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【確定申告の疑問を税理士に聞く!】家事按分の基準は?税理士に相談する際の注意点は?

個人事業主の方で毎月の記帳入力はなんとか行っていても、いざ確定申告を行おうとすると疑問でいっぱい!なんてことありますよね。法人経営者の方の中にも、来年は確定申告を税理士に依頼したいけど、方法や費用感などがわからない方もいるでしょう。

今回は確定申告を自分で行う方、来年以降はスムーズに申告作業を行いたい方、税理士に依頼したいと考えている方などに向け、具体的な確定申告のスケジュールや必要書類、家事按分の基準、税理士へ依頼する場合のポイントなどを名古屋総合税理士法人の細江 貴之さんに伺いました。


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細江 貴之(名古屋総合税理士法人)

名古屋生まれ名古屋育ちで名古屋在住。東海中学・高等学校を経て南山大学法学部で学ぶ。名古屋トップクラスの相続相談数を誇り、書籍の執筆・メディアの取材出演等を始め、お客さまがお客さまを紹介したくなる税理士法人の代表として、注目されている。セミナー講師経験も豊富で、大手新聞社を始め多くの企業からの依頼で講師を務めた実績を持つ。名古屋総合税理士法人

【確定申告の流れをおさらい】準備するものやスケジュールは?

――まず事業を行っている個人事業主が確定申告をする場合、まず何をして、どのような流れで確定申告を行うのがよいでしょうか。

まず記帳についてですが、確定申告前に慌てて1年分記帳するのではなく、できれば期間を空けずに日々の記帳を重ねていきます。

日々の記帳が終わった後は決算手続きを行い各勘定科目の数字を固めていきます。それから申告書の作成に移ります。例えば弥生会計の確定申告ソフトだと、わかりやすい仕様になっていますので、マニュアルに沿って進めていただければ大丈夫です。

ただ個人事業主の確定申告ですと、法人と違い家事按分と呼ばれる「プライベート分と事業分を分けなければならない」点を注意してください。例えば自宅で作業をしていて、自宅の水道代などを全額経費に計上してしまうと税務上問題となりますので、どれくらい事業に使ったか割合を計算して経費を計上します。詳しくは目次「【家事按分の疑問を解決!】按分の基準や記帳のタイミングは?」部分をご確認ください。


――決算手続きを行い各勘定科目の数字を固めていきます」とありましたが、個人事業主の決算手続きはどのような流れで行うのが効率的でしょうか?

まず現預金の現金ですが、12月末の実際の現金残高と記帳の残高が合っているかを確認します。預金については、通帳残高と記帳の残高が合っているかを確認します。

売掛金、買掛金については、期をまたいで入金、出金されているものを確認していきます。例えば売掛金については翌年に入金があるものでも、12月末日までに納品やサービス提供が完了しているものであれば計上します。この確認は請求書や12月、1月、2月の通帳の動きを見て行います。

前払金、前受金についても売掛金などと同様に、請求書や12月、1月、2月の通帳の動きを見て、請求書などと突き合わせます。日々記帳している場合でも、年末の分は慎重に確認するとよいでしょう。

棚卸資産については、12月末の在庫について、商品ごとに単価と個数を棚卸表に記入したものを集計します。固定資産については青色申告の場合でも、30万円以上は一括で経費にできませんので、その資産ごとに耐用年数などを調べ減価償却費の計算をします。


――個人事業主、法人経営者が確定申告を行う際に必要な「書類」としては何がありますか。

年末に届く生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、医療費通知(医療費のお知らせ)などのほか、ふるさと納税をしている方は寄附金受領証明書が必要です。2021年分からは個別の受領証明書に代えて1年間のふるさと納税の「寄付金控除に関する証明書」がふるさと納税ポータルサイトから入手できるようになりました。

「寄付金控除に関する証明書」の添付でもよくなりましたので、寄付回数の多い方におすすめです。


――確定申告は、どのようなスケジュール感で進めていくのがおすすめですか?

個人の確定申告の場合は、計算期間が1月1日から12月31日までですので、特に個人事業主の方はまずそこまでの記帳を終わらせる必要があります。一番時間がかかるのは、この記帳により決算の数字を固めるところですので、これをできれば1月中に終わらせるとよいでしょう。

12月末から1月末くらいまで、遅くても2月上旬までに控除関係の書類などが届きますので、これを集め整理します。医療費の領収書などは日々、自分のわかるところに整理して保管しておくとよいです。2月中旬くらいまでにこれが終わると、スムーズに申告作業に移っていくことができます。 申告自体は、通常、2月16日から受付開始で、3月15日までが期限です。2021年分の確定申告は新型コロナウイルス感染症の関係で、欄外への必要事項記載により1か月間確定申告期限を個別に延長できます。

【家事按分の疑問を解決!】按分の基準や記帳のタイミングは?

