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今の時代、勉強はYouTubeで十分!会計士・山田真哉おすすめ「見るだけで役立つ会計ビジネス系チャンネル」

2020.01.22

著者:弥報編集部

監修者:山田 真哉

公認会計士兼税理士であり、ベストセラー本『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』や会計小説『女子大生会計士の事件簿』を出版するなど、作家の顔も持つ山田真哉さん。

最近ではYouTubeで「オタク会計士チャンネル【山田真哉】少しだけ会計で得する」の生配信を始め、「今の時代、会計の勉強はYouTubeで十分!」と実感されているそうです。そこで今回は弥報Online読者に向けて、見るだけで役立つおすすめの会計関連チャンネルを紹介してもらいました。

YouTuberを始めた理由は「お客さんと求人のため」

山田先生は芸能界に特化した会計事務所の代表を務めるなど、会計士として独自路線を歩まれている印象があります。今、YouTubeでの生配信に力を入れているのには、どんな狙いや理由があるんですか?

生配信を始めたのは2018年12月からで、ようやく丸1年。チャンネル登録者数も2万人を超えて、ホッとしているところです。元々、私は演劇やアニメなどの芸能関係が好きでYouTubeもよく見ていました。そのうえで、自分が配信する側になってみた理由は2つあります。

1つ目は、お客さんにYouTubeをやる方が増えてきたからです。芸能界に特化した会計事務所として狭く深く、質の高いサービスを提供するためにも、自分でYouTubeの仕組みを知ることは欠かせません。

例えば「YouTubeからの広告収入がどのくらい、どのタイミングで支払われるのか」など、配信側の事情を知りたいな、と。そのあたりは1年間やってみて再生回数と収入の関係がだいたい掴めてきました。

2つ目は、求人のためです。業界業種にかかわらず、中小企業の経営者の方は「どうしたら優秀な人材を採用できるか問題」に頭を悩まされていると思います。会計事務所も同じで、大手の求人サービスに出稿しても応募がない状況が続いています。

でも、そうかと思えば「Twitterで検索してみつけました!」と連絡してくる学生がいるわけです。昔では考えられないルートですが、今後はそこにYouTube経由も加わるだろう、と。

私はビジネス系YouTuberとして後発ですが、何事もやっておくことで思わぬ価値が生じていくのもネットのおもしろさかなと思っています。

YouTube+専門書や過去問で、資格試験もクリアできる!

YouTubeで「会計」とキーワード検索すると、山田先生のチャンネルも含め、本当にたくさんの動画が表示されます。なかには本格的な授業形式のチャンネルもあり、想像以上に「学ぶ」目的で役立ちそうな印象です。

これまで会計の勉強と言えば、専門学校や社会人向けの講座に通ったり、何万円もするDVD教材のセットを買ったり、専門書を読んだりするのがスタンダードでした。でも、今はYouTubeに本当にたくさんの役立つ動画がアップされています。正直、動画と専門書や過去問題集を組み合わせることで資格試験もクリアできるはずです。

YouTubeで会計を学ぶメリットにはどのようなものがありますか?

まず動画は無料ですから、おトクですよね。メリットを挙げていくと、

  • 「決算」「年末調整」などのキーワード検索で、わからないことをピンポイントで解説してくれる動画にたどり着ける
  • 専門書や参考書で学ぶよりも、解説付きで頭に入りやすい
  • いつでも、どこでも動画を見ながら勉強できる
  • 学校や講座で学んだことの復習にも使える
  • 専門家セカンド・オピニオンを知ることができる
  • 大事なので二度言いますが「しかも、無料!」です

逆にデメリットがあるとすれば、クオリティが玉石混交で、なかには無駄話が長く、学びの少ない動画もあります。そんなときは何分か無駄にしてしまったと割り切って、さくっと閉じましょう。

実際、「会計」「年末調整」で検索しても膨大な数の動画が出てきます。「何を見ればいいのかわからない問題」は、どうクリアしたらいいでしょう?

やっぱり再生回数と高評価の数をチェックするのが、早道だと思います。数字は嘘をつかないですから。あとはいくつか動画を見比べてみて、自分の好みを知ることも大事です。いわゆるYouTubeらしいハイテンポの編集とテロップを組み合わせた動画が好みなのか、専門学校の授業っぽい落ち着いた動画の方が学びやすいのか。同じ動画でも見る人によって評価は変わってきますからね。

経理担当者、個人事業主、経営者……タイプ別おすすめYouTubeチャンネルは?

