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ホームぺージなしではもう戦えない!船井総研に聞く「小さな会社の顧客開拓の成功事例」

中小企業は、新規顧客の開拓を紹介に頼ってきた面がありました。でも、今はだれもがスマホで情報収集を行う時代。顧客は自らの判断で会社や商品を選ぶようになっており、コロナ禍でその傾向はさらに強まっています。

顧客が選択する際の基準の1つが、ホームページから得る情報です。株式会社船井総合研究所の鶴田 隼人さんは「ホームページは名刺の代わり。もはやホームぺージのない会社はご法度」と言い切ります。今回は、ホームぺージ作成の基礎知識から小規模な工務店の成功事例まで、詳しく解説していただきました。

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鶴田 隼人(株式会社船井総合研究所 建設支援部 マネージング・ディレクター)

1990年生まれ、2013年船井総合研究所へ新卒入社。入社後は建設・不動産業界に特化して経営コンサルティングを行っている。建設部門では、倉庫・工場建築の受注促進など民間事業の業績アップを得意とする。また、若手社員の定着・育成の仕組み構築の実績を持ち、近年ではSDGsを主軸においた組織活性化も手掛ける。 その他、数々のビジネスモデルをプロデュースし、全国展開した実績を持つ。

「スマホで情報収集」の時代に、ホームページなしでは戦えない

――今、新規顧客を開拓する手段としてホームページなどのWebを使用している企業は増えていますか?

現在Webページを開設している企業は、増えていますね。その理由の1つ目は、スマホで情報収集を行うお客さまが非常に多いことです。2つ目は新型コロナウイルス感染症の影響が大きいのですが、何か欲しいものがあったときに、実際に足を運んで探す機会が減っています。例えば、家を買いたいお客さまがいるとしましょう。これまではだいたい67社の見学会に行っていたのが、新型コロナウイルスの流行後は3社ほどに減りました。あまり外出できないため、事前にWebで候補を厳選しているというわけです。

最近のお客さまは、必ずホームページをチェックしています。「ホームぺージがない=信用できない」と考える人が多いので、どんな小さな会社でも名刺だと思ってホームぺージを用意すべきです。単価の高い商材であれば、なおさら必要と言えるでしょう。今まで接点のなかったお客さまと出会えるなど、メリットもいっぱいありますよ。

――その他の顧客を獲得する手段としては、どのようなものがあるのでしょうか。

工務店などの建設業でいうと、知人や大工さんの紹介といった従来型の手段が多いと思います。家の価格は何千万円もするので、施主さんの判断基準としては「信頼できるかどうか」が大きいんですね。だから、知り合いであれば大丈夫だろうと。ただ最近は、信頼の部分を情報収集で確認する傾向にありますから、お客さまが求める答えをホームページに用意しておくことが大切です。

ホームぺージの作成には情報の整理が重要。事前のターゲット設定も忘れずに

――ホームページを作ったことがない会社もまだ多いようです。制作にあたっての基礎的な知識を教えてください。

ホームぺージには「反響型」「カタログ型」の2タイプがあると考えています。目指していただきたいのは反響型のほうで、これは問い合わせなどの反響がよく取れるホームぺージのことです。カタログ型は、自分たちが伝えたい内容を一方的に発信するやり方で、お客さまからすれば情報が多すぎたり、問い合わせ先がわかりづらかったりします。トップページに社長の顔写真とか座右の銘が載っているホームぺージも珍しくありませんが、お客さまにとっては優先順位の低い情報ですよね(笑)。

反響型のホームページを作るために欠かせないのは、きちんと「出口」を設定することです。ホームぺージのどこにいても、すぐに見学会・無料見積もりなどのボタンを押せる、電話やメールの連絡先がわかるようにするといった点がポイントになります。問い合わせの際に名前や住所を記入してもらえば、それはもう名簿の獲得と同じなので、とても重要です。

――ホームぺージの作成や更新はだれがすればよいですか?

社内でネットやITに詳しい人がいれば、その人にお願いするとよいでしょう。経営者よりは、従業員が担当するケースが多いとは思います。

20名以上の規模の会社なら、ホームぺージの管理をはじめ資料請求などにも対応する「マーケティング室」を置くのがおすすめです。問い合わせで獲得した名簿を基に、非対面のコミュニケションで顧客を育てる「インサイドセールス」も、マーケティング室の業務とする会社が増えてきました。インサイドセールスを行うことで、営業担当はより確度の高い見込み客に会えるようになります。

――ホームページを作る前に、準備することは何でしょう。

自社で作るにしても外部に依頼するにしても「ターゲットがだれなのか」「その人たちが気にしていることは何か」の設定が必須です。仮に、安く家を建てたい人がターゲットだとします。その人の年収がどれくらいなのかを考えると、商品や価格も自ずと決まってくるはずです。もちろん施工事例の写真も欠かせません。商品・価格・写真の3つは、どの業界にも共通だと言えます。ここを社内できちんと固めておかないと、キャッチコピーも決まらないですよ。

ホームぺージのコンテンツは、6つ以内に収まるようにしてください。商品・価格・写真というメインのコンテンツと、それを強化する情報です。後者は「商品は安いけどしっかりした会社だよ」という会社の歴史や資本金、アフターフォローの内容といったものを指します。これらを必要条件とし、それ以外に載せたい情報があれば十分条件として、ホームぺージの下部などに入れてしまうとよいでしょう。

