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間違いの放置は損につながる!確定申告書を直すための手続き

一年に一度の大仕事、確定申告。法人経営者の方でも不動産収入や複数個所からの事業収入があるため、確定申告をされているケースが多いと思います。

ところで、自力で確定申告書を作成していると、正しくできているか不安になることがありますよね。では、どこを見直せば間違いに気づけるのでしょうか?また、確定申告書の提出後に間違いに気付き、訂正したい場合はどうすればよいのでしょうか?

確定申告書の間違いを税務署から指摘され、修正するとなると罰金のような税金がかかってしまいます。そうなる前に自ら間違いに気づき、直すためのポイントを税理士法人YMG林会計の代表である税理士 林 充之さんに伺いました。

<その他の確定申告記事は【こちら】から>

林 充之(税理士法人YMG林会計 代表社員/税理士)

法政大学経済学部を卒業後、専門学校税理士科講師を経て横浜市緑区で約100名の専門家集団YMGグループ代表として現在に至る。税務を中心として個人事業者や会社を起業するところから経営、会計といったあらゆる運営をサポートし、経営者が会社を経営する上での助言を多数行う。経営者や専門家に向けた研修などの講師経験も数多く、信頼と実績に裏付けられたより具体的な対策をわかりやすく解説する。

提出した確定申告書は本当に合ってる?間違えやすいポイントをチェック

――作成した確定申告書に間違いがないか不安な場合、主にどの点の見直しをすればよいのでしょうか?

まず決算書や控除証明書などの数字が、申告書の数字と一致しているかというところを見直すとよいでしょう。しっかりと数字の突き合わせをしたうえで、前年分との比較をするとよいと思います。

前年分の売上や儲けの金額、納税額と比べて両者とも増えていればよいのですが、前年から売上や儲けの金額は増えているのに、納税額が減っているなど「前年と比べて数字がおかしい」という場合には、もしかしたらどこかに入力ミスなどがあるかもしれません。

会計処理や確定申告書の作成などに不安がある場合には国税庁のホームページだけでなく、弥生のサポートサイト特設サイト「確定申告あんしんガイド」活用するなどして、確認をするとよいでしょう。

〈参考〉


――提出した確定申告書に間違いがあっても自分で気付かない場合、税務署から連絡がくることはあるのでしょうか?

自分で確定申告書の間違いに気付いていなくても、税務署が気付き連絡が来ることがあります。税務署は怖いというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはないので冷静に対応し、どこが間違っているのかをしっかり聞いて確定申告書を直せば大丈夫です。

確定申告書を間違えた!直したいときはどうすればよい?

――確定申告書を間違えて自分で直したい場合には、どのような方法で直せばよいでしょうか。

確定申告期限は通常であれば3月15日ですので、3月15日より前に、新しく確定申告書を作成して再度提出すれば、それで大丈夫です。

つまり期限内であれば、提出された確定申告書のうち最も日付の新しいものが確定申告書となり、それより前に提出したものはないものとなります。これを「訂正申告」といい、期限内であれば何度でも行うことができます。

3月15日を過ぎてから確定申告書の間違いに気付くこともあります。この場合、既に納めた税金が正しい税金よりも多いか少ないかによって、確定申告書を直す方法が異なります。納めた税金が足りなくて、追加で税金を納めなければならない場合は「修正申告」を行います。逆に税金を納めすぎて還付してもらわなければならない場合は「更正の請求」を行います。


――確定申告書の間違いに気付いても、税務署からの連絡も税務調査もない場合に、自分で訂正しないでそのままにしておくとどうなりますか。

すぐに税務署からの連絡がなくても後日、税務署から指摘されることもありますので、自分で間違いに気付いたら、税務署に指摘される前に自分から確定申告書の間違いを直すのがよいでしょう。その理由は、修正申告を自ら行った場合には、申告が遅れた分の利息としての「延滞税」はかかりますが、その他の罰金のような税金は原則としてかからないからです。

しかし、税務署から指摘されて修正申告をすることになった場合には、罰金のような税金がかかります。少なめに申告してしまった場合には「過少申告加算税が税金の差額について10%かかります。申告しなければならなかったのに、申告していない場合には「無申告加算税」として15%かかります。さらにそれらが売上をごまかすなどで悪質であった場合には「重加算税」がかかります。

なるべく早めに自主的に。訂正申告、修正申告の手続きと注意点

――訂正申告や修正申告は、具体的にどのような手続きで行うのでしょうか。

まず訂正申告は、通常の申告書と同じものを期限内に提出するだけです。つまり、確定申告書の出し直しといえるわけです。この場合、確定申告書の数字の間違いの訂正ということになりますので、添付書類については、1回提出していれば出し直しは行わなくても大丈夫です。

次に修正申告の場合は期限後に出すことになるわけですが、通常の申告書の他に申告書の第五表(修正申告書・別表)が必要になります。この第五表には「確定申告書のどこが間違っていたのか」という内容と「追加して納付することになる税額」を記載する欄があります。弥生製品の確定申告機能として「修正申告書の作成」がありますので、これを活用して作成できます。

詳しくは弥生の製品サポート「修正申告書の作成」のページをご確認ください。


――訂正申告や修正申告を行う場合の注意点を教えてください。

先ほど説明したように申告期限を過ぎてから修正申告を提出する場合は、利息としての延滞税がかかり、延滞税は2か月を過ぎると税率が高くなります。また延滞税は日数に応じて計算されるので、時間がたつほど延滞税の金額が高くなります。したがって確定申告書の間違いに気付いたら、なるべく早く修正することをおすすめします。