――家事按分はどのような基準で按分するのが良いのでしょうか?

自宅で仕事をしている場合、家賃などは全体の床面積のうち、事業で使っている部屋の面積の割合を基準に経費として按分します。

車や携帯電話などは、個別に事業で使った分の走行距離や通話記録がわかればよいのですが、そこまで調べるのは大変ですので使用頻度を基準として按分してもよいです。例えば週7日のうち、土曜と日曜以外はほぼ仕事で使っているという場合は、7分の5を経費にするといった方法を採ります。

経費の種類にもよりますが、面積や日数、時間などが現実的な按分基準となります。

税務調査では、例えば家賃のうち半分を経費にしているのに、4部屋ある間取りのうち1部屋しか使っていないとなると、指摘される可能性が十分にあります。しかし車を持っていて、維持費の半分を経費にしている場合、根拠資料により「合理的な説明ができるかどうか」が大切です。車でも明らかにプライベートで使っている形跡があるのに、100%経費にしている場合には、やはり税務署に指摘される可能性が高くなります。


――家事按分は、毎月記帳を行うのか、年間分をまとめて記帳すればよいのか、記帳のタイミングを教えてください。

毎月記帳しても、1年分をまとめて記帳しても、どちらでもかまいません。毎月記帳すると、手間が12倍になりますし、使用頻度などは年間を通してどうだったのかの確認が必要になりますので、年間まとめての方がやりやすいと思います。

毎月記帳することは月ごとの利益を把握するためには大切ですが、税務署ではその年度に記帳してあれば、年間の利益や税金は同じですので問題とされません。

【申告書作成の疑問を解決!】確定申告書の項目が色々ありすぎてよくわからない。気を付けるポイントは?

――確定申告書にはいろいろな項目がありますが、個人事業主や法人経営者が関係する項目はどれですか?

事業を行っている場合には事業所得がメインになります。不動産賃貸収入がある場合には、不動産所得になります。

最近では株の売買を行う方も増えています。株や不動産を売った場合には、譲渡所得となります。株による配当は配当所得です。また暗号資産(仮想通貨)の売買も増えており、これによる利益は雑所得です。


――所得控除にはどのようなものがありますか?

基礎控除と呼ばれる、一律に認められている控除が代表的なものです。基礎控除は改正で2020年から所得によって控除できる金額が変わり、所得が2,400万円以下であれば48万円の基礎控除を受けられますが、2,400万円を超えると段階的に基礎控除額が減り、2,500万円を超えると基礎控除額は0円となりますので注意が必要です。

基礎控除以外にも扶養控除、配偶者控除などの人にかかわる控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除、また、ふるさと納税をしている方は寄附金控除が基本的な控除です。


――ふるさと納税について、上限金額の簡単な計算方法はありますか。

実質自己負担2,000円でふるさと納税ができる上限は、その計算のしくみが複雑なうえに、所得だけではなく医療費控除の金額、家族の状況なども計算に影響するので、ふるさと納税限度額がいくらになるかは、わかりにくいと思います。

ふるさと納税限度額の計算式は、以下のようになります。

{個人住民税所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)}+2,000円  
【独身または共働き世帯の目安】
・年収300万円で2万8,000円程度
・年収500万円で6万1,000円程度
・年収1,000万円で18万円程度  

【大学生の子どもが1人いる場合の目安】
・年収500万円で4万4,000円程度

実際に目安金額を計算するうえで一番わかりやすいのは、ふるさと納税のポータルサイトにある、上限額の目安がわかるシミュレーションツールです。そこに入力することで限度額が計算できます。

上限ぎりぎりではなく、少し余裕をもって寄付した方が良いかと思います。

(参考)
ふるさとチョイス 控除上限額シミュレーション
ふるなび 控除シミュレーションと計算方法


――確定申告書の作成で間違いやすいポイントを教えてください。

個人事業主が自分で確定申告書を作成する場合、減価償却費の計算方法を誤りやすいです。家事の按分を間違えてしまい、プライベート分まで経費にしてしまう方もよくいます。

また、確定申告では事業所得以外の所得も申告する必要があります。生命保険会社から保険金を受け取った場合、満期保険金が一時所得となりますが、これを漏らしてしまうというミスが結構あります。生命保険金については支払調書が税務署に送られていますので、税務署に把握されています。

それ以外の収入、例えば副業のアフィリエイトで収入を得ている場合も申告漏れになりやすいケースです。建築業者だと、工事の中で出る鉄などの金属を廃材として売ることもあるでしょう。この売れた収入を漏らすケースも多いのですが、税務署は金属の買取業者を調査し、誰からいくら買い取ったかを把握しています。そのため、金属の売却金を収入に計上していないとわかってしまいます。


――自分で確定申告書を作成していて、疑問などがある場合には、どのように対処すればよいでしょうか?