ホームページの制作会社は、意外とこのあたりは提案してくれません。どうしてもきれいなホームぺージ、いわゆる「作品」を作りたがる傾向があって、カタログ型のホームページになってしまいがちです。外部に頼むときはなおさら、ターゲットとコンテンツ内容を詳しく決めておくようにしましょう。

リスティング広告の併用で集客をキープ。チラシや電話も効果あり

――ホームぺージへの集客を維持するにはどうしたらよいでしょう? Web初心者でもできる方法を教えてください。

リスティング広告・リマーケティング広告が比較的有効です。リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワード(検索語句)に連動して掲載される広告で、例えば、GoogleYahooといった検索結果のページに表示される広告を指します。リマーケティング広告とは、一度サイトを訪れたものの離脱したユーザーに対して、再度広告を表示させるものです。楽天などで商品を探した後で、他のサイトにその広告が表示されるのを見たことはありませんか?リスティング広告もリマーケティング広告もそれほど難しいしくみではないですし、ちょっと勉強すればすぐ対応できますよ。

あとは、最低でも1回はホームページを更新したほうがよいと思います。おすすめは月曜更新と決めてしまって、その週の土日に行う見学会などのイベント情報を掲載する流れです。ちなみにイベントは土日に設定する場合が多いですが、新型コロナウイルスの流行後は平日に動ける人も増えています。平日に来店しても対応できることを、ホームぺージでわかるようにしておくのも効果的です。

問い合わせをはじめとするホームぺージへの反響は、月510件を目安としてください。それ以下だとまだ伸びしろがありますから、コンテンツの見直しも視野に入れたほうがよいでしょう。

――顧客開拓や集客維持のために、ホームぺージ以外にできることはありますか。

ポスティング・看板・のぼりといったアナログ広告も有効です。目に入る情報は、なんだかんだ反響が大きいです。ホームぺージ以外のデジタル系では、LINEの公式アカウントをおすすめします。メッセージ配信・チャット対応・クーポン・ポイントカードなどの多彩な機能を、無料で利用可能です。

先ほどインサイドセールスで顧客を育てることが大切とお伝えしましたが、せっかく名簿を獲得してもアプローチが遅いケースが見られます。基本的には、24時間以内に連絡してください。お客さまが反応してくれた、その熱が冷めないうちにアプローチしましょう。方法として最適なのは電話ですね。

「何を理由に連絡したらいいかわからないから、電話は難しい」とよく言われるんですが「請求された資料は届いていますか」のような確認で十分です。見学会などの問い合わせであれば、来店時間・人数を聞くのもよいでしょう。コロナ禍の今は、複数のお客さまの同時来店も避けなければなりませんし。

60歳でホームぺージ運営にチャレンジ!小さな会社の成功事例

――小さな会社が作ったホームページの成功事例を教えてください。

「コマッコハウス」は60の社長が1人でやっている工務店ですが、ご自身でホームぺージの運営もしています。ホームページを作る際、最初に行ったのは会社の強みを考える作業です。ハウスメーカーの半額くらいで家を建てられるということで、そこを売りに「ローコスト住宅専門店」と打ち出しました。メインのコンテンツは、トップページ・イベント情報・見学会予約・商品プラン・会社概要の5つに絞り、残りの情報はページ左側に入れています。こちらでは広告を打っていないにもかかわらず、ホームぺージからの問い合わせが月5件~10件ほどはあるそうです。

〈参考〉
コマッコハウス〈青森県十和田市〉格安798万円~で新築住宅が買える

他にも、主婦をターゲットにした住宅会社のホームページ制作にも携わりました。女性の従業員が多く、可愛い系の家作りを得意としていたので、デザインやフォントも女性を意識したものにしました。メインコンテンツは6つにまとめ、特に施工事例に力を入れてたくさんの写真を掲載しました。見学会予約をサッカーのゴールになぞらえると、ラストパスに該当するのが「ゴール前ページ」です。予約ページの最上部で、来場&事前アンケートで最大3,000円分のお食事券をプレゼントすることをアピールして集客を狙いました。そのお食事券の利用先には、びっくりドンキーを選んだのですが店舗の近くにあって来店時に使いやすいと思ったからです。こういう仕掛けや工夫があると予約率がちょっと上がります。

どちらの会社にも共通しているのが、お客さまにストレスを与えないホームぺージを目指した点です。見学会予約の導線を至るところに用意したりはせず、予約フォームの入力は会社やサービスにもよりますが、必須項目を極力減らしました。「いつの間にか自然に予約していた」ホームぺージになるよう、お客さまの行動を考慮して設計しています。

――ホームぺージを作ってみたいと思っている会社、特に建設業界に向けてメッセージをお願いします。

コロナ禍で見学会などは完全予約制になりましたし、付き合いの飲み会も減り、スケジュールコントロールがしやすくなっていると思います。この機会に空いた時間をホームぺージ作成に充てて、新規顧客を開拓してみるのもよいでしょう。ホームぺージ制作の第一歩としてやるべきことは、自社制作・外部依頼にかかわらずターゲットを設定することです。ここがきちんと決まっていれば、ホームぺージの方向性がブレることはありません。会社の強みを把握するためにも、まずこの作業から始めることをおすすめします。

著者:弥報編集部
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