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あなたはいくつ当てはまる?リーダーがよかれと思ってやりがちな行動6つ

部下のマネジメントを行い、業績目標を達成するのがリーダーの役割です。しかし、全員が業績を上げてくれる優秀な部下というわけにはいきません。思うように成果を上げてくれない部下をどう指導していくべきか、頭を悩ませる方も多いでしょう。

しかし、もしかしたら部下が成果を上げられない理由はリーダーにあるかもしれません。リーダーがよかれと思って実践している行動が、実は部下の育成を阻害している原因になっている可能性もある、ということです。

そこで今回は『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』の著者である越川 慎司さんに、リーダーがよかれと思ってやりがちな6つの行動や、その改善策などについて解説していただきました。


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越川 慎司(株式会社クロスリバー 代表取締役社長)

国内通信会社などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者を務める。2017年に株式会社クロスリバーを設立。創業当初から全メンバーが完全リモートワーク、週休3日、複業を実践。800社以上に「稼ぎ方改革」の実行を支援。年間400件以上のオンライン講座を提供。著書は『トップ5%リーダーの習慣』『トップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)など17冊。株式会社クロスリバー


トップ5%リーダーとは?共通する3つの特徴

――トップ5%リーダーと呼ばれる人材の特徴を教えてください。

前作の「『トップ5%社員の習慣』著者に聞く、中小企業の生産性を上げる社員育成方法」では、各企業における人事評価が上位5%である社員を意味するトップ5%の一般職社員について調査し、その結果を取り上げました。調査期間は、新型コロナウイルス前である2019年までとなっています。

今回の「トップ5%リーダー」は、管理職もしくはリーダーの職務を持っている方を対象に行いました。調査時期はウィズコロナ時代である2020年・2021年となっています。

そこからひも解くと、トップ5%リーダーにはすごいポイントが3点あります。

1つ目は、成果を出すのではなく、成果を出し続けるところです。トップ5%リーダーは、ビフォーコロナ・ウィズコロナなどの外部環境から、新人の加入やエース級の辞職といった内部環境などの、あらゆる状況において成果を達成し続ける人だといえます。変化への対応力が素晴らしく、どんな状況であっても成果を達成し続けることが可能です。

2つ目は、この困難なウィズコロナを乗り切ったことです。管理職として最大級の難関だったといえるのが、テレワークの実施です。

目の前にいる部下の管理経験しかない状態から、全員がどこにいるかわからず「皆サボっているのでは」と疑心暗鬼になりながら部下を管理する必要がある中、なんとか乗り切れたのはトップ5%リーダーの特徴といえるでしょう。

そして3つ目は、彼らが仕事や成果よりも、人に興味をもっている点です。これがメンバーに対するモチベーションアップにつながっています。つまり「ビジネスで一番重要な経営資源は、人です」と言いきれる人達だということでしょう。トップ5%リーダーは、人が主役の成果を出し続けるしくみを作れることが特徴ですね。


――トップ5%リーダーはどのような分析を経て導き出されたのでしょうか?

前回と同様、合計18,000人の方々に、だれがトップ5%リーダーであるかは言わない状態で行動履歴を取りました。ただし今回の調査で難しかったのは、テレワークが始まったため、対面でのヒアリングや物理的なカメラを会議室に設置できず、デジタルデータを取ることが主になったことです。

例えばTeamsやZoomも録画はできますので、19,000時間ぐらい撮影して分析しました。また、テレワークで普及したSlackやTeamsのチャットログも把握できるようになったので、分析できるデータが以前よりも増えました。

TeamsやZoomの録画データはレイアウトがしっかりしているため、感情分析などには使いやすかったです。AIのディープラーニングと呼ばれる解析にかける前の必要な作業に関しては、生のオフィスでのデータよりもデジタルデータを使ったほうが効率的でした。

リーダーがよかれと思ってやりがちな6つの行動

――では、リーダーがよかれと思ってやりがちな行動と、その改善策を教えてください。

では、6つのポイントに絞って説明します。


NG1.相手に答えを教える

部下に答えを教えることが駄目な理由は2つです。

まず1つは、答えが昔と違い画一的ではなくなったことですね。管理職の方々には「努力すれば」「こうやればうまくいく」といった画一的な方法がありました。しかし、近年は変化が激しいので、それが通用しなくなってしまっていることを理解しましょう。

2つ目の理由は、自分の頭で考えられない部下を作ってしまうためです。昔は言われたことだけをやる社員が優秀だったので、実直なイエスマンが成果を残して評価されていました。ところが、今は答えを自分で考えて、動かなくてはいけない時代に変わっています。

