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買いたくなる広告コピーの書き方【連載】プロが教えるチラシのつくり方

2017.02.16

著者:弥報編集部

プロが教える!チラシのつくり方その3「買いたくなる広告コピーの書き方」

チラシは、デザインで雰囲気をつくり、写真でひきつけて、コピーで呼びかけます。広告のコピーは、お客さまに行動を起こさせる言葉です。短い言葉なので、文章を書くのが苦手な方でも大丈夫。お客さまのことを一番よく知る経営者や店主だからこそ、真心の伝わるコピーが書けるのです。ポイントを押さえて、自分らしい言葉でコピーを書いてみましょう。

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チラシのコピーを考える前の下準備

自分でつくるにせよ、業者に依頼するにせよ、チラシづくりで大切なのは、「誰に」「何を」伝えたいのか、チラシの目的を明確にしておくことです。準備として、以下の4つのことをメモに書き出しておきましょう。

1.何を伝えるのか

商品あるいはサービスの紹介なのか、店舗のオープンやイベントの告知なのか。伝えたいことを、どれか1つに絞り込みます。そして、新商品であれば商品の特徴やサービスの内容、店舗のオープンであれば新しい店舗の魅力を整理しておきます。

<伝えることの例>
  • 開店のお知らせ
  • 新商品、新メニューの紹介
  • サービスの案内
  • イベント、キャンペーンの告知 など

2.誰に伝えたいのか

お客さまを具体的にイメージするのは、マーケティングで最も重要な工程の1つです。単に男性/女性、といった大ざっぱなものではなく、職業、年齢、ライフスタイルなど、できるだけ具体的に想像して、ターゲットを絞り込みましょう。

なぜなら、自分に向けられた言葉だと感じてもらえなければ、読んでもらえないからです。普段、人と話をするときも、相手の立場によって、声のかけ方や言葉づかいは変わりますよね。同じように、読んでほしい方をイメージしながら、手紙のようにコピーを書くと、メッセージが伝わりやすくなります。

<明確にするお客さま像の例>
  • 性別
  • 年齢
  • 職業
  • 所得
  • 趣味
  • 家族構成
  • 居住地域 など

3.何をしてほしいのか

チラシを見たお客さまに、どのような反応を期待しますか? 1枚のチラシに、たくさんの要求を詰め込むことはできません。思い切って絞り込みましょう。

<してほしいことの例>
  • 来店してお店の場所を知ってほしい
  • イベントへの参加
  • 会員登録
  • 商品の購入 など

4.チラシの配布方法

「2.誰に伝えたいのか」とも関連しますが、どのような方法で配るのかによって、渡す相手が変わってきます。それによって文章も変わってくるので、先に想定しておいた方がよいでしょう。

<配布方法の例>
  • 手渡し/棚に置く
  • カフェや美容室に置いてもらう
  • ポスティング
  • 交流会で配る など

チラシに含める要素

キャッチコピーでメリットを伝え、特典で行動を起こさせよう

準備ができたら、次は、より具体的な内容を決めます。チラシに必ず入れなければならない要素は、「1.キャッチコピー」「2.メインの内容」「3.お問い合わせ先と地図」の3つ。加えて、スペースに余裕があれば「4.お客さまの声」「5.特典」も入れると効果的です。

1.キャッチコピー

キャッチコピーとは、広告のウリ文句で、お客さまに行動を起こさせる短い文章です。商品やお店の特徴ではなく、お客さま自身にとっての魅力をアピールします。通販のチラシでよく目にする「40代から始めるダイエット」「1カ月で10キロ痩せたい方に」といった具合です。

2.メインの内容

主にビジュアルの要素が大切です。チラシを見てもらうには、キャッチコピーと併せていかにインパクトを与えられるかが勝負。資料になるチラシを何枚か集めておき、参考にするのも良い方法です。本文は、準備編で書いておいたメモを意識して、わかりやすい言葉で書きましょう。

3.お問い合わせ先と地図

当たり前すぎて、忘れる方がいます。営業時間、電話番号、公式ホームページのURL、メールアドレスなど、必要な情報を入れましょう。ホームページのURLはQRコードを入れるのもオススメです。

4.お客さまの声

この商品は誰が買っているのか、どんな人が利用しているのかがわかると、同じターゲット層の方へのアピールになります。主婦、事務職、看護師、年齢など、具体的な人物像がイメージしやすいほど効果的です。ただし、ウソは禁物です。実際のお得意さまの写真や声を入れる場合は、掲載許可を得ることもお忘れなく。

5.特典

プレゼントやクーポンなどの特典があると、つい行ってみたくなりますよね。ただし、なるべく安売りはしない方向で特典を考えましょう。なぜなら、安売りのときしかこないようになってしまうと、逆効果だからです。