では、会計が学べるおすすめのYouTube動画を教えください。

たくさんあるので、3つのブロックに分けて紹介しますね。

まずは現在、経理や総務の仕事をしていてある程度、会計実務の知識のある方におすすめのチャンネルです。「仕事の上で生じた疑問を素早く解決したい」、「会計への理解をより深めたい」ためなどに活用してみてください。

税理士YouTuberチャンネル!! /ヒロ税理士

「税理士×YouTuber×経営者」というヒロ税理士のチャンネル。ご自身でも10数名のスタッフを抱える会計事務所を経営していて、動画を見ると中小企業に関連する税務への強さがヒシヒシと伝わってきます。法人税の詳しい解説、節税の具体的な方法など、個人事業主、中小企業経営者にも響く動画が豊富で、更新頻度が高いのも魅力です。

税理士大河内薫の税金チャンネル

「サルでもわかる小規模企業共済」や「サルでもわかるiDeCo」、「税務調査に入られやすい人の特徴」「税理士が選ぶ やらなきゃ損! 節税ランキングベスト10」など、引きの強いタイトルの動画が並ぶ税理士・大河内薫さんのチャンネルです。楽しく税務の知識を仕入れながら、学びを深めることができます。

弥生カレッジCMC

弥報Online読者の方たちは仕事で弥生製品を使っているでしょうから、こちらもチェックしておきたい公式チャンネルです。弥生製品の入力方法の解説動画は使い方がわからないとき、より効率的な使い方を知りたいとき、かゆいところに手が届く内容です。また、簿記(日商簿記・全経簿記・建設業経理士)の講座など、本気の教室授業も動画で学べます。

国税庁動画チャンネル

http://www.youtube.com/embed/Jqw7cFSJDzU

圧倒的な情報量の「消費税軽減税率制度」の解説動画など、本家本元である国税庁の動画チャンネルです。税務について学ぶとき、間違いのない情報がほしいとき、押さえておきたい情報源です。

これから会計を学ぶ初心者向けにおすすめのチャンネル

続いては、経理業務に携わったばかりの会計ビギナーの人、弥生製品を使ってはいるけど「会計については初心者だから、ちゃんと学びたい」という人向けの動画チャンネルです。

柴山政行公認会計士・税理士

「経理入門」「簿記入門」といった初心者向けのコンテンツが充実。また、各種資格のための対策動画も豊富で、専門学校や講座で学べる内容が凝縮されています。また、柴山政行さんは本も出版されているので、動画とセットで勉強できるというメリットも。広く会計に学びたい人におすすめのチャンネルです。

税理士 くぼっちの 3分くらい税金クッキング

「3分くらい」とうたっている通り、コンパクトにまとまってわかりやすく初心者向け。税理士の久保田佳樹さんが放映中の人気ドラマのワンシーンをテーマに経理や税務のノウハウを解説されていて、わかりやすいチャンネルです。

オタク会計士チャンネル【山田真哉】少しだけ会計で得する

私のチャンネルは会計ど真ん中というよりは、時事ネタの解説や会計の知識で得する情報を発信しています。経理担当の人、総務担当の人は社内で従業員の方からNISAやiDeCoについて質問されることも多いと思いますが、その手の知識を仕入れるのには適したチャンネルだと思います。

他の会計士・税理はどう考えている?さまざまな考えや知識を得るためにも有効

個人事業主、中小企業の経営者の方におすすめはありますか?

仕事柄多くの個人事業主、中小企業の経営者の方にお会いしますが、自分で事業を動かす分、孤独を感じる局面があると言います。

そんなとき、相談相手となるのが士業の私たちではありますが、いつでも、どこでも話を聞けるわけではありません。また、言葉にならない不安や愚痴を受け止める相手としてはふさわしくないところもあります。

紹介する2つのチャンネルは、会計や経営の実務に関わる知識を解説しながら、個人事業主、中小企業の経営者の方の「心の機微」にも触れてくる不思議な魅力を放っています。

元・国税調査官【税金坊】根本和彦

「税金坊」というニックネームからも伝わるように、YouTuberらしくキャラの立った元・国税調査官が税務の裏側を教えてくれます。「税務調査のターゲットはココで決まる」「飲食店はコレをしていると税務署に狙われる」など、個人事業主、中小企業の経営者の興味を引く動画がいくつもアップされています。

キミアキ先生の起業酔話

中小企業の経営者なら思わず「あるある」とつぶやいてしまう内容の動画が充実した起業コンサルタント、タナカキミアキさんのチャンネル。会計に関する話題に限らず、経営、起業、採用、人材育成など「その悩み、あるな」という現場目線のエピソードが続きます。

初心者向け、実務者向け、経営者向けの動画を紹介していただきましたが、見て学んだ内容をどういう形で日々の業務に活かしていったらいいのでしょう?

単純に「日々の疑問が解けた」「そうやればいいのか」「そんなやり方があるのか「その悩みわかる」「言い切ってくれてスカッとした」など、カタルシスを感じるだけで動画を見る価値はあると思います。

ただ、実務にという意味で言えば、一連の動画はセカンド・オピニオン的に使うことができます。「他の会計士、税理士はこの問題をどう考えているのだろう?」「どこまで経費に含めるのだろう? 解釈の違いはあるのだろうか?」など、YouTuberは異なる見方をしているかもしれません。

そういった知識を仕入れたうえで、顧問先の会計士や税理士、あるいは税務署に質問することでより良い仕事ができるようになるはずです。

この記事の著者

弥報編集部

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この記事の監修者

山田 真哉(公認会計士・税理士)

東進ハイスクール、中央青山監査法人を経て、芸能文化税理士法人会長。主な著書に、160万部のミリオンセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)、シリーズ100万部『女子大生会計士の事件簿』(角川文庫他)。現在、『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』(文化放送)などの番組を持ち、内閣官房の委員や(株)ブシロードなどの社外監査役を務める

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