答えを部下に教えてしまうと、思考が停止し、言われたことしかやらなくなってしまうので注意が必要です。

改善策:答えを教えるのではなく、答えの出し方を支援する

改善策としては、リーダーが答えを教えるのではなく、答えの出し方を支援してあげることです。つまり、コーチングですね。「Aだよね」「Bだよね」ではなく「なぜAだと思う?」といった質問技法を磨いていかないと、答えの導き出し方を教えられるようにはなりません。

自走する組織を作るためには「Why(なぜ)」の掘り下げが必要です。答えである「What(何)」を教えるのではなくて、「それどういう意味だと思う?」「何でだと思う?」と、一緒に「Why(なぜ)」を繰り返して、最後に「How(どうやって)」を作らなくてはいけません。そして、そのプロセスを実行するためには、「Why(なぜ)」という繰り返しをし合えるように部下との関係性を構築することが必須です。


NG2.テレワークで「見えない部分」を「見える化」しようとする

これが駄目な理由は、2つあります。

まず1つ目は「部下がさぼるだろう」という性悪説を前提にしている点です。

そして2つ目として、見える化は一見実現できそうですが、技術的には不可能なので、ここに時間を費やすとマイクロマネジメントになってしまう点があげられます。今、テレワークで日報をつけさせる企業が増えていますが、残念ながら生産効率を落とす原因となってしまっています。

改善策:業務の見える化ではなく、業務の見せる化を浸透させる

業務の見える化ではなく、業務の見せる化を浸透させることを目標と考えましょう。

例えば、上司と部下で「今月は何やる?」「今週は何やる?」といったように、できれば定量的なゴールを設定します。そして、部下が「僕は今週、残り1日しかありませんが、進捗65%です。しかし、この1日でリカバリーしてみます」など、自分から業務を見せていきます。チャットツールなどを活用すれば、簡単に実践できるでしょう。

自分から見せていくと性悪説ではなくなり、上司からの「どうなってんだ」「さぼってんじゃないか」といったあらぬ疑いからも抜け出せるでしょう。したがって、業務を見える化するのではなく、個人個人が業務を見せていくスタイルを浸透させたほうが、結果的には効率が上がります。


NG3.タスク管理が自分のメイン業務だと信じる

仕事がたくさん降ってきて「それを割り振ることが俺の仕事だ」と言い切る方は多いのですが、そのような考え方ではタスクマネジメントの本質を理解できていないと言わざるを得ないでしょう。

引き受けた仕事を割り振るだけでは、タスクマネジメントとはいえません。まずは、その仕事を自分たちのチームでやるか、やらないかを判断するところからスタートするのがタスクマネジメントです。

例えば、到底間に合わないような仕事を上司が受けてしまうと、長時間労働になる可能性が上がります。そういったことも含めて、仕事を受けるか受けないかを決めること、そして自分でやるのか部下に任せるかを決める、これら2つの決定がタスクマネジメントです。

「これを来週の金曜日までにやる」といったタイムマネジメント的な業務は、あくまでも手段の1つに過ぎません。本質的な目的は、やるべき業務が何か判断し、それを最適な人にアサインして納期どおりに終えるという一連の流れです。したがって、納期を守るところだけ見て管理するのも駄目だと言えます。

改善策:やめる勇気をもつこと

タスクマネジメントを全体像で見ることが重要だと思います。

少し振り返ってみてください。納期が短いものや、今すぐにやってほしいといった緊急度で仕事を進めてはいないでしょうか。しかし振り返ってみると、成果につながるものは緊急度ではなく重要度によって決まることが多いと思います。

仕事を受けるか受けないかの評価軸があると仮定し、縦軸が重要度、横軸が緊急度とした場合、重要度が高くて緊急度の高いものには、だれもが取りかかるでしょう。放っておいても、だれかがやると思います。

しかし、ここで問題なのは、重要度が低いにもかかわらず、緊急度が高いといわれたものに手を出してしまうことでしょう。仕事を依頼する方の多くは、自分が一番重要な仕事を振っていると勘違いしているので、緊急度だけで仕事を割り振らないことが非常に重要です。ちなみに、これを「緊急度の罠」と呼んでいます。

実は最も大切なポイントが「やめる勇気」なんですよ。

緊急度が高く重要度の低い仕事に手を付けることをいかにやめさせて、それによって生まれた時間を、緊急度は低いが重要度が高い仕事に割り振ることで成果は上がります。これこそが、トップ5%リーダーが成果を出し続けるしくみです。

なお、緊急度や重要度は振り返らないとわからないので、振り返りの時間(内省の時間)を作ることをおすすめします。これはトップ5%リーダーと社員の両方が実践していました。

