィスの家賃・光熱費、定期代などの削減

  • 業員への還元

家賃補助、光熱費、インターネット費、ワークチェア購入代、コワーキング施設利用代などのテレワーク手当を支給

  • 無駄な議時間の削減

可能なものはテキストコミュニケーションに移行

  • 仕事の効率化

途中で話しかけられることがないので、作業時間をある程度自分でコントロールでき、集中して作業を進められる。通勤が発生しない場合、その分を作業時間に当てることも可能

特に従業員が10名以下の中小企業の場合には、以下のようなメリットもあります。

  • 社全体の生産性向上をる大きなきっかけになる

テレワークも含めたスモールオフィスのワークスタイルに移行することで、業務のIT化やクラウド化によるDXが進む

  • 「出勤」に縛られないき方は、求職者にとって魅力的

家庭の事情で家を離れられないものの働く意欲が高い、優秀な人材を採用できる可能性がある

ただし規模の小さな会社が縮小移転を検討する際は、元々オフィスが小さいため販管費削減のインパクトはそれほど期待できません。ですから単純な販管費削減のためだけではなく、何を目的として縮小移転するかをしっかり議論のうえ、検討したほうがよいでしょう。

一方でオフィスが40坪以上の広さになると、販管費削減効果が高くなっていきます。例えば、30名で60坪のオフィスを40坪に縮小した場合、坪単価1.7万円とすると、月に34万円、年間では408万円の削減につながります。

――縮小移転によるデメリットはありますか?

中小企業がテレワークを導入して縮小移転するデメリットは、

  • 組織及び部署のルールや文化にいち早く慣れさせる目的で行うオンボーディングや新人教育がやりづらい
  • 会社のカルチャー浸透や継承が難しい
  • ワークショップやブレストの際、盛り上がりが生まれづらい
  • 従業員の様子を察知しづらく、孤独や課題に気づきにくい

などが挙げられます。

こうしたデメリットも考慮したうえで、働き方改革やオフィスの移転を検討するとよいでしょう。

今後オフィスはどうなっていくのか

――ウィズコロナ・アフターコロナでは、どのようなスタイルのオフィスがトレンドになるのでしょうか?

ウィズコロナ・アフターコロナの世界においては、11セットずつの机・椅子が不要となり、固定席がなくなる企業が増えるでしょう。また、先ほど申し上げたように、オフィスを構える場所や働く場所が多様化することで、テレワークとオフィスワークを掛け合わせた働き方が定着することが予想されます。

会議や打ち合わせ内容によってオンラインとオフラインを柔軟に切り替える、新たな働き方が生まれるのではないでしょうか。

――中小企業経営者がオフィスについて、今考える、動くべきことはありますか?

まず何のためにオフィスを構えるのかを、今一度考えることが重要です。それに加えて対面で集まることの意味や目的も、明確にする必要があります。リモートシフトの流れではありますが、その中で対面コミュニケーションや、1つの場に集まることにどのような効果を期待し、何を目的とするかを明確化しましょう。

今後は、企業にとって本当に必要な機能を取捨選択することが重要となってきます。テレワークの普及で作業する場としてのスペースは、オフィス以外でも確保できるようになりました。そのため今後は、おそらくオフィスにおける執務スペースの割合は、縮小されることが予測されるでしょう。

一方でオフィスでしかできないことや、オフィスだとより成果が出せる業務も間違いなく存在します。今後は机を並べた執務スペースに代わり、集中に特化したブースやリラックスしてブレストできるスペースなど、役割・機能を持ったスペースの割合が大きいオフィスが増えてくるのではないでしょうか。

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