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【小室淑恵に聞く】残業月1.1時間削減で人気企業に!人材確保に悩む中小企業に「新しい働き方」がメリットをもたらす

2020年4月から、働き方改革関連法が中小企業にも適用されるようになりました。「5日以上の有給休暇の取得」のように義務化されたものは当然行うべきですが、「それ以外に手が回らない」「経営を圧迫するのでは」という声も聞かれます。しかし新しい働き方は、中小企業にとって負担となるだけではありません。特に、人材確保に大きなメリットをもたらすと聞けば、積極的に取り組んでみたいと考える経営者も多いのではないでしょうか。

そこで弥報Onlineでは、株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長の小室 淑恵さんに、中小企業における新しい働き方の現状や実践・持続の方法についてお話を伺いました。今回は残業時間の削減に成功した事例や、休みやすい環境作りのコツを教えていただきました。

<その他の組織づくり記事は【こちら】から>

小室 淑恵(株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長)

2006年に株式会社ワーク・ライフバランスを設立。多種多様な価値観が受け入れられる日本社会を目指して、多数の企業・自治体などに働き方改革コンサルティングを提供し、多くの成果を出している。自らも子育てをしながら、会社としても全社員が残業ゼロと有給取得100%を実現したうえで、増収増益を達成し続けている。

雪深い新潟の製作所が「残業月1.1時間」で人気企業に

2019年に働き方改革関連法が施行されて以来、積極的に対応している会社では離職率の低下など、人材確保の面で大きな効果が見られています。私が携わった新潟県のサカタ製作所では、わずか2年間で残業時間を一人平均月1.1時間まで減らしました。男性の育児休業は取得率・取得日数とも高水準で、厚生労働省の「イクメン企業アワード2018」にて両立支援部門グランプリを受賞しています。

サカタ製作所は雪深い場所にあり、採用には苦戦していました。ですが、新しい働き方を取り入れてみたところ「働きやすい会社」という評判が広まり、今では多くの人材が集まっています。求職者が魅力に感じるのはもちろん、親御さんや周囲にも「あの会社は良い」と勧められるそうですよ。少ない残業時間にもかかわらず、業績も堅調に上がっています。

内閣府の調べによると、新型コロナウイルス感染症の流行を経て「以前より生活を重視するようになった」という人が増えてきました。家族に喜ばれる働き方をしたいとか、プライベートの活動も充実させたいという希望が会社選びに反映されるわけですから、サカタ製作所のような会社に人気が集まるのも自然な流れと言えるでしょう。

平均寿命が伸びて人生100年時代に突入すると、働いている年数よりそれ以外の時間のほうが長くなります。人の価値観も、仕事から家族・地域社会が中心の考え方へと変化してきました。若い世代はその意識がより強いため、人材確保に苦しむ中小企業こそ、新しい働き方の整備が急務です。コロナ禍で地元に留まる求職者も出てきた今、特に地方の会社はスピーディーに対応する必要があります。

休みやすい環境作りは、「属人化」の排除から

中小企業が新しい働き方を行う最大のメリットは、「会社のイメージアップにつながる」ということです。中小企業は、大企業に比べるとブランドバリューの面でどうしても差が出ます。人材確保や従業員のモチベーション向上のためには、働く場所の柔軟化といった新しい働き方の整備が欠かせません。また、中小企業は地域とのかかわりが深く、地元の評判が人材確保に大きく影響します。先ほどご紹介したサカタ製作所は、その典型的な例といってよいでしょう。

特に柔軟な働き方を必要としているのが、「子育て・介護世代」です。最近は、家族の病気の治療や介護をしながら仕事をするケースも珍しくありません。このような人たちは、突発的な休みや長期の休みが発生したり、労働時間の制約が続くといった課題を抱えています。

休暇などの制度を用意して終わりではなく、実際に使いやすいものにするには、属人化を排除しなければなりません。つまり、「その人にしかできない仕事」を作らないということです。仕事の見える化・共有化により、「今は休みが多いけれど、育児が終わったら私が他の人を支えてあげよう」といった「お互いさま」の意識が生まれてきます。そのためにも、普段から社員間でコミュニケーションを取っておくようにしてください。

子育て・介護による離職は週休3日制でストップ

東京都が実施した「令和2年度 中小企業労働条件等実態調査」によれば、従業員が今後会社に導入してほしいと思う働き方のトップは「週休3日制」です。私の会社(株式会社ワーク・ライフバランス)では、有給休暇にプラスして34日間の休暇制度を作ったことで、週休3日を実現しました。休暇に祝日などを含めると、だいたい週休3日になります。

また、休暇取得に関しては事前の申請を不要にし、社員が必要な時にいつでも取得できるようにしました。さらに15分単位の休暇取得を可能にすることで、予測が難しいお子さんの世話で15分遅れたり、介護のため30分早く帰るなど、急な対応にも活用できるようになりました。

子育て・介護世代を中心に、週にあと1日休みがあれば仕事を辞めないで済んだという人はたくさんいます。週休3日なんて絶対無理だと最初は思うかもしれませんが、せっかく育てた従業員がその1日のために辞めてしまってもよいのでしょうか。新しい人を募集するのにお金をかけて、ベテラン社員がつきっきりで指導して……。それよりも、休暇の活用でいろいろな事情を乗り越えて、雇用を維持することをおすすめしたいです。

ちなみに、子育てなどの事情を抱えていない従業員は、まとめて1か月休んで旅行に行ったりしています。どんな理由で休暇を取ったとしても、その間支えてもらったという意識があれば、いつか必ず支える側に回ってくれます。

どんな会社でもテレワーク可能。助成金も活用して

新しい働き方といえば、急速に身近になったのがテレワークで、中小企業でもここ1年でぐんと増えました。2021年に東京商工会議所が実施した「緊急事態宣言下における中小企業のテレワーク実施状況に関する緊急調査」を見ると、従業員30人未満の会社でも45%がテレワークを導入しています。その背景にあるのは、取引先が対面のコミュニケーションを求めなくなったという変化です。これまで中小企業でテレワークが浸透しなかったのは、必ずしも中小企業側だけの原因ではなく「対面=熱意」と考えているような取引先に忖度せざるを得なかった部分もあるのではないでしょうか。

中小企業がテレワークを導入しない理由として最も多いのが、「テレワークできる業務がない」ということです。しかし私は、規模に関わらずどんな会社でも、仕事の半分はテレワークにできると考えています。現状オフィスでしかできない業務も、ITを活用すれば遠隔操作が可能になるかもしれません。

テレワークの導入には通信機器などの設備が不可欠ですが、「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」「IT導入補助金2021」など国や自治体が助成金を用意しています。オフィスの家賃や交通費のように削減できるコストもありますし、このタイミングでテレワーク環境の構築に投資してみてもよいかもしれません。

導入後の課題となるのが、チャット・Web会議といったオンライン上でのコミュニケーションの取り方です。慣れるまでは、ある程度時間がかかるのが当然ですが、使い始めた最初の段階で「不便」「導入する前のほうが良い」と判断を下してしまうと、定着しない可能性があります。もし従業員の中でIT関連のツールに疎い方がいる場合は、理解してもらえるよう、ていねいに進めてください。チャットなどを活用することで、意見交換が活発になったというケースもありますよ。

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著者:弥報編集部
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