振り返りの時間を作ることによって「緊急度が高かったけど重要度は低かったな……」といった部分が見えてくるので、最低でも2週間に1回、15分カレンダーを眺めながら実践してみるとよいでしょう。これだけで無駄な作業が11%減ることがわかったので、そこで緊急度の罠からも抜け出しやすくなります。

部下の頭の中にペイオフ・マトリクスと呼ばれる図表をイメージしてもらい、実施したタスクを緊急度と重要度で割り振らせて1 on 1で報告してもらいましょう。そのうえで「ここはやめなさい」「ここに時間を費やしなさい」といった指導をトップ5%リーダーは実践しています。ITツールなどを使うのではなく、頭の中で咀嚼させて言葉で発表させることがポイントです。

また、このときに上司と部下の緊急度や重要度の認識を合わせておくことも大切でしょう。


NG4.週報の作成にエネルギーを費やす

これは中小企業より、むしろ規模が大きい企業にありがちなケースです。週報が自分の評価ポイントだとされている企業が、いまだにあることは確かでしょう。

例えば、部下が7名いるチームの場合、リーダーが7人分の週報をまとめて、まるで自分の成果のように部長へ提出するケースが散見されます。目的は出世をするためです。

きれいに情報を集めたり、部下に「週報に書くネタ出せ!」と督促したりする組織は、週報を作ることがゴールになっている場合が多いと思います。したがって、週報に時間をかければかけるほど、駄目なリーダーが浮き彫りになっていく感じです。

解決策:週報を作る時間を調整の時間に充てる

タスクマネジメントと同じように、週報はあくまでもプロセスの1つでしかありません。したがって週報を作る時間があったら、調整役に入ったほうがよいでしょう。

例えば、無駄な作業を受けないことや、部下と重要度の意識合わせをすることのほうが、圧倒的に成果へつながるでしょう。Wordに向かって週報を作るくらいであれば、部下に話しかけて重要度を確認したり、進捗を見せてくれた部下を褒めてあげたりすることにエネルギーを費やしたほうが、自走する組織になります。


NG5.定例会議で自分が7割話す

これは逆に、NGじゃないところを探すほうが大変だと思います。録画したデータを確認した結果、結構この確率は高かったです。また、なぜこの現象が起きてしまうかという理由についても、AIで解析しました。

発生原因は2つあることがわかっています。まず1つが、駄目なマネージャーは伝えることを目指していて、伝わることを目指していないことです。つまり「言ったら終わり」ということで、そもそもの根本が違います。

また、部下にも問題があることがわかりました。例えば、オンライン会議でビデオをオンにする人が、日本には21%程度しかいません。そのため、聞いているかどうかわからないので、上司は相手が理解していないと思い、同じことを何度も繰り返し話してしまうのです。

対処策を検討するために、聞いている素振りをするという行動実験を8,000名くらいで行いました。話が長い上司や、何度も同じことを話す上司のときには、ビデオをオンにして頷きを大きくするという行動実験をした結果、どんどん話す時間が減りました。暴走する上司がいる場合は大げさでもよいので頷きを大きくして、聞いている姿勢を見せることが重要です。

一方、リアル会議では、ノートパソコンを持ち込んで会議室に集まっている方が多いため、目線が全部パソコンに行きがちになります。そのため、上司は内職していると勘違いするケースが多いです。

もし話を聞きたいときは、上司のほうを見て頷くことが重要ですね。「聞いてるよ!」と若干笑顔で「ちょっと長いよ」といった表情をしながら頷いてあげることで、長話が終わることも実験の結果でわかっています。

解決策:部下に7割話させることを目標に設定する

彼らもよかれと思って話しているため、区切りをつけてあげることがポイントです。

例えば管理職向けの研修などで「社内会議や1 on 1では、部下に7割話をさせなさい」と伝えるだけで、具体的な目標ができます。そうすると、自分で「これはちょっと喋りすぎちゃダメだな……」と理解でき、自分が話す内容を見直し始めます。目標値を設定するという意味で「7割」というのは、ちょうどよい頃合いだと思います。

また、あまり話さない部下に話をさせるためには、質問技法を学ぶ必要もあります。質問や頷きが得意な方は、やはり相手に話をさせることが上手ですね。


NG6.感情で人を動かそうとする

恐怖で人を動かすというのは、ホラーストーリーといって有効な場合もあります。ただし、これは外発的動機と呼ばれる、いわゆる鞭を打つ行為です。

ご褒美をあげることも鞭を打つことも、外発的動機という外の力によって行動を促せる手段ではあります。しかし、長続きしないのが難点です。やはり怒って動くのは、だいたい2回程度でしょう。2回程度であれば感情でも動かせますが、3回目ぐらいになると慣れてきたり、怒られないように逃げたりするので、腹落ち感がない中で逃げ方を覚えてしまうことが問題です。

