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資金調達のプロが教える!補助金獲得のための「事業計画書の書き方」5つのポイント

補助金は助成金と同様、返済不要の資金。創業したばかりの企業や中小規模事業者にとってはありがたい存在です。しかしながら、受給するには厳しい審査を経て狭き門を通らなければなりません。

そのために重要な役割を果たすのが申請書。その中でも、最も重要なのが「事業計画書」に相当する部分です。今回はその申請用事業計画書の作成に関する5つのポイントについて解説いたします。

なお、今回の解説は「今こそ狙い目!資金調達のプロが教える、補助金や助成金を受給するには?」の第2弾になります。第1弾では業種や目的に合った補助金・助成金の選択などについて解説していますので、あわせてお読みください。

吉田 学(よしだ まなぶ)氏 財務・資金調達コンサルタント

執筆者:吉田 学(財務・資金調達コンサルタント)

株式会社MBSコンサルティング 代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS」を主催している。

補助金とは?助成金との関係は?

国や地方自治体、財団などから中小企業向けに支給されている原則「返済不要な資金」、それが補助金や助成金です。

補助金・助成金には、経済産業省が管轄する技術開発や研究開発費を対象にするものと、厚生労働省が管轄する人件費や人材育成を対象に支給されるものの、大きく2つに分けられます。また、経済産業省系の制度を「補助金」、厚生労働省系の制度を「助成金」と定義するという見方もあるようです。

いずれにせよ、両制度の共通点は「返済不要の資金である」ということです。しかしながら、経産省系の制度に関しては、収益納付制度といって、事業化等の状況により収益が得られたと認められる場合には、補助金額を上限として収益納付するケースもありますので、確認が必要です。

今回は「経済産業省系」の補助金制度に絞って解説させて頂きます。経産省の補助金制度は、一般的には春にピークを向かえ秋頃から補正予算に基づく公募などが行われる場合があります。このように毎年、様々な公募が実施されますのでぜひチャレンジしてみてください。

まずは「事業目的」と「審査ポイント」を確認しよう

補助金の公募が開始されますと「公募要領」などと呼ばれている申請に関する説明書が公表されます。通常は数十ページから多くて数百ページにおよびます。その公募要領には「事業目的」と「審査ポイント」が書かれていますので、必ず確認してください。

各補助金制度においては、その事業目的があります。国や行政などは、その目的を成し遂げるために補助事業を行っているのです。よって、申請する事業者はその目的に沿った事業計画を作成することが大前提となります。

たとえば、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の事業目的は、

「足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者等が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援します」

となっています。この目的に沿った事業計画であることが大前提なのです。

そして、各補助事業には、原則として審査のポイントが公開されています。同じく例えとして、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」においては、公募要領に「補助対象事業としての適格性」、「技術面」、「事業化面」、「政策面」、「加点項目」などについての説明が書かれていますので、必ずチェックする必要があります。ただし、制度によっては、審査ポイントが書かれていないものもあります。

自社が申請する制度の「事業目的」と「審査ポイント」については、できればチェックリスト化しましょう。そして、申請書を書き終えたらそのチェックリストを使って内容の確認をしてみてはいかがでしょうか。

採択されるためにおさえるべき5つのポイント

補助金の申請書の大部分は「事業計画」になります。最も重要なのは、やはりその事業計画自体の内容ではありますが、それ以前の問題で採択されなかったら……つまり、事業内容は素晴らしいのに、上手く審査員に事業性や魅力について伝えることが出来なかったら、とても残念なことです。

そうならないためにも、申請書を作成する際には、ひとまずは次の5つのポイントをおさえてください。

それでは以下、説明していきます。

1.とにかく書きまくる

申請書を作成する際に、思ったことをすらすらと文章として書ける方は少ないと思われます。人それぞれの書き方や進め方などがあると思いますが、まずはあまり悩まずに書いてください。キーボードを打つことが重要です。最初から完璧な文章を書こうと思わなくても大丈夫です。何しろ書くことを意識してください。

2.整理する

次に、書きまくった申請書を整理してください。同じ表現の繰り返し、誤字脱字、計算ミス、文法的に間違った日本語などを確認して修正してください。また、箇条書きなどを使って読みやすく仕上げるのもコツです。審査員が読みやすい文章に仕上げましょう。

3.質問に沿った内容になっているかどうか確認する

たとえば「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」には、「革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善の具体的な取組内容」という質問項目がありますが、ご自身が書いた内容がこの質問に沿った内容になっているのかどうか、確認してください。

また、ある補助金制度の申請書において、「事業内容について」「事業の新規性について」「事業の差別性について」の質問しているとしましょう。この3つの質問に対して、同じ内容を繰り返して書いてしまうようなケースもあります。また、“新規性”について聞いているのに、新規性の説明になっていない、というようなケースも少なくありません。

申請書が何を聞きだそうとしているのか、しっかりと受け止めて書いてください。

4.タイトル(事業計画名)を最終決定する

タイトル(事業計画名)は最後に決めても良いと思われます。もちろん、最初に完璧なタイトルを決めないと具体的な内容を書くことが出来ない、という方もいることでしょう。もし、タイトルイメージは決まっているものの、最終的な決定が出来ない場合は、無理して最初に決めなくても大丈夫です。

申請書の事業計画を作成している過程において、内容が整理されて、ご自身が思っているようなタイトル(事業計画名)が浮かんできて決まることも多々あります。

5.チェックリストにて内容を確認

すでに説明しましたが、事業目的や審査ポイントをチェックリスト化して、その項目に沿った申請書になっているかどうか確認しましょう。チェックリストを作成するのは面倒かもしれませんが、非常に効果的ですのでオススメします。

そして、仕上げとしてぜひともやっていただきたいことがあります。それは、申請書を会社のスタッフや経営者仲間、または家族などに読んでもらうことです。申請事業に深く関わっていない方が読んでも分かりやすくて、内容が伝わるようでしたら、それは完成度の高い申請書かもしれません。

実際は、この他に申請書作成の技術やコツはたくさんあります。しかしながら、まずは、この5つのポイントをおさえて申請書の作成に取り組んでみてください。これだけでも見違えるように読みやすくなります。

専門家のアドバイスも活用してチャレンジしよう!

補助金の審査をするのは、コンピュータではなく“ヒト”です。人が読んで判断するのです。審査する人が読みやすくて分かりやすい申請書作りを心がけてください。

なお、一部の補助金制度においては、認定経営革新等支援機関の支援を受けながら申請するものもあります。つまり、専門家のアドバイスを受けながら申請書の作成をすることになります。「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」などはその典型です。

認定経営革新等支援機関の支援を必要としない制度を申請する際にも、不明な点があれば、公募機関の窓口や補助金の専門家などにご相談することをおすすめいたします。

ぜひ返済不要の補助金制度にチャレンジしてみてください!

吉田 学(よしだ まなぶ)
著者:吉田 学(よしだ まなぶ)/ 財務・資金調達コンサルタント
株式会社MBSコンサルティング 代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。


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