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優秀な社員にこそ、リクルーティング業務を任せよう!【小さくても最強の会社をつくる 人材戦略講座】

中小企業の経営者は、優秀な人材ほど目の前の業績に関与する部署(例えば、営業や商品開発の現場)に配属させたいと考えるものです。しかし、中長期的な視点で企業の成長を考えた場合、目先の利益にとらわれず、優秀な人材を確保し続けることが不可欠です。

そのためには、優秀な人材を「採用(リクルーティング)業務に登用する」ことが重要になります。

執筆者:田中 和彦

株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、リクルートに入社し、4つの情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)、『時間に追われない39歳からの仕事術』(PHP文庫)、『仕事で眠れぬ夜に勇気をくれた言葉』(WAVE出版)など多数。

目先の業績よりも、5年後、10年後を見据えた人材採用戦略を

企業にとって優秀な人材の確保が重要であることは、とりわけ中小企業の経営者なら誰もが認めていることです。

しかし、実際にどれだけの中小企業が人材の採用戦略に重きを置いているかというと、残念ながら目先の業績を優先させている企業のほうが多いと言わざるを得ません。新卒であれ中途であれ優秀な人材が入社したとして、その社員を次の人材を採用するためのリクルーティング業務に就かせることができる経営者は少ないもの。

なぜなら「売上を上げること」「商品を開発すること」「システムを見直すこと」など、企業にとって喫緊の課題を優先させるのは、当面の業績を考えると当然のことだからです。しかし、5年後、10年後という中長期的なスパンで企業経営を考えた場合、他社との差別化の要因となるのは、「優秀な人材がいるかどうか」です。商売の基本であるモノを売ることも、モノを作ることも、結局は人の行動がもたらすものだからです。

企業経営の成否は詰まるところ、人材の優劣にかかっています。優秀な人材をどれだけ獲得できるかが企業の成長の鍵となるのです。

採用担当者が社内でピカイチだからこそ、次のピカイチを採用できる

リクルーティング業務において、経営者自らが積極的に関与していくことは当然のこと。また、経営者が会社の顔であることは間違いありません。

しかし、採用の現場においては、新卒や中途の応募者にとって、採用担当者(あるいは人事担当者)こそが、経営者とは別の意味で最初に出会う会社を代表する顔になります。その担当者の第一印象が、応募者の入社の動機付けの大きな要因になると言っても過言ではありません。

中小企業に入社を希望する人たちの理由の上位に来るのは「小さな会社だからこそ、早く成長できる環境がある」というものです。大企業と比べて自分を早く成長させてくれるという期待感が最終的な入社の決め手になるのです。

そんな大きな期待を持った応募者が、しょぼくれた顔の採用担当者に会ったとしたら、どう思うでしょうか。「ああ、ここは自分を成長させてくれる会社ではないな」と、その時点で入社の意思をなくしてしまうでしょう。

目の前に優秀な人材が存在しているからこそ「やっぱり若くして成長できるんだ」と、その意思を強くし、入社を決心してくれるのです。

「優秀な人材には営業や商品開発をやらせたい」という経営者の気持ちはよくわかります。ただ、私はそれでも「ピカイチな人材こそ採用担当に抜擢すべきだし、それでこそ次のピカイチな人材の採用が可能になる」ことを声を大にして言いたいと思います。

「分不相応の連続線」による採用が、企業を急成長させる

優秀な人材を採用担当者に登用したときに、彼らに伝えるべきことは「自分にとって扱いやすい人材ではなく、むしろ手強く扱いづらいくらいの後輩を採用すべし」ということ。誰もが自分にとって扱いやすい人を好ましいと思いがちですが、そういう人材は結果的にこぢんまりとまとまってしまいます。扱いづらいくらいのほうが、後に大化けする可能性があります。

あるベンチャー企業の経営者が採用担当者に示した採用基準は「自分の上司になりそうな人」というシンプルなものでした。「今いる社員よりも優秀な人が入社し、既存の社員を超えていくからこそ、会社は急成長できる」というのがその理由です。

現状の会社の規模に見合った人材を採用することはたやすいことですが、それだとその規模に満足した人材しか採れず、結果的に会社は規模の拡大を図れません。ましてや急成長など望めるはずもありません。現状に満足しない人材を採用して初めて、企業は今の器を超えていくのです。

人材採用における「分不相応の連続線」とは、「急成長を目指す企業は、常に分不相応な人材を採り続けていかなくてはならない」ということを表現しています。企業の成長ペースと求める人材の質の向上は常にイタチごっこの関係が望ましいのです。

リクルーティング業務は、優秀な人材の離職防止効果もある

ここまで優秀な人材のリクルーティング業務の登用の重要性を説いてきました。しかし、どうしてもリクルーティング業務を専任にするのが難しい場合は、他の仕事との兼務でもいいので、採用の現場で応募者と接する時間を捻出してもらってください。

リクルーティング業務は、会社を代表して会社のことを伝える仕事でもあるので、採用担当者の視点が経営者に近くなり、会社で働くモチベーションを向上させます。

ある企業の例で、営業職に就いていた若手社員のモチベーションが下がり、会社を辞めるかもしれないという話を聞いた経営者が、あえてその社員を新卒の採用担当とし、会社の説明や面談などを任せました。

すると、その社員がリクルーティング業務で、自分の後輩に自社の魅力や仕事のやりがいを力説していくうちに、徐々に自分自身のやる気がよみがえってきて、見違えるように元気になったそうです。

「雇われる側の視点」から「雇う側の視点」になれたことと、後輩に語りかける内容が、自分自身にも響いたようで、再び営業の現場に戻ると、いきなりトップ営業マンに登りつめたということです。このように、採用業務には優秀な人材の離職防止効果もあるのです。

優秀な人材だからこそ、目先の業績に好影響を与える部署に配属させたいという経営者の気持ちは、私も心情的にはよく理解できます。しかし、中長期的な視点を持って企業を成長させるために、リクルーティング業務にぜひ登用してみてください。きっと想像以上の素晴らしい成果を上げてくれるはずです。

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田中 和彦(たなか かずひこ)/ 人材コンサルタント
著者:田中 和彦(たなか かずひこ)/ 人材コンサルタント
株式会社プラネットファイブ代表取締役。人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、リクルートに入社し、4つの情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)、『時間に追われない39歳からの仕事術』(PHP文庫)、『仕事で眠れぬ夜に勇気をくれた言葉』(WAVE出版)など多数。

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