解決策:外発的動機ではなく内発的動機で動かす

対処策としては、外発的動機の感情で動かすのではなく「あれ、これやらなきゃまずいな」と本人に思わせて、内発的動機で動かすことです。彼らの興味関心をきちんと叩いてあげて、背中を押してあげるアプローチが、行動を継続させることがわかっています。

興味関心の中で、いわゆる働き甲斐の場合「承認・達成・自由」という3つの言葉に集約され、内発的動機といえるでしょう。例えば、仕事の成果を褒められることや、トラブル対応や資料作成が終わったという達成感もそうですし、好きな仕事を好きな時間にできることも内発的動機です。

部下の興味関心は、概ねこの3つのタイプに分類されますので、どれかを見極めて、しっかり支援してあげることが成功するパターンといえるでしょう。

5%リーダーを目指すためにやるべきアクション

――5%リーダーを目指すために、すぐに実施するべきアクションを紹介してください。

トップ5%リーダーの習慣を分析した結果、13の共通点があることがわかりました。また、その共通点をトップ5%ではないリーダーに適用させたら、効果が出ることもわかっています。今回は、その中でも特に効果が高い3つ(上の図赤字)を紹介します。


情報より感情を共有する

情報より感情を共有することの目的は、腹を割って話せる心理的安全性が保たれている状態を目指すところがポイントです。

例えば、最近はテレワークで気を使って言いにくい雰囲気はあるのですが、リーダーが「コロナ終わったら飲みに行きたい!」などとあえて堂々と言うことですね。また、感情共有はチャットの場合、どうしてもドライな関係性になりがちなので「素敵だね!」とコメントを送ったり、すばらしいコメントに対して、拍手のリアクションしたりするだけで「あっ、この人怒ってないんだな」とわかってもらえ、不機嫌上司から卒業できます。

不機嫌上司だと思われてしまうと、過剰な気づかいが発生してしまいます。これが大きな問題です。弊社のクライアント企業で作られるパワーポイントの資料のうち、なんと24%が上司に対する過剰な気づかいによるスライドだったことがわかりました。必要だろうと思いページ数が増えていくので「忖度ページ」と呼んでいます。

さらに、忖度ページを追加調査したところ、なんと八割がめくられてもいませんでした。「怒っているから」「なんか作ったら褒められるんじゃないか」といった過剰な気づかいがあると、スライドの枚数が増えることがよくあります。これは感情共有をしていないことが理由です。

前回の『トップ5%社員の習慣』著者に聞く、中小企業の生産性を上げる社員育成方法でもお話した通り、社内会議の冒頭2分に行う雑談で共通点を見つけるコミュニケーションをとると、過剰な気づかいがなくなっていくでしょう。


「やる気」を当てにしない

トップ5%リーダーは、自分のやる気も部下のやる気もあてにしないと言っていました。

「確かにそうだな」と思い、オンライン会議のデータを取りながら、匿名アンケートも取りました。するとオンライン会議では、仕事をしていない人や内職している人がなんと41%もいることがわかったのです。要は会議の内容を聞いていないということですね。

そこで「会議は参加したら聞くものだ」というやる気を無視して、追加調査した結果、やる気のない人も最初の1分と最後の5分は、しっかり話を聞いていることがわかりました。よって60分エネルギーを込めるのではなくて、最初の1分できちんと相手に役割を伝えたり、最後の5分で相手に求めるアクションを共有すれば、やる気に関わらず行動してもらいやすくなるのです。

やる気があるときは成果が出て、やる気が出ないときは成果が出ない状態では、成果を出し続けることはできません。つまりトップ5%リーダーは、モチベーションの高さにかかわらず行動するしくみを作っているのです。

そのため、トップ5%リーダーは会議の最初の1分と最後の5分で部下をその気にさせていますし、先ほどの忖度資料をなくすために「進捗20%で1分見る」というプロセスを作っています。

具体的には、資料作成の進捗20%の状態で「このイメージであっていますか?」と部下から上司へ報告するしくみを作ることです。そうすると「そもそも、その資料いらない」「いや、もうちょっとデータ中心にしてくれ」というフィードバックが実施でき、資料の差し戻しが74%も減りました。

部下は進捗20%で上司に報告しなくてはいけないため、だらだらする余裕がなくなります。こうしたモチベーションに関わらず行動を起こすしくみを作るのが、やる気を当てにしないという意味です。