また税務署に指摘される前に、自分で確定申告書を修正することも大切です。利息だけですむのか、罰金も払わなければいけないのかが違ってくるからです。


――訂正申告や修正申告は何度行っても、問題はないでしょうか。

訂正申告については、何度行っても問題ありません。

修正申告については、税務署にその記録が残ります。例えば「この10年で3回の修正申告をした」ということであれば、その記録が税務署に残りますが、自主的に修正申告をしているのであれば、税務署のいわゆるブラックリストに載ってしまうということはありません。

ただし、税務調査で指摘されて修正申告をしたことが何回もあると、ブラックリストに載って税務調査が入りやすくなることがありますので、注意が必要です。

証明となる資料が必要!更正の請求の手続きと注意点

――更正の請求は、具体的にどのような手続きで行うのでしょうか。

更正の請求の手続きについては「更正の請求書」という用紙があり、当初申告した数字と請求額を並べて記載するようになっています。この「更正の請求書」への記入と、理由の証明となる書類の添付が必要となります。例えば、経費の計上が漏れていて更正の請求が必要な場合は、その領収証を添付します。

「更正の請求書」は国税庁のWebページで入手できます。


――更正の請求を行う場合の注意点を教えてください。

まず更正の請求は、税金を国から戻してもらうことになるものですので、期限は5年以内と決まっており、それより前のものは更正の請求ができません。

次に理由の証明となる書類が、訂正申告や修正申告では必要ありませんが、更正の請求では必要です。また、更正の請求は最終的に税務署長の承認が必要となります。これは更正の請求では、税務署が国民から預かっている税金を戻すことになるため、しっかりとした手続きが求められるからです。

通常は順調な手続きとなりますが、わかりにくい箇所がある場合などには税務署からの問い合わせがあり、説明しなければならない可能性もあります。税理士を通して行うと正確な内容で「更正の請求」ができるため、税務署からの問い合わせがあっても安心です。

自力では不安。確定申告書の修正を税理士に依頼することは可能?

――訂正申告や修正申告、更正の請求を税理士に依頼することはできますか。

可能です。

訂正申告は通常の確定申告と同じものを提出すればよいので、ご自身でも行いやすいのですが、修正申告では第五表、更正の請求では更正の請求書を作成する必要があります。ご自身での作成が難しい場合は、税理士に依頼すると安心です。また「自分で作成したが、内容に自信がない」ということであれば、作成した書類のチェックのみを税理士に依頼するという方法を取ることもできます。

税理士へ依頼する際に、最低限「修正前の申告書」と「間違った部分の詳細がわかる資料」をご用意いただければ、スムーズに手続きを進めることができます。

依頼内容によって税理士に払う金額も違ってきます。「自分でできるところは行い、税理士へ払う金額を安くしたい」「何もかも税理士に任せたい」など、要望をしっかりと伝えていただくことで、税理士としても依頼を受けやすく的確に対応することができます。税理士への依頼を行う際には、ぜひコミュニケーションをしっかり取っていただきたいと思います。


――数年前の確定申告を直したい場合も、税理士に依頼できるのでしょうか。

過去の申告でも、税理士に依頼することができます。ただし、期限にはご注意ください。更正の請求を行う期限は5年となります。修正申告には特に期限はありませんが、7年を目安にしてもらうとよいでしょう。

更正の請求は、理由の証拠となる書類がないと難しいので、例えば「数年前に病気にかかってしまっていて書類を保存しておくのを忘れてしまった」という場合には、領収証などの再発行手続きが必要になるケースもあります。

一方、修正申告は追加の納税をすることになるので、完璧な資料がなくても行えます。


――納税者が申告した税額と、税務署側が主張する税額が違う場合には、税理士にどのように対応してもらえるのでしょうか。

この場合には、税務調査というものが行われます。税務署から税務調査の連絡があり「税額が少し少ないように思うのですが」というようなことを言われます。この税務調査で、例えば納税者が「その部分の申告を失念していました」という場合、税理士としては税務署と打ち合わせをしながら修正申告書を作成することになります。

もし税務署から連絡があった場合、特に税務調査があったときには、税理士に相談していただけるのが一番安心な方法かと思います。税務署と交渉する際に、税金の専門家である税理士を介して交渉に当たったほうが税務署側に理解してもらいやすいでしょう。

また意見のぶつかり合いになった場合に、税理士は専門知識を基に税務署と交渉します。税理士が介入していないと税務署の言いなりになってしまうことも多く、高い税金を払うことになってしまうケースもあります。


――確定申告書が間違っているかどうか不安な場合や税務調査が入った場合などに、親身になってくれる税理士を探すにはどうしたらよいでしょうか。

このような場合、税理士は経験が豊富である方が安心ですが、若くても税務署ときちんと交渉してくれる税理士であれば問題ありません。税務署を退職して税理士になった方の中には、確かに税務署内に知り合いが多く、税務調査でしっかりとした対応をしてくれる方も多くいます。ただしこの場合、税務署寄りではなく、納税者の味方として対応してくれる税理士かどうかをしっかり判断されるのがよいでしょう。

見分ける方法というのは難しく、一番よいのは面談して、自分で判断することでしょう。若いかどうかや税務署出身かどうかではなく、親身になってくれて、税務署にもしっかり対応してくれるかどうかを見極めることが大切です。

著者:弥報編集部
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