内容が決まったら、いよいよキャッチコピーや本文を書き始めます。といっても、すらすら書けたら苦労しませんよね。そこで、伝わるキャッチコピーや本文を書くためのコツをいくつか紹介します。

長い文章が苦手な方でも大丈夫!短い言葉で箇条書きにしよう

お店としては、こちらの熱い思いを伝えようと、つい長々と詳しい説明を書きたくなります。しかし、広告の文章は「読んではもらえないものだ」という前提で書くことが大切です。ざっくりとした説明、興味をひかない言葉は、まず読んでもらえませんし、記憶にも残りません。10~20文字程度の箇条書きで、多くても5項目。できるだけ具体的にメリットを書きます。

ポイント1:きれいにまとめようとしすぎない

キャッチコピーというと、「かっこよくて印象に残る」というイメージがありますよね。でも、チラシの場合、カッコイイ言葉に効果があるとは限りません。どこかで聞いたことのある言葉、ありきたりな表現では、かえって気持ちが伝わらなくなってしまいます。特に同業者と同じような表現は禁物。似たような商品と思われると、価格で選ばれてしまうからです。自社ならではの価値をアピールしなければなりません。

では、自社の個性が出て、お客さまに響く言葉は、どのように考えればいいのでしょう? 迷う場合は、お客さまからいただいた言葉がヒントになります。特にお客さまからの褒め言葉は、最高のウリ文句です。日頃からお客さまの感想や意見を集めておきたいですね。

お店や商品の紹介は、お客さまへ手紙を書くように、いつも使っている言葉で語りかけるように書いてみてはいかがでしょう。プロをまねた文章よりも、等身大の文章の方がかえって会社やお店の個性が出ます。

ただし、専門用語、業界用語など、一般の方が使わない表現は、避けるべきでしょう。できるだけかみ砕いた言葉を使ってください。また漢字が多すぎると固い印象になるので、「下さい」は「ください」、「頂きます」は「いただきます」というふうに、なるべくひらがなを使いましょう。

どれだけカッコイイ言葉を並べても、読み手に利便性が伝わらなければ意味がない
どれだけカッコイイ言葉を並べても、読み手に利便性が伝わらなければ意味がない

ポイント2:お客さまの行動を促すキーワード

来店や購入へとつなげるには、さらにもうひと押しが必要です。そこで、お客さまに行動を起こせるための言葉を紹介します。定番の広告フレーズともいえますが、効果はあなどれませんよ。ただし、いくつも乱用すると効果が弱まりますので、注意して使ってみてください。

効果のあるキーワード
  1. 数字
    例)「9割の方がリピートされています!」「98%が良いと評価」「当店人気No1」など
  2. 新しさ
    例)「新商品」「新サービス」「New」など
  3. 限定
    例)「個数限定」「10名さま限定」「期間限定」など
  4. 話題性
    例)「ハリウッドで大流行」「注目!」「大人気!」「一番売れてます!」「店長おすすめ」など
  5. 簡易性
    例)「たった3日間で」「1日3分で」「○○するだけ!」

確認作業をしっかりと!誤字脱字、数字の間違いがないか、何度もチェックしよう

最後に全体を読み直してみましょう。伝えたいことがもれなく書いてあるか。パッと見てわかるか。家族やスタッフにも見てもらうのもよいでしょう。 電話番号やメールアドレス、価格に間違いがないか、何度も確認しましょう。

電話番号やメールアドレスが間違っていると問い合わせしてもらえませんし、価格のミスは信用に関わります。変換ミスによる漢字の間違いも起こりがちです。確認作業は1文字ずつ、辞書をひきながら、ていねいにしましょう。


チラシは1回配っただけでは、あまり効果がないかもしれません。大企業でもいろいろなパターンを考えて、どれだけの効果があったのか検証しています。自分でつくるチラシなら、コストは印刷代だけで済みます。効果がなければ、また違うパターンをつくればいいのです。次もつくることを前提に、要素を絞り込み、検証を繰り返していきましょう。つくるたびにうまくなり、お客さまへの認知も広がっていきます。ぜひ、何度も挑戦してみてくださいね。


お話を伺った方:河本 樹美(かわもと きみ)さま

大阪のコピーライター事務所「オフィスカワモト」コピーライター/制作ディレクター。1980年代にコピーライターになり、大手の広告・販促ツールを手掛ける。カタログ、PR誌、専門誌の編集を経験。1995年から通販カタログ制作に携わり、売上のとれる広告づくりを行う。2000年、ペット用品通販事業部でカタログ制作部を立ち上げ、デザイン・撮影・印刷を学びながら、売れる紙面を目指す。2014年以降、小さな会社・店舗の広告戦略にも関わる。

この記事の著者

弥報編集部

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