「意外と良かった」を目指す

昔は「成功と失敗」のどちらかしかありませんでした。しかし、今は小さな失敗の先に成功があるので、部下に失敗をさせることが必要です。だから、トップ5%リーダーは「成功を目指すな」と言っています。

例えば、某プロ野球監督の「優勝を目指さない」というのが正解の一例です。なぜなら「優勝を目指す」と言った瞬間に、選手は萎縮して行動できなくなってしまうのです。そのため、「失敗してもいいから動きなさい」と、失敗を認めていることを伝えています。

トップ5%リーダーは「失敗でもいいので、振り返りを行いなさい」と必ず伝えています。そして失敗を重ねると、部下から「意外と良かったです」という言葉が出てきます。

実はこれが、最も意識変革がうまくいった状態なのです。トップ5%リーダーも5%社員も、意識変革はできないと思い込んでいます。そのため、行動変革から始めて、気づいたら意識が変化していたというパターンを目指しています。

行動変革を実施し「意外と良かった」を目指すことは、比較的実現しやすいのではないでしょうか。

トップ5%リーダーの1on1サイクルと自走する部下にさせる方法

――チームの生産性を上げるためには、リーダーの指示を部下が正しく実施する必要があると思います。具体的には、どのように浸透させたらよいのでしょうか?

働く方の時間のうち、43%が社内会議に費やされているという驚きのデータがあります。この会議をまず減らして、会話をする時間を増やしていきましょう。可能であれば、1対1の対話である1 on 1の時間をとるようにしてください。

なお、分析の結果、1 on 1では対話のステップが重要であることがわかっています。

図式で説明すると、うまくいっていないリーダーは1番の「結果の質」から始める点が特徴です。例えば「何で、できてないんだ!」といった形で、部下を詰めるケースですね。

そうすると関係の質が上下関係になってしまい、部下が逃げたり、自己防衛に走ったりすることが多くなります。関係の質が悪くなると、最終的に部下は言われたことしかやらなくなり、思考停止してしまうのです。

考えないので行動も変えません。責められるのでやっていないのに「やった」と言うようにもなるでしょう。行動を変えないので、当然結果も出ませんよね。これが悪い対話や1 on 1のサイクルです。

一方、うまくいっているトップ5%リーダーのサイクルは、先に関係の質を高めてフラットな関係を構築するのが特徴です。

上下ではなく、フラットで何でも言えるような関係、雑談ができるような関係の構築を目指し、部下と一緒に考えるプロセスに時間を費やします。関係の質が高まると思考の質、行動の質が高まって、結果の質も高まるでしょう。

結果の質からではなく、関係の質から我慢強く取り組んだほうが、結果的には部下が自分で考えて動く行動習慣が身につき「意外と良かった」を生み出す行動サイクルになることがわかっています。


――行動に移したとしても、それを継続できなければ学びは定着しないことが考えられます。継続して定着させるためのポイントがあれば教えてください。

先ほど説明した、関係の質からはじまる対話サイクルがどんどん回ることが、いわゆる上司と部下の関係性が良い状態ですが、最終的には上司がいなくてもできるようになることが理想です。

つまり、部下が1人でPDCAを回せるようにすることが、最終ゴールだと思います。これが自走する部下の特徴といえるでしょう。

部下にやらせたいのは「P(Plan)」に時間をかけないことです。プランに時間をかけても精度が高まるわけではないので、自分で「Do」「Check」「Act」を回せるようなしくみをリーダーが支援する必要があります。その結果、行動が定着するということです。

実際にDCAを回すための方法は、部下に「意外と良かった」という一言を言わせることです。承認して認めてあげて、やらせてあげて、部下のほうから「意外と良かった」と言わせるような挑戦を何度も実施させましょう。

リーダーはイライラすることもありますが、なんとか我慢してセカンドチャンスをあげることが大切です。1回失敗して駄目ではなく、失敗した人にもう1回チャレンジさせるという事例があれば、部下にチャレンジする精神が育まれます。

ですので、セカンドチャンスの成功事例を作ってあげましょう。精神的に安定させて、DCAを回すように1 on 1の中で支援してあげた結果、「意外と良かった」という言葉が出るようになれば、行動を継続するしくみが完成した証拠だと思います。

成功体験を積むことも大切ですが「失敗は失敗じゃない」という腹落ち感も重要です。失敗して人事評価がマイナスになると、多くの方は「もう這い上がれない……」と思ってしまい、挑戦をしなくなってしまいます。

そのため「何もしないより、失敗したほうがいいんだよ」という評価や承認が必要だと考えてください。それが、トップ5%リーダーへの近道です。

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著者:弥報編集部
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