税理士に聞いていただくか、税務署の税務相談日を活用して相談するのが確実です。ただし、当然ながら税務署に相談しても節税アドバイスはしてくれません。税理士に相談する場合の注意点は目次「【税理士に依頼する場合】確定申告を税理士に依頼するには?依頼の仕方や費用について」をご確認ください。

弥生会計(やよいのあんしん保守サポート)のデスクトップ製品をご利用※で、あんしん保守サポートに加入していれば、プラン内容によっては「確定申告相談(個人)」サポートを活用できます。今現在「確定申告相談(個人)」をご利用できないプランの方は、利用可能なサポートプランにアップグレードすることも可能です。

※オンライン製品をご利用の場合も、一部プランでご利用いただけます。

【税理士に依頼する場合】確定申告を税理士に依頼するには?依頼の仕方や費用について

――確定申告書は自分で作成したいが税理士に質問をしたいとき、質問だけの依頼をすることも可能なのでしょうか?注意点もありますか?

税理士事務所によりますが税理士が確定申告をした方が早いので、できれば確定申告書の作成から依頼してほしいと思う税理士が一般的です。ですが弊社も含め、初回無料、2回目からは有料といった形で無料相談を行っている税理士事務所も多いため、その場合はそこで質問することも可能です。

注意点としては、確定申告時期は税理士事務所も忙しくなりますので、アポイントを取ってから行くことをお勧めします。

税務署の税務相談日を活用する方法もありますが、かなり混みますので待たされたり、後の日にちになったりすることもよくあります。また節税に関するアドバイスについてはありませんし、逆に税務署に有利なアドバイスをされることも多いため、無料であるからと税務署に相談すると、税理士に相談するより税金が高くなってしまう可能性があります。


――確定申告を税理士に依頼する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

これは税理士事務所によってかなり違いますので一概には言えませんが、多くの税理士事務所では、手間、依頼者の所得の金額と種類や規模(売上、従業員数など)によって報酬が決まります。

手間と、所得や規模は必ずしも比例しません。例えば、建築業で仕事を引き受ける先が1社しかないということであれば、それほど手間はかかりません。逆に、売上全体の金額はそんなに大きくなくても、メルカリなどで売りまくっているということであれば、入金数がとても多く、どれが売上に該当するのかを把握するのも大変で、手間がかかります。

目安として、弊社の場合では事業所得であれば依頼費用は6万円くらいからです。個人事業主でも年商が億単位の方もいまして、そうなると何十万円という場合もあります。不動産所得がある方で規模が大きく複雑な場合は、やはり何十万円になります。一番多いケースは、家賃収入が1,000~2,000万円で、9~18万円くらいです。

税理士への依頼を検討している方は、その税理士に費用を確認するのがよいでしょう。


――個人事業主が税理士に依頼する場合には、資料をどのように保管し渡したらよいでしょうか

ファイルなどに種類や項目ごとに分けて保管しておくと集計がしやすいです。記帳代行を依頼されるのであれば、月ごとに分けていただけると作業がスムーズになります。

またポケットファイルだと、いちいち出さないといけないので、スクラップブックに貼り付けていただき、請求書などは2穴パンチで穴を開けてとじていただくとさらに見やすくなります。項目ごとにインデックスが付いていると、よりわかりやすいでしょう。

保管する場合、理想は日付順に並べていただくことです。多少日付が前後してもよいのですが、だいたい日付順にしていただくと、出納帳と突き合わせてチェックを行う際、速やかに作業を行うことができます。


――確定申告を自分でしようと思っていたけど、やはり本業が忙しくて税理士に依頼したいと思った場合、いつくらいまでに依頼すれば、依頼を受けてもらえるのでしょうか。

税理士事務所によりますが、弊社の場合は2月中に依頼してもらえれば、3月15日の確定申告期限内に間に合わせることが可能です。

3月に入ってしまってから依頼された場合には、なるべく急ぎますが、書類が不足していたりして、提出が期限後になってしまうケースもあります。急いで申告して、後から書類不足がわかった場合には、修正申告が必要になる場合もあります。3月に入ってしまってからの依頼は、個別相談で対応させていただくことになりますが、弊社の場合は受け付けないことはありませんので、困ったときにはぜひ相談していただきたいと思います。

〈その他の確定申告記事は【こちら】から〉

著者:弥報編集部
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